大阪繊維産業の活性化に向けて - 繊維産業集積実態調査 - 大阪府商工労働総務課 大阪産業経済リサーチセンター 経済リサーチグループ 小野顕弘 講演の流れ 調査の目的と背景 大阪繊維産業の現状 大阪繊維産業の企業行動 大阪繊維産業と繊維ビジョン 企業事例からみる大阪繊維産業 大阪府の産業支援施策 1.調査の背景と目的(1) 大阪繊維産業のシェア 大阪繊維産業は全国 トップレベルのシェア 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) 事業所数 従業者数 製造品出荷額等 実数(百万円) 比率 実数 比率 実数 比率 1 愛知県 961 14.2% 愛知県 16,531 13.2% 愛知県 317,978 14.3% 2 京都府 868 12.8% 福井県 12,493 10.0% 大阪府 219,963 9.9% 3 大阪府 658 9.7% 大阪府 10,864 8.7% 福井県 209,517 9.5% 4 石川県 613 9.0% 石川県 10,182 8.1% 石川県 165,487 7.5% 5 福井県 531 7.8% 京都府 9,439 7.5% 岐阜県 136,396 6.2% 全国合計 6,785 100.0% 全国合計 125,321 100.0% 全国合計 2,216,677 100.0% 衣服・その他の繊維製品製造業 事業所数 従業者数 製造品出荷額等 実数 比率 実数 比率 実数(百万円) 比率 1 大阪府 1,120 8.8% 大阪府 13,057 5.8% 大阪府 213,757 10.3% 2 愛知県 718 5.6% 岡山県 10,982 4.9% 岡山県 165,497 8.0% 3 東京都 662 5.2% 福島県 10,659 4.8% 愛知県 123,455 5.9% 4 岐阜県 655 5.1% 秋田県 9,908 4.4% 埼玉県 84,309 4.1% 5 岡山県 532 4.2% 新潟県 9,151 4.1% 東京都 82,754 4.0% 合計 12,748 100.0% 合計 224,278 100.0% 合計 2,076,462 100.0% 出所:経済産業省 「工業統計表 産業編 平成19年度」より作成 府内製造業における特 化係数は高い 大阪府の製造品出荷額等の特化係数(平成19年) 0.8 0.9 0.6 0.3 食料品 その他 精密機械 0.4 飲料・たばこ 繊維 1.9 衣服 輸送機械 0.5 電子部品・デバイス 1.0 2 2.0 パルプ・紙 1.0 0 1.7 印刷 一般機械 1.5 化学 金属製品 石油・石炭 非鉄金属 1.2 1.8 家具 電気機械 1.4 0.8 木材 1 情報通信機械 1.0 1.9 プラスチック製品 ゴム製品 1.4 鉄鋼 窯業・土石 0.5 なめし革 0.9 1.5 出所:経済産業省「工業統計表 産業編 平成19年度」より作成 1.5 1.1 1.調査の背景と目的(2) 大阪繊維産業の規模変化 事業規模は縮小している 平成9年 事業所数 従業員数(人) 製造品出荷額 等 (百万円) 平成19年 平成19年/平成9年 繊維工業 1477 658 -55.5% 衣服・その他の 繊維製品製造 2891 1120 -61.3% 繊維工業 21838 10864 -50.3% 衣服・その他の 繊維製品製造 35039 13057 -62.7% 379128 219963 -42.0% 繊維工業 衣服・その他の 543806 213757 -60.7% 繊維製品製造 出所:経済産業省 「工業統計表 産業編 平成9・19年度」より作成 出所:大阪府「大阪の工業(平成9年・19年)」より作成 1.