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資料3
「大阪府医療費適正化計画」の
概要について
大阪府医療費適正化計画
(平成20年度~24年度)
構成
Ⅰ 計画の背景、概要
Ⅱ 医療費を取り巻く現状と課題
Ⅲ 医療費適正化に向けた目標
Ⅳ 目標実現のための施策の実施
Ⅴ 医療費に及ぼす影響の見通し
Ⅵ 計画の推進及び評価
【基本的考え方】
医療資源の利用にあたり、非効率な部分があれば、
単に削減するというのではなく、
それを必要な所に再配分するよう見直し、医療の質を高める。
策定までの検討経過
『大阪府医療費適正化計画策定懇話会』における
議論の概要
【構成メンバー(団体)】
座長;大阪大学大学院 磯 教授
参画団体等;健保連 国保連 大阪社保事務局 府市町村長会
府医師会 府歯科医師会 府薬剤師会 府看護協会
国立循環器病センター
【開催実績】
第1回 平成19年8月22日(水)
計画策定方針、本府医療費の現状・課題 等
第2回 平成19年11月22日(木)
計画骨子案、医療費適正化に向けた府独自の取組み 等
第3回 平成20年1月31日(月)
計画素案、関連計画の策定状況 等
検討会における議論の概要
※計画策定の考え方
○医療費適正化問題は、非常に重要な事項。
医療費に関する様々な議論を進め、どこかに無駄があれば、それを、
何らかの形に変えて医療の質を高めること、若しくは、医療の質の低下
がないような形で医療資源を再配分していくことが非常に大事。
○医療保険者の立場としては、現実問題として、医療費の適正化を
図るべきと考えている。
○大阪で何ができるのか、どういうことが一番いいのかということを、
議論していきたい。
○医療費の適正化の内容や進め方については、いろいろな考え方がある。
府民にわかりやすく、有益な議論を進めるべきではないか。
○医療費の適正化というのは健康状態をよくする、という意味で
あればいいが、単に医療費を縮減する、というだけの話であれば、
府民の理解が得られないだろう。
※医療費の現状と課題
○大阪府は通院が多く、入院が少ないというのは、なぜなのか。
また、一人当たりの件数が全国最高、あるいは、基本健診が高ければ、
全国的に医療費は少ない中、大阪府については高いという状況も、
どうしてなのか。
○大阪は、全国に比べるとベッド数が少ない中で、入院外医療費が高く
なっているといえないか。
○今後の対策を立てる上で、大阪の特徴の原因がどこにあるかということ
の追求を、もう少し詳しくすべき。
○レセプトの電子化が23年度を目標として実施できたとしても、それまで
に、きっちりとした分析体制ができている必要があるのではないか。
○医療費が多くなるのは、高齢の方々。
受診もしやすい、アクセスもよい、という要因も含めて、医療費が高く
なっていることをどう捉えるか。
※府独自の医療費適正化に向けた効果的な取組みについて
○高齢化により、医療費というのは確かに上がる。
それを抑えるにあたり、生活の質、尊厳ある生活を守っていく、という
観点も持ちながら、取組みを進めていただきたい。
○特定健診の後に自己管理し、健康増進につなげるというのが大事。
特定健診の機会を捉えて健康増進のパンフレット等を配布するなど、
地域住民への啓発を積極的にしていただきたい。
○メタボリックシンドロームの対象外であるが高リスク、といった方への
対策も実施しなければならない。
○薬を正しく飲んで、また無駄にしないという保健指導が大切。
また、後発医薬品の使用促進については、適正な情報を提供して、
後発医薬品を選択する手助けをしていくことが必要。
府民意見(パブリックコメント)の概要
【主な意見】
○ 医療費を適正化することでどれだけの税金が節約されるか
など、具体的な行動、具体的な数値を挙げて広報するべき。
また、テレビを通じて生活習慣病に関する広報を実施して
はどうか。
○ 1人あたりの老人医療費が最も少ない長野県では、総合診
療が進んでいるのではないか。医療費の少ない自治体につ
いて、実態調査をしていただきたい。
○ 医療機関同士の連携により多重受診を防げると考える。
「お薬手帳」の義務化、健康手帳の活用を進める。
