特定保健指導階層化のあらたなこころみ

特定保健指導階層化の
あらたなこころみ
医療法人社団新虎の門会
新浦安虎の門クリニック
柏崎 千恵美、大前 利道、大前 由美、沼本 美由紀
滑田 理沙、嶋 奈津子、藤井 雄生、山岸 久美
はじめに

各国の腹囲基準
国際糖尿病学会基準腹囲
日本基準
アメリカ
欧州
南アジア
男
102
94
90
85
女
88
80
80
90
メタボ診断の国際基準から
「腹囲が必須条件から外れる」
2008.8 NEWS
目的
腹囲測定に対する異論がある。

階層化にBMIを用いて判断し、保健指導
対象者の割合がどのように変化するか
比較検討する。
対象
期間:平成20年4月1日~9月30日
 当院人間ドック、健康診断を受診した
40~74歳(平均年齢51.8歳)の男女
3945名

人数
年齢
男性
2253名
51.3歳
女性
1692名
54.5歳
方法

腹囲とBMIを項目の用い方を変えて対象
集団を比較すると、指導対象者がどのよう
に変化するか検討する。
腹囲
BMI
※服薬中の場合は特定保健指導対象外
65~74歳は積極的支援レベルでも動機付け支援
方法A
現行の保健指導対象者の階層化
必須項目
腹囲
≧85cm(男性)
≧90cm(女性)
追加リスク
①血糖②脂質③血圧
2つ以上該当
1つ該当
④喫煙歴
あり
なし
3つ該当
上記以外で
BMI≧25
2つ該当つ
1つ該当
あり
なし
対象
40~64歳 65~74歳
積極的
動機付け
支援
支援
積極的
支援
動機付け
支援
方法B
必須項目に腹囲を含まず、BMI25以上の
受診者に追加リスクを当てはめて階層化
必須項目
BMI≧25
追加リスク
①血糖②脂質③血圧
2つ以上該当
1つ該当
④喫煙歴
あり
なし
対象
40~64歳 65~74歳
積極的
動機付け
支援
支援
方法Bのフロー
<必須項目>
BMI25以下
BMI25以下
<選択項目>
血糖、脂質、血圧の追加リスク
血糖:100mg/dl、HbA1c:5.2%以上
TG:150mg/dl以上、HDL-Ch:40mg/dl未満
収縮期血圧:130mmHg以上、拡張期血圧:85mmHg以上
該当なし
1つ
2つ以上
喫煙あり
情報提供
動機付け支援
積極的支援
方法Cのフロー
<必須項目>
BMI25以下
BMI25以下
<選択項目>
血糖、脂質、血圧、腹囲の追加リスク
血糖:100mg/dl、HbA1c:5.2%以上
TG:150mg/dl以上、HDL-Ch:40mg/dl未満
収縮期血圧:130mmHg以上、拡張期血圧:85mmHg以上
腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
該当なし
1つ
2つ以上
喫煙あり
情報提供
動機付け支援
積極的支援
方法の特徴

方法A:今行っている保健指導の階層化

方法B:腹囲を含まず、必須項目はBMI

方法C:必須項目をBMIとし腹囲をリスクとし
て加えた
結果
情報提供
動機付け支援
積極的支援
A(現行)
B(腹囲×)
C(腹囲を リスク)
8 1 .6 %
8 .5 %
9 .9 %
8 7 .1 %
5 .7 %
7 .3 %
8 1 .6 %
6 .2 %
1 2 .3 %
方法B
動機付け支援2.8%減
積極的支援2.6%減

方法C
動機付け支援2.3%減
積極的支援2.4%増

結果
方法別支援レベルの人数
484
287
389
積極的支援
方法C
方法B
243
223
336
動機付け支援
方法A
3218
3435
3220
情報提供
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
(人数)
結果
100%
9 .9 %
8 .5 %
7 .3 %
5 .7 %
方法別割合
1 2 .3 %
6 .2 %
80%
60%
40%
8 1 .6 %
8 7 .1 %
8 1 .6 %
積極的支援
20%
動機付け支援
情報提供
0%
方法A
方法B
方法C
必須項目BMIだけ
では支援対象者は
減少
 腹囲をリスクとして
加えると支援レベル
が上がる

考察

より多くの支援者を選定するには...
BMIを用いて階層化し、腹囲をリスクと
して追加することにより
メタボリックシンドローム、及び予備群の
早期発見と適正治療の強化につながる。
質疑応答
特定健診は内臓脂肪からくる疾病をみているのに、BMI25
ということは内臓脂肪は見ていないのですか?なにをみて
いるのでしょうか?
→BMIなので肥満度を見ていると考えていただければ...
 BMIだと筋肉量が多くて25をこえる方も居ると思うのですが
そういう方はどうするのですか
→肥満度でみていくとそういう方も対象になってしまいますね
…
