発表概要 H28 年度 熊本大学工学部マテリアル工学科「マテリアル工学

発表概要
H28 年度
熊本大学工学部マテリアル工学科「マテリアル工学演習」
氏名(学籍番号)
木村琢(131-T2717)
論文題目
Biodegradable Mg-Zn-Y alloys with long period stacking ordered structure : Optimization for
mechanical properties
著者
Xu Zhao, Ling-ling Shi, Jian Xu
論文出典
Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials 18 (2013) 181-190
[Introduction]
Mg イオンは、骨組織の成長を刺激させ、損傷した骨組織を迅速に治癒す
るような効果があることが報告されており、Mg 合金は新たな生体用材料と
して注目を浴びている[1]。しかし、一般的な高強度 Mg 合金は毒性元素を含
むため、生体用合金には適さない[2, 3]。そこで本研究では、LPSO 相を有す
る Mg-Zn-Y 合金に着目し、Y の Ca 置換や Zr 添加が機械的特性に及ぼす影
響を調査し、新たな生体用 Mg 合金の開発を目指した。
[Experimental Procedure]
本研究では、Mg97Zn1Y2(at.%), Mg100-3x(Zn1Y2)x(x = 1,2,3),
Fig. 1 Strength and elongation versus
volume fraction (Vf) of 18R LPSO phase
in Mg100−3x(Zn1Y2)x (x=1, 2, 3) alloys.
Mg97Zn1Y2-yCay(y = 0,0.5,1,1.5), Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 合金鋳造材と、Mg97Zn1Y2,
Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 温間押出材を作製した。試料の評価は、組織観察を XRD,
SEM, TEM, OM を用いて行い、機械的特性の調査を引張試験
で行った。
[Results and Discussion]
Fig. 1 に、Mg100-3x(Zn1Y2)x 合金鋳造材の機械的特性を示す。LPSO 相の体
積分率が増加すると、降伏強度は増加し、伸びは大幅に減少した。したが
って、LPSO 相の体積分率と伸びは相関関係にあると考えられる。
Fig. 2 に、Mg97Zn1Y2-yCay の X 線回折図形を示す。Y を Ca に置換してい
Fig. 2 XRD patterns of as-cast
Mg97Zn1Y2-yCay (y=0, 0.5, 1, 1.5)
alloys
くと、LPSO 相の回折ピークは観察されなくなった。したがって、Y の Ca
置換は、LPSO 相の形成には働かず、Mg2Ca 相の形成を促したと考えられる。
Fig. 3 に、Mg97Zn1Y2, Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 合金鋳造材の応力歪曲線を示す。
Mg97Zn1Y2 合金に Zr を添加することによって、高い機械的特性を示した。
したがって、Zr の添加は機械的特性の向上に有効であると考えられる
Fig. 4 に、Mg97Zn1Y2, Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 合金鋳造材と温間押出材の機械的
特性を示す。Zr 添加にかかわらず、押出合金は鋳造合金よりも高い機械的
特性を示した。また、Mg97Zn1Y2 合金温間押出材は降伏強度 170 MPa、伸び
Fig. 3 Engineering stress–stain curves in
tension for as-cast Mg97Zn1Y2 and
Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 alloys.
30%を示し、分解整形外科用インプラントへの適用が期待される。
<参考文献>
[1] Witte, F., Kaese, V., Haferkamp, H., Switzer, E., Meyer-Lindenberg, A., Wirth, C.J., Windhagen, H.,
26(2005), p. 3557–3563.
[2] El-Rahman, S.S.A., 47(2003), p. 189–194.
[3] Nakamura, Y., Tsumura, Y., Tonogai, Y., Shibata, T., Ito, Y., 37(1997), p. 106–116.
Fig. 4 Strength and elongation of
Mg97Zn1Y2 and Mg96.83Zn1Y2Zr0.17 alloys
in as-cast and as-extruded state.