日語文法研究 (大学院) 4月2日(木)~ 担当 神作晋一 第1章 日本語の品詞 ねらい: 日本語の語を自立語と付属語に分類し、さ らにその意味や機能から日本語の品詞に ついて考えます。 キーワード: 自立語、付属語、品詞、活用、統語的機能、 学校文法、日本語教育の文法、判定詞 第1章 日本語の品詞 §1 品詞の分類 §2 日本語の述語のタイプ 動詞述語・形容詞述語・名詞述語 §3 日本語教育の文法と助動詞 §1 品詞の分類 §1 品詞の分類 語の分類 形態変化(活用)の有無 文中の機能(統語的機能) 自立語(単独使用が可能) 付属語(単独使用が不可能) §1 品詞の分類 表1 日本語の品詞 活用あり 自立語 付属語 活用なし 述語になれる 動詞・形容詞・形容動詞 主語になれる 名詞 主語にならない 副詞・連体詞・接続詞・感動詞 活用あり 助動詞 活用なし 助詞 §1 品詞の分類 品詞分類表 uで終わる(ラ変は「り」) 活用する 述語になること 「し」「じ」で終わる ができる=用言 「なり」「たり」で終わる 主語になることができる=体言 動詞 形容詞 形容動詞 名詞 自立語 単語 活用しな い 修飾語に なる 用言を修飾 副詞 体言を修飾 連体詞 接続語となる 接続詞 独立語となる 感動詞 主語にならない 修飾語に ならない 活用する 助動詞 活用しない 助詞 付属語 §1 品詞の分類 学校文法 母語話者が無意識に獲得した母語の知識を改め て意識的に整理しなおすときの「ものさし・基準」 (外国語としての)日本語教育の文法 学習者が日本語の文を産出するときの手がかりと なるべき「規則の集合」 §2 日本語の述語のタイプ §2 日本語の述語のタイプ 述語の主要部の品詞によって、3つに分類 動詞述語文 形容詞述語文 「学校へ行く」「寮に帰る」 「この映画はおもしろい」「このケーキはおいしい」 名詞述語文 「彼は学生だ」「これは本だ」 §2 日本語の述語のタイプ 形容動詞の扱い (指定の)助動詞「だ」の活用と同じ 「だろ、だっ、で・に、だ、な、なら」 「形容動詞」と「名詞述語」の違いが不明 「形の変わらない部分+活用部分」 「本だろう・本で・本だ」 「元気だろう・元気で・元気だ」 §2 日本語の述語のタイプ 形容動詞の特徴 意味:形容詞に近い 形態:名詞述語「名詞+だ」に近い ⇒品詞として独立させる根拠に乏しい。 §2 日本語の述語のタイプ 形容動詞 (述語文) 形容詞 (述語文) 共 通 部 分 名詞(述語文) §2 日本語の述語のタイプ 名詞の修飾の仕方 形容詞:「美しい花」 形容動詞:「きれいな花」 名詞:「日本の花」 意味重視:イ形容詞とナ形容詞 形態重視:名詞とナ名詞 §3 日本語教育の文法と助動詞 §3 日本語教育の文法と助動詞 学校文法:助動詞 A 「させる」「られる」「ない」「た」 B 「だろう」「らしい」「ようだ」「みたいだ」 日本語教育:Aのタイプは動詞の活用の一 部に組み込まれる。 例:表2「書く」の活用 4 文法カテゴリー各論 (36) 述語成分の内部構造 食べ させられ てい 語幹 ヴォイス た らしい よ アスペクト テンス ムード 終助詞 ※終助詞は一つの文を超えたより大きなレベル (文脈などに依存ずる部分がある) §3 日本語教育の文法と助動詞 Root(語基、語根) 書き~ 辞書形 書く マス形 書きます 受身形 書かれる テ形 書いて 使役形 書かせる タ形 書いた 使役受身形 書かせられる タラ形 書いたら 可能形 書ける タリ形 書いたり バ形 書けば 否定形・ナイ形 書かない 意向形 書こう なるべく形式に基づいた名称をつける §3 日本語教育の文法と助動詞 日本語教育の文法 学習者が段階を追って学習し、徐々により 複雑な構造の文を産出できるようになるた めの文の生成規則。(P.8) 学習者が日本語の文を産出するときの手が かりとなるべき「規則の集合」 §3 日本語教育の文法と助動詞 助動詞もある 判定詞(コピュラ/copula・繋辞) 「のだ」「わけだ」「ようだ」「そうだ」 「らしい」「だろう」 どの母語話者にも説明可能な客観性が求 められる。
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