旧司法試験平成15年第2問設問2 甲乙甲乙後訴判決：甲は乙に対し

旧司法試験平成15年第２問　設問２
前訴
売買契約に基づく絵画引渡し請求権
甲
乙
判決：甲は乙に対し、500万円の支払いを受けると引き換えに、絵画を引き渡せ
後訴
売買契約に基づく1000万円の代金支払い請求権
甲
乙
絵画の代金は
1000万円だ
1000万円の支払いを求める訴えは許されるのか？
既判力：後訴における通用性ないし拘束力
客観的範囲：「主文に包含するもの」（１１４条１項）→訴訟物
引換給付文言に既判力は生じない
∵強制執行の便宜（民事執行法３１条）のためにされるもので、訴訟物ではない
それでいいのだろうか？
1000万円の支払いを求める訴えは許されるのか？
信義則（２条）に反し許容されない
理由①甲としては判決から、５００万円との引換えで絵画を得られると信用し
ている。（強い信頼）
②それにもかかわらず、乙にこの訴えを認めてしまうと、５００万円以上
の代金を支払うことになりかねず、甲としては大きな不利益を被りか
ねない（著しい不利益）
③実質的には紛争の蒸し返しとなり、実効的解決を確保できない
④前訴で代金額が争点となっているはずであり、また、乙は争うこともで
きた（手続き的保障）

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