1.富士ゼロックスシステムサービス(株)のご紹介

戸籍の電子化にあたっての名前表記問題
富士ゼロックスシステムサービス(株)
‘08.5.15
本日の議題
1.富士ゼロックスシステムサービス(株)のご紹介
2.戸籍電算化事業とは何か
3.戸籍セットアップにおける個人特定の諸問題
4.戸籍・住基のマッチングに於ける諸問題
5.まとめ
6.中長期での今後の課題
1.富士ゼロックスシステムサービス(株)のご紹介
富士ゼロックスシステムサービス(株)と戸籍電算化事業
富士ゼロックス株式会社 100%出資 関連会社
民間市場向け プリントソリューション
公共向け 戸籍を中心とした行政システムソリューション
昭和47年 ~ 除籍・改製原戸籍再製作業・・・・・・・・・・・・・約2,170自治体
昭和50年 除籍・改製原戸籍の見出し帳作成・・・・・・・・・約1,350自治体
昭和63年 戸籍一部処理システムの稼動・・・・・・・・・・・・・約380自治体
平成元年 法務省戸籍情報システム研究会に参加
平成4年 法務省「セットアップ分科会」に参加
平成6年 戸籍法改正
平成6年 戸籍電算化事業を開始
戸籍電子化データ作成
全国 1,564自治体
戸籍総合システム稼働
全国1,464自治体
2.戸籍電算化事業とは何か
戸籍と住民基本台帳の違い
住民票と戸籍は良く似ていると思われますが、実は全く違うものです。
戸籍
住民票
日本国民について
その親族的な身分
関係を登録し、公証
する。合わせて日本国籍
住民の居住関係の
公証、選挙人名簿の登録
その他の住民に関す
る事務の処理の基
礎とする。
本籍・筆頭者欄
(1の1) 全 部 事 項 証 明
目的
を間接的に証明する。身分
関係=夫婦・親子などの関
係を指す。
主要法規
単位
証明
基となる情
報
証明書名称
管轄省庁
戸籍法
住民記録台帳法
管内の本籍人・居住歴
が無いこともある
3代の記載は不可(親と
子まで)
管内在住の世帯
3世代の記載は可能
本
籍
東京都富士区富士一丁目1番地
氏
名
富士 太郎
戸籍事項
戸籍改製
戸籍に記載されている者
【名】
居住関係を証明
戸籍届出(出生・婚姻・
死亡など)
戸籍情報+届出情報
(氏名・本籍・筆頭者は
戸籍情報が基となりま
す)
全部事項証明(謄本)
個人事項証明(抄本)
住民票の写し
法務省
総務省
太郎
【配偶者区分】 夫
【生年月日】 昭和50年5月5日
【父】 富士一郎
【母】 富士洋子
【続柄】 長男
出
生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
婚
姻
【婚姻日】 平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士花子
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士一郎
戸籍に記載されている者
【名】
昭和50年5月5日
東京都富士区
昭和50年5月7日
父
花子
【生年月日】 昭和50年3月3日
【父】 富士二郎
【母】 富士春子
【続柄】 長女
身分事項
出
身分関係を証明
【改製日】 平成19年9月8日
【改製事由】 平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製
婚
【配偶者区分】 妻
戸籍事項欄
生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
昭和50年3月3日
東京都富士区
昭和50年3月4日
父
姻
【婚姻日】 平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士太郎
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士ニ郎
以下余白
名欄・身分事項欄
電算化戸籍と従来の戸籍の違い
原本は磁気媒体となり、システムから出力される書類は、証明書となる。
電算化後の戸籍原本とは
和紙原本
富
士
二
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
母
生出
父
生出
妻
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
太
郎
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
母
昭
和
五
拾
年
参
月
参
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
四
日
父
届
出
入
籍
父
昭
五
拾
花
参
月
参
日
夫
生出
母
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
花
子
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
五
月
五
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
七
日
父
届
出
入
籍
