第1章 part2 『時の表現』 「時間」の関係を表す接続の表現を 勉強します。 1-3 同じ時に • ここでは、同じ時間帯の中で、同じ人が 二つのことをする時の表し方です。 • 「つつ・かたがた・がてら」は二つのことを 全く同じ時間にする場合で、 • 「ついでに・かたわら」は一つのことをし ていて、空いた時間に別のことをする場 合です。 1-3 同じときに • • • • • ~つつ ~ついでに ~かたがた ~がてら ~かたわら 1 ~つつ • 動詞マス形+つつ 「~ながら」と同じ。前文と後文の主語が同じ で、同時にする。前文のことより、後文のこと が大切になる。表示同一主體在進行某一行 為時同時進行另一行為。 ①政治の世界では、一方で話し合い を続けつつ、裏で戦いの準備をする。 つつ 話し合い 戦いの準備 ②政府は社会のシステムを近代化し つつ、発展させる政策をとった。 • 社会システ ムの近代化 ~つつ • 社会システ ムの発展 同 時 ③これだけの赤字では、地方支店を縮 小させつつ、撤退するしか方法がない。 • 地方支店を縮小 • 撤退 ④カメラマンは、いい写真を撮るため、 モデルに話しかけつつ、シャッターを 押す。 つつ モデルに話 しかける シャッター を押す 2 ~ついでに • 動詞タ形+たついでに • する名詞+のついでに 「~をする時、一緒…にする」という意味。 「~するなら、そのチャンスを使ってする」と、 都合がいいことを表す。前文のことが予定す る大切なこと。 表示利用這一機會的意思。用於在做某一主 要事情的同時、別帯着做其他事情的場合。 ①駅前までいったついでに、新規開 店の喫茶店でコーヒーを飲んだ。 ついでに ②市の図書館へ本を返すついでに、 車にガソリンを入れてくるね。 車にガソリンを ついでに 入れるgasoline ③「外出のついでにちょっと立ち寄り ました」というのは相手に失礼でしょう。 「ついで」は失礼。 「わざわざうかがいました」というべき。 ④報告書のコピーをするなら、ついで にこのレポートもコピーしといてね。5 部ね。 ついでに レポートのコピーも 頼む。 5部ね。 3 ~かたがた • する名詞+かたがた 「~をすることを利用して、別の目的のことも する」という意味。改まった場面での言い方。 「お礼~、お詫び~ 、ご挨拶~、ご報告~、 お見舞い~」のように決まった表現があり、 手紙の挨拶にもよく使われる。 表示在做這一動作時、順便兼做後面的動作 的意思。 ①母は一人暮らしの私が心配で、大 家さんにお願いかたがた、(私の)様 子を見に来た。 大家さんに おねがい 様子をみる ②支店の営業報告かたがた、久しぶ りに本社に顔を出した。 本社に顔を出す。 (訪問する) かたがた ③結婚のご挨拶かたがた、近況をお 知らせいたします。 ここに 住んでいます かたがた 近況をお知らせ ④父は私の卒業式で上京かたがた、 昔の友人たちにも会って帰るそうです。 東京に行くこと かたがた 昔の友人に会う 4 ~がてら • 動詞のマス形+がてら • する名詞+かたがた 「~をする時に、さらに一緒に他のこともす る」という意味。一つの動作で同時に2つの 目的のことができる。 以「XがてらY」的形式表示「在做X的同時、 順便把Y也做了」的意思。一般多用於做Y其 結果也可以完成X的意思。 ①父はいつも近くの公園を散歩がてら、趣 味の俳句のネタを探す。 俳句の「ネタ」を探す がてら 「アイデア・材料」 のこと ②たまにはホテルでお花見がてら、みん なとランチでもしませんか。 がてら みんなとランチ ③リハビリ中の母は運動がてら、一人 で買い物にも出かけるようになった。 運動する つもりで がてら 一人で買い物 ④新しく購入した機械をテストがてら 使ってみた。なかなか具合がよさそう だ。 Good! 