調査の背景と目的(3) 繊維ビジョンとは 繊維ビジョンとは経済産業省が繊維産業の あるべき将来像や施策のあり方を提示するた めに策定しているもの 策定時期 昭和41年 9月 昭和43年 8月 昭和48年10月 昭和53年11月 昭和58年10月 昭和63年11月 平成 5年12月 平成10年12月 平成15年 7月 平成19年 5月 タイトル 紡績業の構造改善と織布業の構造改善 染色・メリヤス業の構造改善 70年代の繊維産業のあり方 今後の繊維産業の構造改善のあり方 先進国型産業を目指して 生活文化提案型産業への新たな展開 市場創造とフロンティア拡大へ向けて 繊維産業の発展のための五つの改革 内在する弱点の克服と強い基幹産業への復権を目指して 技術と感性で世界に飛躍するために-先端素材からファッションまで- 1.調査の背景と目的(4) 直近(平成19年5月)の繊維ビジョン 繊維ビジョンに示された4つの方向性 ①感性価値創造の担い手として⇒ファッション重視 ②材料革命を担うハイテク産業、 高次加工産業として⇒産業資材対応 ③環境調和型ライフスタイル・ 経済活動の担い手として⇒環境重視 ④地域経済・文化交流の担い手として⇒地域重視 1.調査の背景と目的(5) 参考:「今後の繊維・ファッション産業のあり方 に関する研究会」報告書(H22.4.26) 内需依存体質からの脱却・外需の取り込み 個別から連携・統合へ 社会ニーズを付加価値に変える トップレベルの技術を幅広い分野に (産業資材分野) コスト競争からの脱却・感性をビジネスへ (衣類・ファッション分野) 1.調査の背景と目的(6) 調査の背景と目的のまとめ 背景 ・ 繊維産業における大阪府の地位は高いが、規模は 急激に縮小している 調査目的 ・ 大阪繊維産業の現状を把握し、今後の方向性を検 討する ・ 今後の方向性として、繊維ビジョンを取り上げ、大 阪繊維産業の取組との整合性を分析する 2.大阪繊維産業の現状 (1) アンケート調査の概要 大阪府内の繊維事業を営む事業所を対象 (平成18年事業所・企業統計調査結果事業所名簿より 「繊維工業」「衣服・その他の繊維製品製造業」に属する企業を対象) 実施時期:平成21年7月 配布数:2,196(うち宛先不明137) 有効配布数:2,059 有効回答数:564 有効回答率:27.4% 2.大阪繊維産業の現状 (2) 業種別の構成 多様な業種企業が集積 大阪繊維産業の業種別構成(n=561、単位:%) その他, 5.7 紡績業, 5.9 織物業, 6.4 ニット生地製造業, 2.1 染色整理業, 6.2 その他の衣服・繊維製 品製造業, 26.2 フェルト・不織布 製造業,0.9 じゅうたん・床敷物 製造業, 3.9 その他の繊維工業, 4.1 タオル製造業, 5.7 素材 織物製外衣・シャツ 製造業, 7.0 毛布製造業, 3.2 寝具製造業, 3.4 製品 帽子製造業, 2.3 下着類製造業, 2.9 ニット製外衣・シャツ 製造業, 14.1 東京 石川 京都 素材型産地 愛知 大阪 フルセット型産地 埼玉 岡山 製品型産地 2.大阪繊維産業の現状 (3) 府内企業間の取引状況 地域内取引は活発 府内取引中心の企業が過半数 大阪府内立地企業への販売比率(n=545、単位:%) 大阪府内立地企業からの調達比率(n=508、単位:%) [0%], 5.3 [100%], 22.6 [0%], 5.0 [100%], 16.7 [1~24%], 19.3 [1~24%], 24.0 [25~49%], 10.4 [75~99%], 26.2 [50~74%], 16.1 府内調達 50%以上 [75~99%], 18.2 [50~74%], 19.1 [25~49%], 17.1 府内販売 50%以上 2.大阪繊維産業の現状 (4) 保有経営機能・取引形態 製造加工機能に特化した企業が多い 取引形態は賃加工が中心 取引形態(n=556、複数回答) 保有経営機能(n=561、複数回答) 0 20 40 企画機能 60 37.8 試作加工機能 10 0 40 30 20 80.4 外注管理機能 37.1 卸売機能 38.3 OEM生産 30.6 自社企画提案の受注生産 30.0 31.5 自社企画・製造・販売 21.4 自社企画・販売 12.7 その他 50 49.6 33.2 製造加工機能 その他 1.2 100(%) 賃加工 22.1 技術開発機能 小売機能 80 1.3 60(%) 2.