AIDS PBLの流れ 学習目標の要点 免疫システムの組成と功能 リンパ組織の構造と功能 リンパ節と脾臓の構造と功能 病例分析 39歳女性(HIV感染者) 提示問題についての解答 (1)HIVで最もダメージを受けるのはリンパ節と脾臓の どのような部位か。 (2)リンパ節と脾臓の結合の構造で、HIVウイルス はどのようにこの臓器を破壊するか、またその 結果は。 免疫システムの組成と功能 自然免疫系 補体 マクロファージ 好中球 免疫システム ナチュラルキラー細胞 適応免疫系 T細胞 B細胞 抗原提示細胞 自然免疫系 Innate immune system ★侵入者に対して非特異的に作用するシステム 適応免疫系 adaptive immune system ★侵入者を特異的に除去することができる ★4つの特徴がある。 1、特異性 2、多様性 3、記憶 4、自己・非自己の認識 T細胞について T細胞はB細胞と比較して以下のような特徴がある。 1、T細胞は細胞表面にSIGではなくTCRを持つ 2、T細胞は抗原提示細胞によって提示されるエピトープのみを 認識する 3、T細胞は蛋白抗原のみと反応する 4、T細胞は至近距離においてのみその機能を発揮する T細胞のサブタイプ(さぶちゃーん) ●ヘルパーT細胞 ●細胞傷害性T細胞 ●サプレッサーT細胞 ●記憶T細胞 免疫反応に関わる細胞表面マーカー CD3 すべてのT細胞 CD4 ヘルパーT細胞 CD8 細胞傷害性T細胞、サプレッ サーT細胞 CD28 ヘルパーT細胞 CD40 B細胞 リンパ組織の構造と功能 リンパ器官は一次器官と二次器官に分けられる。 肝臓(胎児期) 骨髄 胸腺 一次リンパ器官 リンパ球が免疫担当細胞になるための 分化と成熟に関与 二次リンパ器官 リンパ節 脾臓 粘膜付属リンパ組織 侵入してきた抗原や病原体に対して、免 疫担当細胞が免疫反応をおこしたり相互 作用しあうのに適当な場を提供する 胸腺 リンパ組織の構造と功能 胸腺は一次リンパ管で、T細胞を分化、成熟させる。 皮質と髄質に分けられる。 皮質は、T細胞の免疫能力の獲得、MHCの認識、自 己寛容性を持たないT細胞の除去等の機能。 髄質は、ハッサル小体の存在が特徴で髄質胸腺細胞 のすべてが免疫担当細胞である。 リンパ節 リンパ組織の構造と功能 リンパ節はリンパ管の所々に存在して、小型でやや扁 平型の器官で、細菌などの異物を除去するフィル ターとしての役割を果たす。 脾臓 リンパ組織の構造と功能 脾臓は人体で最大のリンパ器官で、膠原線維に富む 結合組織性の被膜で覆われている。半球型で凸面 をなす横隔面とやや凹面をなして門のある臓側面 が区別される。 機能としては、T細胞、B細胞を増殖させるという免疫 学的機能にのみならず、老廃化した赤血球を破壊 するための血液のフィルターとしても機能する。 病例分析 ●1995年から3度の輸血をし、1998年6月に発 熱や各所の痛みを訴え風邪のような症状が でるが、一度改善する。 ●2000年10月に再発し、リンパ節が肥大する など以前よりひどい症状が出る。 ●以降さらに症状が悪化する。 HIV感染の段階 段階1HIVの感染(急性感染期) 段階2潜伏期(無症候性キャリア) 段階3AIDS前段階(AIDS関連症候群) 段階4AIDS発症 HIVからAIDSへ HIV感染 HIVウイルスの進入によって免疫システムの司令官であるヘルパーT細胞 (CD4+)が破壊されていき、免疫システムが働かなくなっていく。またHIV ウイルスは単球、マクロファージにも接近していくが、破壊せず内部に侵 入して脳、肺、とりわけリンパ節に運ばれていく。 AIDS発病(CD4T+Cell500以下) 免疫システムの機能低下により23の日和見感染がおこり、この段階をAID S発症とする。 HIVの侵入イメージ HIVウイルスによる23の日和見感染 カンジダ症(食道、気管、気管支、肺) クリプトコッカス症(肺以外) コクシジオイデス症 ヒストプラズマ症(3・4は、全身播種性もしくは、肺、頸部、肺門リンパ節以外に起こったもの) ニューモシスチス肺炎 トキソプラズマ症(生後1か月以後) クリプトスポリジュウム症(1か月以上続く下痢を伴ったもの) イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴ったもの) 化膿性細菌感染症(2年以内に二つ以上あるいは繰り返しおこしたもの) サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもの) 活動性結核(免疫不全の場合) 非定型抗酸菌症(全身播種、または肺、皮膚、頸部、肺門リンパ節以外に起こったもの) サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以降で肝臓、脾臓、リンパ節以外) 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 進行性多巣性白質脳症(PML) カポジ肉腫 原発性脳リンパ腫 非ホジキンリンパ腫 浸潤性子宮頸ガン 反復性肺炎(1年に2回以上繰り返すもの) リンパ性間質性肺炎・肺リンパ節過形成(13歳未満) HIV脳症(痴呆または亜急性脳炎) HIV消耗性症候群 HIV感染の治療 1、HIVを完治する治療法はいまだ無い 2、HIV増殖抑制によるAIDS発症予防 3、HIV変異体抑制(現在の治療を続けるため) 4、CD4T200以下になる前に(早期発見抑制) 5、感染経路の遮断(予防は最大の治療) りお わ 拙者、 ここまで じゃ
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