隣接行列 𝑉 = {𝑣1, 𝑣2, 𝑣3, 𝑣4, 𝑣5} 𝐸 = {(𝑣1, 𝑣1), (𝑣1, 𝑣4), (𝑣2, 𝑣1), (𝑣2, 𝑣3), 𝑣 3 , 𝑣2 , 𝑣3 , 𝑣5 , 𝑣 4 , 𝑣1 , 𝑣4 , 𝑣4 , (𝑣5, 𝑣3)} (a) 集合表現 1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1: 辺が有る 0: 辺が無い (b) 隣接行列 隣接行列のブール積 グラフ 𝐺 = (𝑉, 𝐸)の隣接行列 𝐺のブール積𝐺2 ブール積 ブール和 (𝑖, 𝑗)成分 𝑔2 𝑖𝑗 = 𝑔𝑖1 𝑔1𝑗 + 𝑔𝑖2 𝑔2𝑗 + ⋯ … + 𝑔𝑖|𝑉| 𝑔|𝑉|𝑗 𝐺に辺(𝑖, 1)と辺(1, 𝑗)があるか? 径路「𝑖 → 1 → 𝑗」の有無 𝐺に辺(𝑖, 2)と辺(2, 𝑗)があるか? 径路「𝑖 → 2 → 𝑗」の有無 𝐺に辺(𝑖, 𝑉 )と辺( 𝑉 , 𝑗)があるか? 径路「𝑖 → |𝑉| → 𝑗」の有無 それらの論理和: 𝑖 から 𝑗への長さ2の径路の有無 多重グラフの隣接行列の積 グラフ 𝐺 = (𝑉, 𝐸)の隣接行列 𝐺の算術積𝐺2 算術積 算術和 (𝑖, 𝑗)成分 𝑔2 𝑖𝑗 = 𝑔𝑖1 𝑔1𝑗 + 𝑔𝑖2 𝑔2𝑗 + ⋯ … + 𝑔𝑖|𝑉| 𝑔|𝑉|𝑗 𝐺で 𝑖 から1への辺の数と 1から 𝑗 への辺の数の積 𝐺で 𝑖 から|𝑉|への辺の数と |𝑉|から 𝑗 への辺の数の積 径路「𝑖 → 1 → 𝑗」の数 径路「𝑖 → |𝑉| → 𝑗)」の数 算術和: 𝑖 から 𝑗への長さ2の径路の数 ケーニヒスベルクの橋 ケーニヒスベルクを流れるプレーゲル川には、市の中心地で大 聖堂の建っている中州クナイプホーフ島ともう一つの大きな中洲が あり、それらを中心に両岸へ以下のように7つの橋が架かっている。 この7つの橋を各1度ずつ通って、元の場所に戻ってくることができ るかどうか? ただし、同じ橋を2度以上通ってはならない。 Wikipediaより オイラーの定理の必要条件の証明 必要性: オイラーグラフ ⇒ 連結かつすべてが偶節点 𝐺 をオイラーグラフとし,そのオイラー閉路を 𝐿 とする 「𝐺が連結グラフであること」の証明 𝐺 に孤立点はないので,𝐺中の各節点はいずれかの辺に接続し ており、その辺はオイラー閉路𝐿に含まれる。 すなわち、𝐺中の任意の2節点間に𝐿に沿った径路(小道)がある。 「𝐺の節点はすべて偶節点であること」の証明 任意の節点 𝑣 を考える。 𝐿は𝐺中の辺をそれぞれ1回ずつ含んでいるので、 𝑣に接続された 辺もそれぞれ𝐿に1回ずつ含まれる。 𝐿は閉路なので、𝐿 中で𝑣 に入る辺の数と、𝑣 から出る辺の数は等 しいので、それらの和は偶数となり 𝑣 は偶節点となる。 オイラーの定理の十分条件の証明 以下によりオイラー閉路を(再帰的に)構成できる (1) 任意の節点を通る小道の閉路 𝐿 を構成 「すべて偶節点」なので、適当な節点から出発しても必ず閉路 は見つかる (2) 𝐿 がすべての辺を通るならば終了 (3) そうでなければ 𝐺 から 𝐿 を除いたグラフ 𝐺1 もすべてが偶節 点であり、かつ𝐺1 と 𝐿 は少なくとも一つの節点𝐴を共有 (4) 𝐺1中の𝐴を含む閉路 𝐿’ をみつけ、𝐿 とつなげたものを新た な 𝐿 として(2)へ 𝐺1 𝐿’ 𝐴 𝐿 オイラー閉路の再帰的構成 オイラー閉路の再帰的構成 オイラー閉路の再帰的構成 無向木 端点 A D E 分岐節点 C H B G