計画立案と維持 1.全体日程(大日程計画) (1)規模見積り ・モデル法 ex.-ファンクション・ポイント法 ビジュアル開発ツール等の利用の場合、開発ステップ数と人月の相関が無い。 機能の数や複雑さを評価して、客観的な数値(FP値)で表現する。 ・開発技法とは無関係に計算出来る ・概要設計終了後に適用出来る -IFPUG法(Internatinal Function Point Users Group) FP法の一種であり、業界標準と見なされている。 外部入力、外部出力、内部論 理、外部インターフェイス、外部参照の各ファイ ル の数をカウント、データの複雑さに応じて重み付けする。(未調整FP) その後、システム特性(14種類)に基づいて補正(調整計数)する。 FP=未調整FP*調整計数(0.65~1.35) ・事務処理等のデータ加工が単純なシステムに適している ★NECにはFP法による見積支援ツール『FRIEND』がある。 →詳細見積(IFPUG法)、概算見積、費用算定が可能 プロジェクト管理 -3- -フィーチャー・ポイント法 FP法の一種であり、CADや科学技術計算システムの測定に向いている ・経験法 ソースプログラム行数(SLOC:Source Lines Of Code)を見積る ex.-実績スライド積算法 以前の類似PJの実績から類推する →費用:少ない -三点見積り法 精度:低い 4A+B+C モジュールの最も確からしい値(A)、悲観値(B)、 楽観値(C)の3点を推定し、加重平均をとる。 6 -積上げ法 開発工程をWBSで分解し、個々の作業項目のコストを積み上げる。 作業項目の大きさにより見積り時の費用、精度が変動する。 プロジェクト管理 -4- (2)工数見積り ・ソフトウェア規模から工数/工期を見積る ex.-COCOMOモデル(Constructive Cost Model) ウォータフォール型を前提とした生産性に関する影響要因、変動要因 (15種類:αi)を多変量モデルとしてとらえたBoehmの提案。 15 工数=a*(SLOC)b αi i=1 a、b : 生産性計数 -基準生産性法 記述言語、開発工程別に基準生産性を決めておき、工数を計算する。 工数=ライン生産性*開発規模 ファンクション・ポイント法では 工数=FP生産性*FP値 プロジェクト管理 -5- COCOMOモデルのコストに関する IFPUG法の 影響要因、変動要因 システム特性 1.データ通信機能 2.分散データ処理 3.性能条件 4.高負荷構成 5.トランザクション率 6.オンラインデータ入力 7.エンドユーザの効率 8.オンライン更新 9.複雑な処理 10.再利用性 11.導入の容易さ 12.操作の容易さ 13.複雑サイト 14.変更の容易さ プロジェクト管理 各 項 目 を 6 段 階 で 評 価 す る 1.ソフトウェアに要求される信頼性 2.データベースのサイズ 3.ソフトウェア製品の複雑性 4.システムに課せられた実行時間の制約 5.主記憶の制約 6.OS、ハードの変更頻度 7.プログラム開発時のコンピュータ応答時間 8.アナリスト(システム設計者)の能力 9.同様なアプリケーションの経験度合い 10.プログラマーの能力 11.OS、ハードの経験度合い 12.使用されるプログラミング言語の使用度合い 13.ソフトウェア開発技法の使用度合い 14.ソフトウェアツールの使用度合い 15.要求される開発スケジュールの制約 -6- (3)開発プロセスモデル ・ウォータフォールモデル 各工程(基本設計、詳細設計、等)を完全に終えてから次の工程に進む開発手法。 工程のチェック項目、成果物が明確、進捗状態の把握が容易。 ・プロトタイピング 目標とするシステムを簡略化した疑似モデル(プロトタイプ)を作成し、機能、使い勝手、 性能を評価し、プロトタイプに反映させる。 ・スパイラルモデル 短期間で小刻みに追加機能を繰り返し、徐々に本番のシステムに近づけていく。 システムの効果を早期に実証可能。投資効果を段階的に評価出来る。 プロトタイピングと併用することが多い。 ・RAD(Rapid Application Development) CASE等の各種ツールの活用により開発工期の短縮を図る。 ★NECは『NRAD』 ・EUC(End User Computing) 情報システム部門主導から、エンドユーザ部門主導のコンピューティング環境に変更 しようとするもの。 