ノードの情報を動的に反映した オーバレイネットワークの構築 環境情報学部 仲山 昌宏 [email protected] 研究の背景 オーバレイネットワークを利用したアプリケー ションの登場 IPネットワークの上にTCP等を利用して構築された アプリケーションによるネットワーク ファイル共有: Napster/WinMX, gnutella 匿名ファイル共有: Freenet, Winny ストリーミング: ShareCast, PeerCast グループウェア: Groove 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 2 アプリケーションの分類 動的なデータ ICQ, MSNメッセンジャー Groove ShareCast, PeerCast 匿名通信路(修論) 間 接 ( Winny 中 継 ) 直 接 Napster/WinMX Gnutella Freenet 静的なデータ 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 3 中継を利用する オーバレイネットワーク データ本体の転送に中継を利用する。 検索クエリの転送ではない B A 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 4 中継を利用する オーバレイネットワークの問題点 直接通信を行う場合と比べ、中継を行うノード やそこに至るネットワークの影響を受けやすい 中継ノードが突然居なくなってしまった場合に 通信が途絶する 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 5 C 中継者が遠い場合 the Internet A D 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 6 中継者が細い場合 the Internet A C D 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 B Page. 7 理想 the Internet A D C 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 8 目的 中継を利用するアプリケーションにおいて RTTやスループットを改善する。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 9 関連研究1 P2Pサービスにおける物理ネットワークを考慮 した論理トポロジー構築手法 gnutellaを利用 Hop数と生存時間から最適なノードを選択 「ノードの能力」を無視している。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 10 関連研究2 Winny 匿名性を実現するファイル共有アプリケーション 自己申告した帯域幅によるツリー状の階層化と、 指定したキーワードのマッチングによるクラスタリ ングを併用 IPネットワークのトポロジを無視しているため偶然 に大きく左右される。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 11 手法 ノードやIPネットワークの状況に応じてオーバ レイネットワークのノード間リンクを最適化 ネットワークの情報 • RTT • スループット ノードの情報 • 帯域幅 • 処理性能 • 生存時間 • 保持している情報 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 12 手法 あくまで「ノード間のリンク」を対象 オーバレイネットワーク上でのデータのルーティン グは対象外 情報の検索も対象外 最終的に、ノードがゆるやかなツリー状に繋が ることを目指す。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 13 設計 ネットワーク構成の効率化 1. 2. 3. 4. 2002/11/02 新しく接続したノードAはHelloメッセージをオーバ レイネットワークに流す。 Helloメッセージを受け取ったノードDは、接続数 に余裕があればノードAまでのRTTを計測する。 計測結果とノードDの情報をノードAに返す。 ノードAは集まったノード情報を元に接続先を選 択する。 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 14 設計 初期状態(接続直後) C the Internet A D 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 15 設計 1. Helloメッセージ送出 C the Internet Hello MSG A D 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 16 設計 2. 測定 C the Internet A 測定! 2002/11/02 D 測定結果 RTT: 10msec 2002年度秋学期卒論中間発表会 B Page. 17 設計 3. 送信元に返す C Reply MSG ノード情報+測定結果 the Internet A D 2002/11/02 ノード情報 帯域幅: 100Mbps load: 0.8 2002年度秋学期卒論中間発表会 B Page. 18 設計 4. 接続先を繋ぎかえる C × the Internet A D 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 19 設計 5. 最終 C the Internet A D 2002/11/02 B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 20 設計 6. 理想型 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 21 評価 定量的評価 ノードが増減した場合にネットワーク構成の効率 化にかかる時間 Helloメッセージの転送に要するトラフィック 繋ぎ変える機構を採用しない場合とのRTTやス ループットの差異 定性的評価 IPネットワークのトポロジに近いネットワークを構成 できているかどうか 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 22 おわり ご静聴ありがとうございました。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 23 おまけ:その他スライド 修士研究計画 「仮想ネットワーク上で匿名性と相手の特定を両 立するシステムの構築」 匿名性を保ったまま特定の相手との間に暗号通 信路を提供するシステム 匿名性を提供するために、オーバレイネットワーク 上の中間ノードが通信の中継を行う。 2002/11/02 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 25 修士研究計画 中継者による匿名性の実現[往路] ! B 22.22.22.22 Src: A [44.44.44.44] Src: A [11.11.11.11] Dst: ? Mes: Search Query Dst: ? 33.33.33.33 C Mes: Search Query D 44.44.44.44 Src: A [33.33.33.33] Dst: ? A 11.11.11.11 2002/11/02 Mes: Search Query 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 26 修士研究計画 中継者による匿名性の実現[復路] B 22.22.22.22 Src: B [22.22.22.22] Src: B [33.33.33.33] Dst: A [11.11.11.11] Mes: Response Dst: A [44.44.44.44] 33.33.33.33 C Mes: Response D 44.44.44.44 Src: B [44.44.44.44] Dst: A [33.33.33.33] A 11.11.11.11 2002/11/02 Mes: Response 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 27 設計 IPマルチキャストによるノード探索 1. 2. 3. 2002/11/02 ノード探索メッセージを、IPマルチキャストで特定 のマルチキャストアドレスにTTL=1で投げる。 ノード発見メッセージが帰ってきたらそのノードに 接続する。 時間内に帰ってこなければTTLを徐々に増やして 再びノード探索メッセージを投げる。 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 28 C 3 1 the Internet A 4 2 2002/11/02 D B 2002年度秋学期卒論中間発表会 Page. 29
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