CDM理事会情報

2003年 第3号
【5/16~6/19/2003】
~本号のメイントピックス~
《国内》 目立った動きなし
《国際》 CDM理事会、新方法論に厳しい評価
もくじ
Monthly News

国内動向
 経済産業省

市場メカニズム専門委員会開催
地球環境小委員会開催
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総合エネルギー調査会基本計画部会開催

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国際動向
 京都議定書批准状況
 SB18開催される
 CDM理事会のMethパネル、新方法論に厳しい評価

CDM理事会情報
Appendix
国内動向 (制度・政策)
Points
・CDM/JI補助金の運用ルール等について説明。(経済産業省)
・第一約束期間以降の枠組み構築に関して中間取りまとめ案を提示。(経済産業省)
◎経済産業省


市場メカニズム専門委員会開催 (5月19日)
産業構造審議会 市場メカニズム専門委員会 第5回会合が開催された。京都メカニズム活
用支援パッケージの進捗状況報告の中で、CDM/JI補助金の運用ルールについて、京都メカ
ニズム活用ファンド(Japan Carbon Fund:仮称)の構想について、ならびに国内のクレジット取
引・移転試行事業内容について説明があった。更に、クレジットの取扱に関するガイドライン
を本年度中を目途に作成するとの方針が示された。
地球環境小委員会開催 (5月26日)
産業構造審議会 地球環境小委員会 第15回会合が開催された。同委員会がこれまでに議
論してきた、京都議定書の第一約束期間以降の枠組み構築に関し、事務局から中間取りま
とめ案が示され、パブリックコメントに付すことについて了承された。中間取りまとめは、7月上
旬を目途に最終取りまとめ案として再度、同小委員会に諮られる予定である。
国内動向 (制度・政策)
Point
・総合エネルギー調査会基本計画部会で、石炭技術を重要視する発言。(経済産業省)
◎経済産業省 つづき

総合エネルギー調査会基本計画部会開催(5月16日)
総合エネルギー調査会 基本計画部会 第2回会合が開催された。議題の一つ『新エネル
ギー・ガス体エネルギーについて』の中で、「地球温暖化防止のために、原子力発電、新エ
ネルギーに加えて、天然ガスのさらなる普及拡大が急務」等のガスシフト推進の意見が多い
中で、「エネルギーセキュリティやベストミックスの観点から、石炭は重要である。環境適合
性のさらなる向上のため、クリーン・コール・テクノロジー、高効率発電技術の開発促進の取
り組みをお願いしたい」という委員の発言もあった。
国際動向
Points
・批准国増えるも、排出量合計は43.9%で不変。依然、発効条件には未到達。(UNFCCC)
・吸収源CDMについて、今後の議論の土台となる交渉テキストの取りまとめが終了。(SB)
◎京都議定書批准状況(6月19日現在(最新)の国連情報)
前回報告から新たに2カ国が批准して、京都議定書批准国の総数は110カ国となった。批准した
附属書Ⅰ国のCO2排出量合計の割合は43.9%で変わらず、京都議定書発効にはロシア(排出量
割合17.4%)の批准を待つばかりである。(発効要件:排出量合計が55%以上)
◎SB18開催される(ドイツ ボン)
6月4~13日の期間、ボンで締約国における第18回SB(国連気候変動枠組条約の補助機関)会
合が開催された。注目を集めていた議題は吸収源CDMについてであるが、非永続性、ベースライ
ン、追加性、リーケージ、モニタリング、承認等について案が示されたが、いずれも各国の様々な
懸念が指摘されて議論はまとまらず、結論は出されなかったものの、今後の議論の土台となる交
渉テキストをとりまとめ、一定の成果を上げたと評価された。IPCC第3次調査報告書の取扱い、特
別気候変動基金等についての議論は次回以降の会合に先送りされた。
国際動向
Point
・14の新方法論のうち、採用可は2つのみ。これにPCF、CERUPTは強く抗議。(CDM理事会)
◎CDM理事会のMethパネル、新方法論に厳しい評価
第9回CDM理事会がボンで開催され、同理事会の下で方法論の検討を担当しているメソドロジー
パネル(Methパネル)における新方法論の評価結果が報告された。世界的な認証機関及びディベ
ロッパーにより提案された14の具体的なCDMプロジェクトについてのベースライン、モニタリング方
法論がMethパネルで評価された結果、ともに採用可として認められたのは1つだけで、後は要修
正/不適格として棄却されるという厳しい結果であった。これに対しては、提案した案件を否定され
た世銀PCF、オランダのCERUPTが強く抗議したのを始め、CDM理事会議長もMethパネルの本分
として、各論ではなく総論として方法論を議論すべきと指導した。
CDM理事会情報
Point ・ラウンド1の新方法論は14件中承認ゼロ、半分以上が承認不可。
2003年6月7日、8日に開催された第9回CDM理事会において、ラウンド1(2003年4月15日〆切)で
申請された14のベースライン、モニタリング新方法論が審査された。承認(A)はゼロ、再検討(B)
が6件、承認不可(C)が8件であった。日本企業では、イネオスケミカルの新方法論のみがBの評
価を得た。松下電器担当の新方法論は、文書が不十分であったため未検討に終わった。(詳細は
Appendixを参照)
B
韓国
イネオスケミカル日本ほか:
HFCsの回収破壊
ブラジル
C
豊田通商ほか:
燃料転換・メタン回収
タイ
C
三菱証券ほか:
もみ殻発電
マレーシア
未
松下電器ほか:
メタンガス回収
CDM理事会情報
Point ・電源開発がCDM理事会に新方法論を提出。
2003年5月29日まで(ラウンド2)にCDM理事会に新たに申請された、ベースライン及びモニタリング計
画に関する新方法論は、電源開発による1件のみであった。7月28日、29日の第10回CDM理事会で
審査予定。
受付番号
プロジェクト名
概要
ホスト国
参加企業等
NM 0016
Graneros Plant Fuel Switching
Project
食品製造工場における天然ガス
への燃料転換
チリ
・Nestle Chile S.A. (チリ)
・電源開発
・MGM International, Inc. (アルゼ
ンチン)
Appendix (CDM理事会情報)
第9回CDM理事会における、14のベースライン・モニタリング方法論の審査結果。
受付番号
ホスト国
関係日本企業
CDM理事会評価
NM 0001
ブラジル
―
B
NM 0002
ブラジル
・豊田通商
C
NM 0003
トリニダード・ト
バゴ
―
C
NM 0004
ブラジル
―
B
NM 0005
ブラジル
―
B
NM 0006
グァテマラ
―
C
NM 0007
韓国
・Japan Quality Assurance Organization (JQA=日本
品質保証機構)
・INEOS Fluor Japan(イネオスケミカル、日本)
・Climate Experts (日本)
B
NM 0008
コスタリカ
―
C
NM 0009, 0014,
0015
タイ
・三菱証券 クリーンエネルギーファイナンス委員会
C
NM 0010
南アフリカ
―
B
NM 0011
インド
―
C
NM 0012
ジャマイカ
―
B
A:承認
B:再検討
C:不可