大阪繊維産業の現状 (5) 販売先の開拓方法 販売先開拓方法は「取引先の紹介」が中心 積極的に取引先開拓を行う企業は限定的 販売先の開拓方法(n=556、複数回答) 0 10 20 30 40 50 取引先の紹介 58.5 同業者の紹介 43.3 23.2 商社の活用 インターネットの活用 19.1 飛び込み営業 16.4 12.1 展示会の出展 商談会の開催 4.0 新聞等の広告 2.5 その他 2.3 チラシの配布 1.8 実施していない 60 17.8 70(%) 2.大阪繊維産業の現状 (6) 最近の業績 業績の厳しい企業が多い(平成21年7月現在) 最近の財務状況 直近期の状況 0 最近の状況 20 40 60 80 受注単価(n=551) 8.0 受注数量(n=549) 10.6 19.9 69.6 売上高(n=549) 11.5 19.3 69.2 9.5 22.9 67.6 経常利益(n=546) 受注単価(n=545) 4.4 37.7 54.3 42.2 上昇・ 増加・ 改善 横ばい 53.4 受注数量(n=542) 10.1 売上高(n=542) 10.3 21.4 68.3 8.5 24.7 66.8 経常利益(n=539) 24.9 100 (%) 64.9 低下・ 減少・ 悪化 3.大阪繊維産業の企業行動(1) 事業で重視しているテーマ 製造業の基本機能強化への志向が強い 新技術・新機能よりもファッション性重視 事業で重視しているテーマ 0 20 40 ファッション性(n=492) 38.8 快適性(n=491) 40.5 60 100(%) 80 28.5 17.5 7.9 7.3 35.8 16.3 2.9 4.5 0.2 安定品質(n=517) 72.9 短納期(n=510) 低コスト(n=504) 高機能性(n=492) 技術高度化(n=504) 顧客対応(n=519) 非常に重視している 21.9 49.2 34.9 29.6 37.9 25.0 36.9 26.6 35.5 51.3 やや重視している どちらともいえない 2.2 12.2 21.6 37.6 3.9 21.8 37.2 あまり重視していない 1.2 1.6 7.3 3.6 8.1 2.6 4.4 1.4 9.4 1.3 0.8 重視していない 3.大阪繊維産業の企業行動(2) ブランド化への対応 オリジナルブランド保有企業は1/3 企画機能保有企業はブランド化志向強い 0 オリジナルブランド製品保有比率 10 20 30 40 企画機能あり(n=209) 企画機能なし(n=336) 全体(n=546) 60 (%) 50 54.1 23.2 35.0 3.大阪繊維産業の企業行動(3) 産業資材との取引状況 産業資材取引を中心とする企業は限られる 一方で全く取引のないのは40%程度 産業資材関連企業との取引比率(n=500、単位:%) [100%], 8.8 [75~99%], 9.0 [0%], 37.6 [50~74%], 6.4 [25~49%], 7.6 [1~24%], 30.6 3.大阪繊維産業の企業行動(4) 環境対応への取組状況 環境対応の取組は天然素材活用が中心 投資を伴う取組には消極的 環境対応の取組状況(n=564、複数回答) 0 10 20 30 天然素材の活用 50 (%) 44.0 リサイクル素材の活用 22.2 省エネルギー活動の実施 19.1 クールビズ商品等の開発 10.6 物流による環境負荷削減 9.6 環境関連商品の開発 9.0 廃棄物のリサイクル事業 8.2 低環境負荷設備の活用 その他 40 5.0 2.5 3.大阪繊維産業の企業行動(5) 地域活性化への取組状況 地域活性化への取組を行う企業は少ない イベント参加よりは商品開発の志向が強い 地域活性化への取組状況(n=564、複数回答) 0 5 10 15 18.3 地元企業連携商品開発 13.7 産地企業連携商品開発 地元産品活用商品開発 10.8 地元地域イベント参加 10.6 産地イベント参加 その他 20(%) 5.0 2.8 3.