F 無向木の定義4種 𝑇 = (𝑉, 𝐸)が木であるとは (A) 𝑉中の任意の2節点間に順路(径路)がただ一つ存在する (B) 𝑇は連結かつ無閉路 (C) 𝑇は連結かつ 𝐸 = 𝑉 − 1 (D) 𝑇は無閉路かつ 𝐸 = 𝑉 − 1 無向木の定義4種の同値性 𝐴 ⇒ 𝐵 : 任意の2節点間に順路がただ一つ存在⇒連結∧無閉路 対偶「~(𝐵) ⇒ ~(𝐴)」を示す ~𝐵 = ~(連結∧無閉路)= ~連結 ∨ ~無閉路 𝑇が連結でない ⇒ 順路の存在しない節点対が存在 𝑇が閉路を持つ ⇒ 2つ以上の順路をもつ節点対が存在 Q.E.D. 無向木の定義4種の同値性(続き) (B)⇒(C): 𝑇 = (𝑉, 𝐸)が連結、無閉路 ⇒ 𝐸 = 𝑉 −1 数(自然数)の話になるので数学的帰納法を使うことを考える |𝑉| = 1のとき 𝐸 = ∅なので成立 |𝑉| = 𝑘なる任意の連結無閉路なグラフ𝑇 = (𝑉, 𝐸)について、 𝐸 = 𝑘 − 1が成り立つとする 𝑉 = 𝑘 + 1なる連結無閉路なグラフ 𝑇 = (𝑉, 𝐸) を考える 𝑇は閉路を持たないので最長の順路𝑃を考えると、その始点は 次 数1である 𝑇から順路𝑃の始点とそれに接続する辺一つを除いた𝑇’ = (𝑉 ′ , 𝐸 ′ ) を考えると、𝑇′は連結かつ無閉路で、 𝑉 ′ = 𝑘となり、帰納法仮定よ り 𝐸 ′ = 𝑘 − 1なので、 𝐸 = 𝐸 ′ + 1 = 𝑘 = 𝑉 − 1となる。 以上より任意の節点数 𝑛 について題意が成立する。 Q.E.D. 無向木の定義4種の同値性(続き) (C)⇒(D): 𝐸 = 𝑉 − 1かつ連結⇒無閉路 背理法による証明 𝑇 = 𝑉, 𝐸 が 𝐸 = 𝑉 − 1かつ連結で閉路をもつと仮定する。 このとき、𝑇中の閉路上の辺を一つ除去した𝑇 −1 = 𝑉, 𝐸 −1 は連結 であり、 𝐸 −1 = 𝑉 − 2である。 同様の操作を𝑇 −𝑚 = (𝑉, 𝐸 −𝑚 )が無閉路になるまで続けると𝑇 −𝑚 (𝑚 ≥ 1)は連結かつ無閉路で 𝐸 −𝑚 = 𝑉 − (𝑚 + 1)となる。 直前に示した「(B)⇒(C)」に反する。 すなわち当初の仮定が誤っており、 𝑇 = 𝑉, 𝐸 が 𝐸 = 𝑉 − 1 かつ連結であれば、𝑇は閉路を持たない。 Q.E.D. 無向木の定義4種の同値性(続き) (D)⇒(A): 𝑇 = (𝑉, 𝐸)が無閉路かつ 𝐸 = 𝑉 − 1なら、 任意の節点間に順路がちょうど一つ (remark) 𝑇は閉路を持たないので、 任意の節点間の順路は高々一つ(0か1) (背理法) ある2つの節点間に順路がない、すなわち𝑇が非連結と する。 このとき𝑇は𝑘(≥ 2)個の連結成分 𝑇1, … , 𝑇𝑘 (𝑇𝑖 = 𝑉𝑖 , 𝐸𝑖 )に分割 することができ、 𝑉, 𝐸 はそれぞれ 𝑉𝑖 , 𝐸𝑖 (1 ≤ 𝑖 ≤ 𝑘)の直和になる。 既に示した「(B)⇒(C)」より 𝐸𝑖 = 𝑉𝑖 − 1であることと𝑉, 𝐸がそれ ぞれ 𝑉𝑖 , 𝐸𝑖 の直和であることより、 𝐸 = 𝑉 − 𝑘 (𝑘 ≥ 2)ということに なり、 𝐸 = 𝑉 − 1という前提に矛盾する。 すなわち、ある2つの節点間に順路がないとの仮定が誤りであり、 𝑇のすべての節点間にちょうど一つ順路が存在することになる。 Q.E.D. 有向木 根 分岐 節点 葉 辺が上から下に向くよう節点を配置し辺の向きを省略する
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