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
編
製
籍
富
富
士
士
春
二
子
郎
子
女 長
磁気原本
本
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
証明書
五
太
年
月
富
士
士
一
太
子
郎
父
生出
妻
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
太
郎
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
拾
年
花
参
月
参
日
昭和50年5月5日
東京都富士区
昭和50年5月7日
父
姻
【婚姻日】
平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士花子
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士一郎
花子
【配偶者区分】 妻
生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
昭和50年3月3日
東京都富士区
昭和50年3月4日
父
姻
【婚姻日】
平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士太郎
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士ニ郎
以下余白
和紙に縦書きされた、本籍・氏名・生年月日・身分事項が項目化され横書きされる。
母
父
富
富
士
士
春
二
子
郎
富
士
一
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
生出
夫
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
花
子
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
五
月
五
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
七
日
父
届
出
入
籍
子
女 長
五
太
日
東京都富士区富士一丁目1番地
名
富士 太郎
【改製日】 平成19年9月8日
【改製事由】 平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製
戸籍に記載されている者
【名】
太郎
【配偶者区分】 夫
【生年月日】 昭和50年5月5日
【父】 富士一郎
【母】 富士洋子
【続柄】 長男
出
生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
婚
姻
【婚姻日】 平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士花子
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士一郎
【名】
昭和50年5月5日
東京都富士区
昭和50年5月7日
父
花子
【配偶者区分】 妻
【生年月日】 昭和50年3月3日
【父】 富士二郎
【母】 富士春子
【続柄】 長女
氏
富
士
士
士
洋
一
太
子
郎
身分事項
出
婚
生
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
昭和50年3月3日
東京都富士区
昭和50年3月4日
父
姻
【婚姻日】 平成13年7月7日
【配偶者氏名】 富士太郎
【従前戸籍】 東京都富士区富士一丁目1番地 富士ニ郎
以下余白
郎
男 長
籍
氏
戸籍に記載されている者
名
郎
電算化後
本
戸籍事項
戸籍改製
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
富
五
五
本
父
拾
月
籍
富
和
年
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
編
製
母
昭
五
婚
婚
昭
和
五
拾
年
参
月
参
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
四
日
父
届
出
入
籍
昭
和
【出生日】
【出生地】
【届出日】
【届出人】
【生年月日】 昭和50年3月3日
【父】 富士二郎
【母】 富士春子
【続柄】 長女
郎
日
富
士
二
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
母
【配偶者区分】 夫
生
身分事項
出
(1の1) 全 部 事 項 証 明
生出
太郎
【生年月日】 昭和50年5月5日
【父】 富士一郎
【母】 富士洋子
【続柄】 長男
出
男 長
証明書の形式は
電算化前
(1の1) 全 部 事 項 証 明
【改製日】
平成19年9月8日
【改製事由】 平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製
氏
洋
郎