大阪繊維産業の企業行動(6) 海外との取引状況 海外取引には消極的企業が多い 生産委託と調達で海外取引がみられる 海外との取引関係(n=518、複数回答) 0 10 自社生産 合弁企業で生産 20 50 60 70(%) 3.1 20.1 製品・部材の仕入 17.6 8.1 卸売販売 海外との関わりなし 40 6.2 委託生産 小売販売 30 1.0 60.8 3.大阪繊維産業の企業行動(7) 経営管理の状況 経営計画立案状況(n=541、単位:%) 中長期計画 立案, 12.2 経営計画立案企業 は1/3程度 進捗管理・対策検討 は定期的に実施 計画なし, 37.7 年間計画立 案, 17.9 年間予算・ 目標 設定, 32.2 経営計画の進捗管理・対策検討 (%) 0 進捗管理(n=325) 対策検討(n=323) 毎月実施 複数年定期実施 20 40 43.1 36.5 四半期毎に実施 不定期実施 60 15.1 14.9 80 14.8 18.6 半年毎に実施 未実施 10.1 11.8 100 1.2 1.5 12.6 3.1 13.6 3.1 毎年実施 3.大阪繊維産業の企業行動(8) 経営改善への取組状況 経営改善は「新商品開発」「新規販路開拓」 「コスト競争力強化」「短納期対応力強化」 経営改善への取組内容(n=543、複数回答) 0 10 20 30 50(%) 40 新商品開発 45.1 新規販路開拓 41.4 コスト競争力強化 35.7 短納期対応力強化 32.2 28.7 社員能力向上 21.2 新技術開発 WEB通販事業強化 15.1 13.6 新規用途開発 卸売事業強化 10.7 非繊維事業拡大 10.7 繊維事業拡大 8.5 輸出事業強化 5.3 新サービス開発 4.6 3.7 店舗小売事業強化 その他 実施していない 1.8 13.4 3.大阪繊維産業の企業行動(9) 経営改善への取組体制 難易度の高い取組には企業連携で対応 0 企業間連携の取組状況 20 40 60 (%) 52.2 新技術開発(n=113) 49.8 新商品開発(n=235) 全体平均(n=453) 38.0 3.大阪繊維産業の企業行動(10) 経営改善への取組課題 「販路開拓」「コスト低減」に取り組む企業は 多いが、課題としても認識されている 経営改善への取組課題 0 10 20 30 販路開拓 34.6 資金調達 32.8 コスト低減 27.5 21.7 人材確保 21.5 技術開発 情報収集 19.6 試作開発・品質試験 19.2 商品・原材料調達 19.2 PR・認知度向上 13.4 事業パートナー確保 12.9 9.7 課題はない 事業体制構築 9.5 事業進捗管理 5.3 事業スペース確保 その他 40(%) 4.2 1.8 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(1) 繊維ビジョンと業績との関係 「ファッション性」と「環境対応」に取り組む企 業は業績の優れる企業が多い 図表4 4つの方向性と財務実績との関係 直近決算期の実績 (対前期比) 売上高 ファッション性 (n=492) ※※ 直近決算期の実績 平成21年4~6月期の実績 平成21年4~6月期の実績 (対前期比) (対前期比) (対前期比) 経常利益 売上高 経常利益 ※ 産業資材 (n=500) 環境対応 (n=564) ※ ※※ 地域活性化 (n=564) (注1)ファッション性(重視程度)、産業資材(取引比率)は相関分析結果 環境対応(環境関連商品の開発)、地域活性化(産地企業連携商品開発)はT検定結果 (注2)※※は1%の有意水準、※は5%の有意水準 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(2) 繊維ビジョン対応企業の保有経営機能 ファッション性重視、環境対応のいずれも企 画、営業機能を有している 経営機能の保有状況 0 20 40 60 80 100 企画機能 技術開発機能 全体(n=561) 試作加工機能 製造加工機能 外注管理機能 卸売機能 小売機能 ファッション 性重視 (n=190) 環境関連商 品開発 (n=50) 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(3) ファッション性重視企業の特徴(1) ファッション性重視は最終製品製造が中心 業種別ファッション重視比率 0 10 20 30 50 44.4 ニット生地製造業(n=9) 12.1 染色整理業(n=33) 0.0 40.0 敷物製造業(n=20) 28.6 その他繊維工業(n=21) 47.4 織物製外衣等製造業(n=38) 58.3 ニット製外衣等製造業(n=72) 26.7 下着類製造業(n=15) 61.5 帽子製造業(n=13) 29.4 寝具製造業(n=17) タオル製造業(n=29) その他繊維製品製造業(n=128) 70 27.6 織物業(n=29) 毛布製造業(n=14) 60 4.5 紡績業(n=22) 不織布製造業(n=5) (%) 40 21.4 34.5 43.8 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(4) ファッション性重視企業の特徴(2) ファッション性重視は従業員平均年齢の若 い企業が中心 従業員平均年齢別ファッション重視企業割合 0 20 40 60 60.0 20歳代(n=5) 57.1 30歳代(n=56) 41.7 40歳代(n=192) 50歳代(n=178) 60歳代(n=56) 80 30.9 32.1 (%) 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(5) ファッション重視企業の特徴(3) ファッション性重視は短期計画重視 ファッション重視有無と経営計画立案状況 0 中長期計画立案 年間計画立案 10 20 30 50 (%) 12.2 13.3 16.0 23.3 予算・目標設定 特になし 40 24.9 21.1 重視 (n=189) 43.4 45.8 非重視 (n=293) 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(6) 環境重視企業の特徴(1) 環境重視は素材製造業者が中心 業種別環境関連商品開発状況 (%) 0 10 20 18.2 紡績業(n=33) 13.9 織物業(n=36) ニット生地製造業(n=12) 0.0 染色整理業(n=35) 不織布製造業(n=5) 8.6 0.0 18.2 敷物製造業(n=22) その他繊維工業(n=23) 織物製外衣等製造業(n=39) 8.7 0.0 6.3 ニット製外衣等製造業(n=79) 下着類製造業(n=16) 0.0 帽子製造業(n=13) 0.0 10.5 寝具製造業(n=19) 11.1 毛布製造業(n=18) 25.0 タオル製造業(n=32) その他繊維製品製造業(n=147) 30 6.8 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(7) 環境重視企業の特徴(2) 環境取組は大規模企業の方が積極的 売上高規模別環境関連商品開発状況 従業員数規模別環境関連商品開発状況 0 20 40 60 0 80 (%) 10 1千万円未満(n=62) 3.2 6.5 1千~3千万円未満(n=65) 3.1 10~19人(n=104) 9.6 3千~5千万円未満(n=62) 20~29人(n=35) 5.7 5千万~1億円未満(n=85) 30~49人(n=39) 7.7 4人以下(n=184) 6.0 5~9人(n=154) 50~99人(n=22) 20 30 50 (%) 40 3.2 7.1 1億~3億円未満(n=140) 12.1 22.7 100~199人(n=10) 60.0 3億~10億円未満(n=85) 200~299人(n=4) 25.0 10億~50億円未満(n=44) 300人以上(n=8) 25.0 50億円以上(n=16) 7.1 18.2 43.8 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(8) 環境重視企業の特徴(3) 環境重視は中長期計画重視 環境関連商品開発状況別の経営計画立案状況 0 中長期計画立案 年間計画立案 予算・目標設定 特になし 10 20 30 40 50 (%) 30.0 10.4 17.3 開発 (n=50) 非開発 (n=491) 24.0 24.0 22.0 33.0 39.3 3.