○ 住民や医療関係者の視点で十分な評価をし、国の政策に
従うところと、従わないところとを明らかにしてほしい。
○ 「医療療養病床の削減」「介護療養病床の廃止」は、受け
皿の整備をして、医療・介護サービスを確保し、医療機関の
経営の安定化などの条件を整えてから進めるべき。
以上のような懇話会におけるご意見等を踏まえ、
その後、府民の皆様からの意見募集(パブリックコメント)を経て、
「大阪府医療費適正化計画」を策定。
Ⅰ 計画の背景、概要
【医療制度改革大綱(抜粋)】(H17.12.1)
○本格的な少子高齢化などに対応し、今後とも国民皆保険制
度を堅持して、医療制度を将来にわたり持続可能とすること
が急務
○生活の質の維持及び向上を確保した結果として、将来的な
医療費の伸びの抑制
○このため、「医療費適正化の総合的な推進」を図る。
【計画の根拠、性格】
「高齢者の医療の確保に関する法律」第9条の規定に基づく
法定計画
医療計画、健康増進計画、介護保険事業支援計画と
医療費適正化計画との関係
(新)国の基本方針
医療計画
・
医療圏の設定
・
基準病床数
・
救急医療の確保
・
医療従事者の確保
国の基本方針
助成措置
総合補助
金等
等
(
新)
・
脳卒中、がん、糖尿病等
の疾病別の患者の年間総
入院日数の短縮に関する
数値目標
(
新)
・
在宅での看取りや地域 総合補助
連携クリティカルパスの普及金等
健康増進計画
・
地域の実情を踏まえた
目標
国の基本方針
助成措置
等 総合補助
金等
(
新)
・
糖尿病等患者・
予備群
の減少に関する数値目標
(
新)
・
健診及び保健指導の
実施率に関する数値目標
(
新)
・
上記に関する取組方策 総合補助
等 金等
介護保険事業支援計画
・
サービス従事者の確
保・
資質の向上
等
・
圏域ごと種類ごとの介護
給付サービス量の見込み
・
施設における生活環境の
改善を図るための事業
整備補助
等 金等
等に関する取組
(
新)
・
脳卒中、がん、糖尿病等
ごとの医療機関の機能分化
と連携
等
相互に整合
(
新)
国
の
基
本
方
針
助成措置
相互に整合
(新)
入院・
入院外、一人当たり日数・
一人当たり医療費、疾病分類別等)
医 ・医療費の現状と分析(
・
平均在院日数の短縮に関する数値目標
療
予備群の減少に関する数値目標、健診及び保健指導の実施率に関する数値目標
費 ・糖尿病等患者・
適 ・目標実現のための取組方策(
3計画に含まれるものは再掲として記載)
正 ・その他地域のおける医療費適正化方策(
重複頻回受診の是正等)
化 ・医療費適正化の取組を行うことによる医療費の見通し
計 ・実施、検証、評価のサイクル
画
Ⅱ 医療費を取り巻く現状と課題
【老人医療費と高齢化】
○ 1人あたり老人医療費が全国第4位(H17年度)
入院外医療費が全国第2位
1人あたり老人医療費の診療種別内訳(全国平均との差)
~平成17(2005)年度~
千
円
250
200
『老人医療事業年報』
最高(福岡)
101万9650円
その他
歯科
入院外+調剤
入院+食事
総数
150
100
50
0
-50
-100
-150
-200
大阪
95万7743円
全国第4位
全国との差
13万6340円
全国平均
82万1403円
最低(長野)
67万2853円
福 北 高 大 長 広 沖 佐 鹿 京 大 熊 石 山 香 岡 兵 東 愛 徳 愛 和 奈 宮 福 滋 富 鳥 埼 島 神 福 宮 岐 秋 群 青 山 三 茨 千 栃 静 岩 山 新 長
岡 海 知 阪 崎 島 縄 賀 児 都 分 本 川 口 川 山 庫 京 媛 島 知 歌 良 崎 井 賀 山 取 玉 根 奈 島 城 阜 田 馬 森 梨 重 城 葉 木 岡 手 形 潟 野
道
島
山
川
【老人医療費と高齢化】
○今後の高齢化の進展は全国平均を大きく上回る
全国、大阪の高齢化率の推移
『国立社会保障・人口問題研究所(全国:平成18(2006)年12月、大阪:平成19(2007)年5月)推計)』
250
後期高齢化率(大阪)
平成17(2005)年高齢化率を
100とした場合の比
230
232
219
198
200