調子がいい 5 ~かたわら • 動詞の辞書形+かたわら • する名詞+のかたわら 「~をしている合間(空いている時間)に、別 のこともする」という意味。前文にはその人の 仕事など、いつもしていることが来る。 表示「在主要的活動、工作以外、在空餘的 時間還做…」的意思。 ①主人は勤めのかたわら、地域の少年 サッカーチームの世話をしている。 少年サッカーの世話 かたわら、間に ②野菜の品種改良を研究するかたわ ら、自宅でも家庭菜園を作っている。 かたわら、間に 家庭菜園を作る ③最近では家事のかたわら、イン ターネットで株取引する主婦が増えて いるそうだ。 かたわら、間に インターネットで株取引 ④スポーツ選手として活躍するかた わら、指導者になる勉強もしている。 かたわら、間に 指導者になるため勉強 1-4 終わってすぐ • 前文のことが終わって、すぐに後文のこ とがある時の表現です。 • ここでは、2つのことをする人が、同じ場 合と違う場合とがあります。 • また、すぐに次のことが、起こる場合は、 話し手の意志と関係がない場合があり ます。 1-4 終わってすぐ • • • • ~たとたん ~た瞬間に ~かと思うと ~次第 1 ~たとたん • 動詞タ形+たとたん 「~たら、~になった」という意味。話し手の 意外な感じ、びっくりした感じがあるので、後 文に話し手の意思がない。 1 ~たとたん • 而且後面的動作和變化是説話人當場所發 現的、所以多伴有「感到意外」的韻味。因此、 後接部分不能用表示説話者意志的動作。代 替「とたん」、可用「すぐに(立即)」或者「やい なや(馬上)」。 • (誤)私は家に帰ったとたん、お風呂に入った。 • (正)私は家に帰るとすぐに、お風呂に入った ①携帯電話がなったとたん、仕事中 なのに、彼は部屋を出て行った。 プルルルー! プルルルー! プルルルー! 電話だよ! 彼は部屋を出て行っ た。 ②泥棒が金庫に手をかけたとたん、 非常ベルが鳴り出した。 不會吧! 非常ベルが鳴った。 ③7月に入ったとたん、暑くなった。 7月! 暑くなった。 ④ほんとに眠かった。ベッドに入った とたん、寝てしまった。 これは意志的動作ではない。 寝てしまった。 2 ~た瞬間 • 動詞タ形+た瞬間 「ほとんど同時に・ちょうどその時」という意味。 同時に起こるので、人の意思ではなく起きた 事実を表す。 ①めがねは床に落ちた瞬間、粉々に 割れてしまった。 割れてしまった。 瞬間 ②これは上がった瞬間、いろいろな色 が出るタイプの花火です。 ③10年ぶりに会った瞬間、昔、隣の 家に住んでいた正夫くんだとわかった。 好久不見! あ、正夫くんだね。 久しぶり。 「ポチたま」の まさお君 3 ~かと思うと • 動詞辞書形+かと思うと • 動詞タ形+たかと思うと 「~とほとんど同時に続いて起こる、それを 速いと驚いたり、予想外と感じる」時に使う。 自分の行動については使わない。 ①赤ん坊はさっきまでニコニコしてい たかと思うと、急に泣き出した。 剛一…就… かと思うと すぐに変わるの で予測不可能 ニコニコ(笑う) 泣く ②毎年、新しい店が開店するかと思う と、閉店になる店もある。 既有…又有…、 有…又有…。 ③あの子は先週までカメラに夢中に なっていたかと思うと、今は、バイクに 夢中だ。 かと思うと ④事故処理が終わったかと思うと、ま た別の事故が起こった。 また出動 かと思うと 4 ~次第 • 動詞マス形+次第 「~のあとすぐに、する」という意味。表示「一 …立刻就…」的意思、用以表示某事剛一實 現。 これからすることを言うので、後文に、「~だ ろう」や「~ました」の形は使えない。 ①田中は留守にしておりますが、戻り 次第そちらにお電話いたします。 そちらにお電話い たします。 ②事件の詳細がわかり次第、皆さん にお知らせします。 