ヘビの尻尾と胴体

み
へび
巳(蛇)にまつわる童話
ヘビの尻尾(しっぽ)と胴体(どうたい)
(イソップ物語)
ある日、ヘビの尻尾(しっぽ)が言いました。
「わたしはいつも一番後からついて行くけれ
ど、たまには先頭になって歩きたいわ」
頭や胴体(どうたい)は、みんな反対し
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ヘビの尻尾と胴体(イソップ物語)
ました。
「きみはどうやって、ぼくらを引っ張って行く
つもりなの? 目も鼻もないのに」
けれども尻尾は、言う事を聞きません。
とうとう胴体たちは、引き下がりました。
尻尾は大得意で、胴体と頭を引きずって、
めちゃくちゃに進みました。
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ヘビの尻尾と胴体(イソップ物語)
そのうちにとうとう、石ころだらけの穴に落
ちて、全身傷だらけになりました。
すると尻尾は、猫なで声で哀れっぽく頭に
頼みました。
「お願いです、頭さん。助けて下さい。わたし
が悪うございました」
このお話しは、人に逆らって出来もしない
事をしようとする、おろかな人をいましめてい
ます。
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ヘビの尻尾と胴体(イソップ物語)
おしまい
福娘童話集許可転載、一部改変<http://hukumusume.com/douwa/>
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ヘビの尻尾と胴体(イソップ物語)