幻灯片 1

中級日本語
第 21 課
吉林華橋外国語学院
日本語学部 製作
第21課 形式段落
第1段落
宇宙人の存在を信じるか
第2段落
科学とは
第3段落
宇宙に関する関心
第4段落
銀河系に生物がいる可能性
第21課
形式段落
第5段落
地球外文明の存在への期待(火星人)
第6段落
火星の説明
第7段落
太陽系には地球以外に生物は存在しない
第21課
形式段落
第8段落
宇宙人へのメッセージ
第9段落
メッセージの内容
第10段落
宇宙に知的生物は存在する
第11段落
まとめ
第21課 意味段落
1-4段落
宇宙人は存在する
5-7段落
太陽系には地球外生物は存在しない
8-10段落 宇宙人へのメッセージ内容と通信
11段落
まとめ
第21課 本文 第1段落
「あなたは地球外文明、宇宙人の存在を信じます
か。」
こう問いかけられたら、多くの人はどまってしまう
だろう。満天をいろどる星の中には、一つぐらいは、
生物の存在する惑星を抱えた星があるのではないかと
思う。だが、宇宙人の存在が依然として確認されてい
ないことは、だれもが知っている。確認されていない
ものの存在を信じるのは、現代人として“非科学的”
名ことのように思え、公言するのがためらわれるのだ。
第21課 本文 第2段落
しかし、実験や観測などによって、数量的に実証
かつ確認できたもののみが科学ではない。科学的方
法の中には、物質や現象の持つ性質の類似性、ある
いは、その逆の相違性などを根拠に理論展開するこ
とも含まれる。つまり、確認されぬものであろうと、
理論によって推測するのが科学であることは言うま
でもない。
第21課 本文 第3段落
考えてみれば、人類は、誕生以来、広大な宇宙に対して、
なみなみならぬ関心を寄せてきた。それは、各民族がそれぞ
れに、宇宙につながりある誕生神話を持っていることでもよ
く分かる。古代の神話や民話や物語に、月や星が登場するの
は、世界共通の典型的な現象である。これは、人類がいかに
宇宙に関心を持ってきたかの証明だ。だからこそ、幾多の学
者が宇宙の不思議ななぞを、何とか解明できないものかと心
血を注いできた。我々が「宇宙には高等生物がいるのではな
いか。」と思う気持ち、それは間違いなく“科学する心”な
のである。専門家である科学者の役割は、地球外文明の存在
をどう理論づけるかにある。少なくとも今のところは、確率
で証明するほかはなく、決定的な結論には至っていない。
第21課 本文 第4段落
太陽系が属する銀河系は、いわば一千億個以上の輝く
星が、直径十万光年にわたってちりばめられた巨大な集
団である。一つ一つの星は、太陽と同じ恒星だ。そして、
恒星は、ほとんどは太陽系と同じように惑星を徒えてい
る。問題となるのは、その中にどれだけ、文明を持った
宇宙人の住む星があるかである。これをめぐって、いろ
いろな議論があるが、生物の住む確率や、文明の起こる
確率などを計算していくと、銀河系全体の中には、最低
何十個かは、文明の存在する可能性がある。したがって、
仮に、冒頭のような質問を私が受けたら、こう答える。
「宇宙人は確かにいる。いなくてはならないんだ。」と。
第21課 本文 第5段落
人間が最初に地球外文明の存在を期待したのは、隣の火
星だった。この星に火星人がいるかもしれないと、世界中
で話題になったことがある。ことの起こりは、十九世紀後
半にイタリアのある天文学者が、望遠鏡で火星の表面にし
ま模様を発見し、運河のようなものがあると言ったことで
ある。どうやら火星には運河を作れるほどに高度な文明が
あるらしい、という話になり、やがて火星人の存在が信じ
られるようになった。運河のみならず、一年を通じて表面
の景色が絶えず変わっていること、特に地球で言えば南
極・北極に当たる極冠が変化していることから季節変化が
想像され、生物の存在が予想されるようになった。
第21課 本文 第6段落
火星人が存在するという夢を完全に打ち破ったのは、
米国である。1960年代から多額の費用を投じ、無人探測
機を次々と打ち上げ、データを収集した。その結果を分
析したところ、運河があるどころか、月と同じく無数の
クレーターがあるばかりだった。また、地表温度は零下
百四十度で、大気は地球の二百分の一しかない。しかも、
その大気のほとんどは炭酸ガスだった。要するに、火星
は、地球よりもはるかに寒く、大気の希薄な荒涼とした
天体だった。
第21課 本文 第7段落
その後、外の惑星の探測も行われてきたが、火星よりも
更に条件は厳しく、数々の調査にもかかわらず、生物の
存在する可能性は全くなかった。残念なことに、太陽系
の中には、地球以外に生物のいないことがはっきりして
いるのである。
第21課 本文 第8段落
宇宙人の存在を科学的に確認しようという試みは、いろい
ろとなされてきたが、その一つがパイオニア10号打ち上げ
にあたって積み込まれた宇宙人へのメッセージである。こ
れは、人類が始めて銀河系宇宙をめざして送り出す記念す
べきロケット第一号だった。太陽系空間をはるばる飛行し、
木星・土星に関する多様なデータを地球へ送り続け、1,983
年ついに太陽系の一番外側を回る冥王星の軌道を横切って
太陽系の外へ飛び出した。永久に地球に戻らず、宇宙空間
をあてもなくさまようことになったわけだ。パイオニア10
号が、今後どのように星に巡り合うかわからないというこ
とで、メッセージを刻んだ盾を積み込んだのである。
第21課 本文 第9段落
それには、人間の言葉を書いても理解できないだろうか
らと、一応絵と図でいろいろ説明してある。まず、男女
の姿を描いて地球人とはこういうふうな生き物であると
示している。その後ろはパイオニアの略図。比較すれば、
人間の大きさがつかめるわけだ。これとは別の位置に太
陽とその惑星が順番に描かれている。そして、太陽から
三番目の惑星、つまり地球からパイオニアが飛び出した
ことを矢印で表している。このようなもので人間の意図
が伝わるか否かは疑問ではあるが、ともかくコミュニ
ケートする意志のあることを示し、高度文明を持つ宇宙
人なら、この程度の意味が解けるだろうと、期待してい
るのだ。
第21課 本文 第10段落
宇宙の歴史は百五十億年ぐらいだと推定されている。
その膨大な時間を考えれば、人類に文明が誕生してか
らの一万年は、言うまでもなくわずかな時間である。
広大な宇宙の中には、太陽系よりもはるか昔に誕生し、
人類よりももっと高度で理想的な文明を持つ知的生物
が必ずいるにちがいない。そうした知的生物は、同様
な文明の発達した他の天体と星間通信をしているかも
しれない。
第21課 本文 第11段落
ともかく、宇宙は時間も空間も巨大であり、人間の常識
的な概念や感覚では推し量ることはできない。これまでに
人間が成し遂げたことといえば、たかだか太陽系の成り立
ちを探り、地球の衛星に足跡を残したくらいだ。我々が、
文明を持った生物として宇宙にその存在を示すために、宇
宙のなぞを解明しつつ、考えうるあらゆる手段でメッセー
ジを送り続けなければならないであろう。宇宙時代の幕開
けは今まさに始まろうとしている。