秘伝ALICE解析指南書 1.7 PYTHIA

作成者
尾林 秀幸
2010/10/5
秘伝ALICE解析指南書
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PYTHIAは高エネルギーの物理イベントを生み出すプロ
グラムであり、基本的な粒子(e+,e-,p,p_bar)の衝突を
再現することができる。
(参考)
AuAuなどの核子核子衝突のイベントを作りたい人は
HIJINGについて調べてください。
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PYTHIAでsimulationを走らせるために必要なもの
として以下のものがあります。
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Config.C
sim.C
rec.C
run.csh
ana.csh
body.cc
解析用マクロ(e.g. AliPHOSComparison.cc)
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マクロは
https://www.hepl.hiroshima-u.ac.jp/alice/doc/anaguide/PYTHIA_tutorial
から入手してください
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シミュレーションを実行するディレクトリを仮に”test”という名
前だとして、test以下にConfig.Cなどのマクロを持ってきます。
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cp Config.C test
cp sim.C test
cp rec.C test
cp run.csh test
cp ana.csh test
cp body.cc test
cp AliPHOSComparison.cc test
Alirootのversion選択
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cd /opt/alice
source setup_version.csh v4-13-Rev-01
で行えますが、実はrun.cshの中に書いています。
異なるversionを選択した後で、v4-13-Rev-01を使用す
る場合、LD_LIBRARY_PATHの未初期化に注意。
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setup_version.cshの一部
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対策例1 違う端末を開いて、再実行
対策例2 左図のifとendifの2行のみコメントアウト
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具体的な問題を見ていくため、ここでは以下のようなシ
ミュレーションを行うこととします。
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(ALIROOT version v4-13-Rev-01)
pp 900GeV collision
Minimum bias event
検出器はPHOSのみ
見たいのはπ0の不変質量
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自分の行いたい条件をマクロに書きましょう。
まずはConfig.Cです。
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ここには粒子衝突の条件や検出器のGeometryが格納されています。
Config.Cの一部
L 182付近に注目
衝突条件が書
かれている
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• AliGenPythiaはpp衝突のevent generatorであり、
pythia->SetEnergyCMS(900) // 単位はGeV
・・・・・ (1)
の部分で重心系衝突エネルギー(√s)を与えます。
pythia->SetProcess(kPyMb)
でMinimum biasを選択します。
•
ところで、(1)の部分をコメントアウトするとどうなるのでしょうか?このときは
デフォルトの5.5TeVが採用されます。
• 同様にCM系、Lab系の選択もデフォルトによりCM系が使用されています。
• 詳しいことはネット上でAliGenPythiaを検索するか、qx上で
/opt/alice/(ALIROOTのversion)/AliRoot/PYTHIA6にあるAliGenPythia.h,
AliGenPythia.cxxなどを調べてください。
• PYTHIAのhome page
http://home.thep.lu.se/~torbjorn/Pythia.html
を見るのもよいです。
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こんなページ
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• 粒子発生の部分はこれで設定できたので、次に検出器の設
定をしましょう。
• 検出器の有無はL264付近の数字で1(あり)か0(なし)を選択す
ることによって設定できます。
– 1 にした人は、1.6 GEANT tutorialを勉強し、また、AliPHOSSimParamな
どのクラスの中身を調べて下さい。
L426付近
L264
付近
…
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sim.CではConfig.Cで記述されていることを読みだして
イベントを走らせます。
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また、出力する検出器の選択や出力データを決めること
ができます。
ここではPHOSを選択し、
sDigits.rootとDigits.rootという
データを出力している
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rec.Cでは得られたデータの再構成を行います。
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Thresholdなどの設定を行えます。
再構成後に得られるのがAliESDs.rootです。
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ここまでの部分を実際に実行してみましょう。
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pwd
./run.csh 1000
// testにいますか?
// 1000回collision
* Permission denied. と表示される場合はchmod +x run.csh を実行してください。
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これでAliESDs.rootができているはずです。(エラーが出る人は、原因がp.4にあるかも)
AliESDs.rootの中身を確認してみましょう。
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aliroot AliESDs.root
.ls
// esdTreeが表示されます
esdTree->Print()
非常にたくさんのデータが詰まっていることがわかると思います。
これから、このデータの解析を行います。
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AliPHOSComparison.ccでAliESDs.rootのデータを用
いて、自分なりの解析を行っていきます。
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そのため、ここで行っている解析は単なる一例であり、また、
非常に単純なものであることに注意して下さい。
解析実行
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./ana.csh
AliPHOSComparison.ccを実行している。
基本的には
esdTree->GetEvent(n)
などとしてデータを読み出し、計算しているだけ。
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ここでは計算結果をoutput.rootに出力するようにして
います。
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• 最後にoutput.rootを表示してみましょう。
– aliroot output.root
– .ls
// h1_mass;1 などがあります
– h1_mass->Draw()
• 右図のようなヒストグラ
ムが作成できたでしょう
か?
pi0(mass=0.135GeV)
のピークが見える
• ここまでできればチュート
リアルは終了です。
• 以後、解析手法やPYTHIA
のクラスなど細部を勉強し
ていってください。
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ただし、これは105衝突のデータです。
condorの勉強もしましょう。
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