17 GOの図書館(パート2)

GOの図書館(パート2)
作成に当たって
学校歯科保健委員会では、健康診断の歯肉の
スクリーニングに際して、平成24年にG・GOの
図書館パート1を掲示して、学校歯科医による
評価の平準化を目指してきました。
平成27年度の千葉県歯科保健推進会議の到達目標が
「歯肉炎を減らそう」
であることから、
今回作成のパート2は、現場の養護教諭と学校歯科医による
GOに対する保健指導のコンセンサス形成の一助になるかと存じ
ますので、ともにご使用していただく形式でまとめさせていた
だきました。
学校での健康診断基準 歯肉炎
健全:歯肉に炎症がないもの
GO:
(1)歯肉に軽度の炎症症状が認められるが、
健康な歯肉の部分も認められるもの
(2)歯垢の付着は認められるが、歯石の沈着は
認められないもの
(3)歯の清掃指導を行い、注意深い歯みがきを
続けて行うことによって炎症症状が消退する
ような歯肉
G:歯科医師による精密検査や診断・治療が必要な
歯周疾患の認められるもの
GOの判定に関して
「学校歯科医生涯研修制度学校歯科医基礎研修
テキスト第二版」の28頁および
「学校歯科医の活動指針 平成27年度改定版」
の48頁にあります「健康診断の流れと要点」
の図中の⑤には
「噛み合わせた状態で歯肉の状態を診査する」と
ありますが、誤解を生じやすい表記になっており
ます。
GOの判定に関して
正しくは、
歯肉炎の診査は、上下顎前歯部12歯の唇面から
の歯肉の評価を行い、
GOの診断基準の(2)舌側に歯石が付着してい
る場合、および
GOの診断基準の(3)臼歯部歯肉に歯肉炎が見ら
れ口腔内の清掃状態の改善が見込めない場合は、
仮に前歯唇側からの評価が「GO」であっても「G」
と評価することにご注意ください。
パート2作成の意図
歯肉の炎症の有無を判断する場合、隣在歯に唇舌的
および上下的にずれのない場合には比較的評価しやす
いと考えられますが、叢生のある部位においてはその
程度が大きい場合などでは、短時間での判断には困難
が伴うことがあると考えます。
そこで今回、健康診断で遭遇することの多い事例を
選択し、叢生のある場合のスクリーニングに寄与すべ
くパート2を提示することにしました。
叢生のある部位の歯肉の評価の考え方(後述し
ます)をより健康診断の実際に近づけて統一でき
ると考えられます。
スクリーニング結果の平準化を図る
ことができることは、関係者から求め
られている健康診断における歯肉のス
クリーニングの実効性の向上になると
考え、企図しました。
叢生を生じている歯の間の歯間乳頭の評価法(参考)
唇舌的叢生のある場合の正常像との差異の捕らえ方
形態は、叢生量に応じて長方形に近く伸展するものとします。
色調は、叢生のない状態に比べて僅かに白味を帯びます。
大きさは、叢生のない状態に比べて僅かに矮小化します。
叢生のない状態に比べて僅かに引き締まっています。
上下的叢生の場合の正常像との差異の捕らえ方
形態は、萌出量に応じてひし形に近く伸展するものとします。
色調、大きさ、引き締まり感は、唇舌的叢生のある場合と同じ
とします。
パート2の変更点(1)
学校歯科保健の健康診断では、GOは上下顎前歯部(犬
歯から犬歯)の歯肉を評価することになっておりますので
正常歯肉像以外のすべての事例において、矢印(黒色)に
て炎症のある部位(歯間乳頭および辺縁歯肉)を明示しま
した(矢印のない部位は健全とします)。
また、歯自体の汚れに関しても、一部事例では、染色部
位や歯垢、および食物残渣等を同一矢印(黄色)で明示す
ることにしました。
さらに、各事例ごとにできるだけ歯肉炎等に関するコメ
ントを付記するようにしましたので、保健指導の参考にし
てください。
なお、年齢に( )を付けた事例は、対象年齢以上の学
校種にてもご使用ください。
パート2の変更点(2)
なお、各スライドにスクリーニング結果とともに
PM値(PMA指数に準拠して、平成25年度から設定
されている千葉県学校歯科保健推進会議の目標である
「前年度から歯肉炎を減らそう」の達成のために、
養護教諭による簡易評価のために導入した考え方)で
歯間乳頭と辺縁歯肉のみの軽度の炎症箇所をカウント
した合計数値を付記しますので、学校における養護教諭
による保健指導において、児童・生徒の前歯部歯肉の炎
症部位の同定にお役立てください。
養護教諭のために(歯肉の評価部位を知る)
上図は口腔内写真で、下図は養護教諭に使用していただく指導表です。下図
は展開図のように理解してください。
GOは前歯部歯肉を評価判定しますので、上下図の黄色の部位(10箇所)
が歯間乳頭(P)で、青色(12箇所)が辺縁歯肉(M)です。Pは歯と歯の間
の部分、Mは幅0.5-2mmぐらいの歯の縁の青色の部分としますので、こ
れらの部位の炎症の有無を判断してください。
養護教諭への注意点として
1)写真であるため、歯肉上にハレーションによる白色
像がありますが、歯肉の腫脹による像と唾液による湿
潤のための像との判別に注意ください。
2)歯間乳頭と辺縁歯肉に色素沈着(茶褐色)がある場
合は、歯肉の炎症とは異なるので注意してください。
3)事例ごとの歯肉の色調の調整をしておりませんので
歯肉全体が赤色系になっているものが含まれているこ
とに注意してください。
本図書館におけるG ・ GO
歯肉の炎症症状は、形態・色調 ・引き締まり度の感触および
出血の有無等によって判断し、 G あるいはGOとスクリーニング
をすることになります。
ここでは、写真で見える唇側の歯間乳頭および辺縁歯肉のみを
対象にしております。
実際の健康診断においては、舌側歯面における歯石の有無に
よってスクリーニング結果は当然変更されますが、あくまで歯肉
のみの評価とお考えください。
以下でスライド2枚ずつの組みにて構成致します。先に像を示
しますので、ご自身でまず判定してください。次のスライドにて
ご確認いただく、Q&A形式に致しております。
正常?
GO?
G?
G7y
G
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
9y
GO
正常?
GO?
G?
10y
正常?
GO?
G?
(10y)
正常
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
11y
GO
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
(13y)
GO
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
(12y)
GO
正常?
GO?
G?
(11y)
正常
正常?
GO?
G?
(8y)
GO
正常?
GO?
G?
(8y)
GO
正常?
GO?
G?
8y
GO
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
(11y)
GO
正常?
GO?
G?
10y
GO
正常?
GO?
G?
(10y)
GO
正常?
GO?
G?
9y
GO
正常?
GO?
G?
(12y)
GO
正常?
GO?
G?
9y
GO
正常?
GO?
G?
(12y)
GO
正常?
GO?
G?
7y
GO
正常?
GO?
G?
(15y)
GO
正常?
GO?
G?
7y
GO
正常?
GO?
G?
(13y)
G
正常?
GO?
G?
(11y)
正常
正常?
GO?
G?
(14y)
G
正常?
GO?
G?
11y
GO