R&Dマネジメント2 佐藤広大 R&Dマネジメントの概念1 既存のものの最適化に加えて、新しいものの 創造に関わらなければならない イノベーションのための研究チームをつくり動かす ことを学ばなければならない マネージャーは企業家でなければならない R&Dマネジメントの概念2 新たなマネジメントの課題は知識の生産性を 高めることである。 体系的な教育から学びとるもの、すなわちコンセプ トと理論によって働く R&Dマネジメントの概念3 研究のマネジメントはグローバルに行う必要 が出てきた 需要、供給、価値の観点からは1つのショッピング センターになっている 国境を越え、生産資源、市場機会、人的資源を最 適化すべくグローバル化をすべきである R&Dマネジメントの役割 自らの組織に特有の使命を果たす。 マネジメントはそれぞれの目的を果たすために存 在する 仕事を通じて働く人を生かす 現代社会においては、組織こそ一人の人間にとっ てコミュニティの絆を手にし、自己実現を図る場所 R&Dマネジメントの役割 自らが社会に与える影響を処理するとともに、 社会の問題について貢献する 研究機関の目的 研究機関も企業と同じように社会の機関であ り、目的は社会にある 企業の目的である「顧客創造」という目的に 達するには、資源を生産的に使用する必要 がある。同じように研究機関でも資源を生産 的に使用し、管理すべきである 生産性に重大な影響を与える要因 1. 知識:知識とは正しく適用したときもっとも生産的 な資源になる 2. 時間:時間は最も消えやすい資源である 3. 製品の組み合わせ:研究機関では知識や資源の 組み合わせでもある 4. プロセスの組み合わせ:自分たちの研究開発はい かなる部分で有効的に行えるかを考える 5. 自らの強み:それぞれの研究所の特有の能力を 活用し、特有の限界もわきまえることである 6. 組織構造の適切さ R&Dにとっての利益とは何か 利益とは何か? 1. 利益は成果の判定基準である 2. 利益は不確定性というリスクに対する保険である 3. 利益はよりよい労働環境を生むための原資であ る 4. 利益は医療、国防、教育、オペラ、などの社会的 なサービスと満足をもたらす原資である 自分研究をいかに定義するか 「われわれの研究は何か、何であるべきか」 自らがこの問いについて徹底的に検討を行わなけ ればならない 行わなければ、そこの組織内に矛盾が生じる 挫折や失敗の最大の原因となりうる 共通のものの見方、理解、方向付け努力を実現す るには、 「われわれの研究は何か、何であるべき か」を定義すべきである われわれの研究開発は何になるか 「われわれのR&Dは何になるか。われわれ のR&Dの持つ性格、使命、目的に影響を与 えるおそれのある環境の変化は認められる か」 「それらの予測をR&Dについてのわれわれ の目的、戦略などのなかに現時点でいかに 組み込むか」 予測される変化に適応するための問いである 現在の研究を修正し延長し発展させることである R&Dの目標 R&Dの定義は目標に具体化しなければなら ない 目標の設定となる部分がマーケティングのイ ノベーションである マーケティングの目標において ・集中の目標 集中すべき分野 市場地位 目指すべき地位は最大ではなく最適である イノベーションの目標において 1. 製品とサービスにおけるイノベーション 2. 市場におけるイノベーションと消費者の行動 や価値観におけるイノベーション 3. 製品を市場へ持っていくまでの間に置ける イノベーション 製品:ここでは研究の成果や結果と考えられる 社会的責任の目標において 研究機関にとって社会や企業との関係は自 らの存在に関わる問題である 社会性に関わる目標は研究の戦略に組み込 まなければならない 戦略計画 1. 戦略計画とは、思考であり資源を行動に結 びつけるものである 2. 戦略計画は予測ではない 3. 戦略計画は未来の意思決定に関わるもの ではない:現在の意思決定が未来において 持つ意味に関わるものである 1. 「不確実な明日のために今日何をすべきか」 戦略計画プロセス 1. リスクを伴う企業家的な意思決定を行う 2. その実行に必要な活動を体系的に組織す る 3. それらの活動の成果を期待したものと比較 測定するという連続いたプロセス R&D機関成功の条件 1. 「事業は何か、何であるべきか」を定義する 2. その目的に関わる定義に従い、明確な目標 を導き出す 3. 活動の優先順位を決める 4. 成果の尺度を定める 5. 自らの成果についてフィードバックを行う 6. 目標に照らして成果を監査する 仕事とは何か 1. 他のあらゆる客観的な事象を理解するため の分析 2. プロセスへの統合一人一人の仕事を生産 プロセスに入れる 3. 管理のための手段を組み込む 人の活動における5つの次元 1. 生理的な次元:人を機械として扱ってはいけ ない 2. 心理的な次元:自己実現のための活動 3. 社会的な次元:働くことが人と社会をつなぐ 主たる絆となる 4. 経済的な次元: 5. 政治的な次元: 成果を中心に考える 成果すなわち研究からのアウトプットを中心 に考えなければならない 発明家エジソンの場合 彼は常に、欲する製品を定義することから始めた。次に 発明のプロセスをいくつかに分解し、総合関係と順序を 明らかにした。プロセスの中のキーポイントごとに管理手 段を設定した。そして基準を決めた 研究のやる価値を与えるには 研究(仕事)そのものに責任を持たせなけれ ばならない 1. 生産的な研究 2. フィードバック情報 3. 継続学習 これら三つは自らの仕事、集団、成果につ いて責任を持つための基盤 生産的な研究 仕事を分析し、プロセスを統合し、管理手段と 基準を検討することによって研究に責任を持 たせる 独創性といえども基礎的な道具があって初め て力を発揮する 正しい研究の構成は直感的に知りうるもので はない フィードバック情報 自らの成果についてのフィードバック情報を 与えることである 自己管理が可能でなければならない 継続学習 知識労働が成果をあげるためには専門化し なければならないと同様 他の専門分野の経験、問題ニーズに接し、か つ自らの知識と情報を他の分野に適用できる ようにしなければならない 実行するにあたって 研究とチームに対して、成果と責任を組み込 むことである 共に研究する人たちを生かすべきものとして 捉えることである 強みが成果に結びつくようなチーム内の配置 社会的責任 自らの活動が社会に対して与える影響から 生じる 組織が社会に対して行ったことに関わる責任 自らの活動とは関わりなく社会自体の問題と して生ずる 組織が社会のために行えることに関わる責任 チームワークの課題 自らの知識と能力を全体の成果に結びつけ ること コミュニケーション(自らのアウトプットが他の 者のインプットにならない限り成果はあがらな い) 同僚が必要とするものを供給しなければなら ない チームとしての成果を組み込んでおかなけれ ばならない チームワークにおいてしてはならないこと 1. 2. 3. 4. 技能の分化 組織の階級化 報酬の位置づけ 階層の分離 チームワークの精神 組織の焦点は成果に合わせなければならな い 成果とは長期的なものである 組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせな ければならない 弱みより強みに目を向ける 誰が正しいではなく何が正しいかに関心を持 つ
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