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教育心理学
発達障害と特別支援教育
伊藤 崇
北海道大学大学院教育学研究院
1 最終試験について
期日:2月8日(月)3時間目
場所:649教室
方式:記号選択式,全50問全25問
制限時間60分30分
範囲は,講義で話したことすべて
注意事項:
一切の持ち込みを禁止する
不正行為をした者は所定の処遇とする
60点未満取得者は不可とする
2 障害とは?
WHO国際生活機能分類における障害の3つの水準
心身機能・
身体構造
・機能の障害
・医療行為が必要
二次的障害
活動
・活動が制限される
・教育やリハビリが
必要
無力感・抑うつ
自尊心低下
参加
・参加が制約される
・社会啓発が必要
3 特別支援教育とは
特殊教育 (special education)
障害の種類や程度に応じて
特別の場で指導を行う
盲・聾・養護学校/特殊学級/通級指導
2001年
特別支援教育 (special needs education)
通常の学級に在籍する,発達障害をもつ
児童生徒も含め,障害のある児童生徒に対し
一人一人の教育的ニーズを把握し
適切な教育的支援を行う
4 特別支援教育とは
幼稚園
教育要領
小学校
学習指導要領
第3章
総則
第4
(2)障害のある幼児の指導に当た
っては,集団の中で生活することを
通して全体的な発達を促していくこ
とに配慮し,特別支援学校などの助
言又は援助を活用しつつ,例えば指
導についての計画又は家庭や医療,
福祉などの業務を行う関係機関と連
携した支援のための計画を個別に作
成することなどにより,個々の幼児
の障害の状態などに応じた指導内容
や指導方法の工夫を計画的,組織的
に行うこと。
(7)障害のある児童などについては,
特別支援学校等の助言又は援助を活用し
つつ,例えば指導についての計画又は家
庭や医療,福祉などの業務を行う関係機
関と連携した支援のための計画を個別に
作成することなどにより,個々の児童の
障害の状態などに応じた指導内容や指導
方法の工夫を計画的,組織的に行うこと
。特に,特別支援学級又は通級による指
導については,教師間の連携に努め,効
果的な指導を行うこと。
5 特別支援教育とは
2011年5月現在
全児童生徒数
1055万人
6.5%
0.62%
1.47 %
0.62%
6 発達障害とは
発達障害 developmental disorders
自己管理,言語機能,学習,移動,自律した生活能力,
経済的自立等のいくつかの領域で機能上の制限があること。
その状態がいつまで続くか予測することができない。
通常,幼児期や児童期,または青年期に初めて診断される。
学習障害
Learning disorder
注意欠陥/
多動性障害
自閉症
スペクトラム
Attention-Deficit /
Hyperactivity Disorder
Autistic Spectrum
Disorders
7 さまざまな発達障害
学習障害
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,
読む,書く,計算する,または推論する能力のうち,特定の
ものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指す。
原因として,中枢神経系に何らかの機能障害があると推定される
が,視覚障害,聴覚障害,知的障害,情緒障害などの障害や,
環境的な要因が直接の原因となるものではない。
(文科省平成11年学習障害児に対する指導について(報告)より抜粋,一部改)
8 さまざまな発達障害
注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力,及び/又は衝動性,
多動性を特徴とする行動の障害で,社会的な活動や学業の機能に
支障をきたすものである。
また,7歳以前に現れ,その状態が継続し,中枢神経系に
何らかの要因による機能不全があると推定される。
(平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より作成)
9 さまざまな発達障害
自閉症
DSM-5の診断基準によると
①社会的コミュニケーションと相互的関係性の持続的障害,
②興味関心の限定および反復的なこだわり行動,常同行動
③症状は発達早期から現れるが,後になって気付かれることも
④症状は社会生活に障害をおよぼす
10 さまざまな発達障害
自閉症
3歳位までに現れ,①他人との社会的関係の形成の困難さ,
②言葉の発達の遅れ,③興味や関心が狭く特定のものに
こだわることを特徴とする行動の障害。
中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
(平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より作成)
11 さまざまな発達障害
DSM改訂によるカテゴリー名の変更に注意
DSM-IV
広汎性発達障害
・自閉性障害(自閉症) ・小児期崩壊性障害
・レット障害
・アスペルガー障害
・特定不能の広汎性発達障害
DSM-5
自閉症スペクトラム障害
自閉症
高機能自閉症
アスペルガー障害
12 発達障害児に対する支援
イラストは
上野一彦・岡田智・森村美和子・中村敏秀 (2012) 特別支援教育をサポートする
図解よくわかるソーシャルスキルトレーニング実例集 ナツメ社 より
13 発達障害児に対する支援
ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)
教示
モデリング
リハーサル
フィードバック
般化
言葉や教材を用いて
直接教える
手本となる行動を見せて
学ばせる
模擬的にやらせてみる
行動をふりかえり
ほめたり修正させたりする
場面にかかわらず
できるようにする
14 発達障害児に対する支援
SST:歩く修行
教示
「忍者のように静かに歩こう」
「お約束が3つあります」
モデリング
教師が先頭に立つ
その後ろにはできている子を
リハーサル
フィードバック
移動場所に到着後
できていたらシールをあげる
般化
教師が後ろからついていく等
レベルアップを図る
15 発達障害児に対する支援
SST:「
教示
モデリング
リハーサル
フィードバック
般化
」