後期高齢化率(全国)
195
186
163
150
130
122
121
100
100
平成17年
(2005)
141
141
131
161
147
139
192
高齢化率(大阪)
146
141
146
149
145
142
高齢化率(全国)
114
平成22年
(2010)
高齢化率(全国)
平成27年
(2015)
高齢化率(大阪)
平成32年
(2020)
平成37年
(2025)
後期高齢者率(全国)
平成42年
(2030)
平成47年
(2035)
後期高齢者率(大阪)
【生活習慣病による死亡率】
主な生活習慣病(糖尿病、高血圧性疾患、虚血性心疾
患、脳血管疾患、腎不全、悪性新生物)の年齢調整死亡
率が、全国第3位
主な生活習慣病 年齢調整死亡率(人口10万対)
600
『人口動態調査特殊報告(平成19(2007)年度)』※平成17年データ
『人口動態調査特殊報告(平成19(2 0 0 7 )年度)』
568.1
年齢調整死亡率(人口10万対)
530.7
悪性新生物
糖尿病
高血圧性疾患
虚血性心疾患
脳血管疾患
腎不全
482.7 腎不全
500
428.9
脳血管疾患
400
高血圧性疾患
虚血性心疾患
300
糖尿病
200
悪性新生物
100
0
青栃大茨埼岩福高和北秋長東鳥福兵宮山全鹿新佐愛山群三京千徳神静大奈宮山富福愛石広岐滋香岡島熊沖長
森木阪城玉手島知歌海田崎京取岡庫城口国児潟賀知形馬重都葉島奈岡分良崎梨山井媛川島阜賀川山根本縄野
山道
島
川
【基本健康診査と老人医療費の関係】
基本健診受診率は高いが、1人あたり老人医療費も
高い。
基本健康診査受診率と1人あたり老人医療費の関係(全国)
~平成17(2005)年度~
万
円
105
『地域保健・老人保健事業報告(老人保健編)、老人医療事業年報』
福岡
北海道
100
1人あたり老人医療費
95
基本検診受診率:48.0%
一人あたり老人医療費:957,743円
高知
相関係数: 0.391
大阪
広島
長崎
沖縄
90
佐賀
鹿児島
京都
熊本
大分
石川
山口
香川
岡山
85
兵庫
愛媛
80
和歌山
神奈川
75
福井
鳥取
滋賀
宮崎
徳島
奈良
富山
福島 島根
岐阜
青森
山梨
茨城
愛知
三重
70
新潟
宮城
群馬
栃木
静岡
岩手
東京
埼玉
秋田
千葉
山形
長野
65
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
45.0%
基本健康診査受診率
50.0%
55.0%
60.0%
65.0%
Ⅳ 目標実現のための施策の実施
⇒ 府医療費の特徴に対応した取組みについて(抜粋)
①地域の医療機関と連携、特定健診の場を活用した
糖尿病の早期発見などの取組みを強化
②非メタボリックシンドロームであっても、高血圧などのハイリスクを
有する者への取組み
㈳大阪府医師会と連携、医師会に属する医療機関で
特定健康診査の結果に異常がない人や、
特定保健指導の対象とならなかった人も含め、
特定健康診査を受診した全員に、生活習慣病に関する指導を実施。
③H23年度を目標とするレセプトの完全オンライン請求化に
伴い、国保連合会と連携しつつ、レセプトデータ分析や
その結果を活用した効果的な保健指導の充実
レセプト分析を行う国民健康保険者に対し技術的支援を行い、
効率的・効果的な保健指導の充実に努める。
レセプトデータ分析を活用する体制の構築に向けて取組み、
分析したデータについては、保険者協議会を通じて情報提供する。
④後発医薬品等の普及・啓発の推進
国の動向を把握しつつ、後発医薬品等の普及・啓発に向けて、
府民をはじめ関係者への周知に努める。
Ⅵ 計画の推進及び評価
【計画の推進】
「医療費適正化計画の推進に関する検討会」を設置
⇒ 実施状況を検証、その意見を踏まえ、効果的な
推進を図る。
【計画の評価】
法の規定による評価の時期、手法
⇒ 中間状況(H22年度)・実績結果(H25年度)
⇒ PDCA手法により評価
評価の活用
⇒ 毎年度目標に向けた取組状況や実績等を分析
本適正化計画の見直しや、次期適正化計画に活用
【最終年度(H24)における医療費への影響(見込)額】
⇒ 約404億円