2.南北問題とは何か

第1章
開発から脱開発への時代へ
-開発主義の批判的検討-
1.写真で見る南北格差
(北半球の方が明るいことが分かる)
2.南北問題とは何か
【南北問題の由来】
「今や世界の中心問題は、これまでの東西問題から転じて南北問題
に移ったのであり、従って資本主義諸国は南の世界、すなわち低開
発国の開発に対する援助をその対外政策の要とすべきである。」
(オリバー・フランクス、1959年)
【南北問題の本質】
「南」の貧困は、元来からのものではなく、発展の機会を奪われ、強制的
にこの構造に組み入れられ、維持させられ、低開発化されてきた。従って、
南北問題とは、格差を生み出す関係・構造の問題 である。」
【南北問題の解決方法】
「北」の協力が不可欠であり、国際経済体制を「南」にとっても公正なものと
する南北関係の変革が必要である。」
3.「開発こそ南北格差の是正が可能」は本当か
「ポイント・フォー計画」
ハリー・トルーマン
我々は進歩した米科学と工業の恩恵を低開発地域
の開発と向上に役立たせるため画期的な新計画に
着手しなければならない。我々は米国の知識の宝
庫を平和愛好国民に提供し、彼らの生活改善の希
望達成のために役立てなくてならない。そして我々
は他国民と協力して開発を必要とする地域に対し
資本投資を推進しなければならない。我々の目標
は世界の自由国民が自らの努力を通じて食糧、衣
類を増産し、住宅を増築するのを援助することであ
る。
「低開発国」に援助を通して経済開発と自
陣営への」取り込みを企図
4.Development(開発)とは何か
・「ポイント・フォー計画」による
「開発概念」の登場
「開発」こそ途上国の貧困を解決
する唯一の手段
↓
・アメリカの望む発展→アメリカを
世界銀行やIMF等の国際機関が後押し
頂点とするアメリカ式の生産・生活
様式の普及
↓
・アメリカの望む開発→途上国の望む
構造調整・市場開放
発展は考慮せず
↓
・途上国の発展に歪み
誰にとっての開発か
5.開発にゴールはあるか
①開発は競争を余儀なくさせる
②競争は相対的なモノである
③相対的なモノには絶対的価値判断がない
④競争には終わりがない
⑤競争には勝ち組と負け組が出る
生活様式と深層心理に浸透し、
世界観・人生観として位置付けられる
6.開発の結果拡大した所得格差
南北所得格差
1820年
3対1
1913年
11対1
1950年
35対1
1973年
44対1
1992年
72対1
1820年のイギリスの所得は19
92年のエチオピアの所得の6倍
1950年以降所得格差は急増
自由貿易体制下
資本主義的経済成長下
7.富の偏在を象徴する多国籍企業
多国籍企業の売上と途上国のGDP
ゼネラルモータース
164
タイ
154
ノルウェー
153
フォード
147
三井物産
145
サウジアラビア
140
三菱商事
140
ポーランド
136
伊藤忠
136
南アフリカ
129
ロイヤルダッチ・シェル
128
丸紅
124
ギリシャ
123
住友商事
119
エクソン
117
トヨタ自動車
109
ウォルマート
105
マレーシア
98
イスラエル
98
コロンビア
96
エネズエラ
87
フィリピン
82
単位:10億ドル
出典:Forbes Magazine 1998
開発(主義)の象徴
第二次世界大戦後に拡大
グローバリゼーションの
結果増大
いくつかの多国籍企業
は途上国の国内総生産
を上回るほど肥大化し
ている
8.世界3大富豪の資産は世界6億人の資産を上回る
世界長者番付
11年連続世界一
9.脱「開発」社会はあるのか
①他者との違いを許容できるか
②他者との違いを尊重できるか
③違う他者と共存できるか
サブシステンス志向と実践
【参考文献】
・涌井秀行・横山正樹編著『ポスト冷戦とア
ジア』中央経済社
・横山正樹・戸崎編著『環境問題を平和学す
る!』法律文化社
・郭洋春・横山正樹・戸崎純『脱「開発」へ
のサブシステンス論』法律文化社
Q1「身近な処で開発
主義に陥っている
なぁ~、と思うとき
はどんな時か話し
合ってみよう」
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