大阪繊維産業と繊維ビジョン(9) 経営改善への取組 ファッション重視、環境重視は積極的姿勢 ファッションは販路開拓、環境は技術重視 経営改善の取組状況 0 20 40 60 80 100 新商品開発 新技術開発 新サービス開発 卸売事業の強化 店舗小売事業の強化 全体(n=543) WEB通販事業の強化 輸出事業の強化 コスト競争力の強化 短納期対応力の強化 新販路開拓 新用途開発 繊維分野の事業拡大 非繊維分野の取組強化 社員能力の向上 特に実施していない ファッション 性重視 (n=189) 環境関連商 品開発 (n=48) 4.企業事例からみる大阪繊維産業(1) 各社の取組の方向性 紡績、織布、編立、染色、縫製など多様な 業種企業のヒアリングから以下の4つの方 向性が見出せた 企業事例分析にみる大阪繊維産業の方向性 視点1 視点2 ファッション性の 素材・加工技術の 追求 追求 視点3 産地性の追求 視点4 用途開発の追及 4.企業事例からみる大阪繊維産業(2) ファッション性の追求 都市近郊という立地条件を活かし、最新の ファッション動向に対応した事業を展開する (業 種) Made in Japan ニット衣服製造業 内産ニット (特 徴) ・企画デザイン、糸商、ニット生地編立、縫 製などを関連会社に有し、一体感のあるもの づくりを行う。 ・原料である糸から製品まで一括して企画 製造販売を手がけるため、発注者は、過大 ロットによる在庫負担、品質不良、納期遅れ などの海外生産のロスやカントリーリスクなど (企業概要) 株式会社アイソトープ 大阪府泉大津市 編機 を回避する。 4.企業事例からみる大阪繊維産業(3) 素材・加工技術の追求 厳選した素材と独自の加工技術を組み合 わせることで、新たな商品開発を進める (業 種) 紡績業 (特 徴) ・アパレルなどと 最終商品を見据えた素材 開発をする。そのため、世界各地の綿や獣 毛産地から直接買い付けし、トレーサビリティ を明らかにしている。 ・また、展示会に「泉州夢工房」として出展、 地域の中小企業と繊維産業をリードする。 精紡機 ・オーガニックは環境を守ると いうだけでな (企業概要) く、超長繊維との混紡などでファッショナブル 大正紡績株式会社 な製品開発を手掛ける。 大阪府阪南市 4.企業事例からみる大阪繊維産業(4) 産地性の追求 産地としての歴史背景や技術ノウハウを活 かし、新たな商品開発を進める (業 種) タオル製造業 (特 徴) ・大阪産地の特徴は、後晒し(生成色の織物 CI を染め上げる)で、吸水性に優れることであ る。企業のノベルティなど「名入れタオル」と して流通する。 ・産地内複数企業が出資した「ダイワタオル 工業組合」を設立し、染色・整理について技 術、生産品質、製品開発について充実を図 (企業概要) 2008 年日経ものづくり大賞受賞 る。 ツバメタオル株式会社 ・製造工程で化学薬品不使用の有機製練 大阪府泉佐野市 で評価を受ける。 4.企業事例からみる大阪繊維産業(5) 用途開発の追求 土木や医療、自動車など多様な産業資材と しての用途開発を進める (業 種) 衛生材料製造業 (特 徴) ・晒原綿から製紡し、衛生材料の医療コット ンボール、不織布、医療脱脂綿、歯科用綿 などを製造する。OEM が主体である。 衛生材料 ・脱脂綿関連製品の製造等に関して、自社 内産ニット 開発の機械で製造し、製品は中国製と比較 して風合い(はり、かさ、こし)に特徴があり、 評価が高い。 (企業概要) 尾崎工業株式会社 大阪府阪南市 カード機 ・大阪府内で製綿から一貫生産しているの は、当社のみである。 4.