み へび 巳(蛇)にまつわる童話 お百姓と、その息子を殺したヘビ (イソップ童話) ヘビがお百姓(ひゃくしょう)の息子の方へ はい寄って来て、噛(か)み殺してしまいまし た。 お父さんのお百姓は、悲しくてたまりませ ん。 それでオノを持ち、ヘビの穴のそばで 1 お百姓と、その息子を殺したヘビ(イソップ童話) ヘビが出てきたらすぐに叩(たた)き殺そうと 待ち構えていました。 そのうちにヘビが一匹、穴から出てきまし た。 お百姓は、 「それっ!」 と、オノを振り下ろしました。 でもヘビは頭を引っ込めてしまい、オノは そばの岩を二つに割っただけでした。 こうなると、お百姓はヘビに仕返しをされた ら大変だと思って怖くなりました。 2 お百姓と、その息子を殺したヘビ(イソップ童話) それでヘビに仲直りをしようと、言いに行き ました。 しかしヘビは首を振って、こう答えました。 「あなたもわたしも、今さら気持ち良くお付き 合いする事は出来ません。わたしはこの岩 の裂(さ)け目を見るたびに。また、あなたは 息子さんのお墓を見るたびに。嫌な事を思 い出すのだから」 3 お百姓と、その息子を殺したヘビ(イソップ童話) このお話しは、深い憎(にく)しみを持つ人同 士が、仲直り出来る事はめったにないと教え ています。 おしまい 福娘童話集許可転載<http://hukumusume.com/douwa/> 4 お百姓と、その息子を殺したヘビ(イソップ童話)
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