Visual BasicやACCESSなどのVisual開発ツールを使用して、 ユーザ自らデータの加工/編集を行う。 プロジェクト管理 -7- (4)プロジェクト作業の把握 ・WBS(Work Breakdown Structure)…作業分割図 ①プロジェクトで必要となる作業をトップダウンで分析し、階層構造 で表現する。 ②全ての作業を洗い出すことが重要である。 ex.-要求分析、アプリケーション開発 -プラットフォーム、パッケージソフトの選択 -プロトタイピング(标准)、シミュレ-ション(模拟) -テスト環境整備 -テストデータ作成 -要員教育、ユーザ教育 -開発標準、規定等の制定 ★C&Cシステム事業グループ SIプロセス フレームワーク/アクティビティ説明書 【第二版】(PM-SS-0002)に標準の詳細アクティビティが設定されている。 (Super-SCALEでの使用が前提だが、契約/客先との作業分担/作業の抜けの 確認に使用可能) プロジェクト管理 -8- WBSの例 プロジェクト管理 技術統制 アプリケーション開発 要員管理 性能管理 基本設計 進捗管理 インターフェイス 管理 概要設計 詳細設計 費用管理 リスク解析 コーディング 品質管理 単体試験 構成管理 結合試験 外注管理 総合試験 立会試験 プロジェクト管理 -9- 移行・展開 ③各作業の作業量を見積る ex.-開発プログラム、テストプログラムのリストアップと 開発規模の見積り -パッケージソフトの機能、性能、連接性等の評価 -試験内容と量の分析(ユーザとの作業分担) -作成ドキュメントの種類と量 -他システム等との連接作業量 -移行に要する期間と作業量 -教育に要する期間と作業量 -各種調査に要する期間と作業量 ④他社、他部門とのSOW(Statement Of Work…作業分担記述 書)を作成し、マルチベンダ間の責任範囲を明確にする プロジェクト管理 -10- ⑤作業のリスク解析を行う ex.-プログラムの難易度 -開発環境 -他社との関係 -他部門との関係 -パッケージソフト及び新規H/Wの機能、性能、品質、 リリース時期 -期間(スケジュール) -H/W、OS、他システム等の必要時期と品質 -開発及び試験支援ツールの利用可能性 -要員のスキル、質、量 プロジェクト管理 -11- (5)日程計画の立案 ・スパイラルモデル等の開発プロセスを決定する。 ・マイルストーンを明確にする。 ・日程計画を作成する。 -ガントチャート(バーチャート)…進捗状況は把握し易いが、 作業間の関連性が分かりづらい、遅延の影響がつかめない -PERT図(アローダイアグラム)…クリティカルパスを検出出来る -フェーズレートチャート ガントチャート (Gantt Chart) 1月 2月 3月 PERT図 (Program Evalution and Review Techniqe) A作業 50 4月 作業1 1 作業2 B作業 40 2 C作業 20 0 作業3 E作業 15 作業4 : 計画 プロジェクト管理 D作業 10 3 : 実績 4 : クリティカルパス -12- F作業 20 5 フェーズ・レート・チャート (Phase Rate Chart) :計画 :実績 設計 コーディング 単体 結合 100 90 80 70 進 捗 60 率 50 ( % ) 40 30 20 10 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 月 プロジェクト管理 -13- 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ・留意点 -実行可能な計画を作る -WBSで分析した作業は、全て計画に盛り込む -リスクに応じた余裕を確保する -複数工程を安易にだぶらせない -各工程のアウトプットを明確にする -プロジェクト管理ツールを利用すると良い (6)見直し 全体日程は原則として見直さない方が良いが、マイルストーン、 外部条件、進捗状況等に大きな変化が発生した場合は、 見直しを行う プロジェクト管理 -14-
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