構成管理 構成管理とは、ソフトウェア開発に於ける成果物をある時点で凍結し、 以降の変更を管理する事をいう (大規模システムでは極めて重要な管理である) 1.管理対象と管理開始時期 管理対象の例 管 理 開 始 時 期 の 例 基本設計書 ソースプログラム ・基本設計終了時 ・基本設計レビュー終了時 各モジュールの単体試験終了時 ロードモジュール 全モジュールのリンク時 管理開始に当たり凍結した品目を、それぞれのベースラインと する プロジェクト管理 -24- 2.変更管理 ・ベースラインの変更は、手続きに従って実施する ・変更が実施される時、各品目の版(Version)を改版する ・関連グループへ連絡する 3.管理の為の組織 (1)構成管理委員会(変更管理委員会) CCB(Configuration Cntorol Board) ・変更を承認する ・変更対象により、構成メンバーは異なる (ex.契約内容、基本設計書、ソースプログラム) (2)ライブラリアン ・管理担当者 プロジェクト管理 -25- 4.留意点 ・ライブラリアンは原則として、グループではなく個人とする ・ライブラリアンにはなるべく開発業務をアサインしない ・変更手続きには例外を作らない ・管理はシンプルかつシビアに行う (ISO9001の要求事項である) プロジェクト管理 -26- 技術統制 技術統制とは、主に技術面からプロジェクト全般に渡りモニタ、 統制(コントロール)する活動である 対象項目の主要なものを下記に示す ・部門間の作業分担 ・標準、基準の制定 ・機能性能の定量的予測と実現状況のモニタ ・リスク管理 ・インターフェース管理 ・開発状況のモニタ ・各種の要調整事項の処置 プロジェクト管理 -27- 1.統制計画立案 ・何を、何時、どの様に統制するか ・統制組織確立 2.部門間の作業分担 ・SIerと開発部門、開発部門相互間の分担を決定する ・会社間及び部門間のSOW(Statement Of Work… 作業分担記述書)を制定する 3.標準、基準類の制定 制定後は構成管理の対象とする ex.-構成管理実施基準 -各種文書作成要領 -コーディング規約 -セキュリティ基準 プロジェクト管理 -28- 4.機能性能の定量的予測と実現状況のモニタ (1)予測 システム、プログラムの機能性能の定量値を予測する 特にC/SシステムのH/W、パッケージソフトの性能予測に注意する -シミュレーション、クリティカル部門での試作等 -DB設計の性能に与える影響測定 -負荷状態での性能予測 (2)要求機能性能の確定 実現すべき機能性能を確定する 確定時期はプロジェクトにより異なるが、要求分析時、基本設計時 等が一般的である (3)実現状況のモニタ 設計、製造の工程を通し、機能性能の実現状況をモニタする プロジェクト管理 -29- 5.リスク管理 各工程に於ける技術的リスクを解析し、回避状況をモニタする ex.-契約範囲、内容等の明確化 -技術者の能力 (多段階契約…設計、開発、保守) -技術的難易度 -ユーザ側の体制、能力等 -新規性 -マルチベンダのコントロール -期間の余裕 -オープン製品の連接性、互換性 <手順>・識別 →要因の洗い出し ・分析 →発生確率、影響 ・計画 →受け入れor対処計画立案 ・要因や事象の除去又は制限 ・回避又は発生確率を減少させる ・損害の軽減又は緩和 ・見積りに余裕を持たせる 等 ・制御 →状況を監視 重要と思われる部分に重点的に対処する プロジェクト管理 -30- 6.インタフェース管理 システム間、サブシステム間、プログラム間のインタフェースを 管理する(構成管理の一環で実施しても良い) ex.-メッセージ形式/送受信タイミング、頻度 -プロトコル -データ/ファイル形式 7.開発状況のモニタ 開発状況を全体的にモニタし、問題点を早期に発見、対処する 8.各種の要調整事項の処置 プロジェクトを通じて発生する要調整事項の対処のリーダシップを とる プロジェクト管理 -31-
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