五
富士 太郎
【名】
名
士
五
東京都富士区富士一丁目1番地
名
【名】
父
富
拾
籍
氏
戸籍に記載されている者
富
和
本
戸籍事項
戸籍改製
戸籍に記載されている者
昭
和
年
富
士
一
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
戸籍電算化事業の推移
昨年度までに約2600の自治体で事業を実施。
合併前の自治体数を元にした導入率は約80%弱まで来ている。
自治体数
3000
2534
2437
2500
2180
2000
稼働数
累計
1500
1568
自治体合併により
導入数が一気に増
加
1169
904
1000
667
612
453
399
308
265
175
237
214
86 133 145
500
257
97 113
年
19
年
成
平
成
18
年
注)自治体数は単純に稼働した自治体数であり、自治体合併については考慮していません。
平
17
年
成
平
成
16
年
平
成
15
年
平
14
年
成
平
成
13
年
平
12
年
成
平
成
11
年
平
10
成
9年
平
成
平
成
7年
3
平
平
成
6年
成
39 89
36 50
8年
3
0
平
2647
3.戸籍セットアップにおける個人特定の諸問題
戸籍セットアップの問題点
戸籍データセットアップにおいては、7つの専門的な判断が必要となる。
その中でも特に文字の判断はもっとも困難な問題である。
7つの判断業務
1.項目化の判断
・・・文章を項目化する上での判断
旧記載1500種 → 新記載440種へ集約
2.移記・不移記の判断
・・・文章を項目化する上で新戸籍へ記載するかしないかの判断
3.文字の判断
・・・正字・誤字・俗字の判断と正字への引き直し
4.最小行政区の判断
・・・文章中から最小の行政区を抜き出す(外国・旧行政区も含む)
過去の自治体合併を考慮した本籍の判断をする
5.生存配偶者の判断
・・・筆頭者が死んでいて配偶者が残っている場合の姻族関係
判断
6.前筆頭者判断
・・・前戸主だけでなく身分事項欄まで読み込んで筆頭者の前の
戸籍を遡るリンケージを作成する
・・・戸籍訂正んの必要性、構成内容の判断
7.戸籍訂正・更正の指摘
1戸籍全判断工程 約40分中
文字判断で15分を費やす
戸籍電算化における氏名表記の変更について
入力する文字は、平成2年10月20日付け法務省民二第5200号通達に基づき、誤字を正字に引き直
すことが必要です。また、俗字は、平成6年11月16日付け法務省民事第7006号、7007号に基づき、漢
和辞典に載っているものは入力する事になります。ただし、本人の異議があった場合は、事故簿とし
て紙で管理する事になります。
正字
約51,000文字
俗字
そのまま(漢和辞典に載
っている文字)
約2,000文字
本人の同意を得る
正字
誤字
本人が異議
正字:常用漢字表などに記載される文字。漢和字典などで正しいとされる文字
俗字:習慣上用いられる俗用の文字。正字ではないが手書き用の文字として一
般に使われている文字など
誤字:字典に搭載されていない若しくは字典に誤字とある文字
ただし、正字、俗字であってもコンピュータに無い文字は相当数ある。
戸籍文字の搭載について
戸籍総合システムへ搭載文字の考え方
基本としている辞書、および解釈
辞典:「新大字典(講談社)、康煕字典(講談社)、大漢和辞典(大修館)
通達:法務省通達1500号通達、5200号通達、7006号通達、7007号通達の俗字
【その他主な参照例】
・新字源(角川書店) ・大字典(講談社) ・漢語新辞典(大修館書店) ・漢字典(旺文社)
・漢和辞典(三省堂) ・角川大字源(角川書店) ・岩波新漢語辞典(岩波書店) など
追加文字の搭載
過去、1,000万戸籍をセットアップした中で発生(作成)した文字
システム運用上で発生した文字(各自治体様からの連絡により随時追加)
辞書上になくとも、戸籍上にあり、法務局により認められた文字
(「漢和辞典に記載されていない文字」)
弊社の住民総合システムは、約43,000文字を標準搭載しております。
補足・戸籍システムの単漢字辞書
字種により、文
字を色分け
文字の出典
根拠を表示
備考欄に取り扱
い方法等の設定
が可能
戸籍記載文字判読の問題
判読困難な手書き文字
戸籍に記載された文
字には判読が困難な
ものがある
OCRなどによる自
動化が困難
熟練者による判読
が必要
類似文字
罫線にかかっている文字
戸籍における正字・誤字の判断
戸籍に記載された文
字には誤字が含まれ
る
正字への引き直し
の判断が必要
但し法務局よっては
そのまま使用できる
誤字もあるため地域
による差の把握も必
要
正
字
集 約
誤
字
補足・戸籍における正字・誤字の判断
文字
仮コード文字サンプル
セットアップ時に出現する誤字集約の実際
文字イメージ
仮コード
辞
書
漢字番号
備
考
( 正 字 )
80B9
原・字・漢
正字
(86BB)
文字イメージ
仮コード
辞
書
漢字番号
備
考
( 正 字 )
C6A3
原・字・漢
14384
人名
仮コード
文字
仮コード文字登録台帳
仮コード
NO.
