6He及び5Heの深部空孔状態と クラスター構造 京都大学 原子核・ハドロン物理学研究室 中津川 洋平 京都大学 :中津川洋平 與曽井優 坂口治隆 安田裕介 寺嶋知 岸智史 銭廣十三 江守隆 岩尾快彦 阪大RCNP: 藤原守 伊藤正俊 吉田英智 中西康介 川瀬啓悟 橋本尚信 奥村俊 甲南大理工:山形民穂 秋宗秀俊 木下麻希 藁科信行 徳島大総合:中山信太郎 伏見賢一 神戸常盤短大:田中正義 JASRI :豊川秀訓 東京工業大学:内田誠 contents 研究の動機 実験 解析 7Li(p,2p)6He* 6Li(p,2p)5He* summary 7Li(p,2p)の偏極分解能 研究の動機 軽い原子核・・・単純な殻構造とクラスター構造が混在 軽くなるにつれ、高励起状態からの直接崩壊が多い。 ⇒構造は崩壊様式に反映 軽い核をターゲットにした(p,2p)反応で励起された s-hole状態の崩壊様式が調べられてきた。 6He(s-hole) 7Li →6Heでは? s-hole状態・・・ もっとも深い1s軌道陽子を 1つ叩き出した状態 (殻模型的表現) 7Li(p,2p)6Heで生成される6Heの 崩壊様式を調べ、その構造に関する情報を得よう ⇒E204 (Nov.2003) shell modelに基づく理論計算 ~励起スペクトルと崩壊の分岐比~ threshold t+t 12.3MeV 5He + n 1.77MeV α+2n 0.973MeV • 15MeV付近のbump • t + tは多くない (24%) 検出器・ターゲット SSD array 大阪大学RCNP Ring Cyclotron beam: 392MeV polarized proton ・ decay charged particles • (p,2p) reactions SSD array (Si semiconductor) dual spectrometer GR & LAS E204 100 or 20μm-5mm : 7 sets (~0 MeV/c recoil momentum 500μm-300μm : 8 sets for decay of the s-hole) E250 500μm-μ300m : 8sets • Thin targets :7Li (E204), 6Li (E250) 500μm only : 7sets Grand Raiden ,LAS & SSD Grand Raiden LAS SSD array target 7Li ~1.4mg/cm2 proton 7Li(p,2p)スペクトルと崩壊粒子のローカ ス all tritons detected s-hole状態からのt+t 崩壊の分岐比 ・・・ 72.1±1.56% ターゲット中でのエネルギーロス、discriminatorのthreshold . . . 十分高いエネルギー領域では ・・・ 92.3±2.62% shell modelの予想に反している! クラスター描像 tからknock out αからknock out 6Li(p,2p)5Heでは? • 新たな興味・・・6Li(p,2p)5Heではどんな崩壊モード が観測されるだろうか? 6Li・・・α+d s-hole状態からは d+tが多く観測されるのでは? 56He Li ⇒E250(Nov. 2004) 同様の実験を 6Li ターゲットで行う threshold t+d ・・・ 16.8 MeV α+n ・・・ -0.798MeV 6Li(p,2p)スペクトルと崩壊粒子のローカ ス d t α 崩壊モードの分岐比 α+n α+n 分岐比 s-hole全体 α+n d+t 21±1.1% 79% s-hole region d+t ( s-hole -(α+n) ) d+t α+n peak 領域 それ以上 (Ex=15.0~17.5MeV) (Ex>17.5MeV) α+n d+t 40±1.2% 60% α+n d+t 8±1.1% 92% summary 7Li(p,2p)6He 6He(s-hole)の崩壊様式・・・ t+t:72%以上 (tritonがすべて検出できるエネルギー領域では92%) 2つのtritonからなるクラスター描像がよく成り立つ 6Li(p,2p)5He 5He(s-hole)の崩壊様式 ・・・d+t が多いはず(6Heからの類推) 実験の結果⇒ α+n decayを含む鋭いpeak s-hole状態のスペクトル・・・2成分 偏極分解能 Ay ●核内の核子間相互作用・・・自由空間とは異なる ●自由空間での(p,p)の analyzing power(Ay)に 対する減少が観測されている ●最近の実験 4Heを中心とするいくつかの軽い核 (平均核密度とQ-valueが比例しない) でAyを測定 媒質効果?(平均核密度) or off-shell性?(Q-valueの違い) AyはQ-valueに対し滑らかに減少 s -hole状態におけるAyの減少 ( 7Li(p,2p) ) ●polarized beam ⇒spinをupとdownに分けて解析 ⇒Ayを計算 ●6Heの励起エネルギーごとのAy →s-holeの領域で Ayがなめらかに単調減少 同じ状態からの散乱で、励起エネ ルギーに対し変化 → Q-value依存 ? freeのAy? s -hole領域を 直線でfit 研究の動機 ~6Heの背景~ Akimune et al., 6Li(7Li,7Be)6He*→decay (charge exchange reaction) • 2つのtriton(3H)への崩壊 ⇒tritonクラスターの重要性 αクラスターの優位 もっと単純な反応で見よう ⇒本実験 ( (p,2p)反応 ) 7Li(p,2p) スペクトル t+t崩壊の分岐比 • SSDの数 8個 • 等方性を仮定 • branching ratio 4π[sr] Y(t+t) x x 5.97[msr] x 8 1 2 = Y(s-hole) = 72.1±1.56% • 各SSDの立体角= 5.97msr • 2 tritons ⇔ 1 decay 崩壊モードのゲート 崩壊粒子の識別 TOF(ターゲット-SSD)では 分離できなかった ⇒ d+t ローカス方向への射影で 崩壊モードを分ける d+t projection α+n Ay の解析 dσ dΩ Y↓ = dσ dΩ ( 1 + P↑Ay )Q↑n ⊿Ω ( 1 + P↓Ay )Q↓n ⊿Ω Q:入射粒子の総数 n:ターゲットの密度 dσ dΩ = Ay= ( 1 P↑-P↓ 1-α αP↑-P↓ Y↓P↑ Q↓ Y↑P↓ Q↑ [ α= ( Y↑ = 1 ⊿Ω n Y↓ Y↑ Q↓ Q↑ polarized proton beam ⇒ spin を up と down に分けて解析 Yieldを1MeVの幅で計数し、 各励起エネルギー (Q-valueに対応) に対しAy を求める。 ]
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