わかったらすぐに ③私の注文の品物が入り次第、連絡 していただけますか。 PS3入荷しましたよ。 お早めにどうぞ。 ④車の修理が終わり次第、出発する 予定です。 終わり次第 ドライブに出発! 1-4 ② 終わってすぐ • 前ページと同じで、あることが終わった あと、すぐ次のことがある時の表現です。 • 文末にどういう表現ができるか、(或い は)できないのか、注意しましょう。 1-4 終わってすぐ • • • • ~か~ないかのうちに ~が早いか ~そばから ~なり 5 ~か~ないかのうちに • 動詞辞書形+たか+動詞ナイ形+ないかのうちに • 動詞タ形+たか+動詞ナイ形+ないかのうちに 「~のあと、すぐ次のことが起こる」と速いこと に驚いている時に使う。文末は意思や命令、 「だろう」は使えない。前の動詞と後ろの動詞 が同じことが多い。 重複使用同一動詞、表示「剛剛開始某一動 作幾乎沒過一點兒時間」的意思。 ①食べ終えるか(食べ)終わらないか のうちに、店員は皿を持っていった。 ああ! まだ残ってる! ②ひとつの戦争が終わるか終わらな いかのうちに、また別の国で戦争が 始まる。 のうちに また始まった。 ③走ったか走らないかのうちに、着い てしまった。タクシーに乗る必要がな かった。 お客さん、着き ましたよ。 えっ、まだ、1分なの に! ④使ったか使わないかのうちに、壊れ てしまった。安いパソコンを買うとこれ だ。 一週間後 最新型の新品だよ。 早速使おう。 もう壊れたよ。 早く修理に。 6 ~がはやいか • 動詞辞書形+たがはいか • 動詞タ形+たがはいか 「~と同時に、すぐに次のことが起こる」と現 実のできごとの描写に使う。 表示在一個動作之後緊接着發生了另一件 事。意思為「與…幾乎同時」、「剛…立刻就 …」 ①子供は朝ごはんを食べるが早いか、 かばんを持って駆け出していった。 かばんを持って駆け出した ②答案を書き終わるが早いか、提出 して教室から出て行った。 飛び出していった。 ③おなかがすいた猫は小鳥を見つけ るが早いか、飛びかかった。 獲物ニャ! ④電車で座席が空くが早いか、立って いたおばさんが座った。 ⑤ボールを取るが早いか、選手はドリ ブルで相手エリアまで走り、シュートし た。 7 ~そばから • 動詞辞書形+そばから • 動詞タ形+そばから 「~の同じ動作を何回しても、すぐに次のこと が起こる」という意味。話し手があまり好まし くないことを後文で言う。 表示「剛…就…」的意思。是比較陳舊的表達 方式。 ①子供のころ母が天ぷらを揚げるそ ばから、手を出して食べていた。 つまみぐい ②習うそばから、忘れるようでは、こ れ以上習っても無駄だと思いますが。 習う どうやって結ぶん だっけ? ③開店した当時は、客が帰ったそば から、次の客が来たものだった。忙し かったよ。 ④私が捨てるそばからおじいさんが 粗大ごみを拾ってくる。家のごみが減 らない。 ゴミが減らない。 8 ~なり • 動詞辞書形+なり 「~をすると、すぐに次のことをする」日常的 ではないことをする時に使う。後文には、意 思や命令・推量は使わない。 接表示動作的動詞後、表示「在其動作剛剛 做完後」的意思。「剛一…就…」。用於在其 動作剛做完就發生了沒有預想到的事情時。 ①帰宅するなり、パソコンを立ち上げた。 株価が気になって仕方がなかったのだ。 ありゃー! (株価が)下がっ てるよ↴ ②客はコーヒーを飲むなり、苦しみだ した。犯人が毒を入れておいたのだ。 ぐ、ぐるしー! ③若い女性は電車に乗って座るなり、 化粧を始めた。 ④息子は時間がないと言うなり、弁当 も持たずに、飛び出していった。 おーい、 忘れてるよ!
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