0725
区分
集約される文字
Page
変換先文字
区分
告知
有無
5
(85FC)
×
5
(85FC)
人名
×
5
(85FC)
人名
×
5
(85FC)
人名
×
5
(85FC)
人名
×
(85FC)
人名
×
4
(85FC)
人名
○
5
(85FC)
人名
×
(85FC)
人名
○
(85FC)
人名
○
(85FC)
人名
○
5
(85FC)
人名
×
5
(85FC)
人名
×
5
(85FC)
人名
×
4
(85FC)
人名
○
4
(85FC)
人名
○
078B
ICE3
0366
0294
153F
文字イメージ
仮コード
辞
書
漢字番号
備
考
( 正 字 )
原・字・漢
14404
C7BE
027B
同字
0394
文字イメージ
仮コード
辞
書
漢字番号
備
考
( 正 字 )
0562
原・字・漢
14328
04AA
俗字
079C
0436
文字イメージ
仮コード
辞
書
漢字番号
備
考
( 正 字 )
原・字・漢
P2421
076A
05A3
07AA
戸籍セットアップ時の個人の特定
戸籍には戸籍欄・個人欄・身分事項欄があり、重複した記載がされています。
これを相互に参照することで記載内容のチェックが出来ます。
身分事項欄
個人欄
本籍欄
筆頭者欄
戸籍セットアップ時の個人の特定
戸籍記載される構成員は1つの戸籍だけに記載されているわけでありません。
一般に言われる戸籍には次の「戸籍」・「除籍」・「改製原戸籍」の3種類があります。
これを相互にチェックすることで精度を高めることが出来ます。
籍除
戸籍
富
士
二
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
生出
母
父
生出
妻
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
太
郎
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
参
月
参
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
四
日
父
届
出
入
籍
母
父
富
富
士
士
昭
五
拾
花
参
月
参
日
生出
夫
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
花
子
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
五
月
五
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
七
日
父
届
出
入
籍
春
二
子
郎
子
女 長
五
太
名
日
富
士
二
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
氏
富
富
士
士
士
洋
一
太
子
郎
五
五
本
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
父
拾
月
籍
富
和
年
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
編
製
母
昭
和
年
富
士
一
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
郎
郎
男 長
生出
母
父
生出
妻
母
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
太
郎
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
参
月
参
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
四
日
父
届
出
入
籍
父
昭
五
拾
花
参
月
参
日
生出
夫
母
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
富
士
花
子
と
婚
姻
届
出
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
昭
和
五
拾
年
五
月
五
日
東
京
都
富
士
区
で
出
生
同
月
七
日
父
届
出
入
籍
富
富
士
士
春
二
子
郎
子
女 長
五
太
名
富
士
