「開発とローカリズム」 10.31.02 「人口調査・地図・博物館」 後期博士課程 渡部厚志 ([email protected]) 0.発表の流れ • • • • • 「想像の共同体」 人口調査 地図 「イサーン」の形成 まとめ 1.「想像の共同体」 • 国民は「イメージとして心に描かれた想像の政治 共同体」 • 「国民国家」以前の王国権力…区切られた領域 の隅々まで同じ国民が住む国家ではない • ラテンアメリカを起源とする「国民国家」 行政区分の(宗主国との/植民地内の)分断 +日常言語によって印刷されたメディアの普及 →「われわれ国民」の想像が可能に 2.人口調査 2-1 「アイデンティティ範疇」 • なにごとも分類してやまない植民地国家の 精神による想像 →当事者による受容には時間がかかる • 完全性、明晰性をもとめる熱意 …すべての人がひとつの場所を持つ 2.人口調査 2-2 人口調査のふたつの特徴 • 「会社の船の上」からの人種的分類 …当事者の分類や内部の多様性とは無関係 • 「数量化」=一系列の、複製可能な「○○人」 「ひとりのコーチシナ人は、ある国家領域に住む、 集計可能な一系列のひとつの数」 =あたらしい人口統計学的地形学 2.人口調査 2-3 並列の観点 • 民族・人種ヒエラルキーにもとづく官僚機構 「中国人は中国人、マレー人はマレー人」それぞ れの学校、裁判所、警察、入管… →同じ経験を共有する「われわれ」の想像 =当事者によるアイデンティティ範疇の受容 3.地図 3-1 19世紀シャムの地図 • 仏教的宇宙論の地図/軍事遠征や交通の案内図 • 重要なものの違い:国境は示されない • 目の高さで見たもの(縮尺の概念はない) 3.地図 3-1 19世紀シャムの地図 • 英仏との国境交渉難航…1820年代~60年以上 ・「支配領域」概念のくいちがい …多くの地方国(ムアン)の多重支配 ⇒近代的主権=排他的支配を確定せず ・「国境」概念のくいちがい • 近代地図の導入 「国境=排他的な主権国家を区切る線分」 →政治語彙(統治領域の概念)の変化 中心から想像した「クルン、ムアン」 (くに、市) から国境で区切られた「プラテート」(国)へ
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