6月22日-2 4 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 4 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 1 個々の分国法典 ⑴ 相良氏法度 江戸時代にも効力 1 個々の分国法典 ⑵ 塵芥集 伊達稙宗(天文5 =1536年制定) 全171?条。法文は仮名まじり・ 方言まじりで、神事・仏事から 民事・刑事などにいたるまで 広範囲の規定。殺害や強盗・窃盗など刑罰 関係の条文70カ条を含む。家臣の裁判権を 吸収、大名の絶対的な権力 を確立した立法の好例。 小林宏『塵芥集の研究』(創文社) 青葉城(再建) 1 個々の分国法典 ⑶ 義治式目(近江・六角氏) 吉川氏法度 結城氏新法度 大内氏壁書 教弘・政弘・義興3代にわ たる1459~95年(長禄3~明 応4) の立法 家訓 甲州法度 新加制式(阿波・三好氏) 今川仮名目録 朝倉敏影十七ケ条 長宗我部元親百ケ条 早雲寺殿廿一箇条 4 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 2 法典の性格(内容) 殖産興業 知行宛行 徴税規制 (指出検地) 裁判権 (喧嘩両成敗) 家 臣 の 統 制 主 勝手な 君 上知 の 拘 束 依怙贔屓 領 民 の 支 配 ↓ 富 国 強 兵 ↑ 楽市・楽座 4 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 3 法圏の分裂と幕府法(幕府法を補充法) 室町幕府法(←御成敗式目) + 公家法・本所法 建武式目+建武式目追加 ⇩ ⇧ 幕府法の克服 領国支配の問題を自主的に制定 ⇨独自性・自己完結性あり 今川仮名目録 氏 親 木 像 一喧嘩に及輩、不論理非、 両方共に可行死罪也(略) 喧嘩両成敗法 ⇩ ⇧ 天下の法度は自力救済? 法治 義 元 画 像 18 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 4 近世領主法への展望 ① 分国法自体が近世幕藩の領主に承継さ れることは稀 ⇦ 制定権者の淘汰+分国法の機能低下 ② 分国法は(実質上)近世幕藩法の祖型 18 分国法⑵ 戦国家法の制定と機能 4 近世領主法への展望(続き) ③ 分国法 ⇨ 近世幕藩法への発展方向 1) 支配・政務機構が成立、制定法の作成に →領主自身の立法関与は減少 制定法の増大 →法と道徳、家法と家訓の分離 2) 政務官と軍務官の分化 →裁判に関与する法曹的事務吏員によって法曹法が発達 3) 制定法・法曹法の発展 →民間の慣習的民衆法が弱化、領主法に代えられていく 4) 身分秩序の確立 家臣・領民に対する領主権力の相互不可侵が保障 ⇨法は〔領域的支配(=領主法)→対人的規制(=対人法)〕を志向 本日のテーマ 法の生まれる(れた)とき
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