士
洋
一
太
子
郎
日
郎
郎
男 長
改
製
原
戸
籍
氏
士
五
五
本
東
京
都
富
士
区
富
士
壱
丁
目
壱
番
地
富
拾
月
籍
富
和
年
平
成
拾
参
年
七
月
七
日
編
製
父
昭
和
年
富
士
一
郎
戸
籍
か
ら
入
籍
戸籍セットアップ時の氏名に関するエラー率と解決方法
一般的自治体でのエラーの発生数
戸籍数
件数
エラー比率
自治体問い合わ
せ件数
96,000
-
弊社側で判断し
た件数
法務局判断が必
要な不明文字
氏名文字変更の
告知対象者
266
203
112
4,683
0.3%
0.3%
0.06%
7%
【個人特定自体に何らかのエラーが合ったもの】
自治体問い合わせ件数 ⇒ 弊社では判断がつかず、自治体側へ問い合わせた件数
弊社側で判断した件数 ⇒ 弊社では判断がついたエラーの件数
【個人特定で文字自体に何らかのエラーが合ったもの】
法務局判断が必要な不明文字 ⇒ 文字そのものが漢和辞典に無く使用可否判断を法務局へ仰いだエラー件数
氏名文字変更の告知対象者 ⇒ 氏名文字変更に伴い告知される対象者数
【個人特定自体に何らかのエラーが合ったもの】
実際にエラーを何処まで潰すか、その様に解消するかは各自治体での判断となるため、弊社側では何とも申し上げ
ることは出来ません。
但し、単純な比較ではなく対象となる個人が不利益にならないよう、細心の注意を払ってデータの決定がされている
ようです。
4.戸籍・住基のマッチングに於ける諸問題
戸籍・住基のマッチングの必要性
戸籍と住基のマッチングの必要性
戸籍システムの運用に当たっては、住基システムとの連携が生じます。これは、双方のシステムで管
理する重複する項目について連携を行うことで、整合性の維持・再入力負荷の低減が図れるからです。
ただし、住民票は管内に居住する市民のデータであるのに対して、その市民が必ずしも当該自治体
に戸籍を置いているとか限りません。よって、マッチングが可能になるのは本籍人かつ管内住所人と
いうことになります。
戸籍sys 住基sys
本
籍
人
住
所
人
マッチング可能
連携項目
戸籍
附票
本籍・筆頭者・氏名・生年月日
住基
住所・住定日
附票:本籍人の住所履歴を記録したもの。
住民票と違って管外の住所も記録される。
戸籍と一緒に管理される。
文字コードの同定について
文字変換テーブルの作成
住民記録システムにて運用されている文字と戸籍システム文字との同定を行います。
文字同定は、住民記録文字1文字に対して戸籍システム文字1文字になるように行います。
戸籍システムに存在しない文字は、戸籍システムに新規搭載します。
戸籍システム文字
(約40,000文字)
住民記録システム
戸籍システム
同
定
住民記録システム文字
(?????文字)
?
作字の範囲
作字
文字コードの同定の工程
文字変換テーブルの作成方法
 データ移行や別システム間で連携を行なう場合に一番注意を要する作業の一つは、文字の同定作業です。
 既存システムから印字した文字とコードの一覧をお預かりし、印字した文字1文字1文字を目視で確認し、
戸籍システムのどの文字に該当するかを確認していきます。
①外字資料のお預かり
住記コード
80A1
80A2
80A3
80A4
イメージ
亜
芦
鯵
飴
JEFやJIS等の規格コードやユーザー外字文字パターンの一覧をいただきます。
また、デザインの差などの判断基準をお客様と確認します。
②同定作業(1.5~2ヶ月)
NO
1
2
3
4
住民記録
文字コード
80A1
80A2
80A3
80A4
変換後
文字
文字コード (FXSS文字)
ABAB
亜
CD11
芦
AA22
鯵
A3A1
飴
チェック
OK・作成
OK・作成
OK・作成
OK・作成
文字
イメージ
規格範囲内の文字についてはFXSSで既に保有しているコード対象表にもとづき、
ユーザー外字については目視による同定作業を行い、対照表の作成を行います。
文字コードの同定の工程
③お客様確認(1.0ヶ月)
住記コード
80A1
80A2
80A3
80A4
④不足文字の作成
⑤文字変換テーブルの完成
お客様確認作業としては、同定先に間違いがないかの確認になります。
特に、ユーザー外字に対して重点的に注意をいただきます。
イメージ
亜
芦
鯵
飴
NO
1
2
3
4
住民記録
文字コード
80A1
80A2
80A3
80A4
変換後
文字
文字コード (FXSS文字)
ABAB
