PowerPoint プレゼンテーション

2013年11月9日
日本産科婦人科学会
年度別入会者数(産婦人科医)の推移
ー2013年9月30日現在の状況ー
日本産科婦人科学会
医療改革委員会
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
日本産科婦人科学会
年度別入会者数(産婦人科医)
2013年9月30日現在
262
214 238
241
213 202
299
274 243
219
女性
男性
93
190 192 176 177
161
152 137 53
143
116 133
48 50
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
新規に日本産科婦人科学会に入会した産婦人科医数は、2010年度をピークに2年
間連続して減少しました。2013年度もこの減少傾向が持続してしまうのかが懸念され
ていましたが、このたび、上半期終了時点での入会者数のデータが明らかになりまし
た。
日本産科婦人科学会年度別入会者数(産婦人科医)
9月30日時点と3月31日時点の比較
600
500
+47
+42
+45
+47
400
300
200
100
262 272 299
274
243
233
251
222
219
女性
男性
171 190 177 192 154 176 151 177 143
0
ある年度に産婦人科専攻医研修を開始するためにはその年度の前半までに日産婦学会
に入会し、研修開始届を提出しなければなりません。それより遅くなると専門医試験受検
資格取得が1年遅れてしまいます。このため、産婦人科を新規に専攻する医師の大多数
は、年度前半に学会に入会します。過去のデータでは年度後半の新規入会は42名から
47名程度です。
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
日本産科婦人科学会
年度別入会者数(産婦人科医)
2013年9月30日現在での推定
47
262
214 238
241
213 202
299
推定
増加
数
女性
274 243
219
男性
93
190 192 176 177
161
152 137 53
143
116 133
48 50
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
仮に、前年度と同数の47名が年度後半に入会したとすると、今年度の新規産婦人科専
攻医数は昨年度と比較して、11名減少すると推定されます。新規産婦人科専攻医の減
少傾向は、今年度も持続していると考えるしかない状況です。
500
日本産科婦人科学会
卒業年次別入会者数(産婦人科医)
2013年9月30日現在
400
300
200
100
0
215 232
237
256 274 285 252
227
209
133 136 108 126
167 188 160 156 179 140
220
女性
男性
18 9
23 8
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
卒業年次別でみると、2007年度以降、明らかな頭打ち傾向が続いています。2009年
度卒では2011年9月30日時点で男性145名、女性261名の合計406名が入会していま
した。2010年度卒では2012年9月30日時点で男性165名、女性233名の合計403名が
入会していました。2011年度卒は、過去2年に比べて同じ時点の比較で、約50名少な
いということになります。
日本産科婦人科学会
新規入会者数の詳細について
• 今年度の新規入会産婦人科医数が前年と比較して11名減と推定される
にもかかわらず、今年度3年目を迎え産婦人科専攻医研修を開始した
2011年度卒の入会者は50名減と推定される理由として、この学年の3年
目の入会者が過去4年と比較して少なかっただけでなく、初期研修医の
段階での(早期)入会者数が少なかったことが関係していると思われま
す。
• 初期研修医の段階で、2009年度卒では88名が、2010年度卒では92名が
早期入会していましたが、2011年度卒ではそれが63名に減少しているの
です。
• 9月30日から3月31日までの年度後半の入会者に期待したいところです
が、年度後半の入会者には、初期研修医の早期入会が占める割合が高
く(2012年9月30日から2013年3月31日までの入会者47名のうち、初期研
修医は33名でした)、3年目の医師は少ない傾向があります(3年目の年
度後半に新規入会した医師は、 2009年度卒で5名、2010年度で3名に過
ぎませんでした)。従って今年度後半に、2011年度卒の新規入会医師が
大幅に増加する可能性は低いと考えざるを得ません。
入会年度
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
日本産科婦人科学会
卒業年次別入会者数(産婦人科医)
入会のタイミングについて
2013年9月30日現在
7年目 女性
7年目 男性
6年目 女性
197
224
214
6年目 男性
187
5年目 女性
178
5年目 男性
130
36
16
117
21
17
109
30
23
4年目 女性
127
4年目 男性
108
24
22
23
19
3年目 女性
8
10
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度
3年目 男性
2年目 女性
卒業年度
2007年度卒以降の4学年では、卒後3年目までに400名強が日産婦学会に入会していま
す。2011年度卒では、今年度後半に現状の50名の差を大幅に減らすことは難しいと考えら
れ、前年までの4学年より入会者が減少する可能性が高いと考えられます。
考 察
• 日産婦学会では2007年度にサマースクールを開始し、新規産婦人科専攻医
500名を目指すProject 500を発表しました。その後2008年度から2010年度まで、
新規入会者が漸増しましたが、2011年度以降徐々に減少してきています。
• 女性の入会者数は2010年度卒以降、明らかな減少が認められます。また2011
年度卒では早期入会の減少が認められます。これは、2010年度に医師臨床研
修制度の見直しが行われ、産婦人科が必修診療科から選択必修に変更された
結果、研修医の時点で産婦人科診療現場に接する機会が減少したことと関係
があると考えられます。
• 今回の分析が正確だとすると、2011年度卒の産婦人科医の数は2006年度卒の
水準(400名程度)に戻ってしまうことになります。このままでは地域の分娩環境
を確保し、産婦人科医療水準を維持することができなくなることは確実です。新
規産婦人科専攻医数をもう一度増加に転じさせる必要があります。
• そのためには、これまで続けてきた産婦人科医療確保のための支援策を継続
することだけではなく、医師臨床研修制度における選択科目のあり方をもう一度
見直すこと、地域枠医学生や地域枠奨学金取得学生の進路選択において産婦
人科専攻を推奨し誘導すること等の抜本的な対策が必要と考えられます。