企業事例からみる大阪繊維産業(6) 海外販路の開拓(播州織) 専門学校と連携した商品開発などで、海外 トップブランド企業に販路を拡大 JAPANブランド育成支援事業(輸出開拓) (オザワ繊維、小澤染工、内外織物、タカモトシルク(丹後)、ベティスミス (倉敷市)、ヒラノカンパニー(たつの市)、玉木新雌、大地農園(丹波市)) オザワ繊維株式会社 (兵庫県西脇市) (業 種) 織物製造販売業 (特 徴) 関連の小澤染工㈱とともに、「パーリーコットン」(シルク調の綿糸) を開発し、海外展開を図る。多角化経営にも取組む。 パーリーコットン 4.企業事例からみる大阪繊維産業(7) 地域との連携(児島) 児島デニム協同組合として、組合員が共同で デニム研究所(ビッグステップ内)を開店 児島ジーンズストリート推進協議会を設立し、 味野商店街にジーンズ販売店を誘致出店 JAPAN BLUE GROUP (岡山県倉敷市) (業 種) デニム製造業 (特 徴) ㈲藍布屋(藍染とデニム企画販売)と㈱コレクト(織物企画販売) からなるグループ。「桃太郎ジーンズ」を販売。 レーベル 5.調査結果のまとめ(1) 繊維ビジョンの有効性 統計的に有効性が確認されたのは、「ファッ ション重視」と「環境重視」であるが、ヒアリ ングでは「産業資材対応」と「地域重視」の 有効性も確認できた 繊維ビジョンの有効性 アンケート調査 ヒアリング調査 感性価値の担い手として ファッション重視 ○ 材料革命を担うハイテク産業、高次加工産業として ○ 産業資材対応 環境調和型ライフスタイル・経済活動の担い手として 環境重視 地域経済・文化交流の担い手として 地域重視 ○ ○ ○ 5.調査結果のまとめ(2) 大阪繊維産業の進むべき方向性 統計的に有効性が確認されたのは、「ファッ ション重視」と「環境重視」であるが、ヒアリ ングでは「産業資材対応」と「地域重視」の 有効性も確認できた 繊維ビジョンの4つの方向性、「ファッション 重視」「産業資材対応」「環境重視」「地域重 視」は適切である 6.大阪府の産業支援(1) 大阪府「繊維産業振興に関する有識 者会議」 平成22年3月30日~5月19日(全3回) 委員:繊維業者や学識研究者 オブザーバー:経済産業省など 目的:大阪府繊維産業実態調査を踏まえ、今 後の大阪府内繊維業者の事業や支援の方 向性を検討するため 6月14日報告書発表 6.大阪府の産業支援(2) 有識者会議報告書の概要(1) 強み 弱み 素材から製品までの加工技術 短繊維中心の高度加工技術 繊維関係OBが豊富 産地規模の縮小 高齢化・後継者不足 東京への一極集中 産地内・産地間連携でmade in japan made in osaka 「新規性」「実質的」「感性価値」 6.大阪府の産業支援(3) 「せんば適塾」について 目的:川上のものづくり企業から川下の卸小売企業、 専門学校やプレスなど、また若年者、熟練者、OB 人材、など繊維関係者の相互学習と交流の場作り ⇒ 有識者会議の提言の実現に向けて 企業連携での商品開発を推進し、大阪繊維産業の 新生を目指す 平成22年10月5日キックオフイベント(繊維の日) 6.大阪府の産業支援(4) 支援施策など 新事業活動促進法(新連携・経営革新)(経営支援課経営支援G) 地域資源活用促進法(おおさか地域創造ファンド) (経営支援課経営支援G) 大阪ものづくり優良企業賞(経済交流促進課販路開拓支援G) 経営力向上緊急支援事業(経営支援課経営支援G) インターネットを活用した販路拡大支援事業(ものづくり支援課製造業振興G) 地場産業等総合活性化事業 (ものづくり支援課製造業振興G) Mobio Café(小規模セミナー・マッチング) (ものづくり支援課製造業振興G) 大阪府商工労働部施策ガイド「つなぐ」 (http://tsunagu.tri-osaka.jp/) MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪) ( http://www.m-osaka.com/jp/index.html)
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