亜
CD11
芦
AA22
鯵
A3A1
飴
チェック
文字
イメージ
OK・作成
OK・作成
OK・作成
OK・作成
お客様検証作業で発生した不足文字(FXSSシステム内に存在しない文字)の作成を行います。
住記文字
80A1
80A2
80A3
80A4
FXSS文字
ABAB
CD11
AA22
A3A1
お客様検証作業で問題がなければ、正式な対照表とします。
文字コードの同定時の問題点について
住民記録システムは、戸籍のように文字の基準がなく、戸籍の基準では誤字であった場合でも、住民
票は編成されてしまいます。
住民の届出文字が住民記録システムに存在しない場合、文字作成が行われますが、既に存在して
いる文字を探しきれず、同じ文字を新たに作成してしまう場合もあります。
住記文字
939D
榮
F0D8
榮
FXSS文字
C5FD
榮
お客様へ報告
使用されている住民票の確認などを行って
いただく必要があります。
戸籍・住基マッチング処理
住基
初期チェック
SORT
本籍順
SORT
生年月日
文字コード変換
戸籍
OK
マッチング
<完全一致>
筆頭者氏名
本籍
氏名
生年月日
1項目
エラー エラー3~4%
住基データ修正
マッチング
複数項目
エラー
<完全一致>
筆頭者氏名
本籍
氏名
生年月日
照合・修正
アンマッチリスト
エラー:0.02~0.05%
マッチングの回数はデータ修正を繰り返しながら3回程
度実施する。
この処理によりマッチングエラー率は0.02%程度まで低
下する。
但し、氏名に関するエラーは0にまで持って行くものと
思われます。
戸籍・住基マッチングエラー率
代表的な自治体でのエラーの発生率は下記の通りです。
最もエラーの発生率が低いのは生年月日で、個人氏名は文字の問題等もあり、高めの数字です。
筆頭者氏名でエラー率が高いのは住民票側で筆頭者が精緻には記載されていないためです。
順位
項目
エラー率
1
生年月日
0.01%
2
本籍地
0.12%
3
住定日
2.11%
4
個人氏名
2.65%
5
現住所
5.88%
6
筆頭者氏名
8.33%
5.まとめ
【戸籍の個人特定】
•戸籍のセットアップに於いて手書き文字から正確に氏名文字を特定するには経験とノウ
ハウが必要である。
•本人の氏名に関しては、文字の誤りと内容の誤りなどが存在する。
•文字の誤りは誤字は正字に引き直す工程で、ほとんどが解決される。
(文字の修正は氏変更・名の変更届と審査が必要。)
•内容の誤りを正し最終的に個人を特定するために、除籍・改製原戸籍など前後の戸籍・
身分事項との照合などが必要になる。
•最終的な判断は届書に記載された届出人の記載内容までさかのぼる。
【住民票の個人特定】
•住民票には文字の規程が無く、厳密な使い分けがされていない。
•本来は住民票の氏名表記も戸籍に合わせるべき。
•事務処理の連携上、戸籍の電算化に合わせて住基との同期をとるケースが多い。
・戸籍との相違については職権訂正がおこなわれる。
•本人特定には、純粋に技術的に対応できる部分は少なく、他の情報とのマッチングを繰
り返して、解消する。
6.中長期での今後の課題
【法改正・施行規則変更への対応】
・日本の戸籍に子の名として記載できる文字は原則として常用漢字と人名用漢字、カタカ
ナおよびひらがなのみである。(戸籍法施行規則)
・このうち人名用漢字は徐々に追加されてきていおり、都度文字属性変更対応が必要に
なっている。
•1951年5月25日、92字を人名用漢字として新たに指定。
•1976年7月30日、28字を追加し合計120字となる。
•1981年10月1日、常用漢字に取り入れられた8字を削除し、54字を追加して合計166字となる。
•1990年4月1日、118字を追加し合計284字となる。
•1997年12月3日、1字(「琉」)を追加し合計285字となる。
•2004年2月23日、1字(「曽」)を追加し合計286字となる。
•同6月7日、1字(「獅」)を追加し合計287字となる。
•同7月12日、3字(「毘」「瀧」「駕」)を追加し合計290字となる。
•同9月27日、許容字体からの205字と追加された488字を加え合計983字となる。
【広域ネットワークへの対応】
•広域行政サービスとして各自治体間でサービスを共有する場合の文字コードの問題
複数自治体(複数ベンダー)間の文字同定の困難さ
•住基ネットの証明書と戸籍証明書の文字不一致の問題
戸籍→住基ネットでは文字を集約(n→1)