産業組織論に関する卒業論文作成の手引

活動に焦点を当てる点では経営学に類似しているが、経営
ワーク効果と標準化、規制などを対象としている。企業の
合 併、 広 告、 垂 直 的 取 引 制 限、 研 究 開 発 と 特 許、 ネ ッ ト
製品差別化、カルテルと共謀、価格差別、参入阻止、企業
察する学問である。具体的には、市場構造と市場支配力、
い て 述 べ る。 産 業 組 織︵ Industrial Organization
︶ と は、 ミ
クロ経済学を応用して企業の行動と市場の構造や成果を考
意・文献検索の方法と論文をどのように構成すべきかにつ
することを想定して、卒業論文のテーマを設定する際の注
本稿では、産業組織論とその周辺分野で卒業論文を作成
いと思う。これは通学課程の研究会︵ゼミ︶での私の指導
することを念頭に置いて、そのための注意や方法を述べた
行い、最終的にA4で四十~五十ページ程度の論文を作成
げてその問題に関する現状の整理・理論分析・実証分析を
ても異なる。ここでは、産業組織の具体的な問題を取り上
方法は分野によっても、また要求される卒論の分量によっ
は教員によってまちまちである。テーマの選び方や研究の
一口に﹁卒業論文作成の手引﹂といっても、指導の方法
止法を中心とする﹁法と経済学﹂に隣接していることも産
論分析と実証分析によって成り立っている。さらに独占禁
がある。産業組織は他の応用経済学の諸分野と同様に、理
産業組織論に関する卒業論文作成の手引
学が現実のケースを取り上げて掘り下げる方法をとること
経験をもとにしたものであるが、通信教育課程の学生にと
石橋孝次
が多いのに対して、産業組織はより一般的に成立する経済
業組織の特徴である。
法則をゲーム理論や計量経済学を使って探ろうとする特徴
三色旗 2011.12(No.765)
っても参考になれば幸いである。
の市場だけを対象にした分析は比較的少ない。したがって
この方法をとる場合、ターゲットが明確なために現状分析
はしやすいが、学術的な議論があまり行われていないため
れ ま で の 経 験 か ら す る と、 安 易 に 自 分 の 就 職 先 の 業 界 を
1.テーマを決める上での注意
テーマを設定するにあたって、そのための決まりきった
テーマに選択するとこのような問題に直面しがちである。
に考察のための材料が得られないというケースが多い。こ
﹁ 方 法 ﹂ な ど と い う も の は 存 在 し な い。 以 下 に 記 す こ と
ただしこの方法が有効な場合もあるので、一概に否定され
などのネットワーク型の市場やエアライン・医薬品などの
るべきものではない。例えば情報通信・メディア・ゲーム
産業組織でテーマを選択する場合、個別の産業を取り上
市場ではとくにその市場固有の特徴が強く、それがゆえに
は、過去の学生の例から得られた教訓を経験則として参考
げる方法とさまざまな産業に共通する問題を取り上げる方
個別の市場を対象にした学術論文も多いので、テーマとし
にしてもらえればという程度のものである。
法の二つが考えられる。そこでまず、それぞれの方法につ
て成立しやすい。しかし例えば﹁携帯電話市場﹂ではポイ
る。その市場にしかない固有の特徴があってそれに関する
論文のまとまりがなくなってしまうというデメリットがあ
考察の対象とする市場の複数の側面を議論しようとすると
どの側面に焦点をあてるかをはっきりさせる必要があり、
ることができるというメリットがある一方で、その市場の
方法は具体的な市場を取り上げることで問題を身近に感じ
場﹂
﹁製薬市場﹂
﹁ソフトドリンク市場﹂などである。この
書・参考書の章立てがテーマ選択のヒントになるだろう。
どである。この方法をとる場合、産業組織論の授業や教科
フォーマンス﹂
﹁日本企業における利益率の説明要因﹂な
﹁市場構造と研究開発投資の関係﹂
﹁CSR活動と企業のパ
や市場に共通する問題を取り上げる方法である。例えば、
二つ目の方法は、こちらのほうがより一般的だが、産業
といった形で考察する側面を明確にしなければならない。
ける囲い込み戦略﹂や﹁二面性市場としての携帯電話市場﹂
ントが不明確でテーマが広すぎるので、﹁携帯電話市場にお
いて注意すべき点を述べる。
経済分析が行われている場合なら良いが、産業組織では産
独占や完全競争・ゲーム理論と寡占といった産業組織の基
前 者 の 方 法 の 例 と し て は、
﹁携帯電話市場﹂
﹁自動車市
業に共通する要素を取り出して議論することが多く、特定
三色旗 2011.12(No.765)
論のテーマにするにはあまりにも大きすぎるので、何らか
応用の部分は、自分の興味に応じてテーマ選択の材料にす
許・合併や多角化・参入阻止・ネットワーク外部性などの
が、 カ ル テ ル と 共 謀・ 製 品 差 別 化・ 広 告・ 研 究 開 発 と 特
礎理論の部分は基礎であるがゆえにテーマにはならない
ってもデータを拾い出して実証分析を行うことが望ましい
ることができず、実証分析がより困難になる。時間がかか
はそもそも数が多くないため、十分な量のデータをそろえ
とが多い点である。例えば多角化やカンパニー制などの例
市場レベルでのものにくらべてデータの収集に苦労するこ
ついては次節で説明する。第二に、企業レベルでの研究は
が、どうしても不可能な場合には実証分析をケーススタデ
ることができる。しかしこれらのトピックそのものだと卒
の形で絞り込む必要がある。
ものを見分けるのに手間がかかるということである。経済
であり、経済学のツールで議論している文献とそうでない
究領域で経済学の分析ツールが導入されたのは比較的最近
要がある。第一に、企業内部の問題はもともと経営学の研
きやすいが、研究を始めるときには以下の点に注意する必
のような企業レベルでの議論は身近な問題なので興味を引
のフラット化・雇用慣行・職務発明などの問題である。こ
でもある。例えば、経営者報酬・多角化・事業部制・組織
題も産業組織の一部であり、多くの学生が興味を持つ分野
レベルでの議論であるが、企業組織や企業財務に関する問
る。産業組織論の典型的な教科書の内容はほとんどが市場
場レベルでの議論か企業レベルでの議論かという点であ
テーマは広すぎても狭すぎてもいけない。どれくらいが適
めて自分にとって適切な研究の範囲が定まることになる。
握した上で研究を始めることが必要で、それによってはじ
ある。したがって、どのような研究が存在しているかを把
いうようなことは、現代経済学においてはありえない話で
い。全く手付かずの分野を学部生が自分だけで切り開くと
た学術的な議論がされておらずテーマにしにくいことが多
などは、考えてみたいと思っても、それを直接の対象にし
セスが必要になる。メディアから発信される時事的な問題
踏まえて自分なりの研究ができるかどうかを判定するプロ
う。研究計画を立てる上では、文献を検索し、先行研究を
るが、まずは自分が研究してみたいことを優先すべきだろ
以上がテーマを決める上で産業組織に特徴的な要素であ
ィなどの形で代用することになる。
学をツールにしているものを抽出するためには学術雑誌の
切かは問題の性格によってまちまちであるが、これに関し
産業組織のテーマでもう一つ分類の基準となるのは、市
種類によって文献検索を絞り込む方法が有効で、この点に
三色旗 2011.12(No.765)
ては過去の学生の卒論テーマを参考にするとよい。
﹁経済﹂を指定して﹁検索﹂を行うと、ほとんどの必要な
*
データベースが出てくるが、特に重要なのは以下の三つで
テーマが決まったら、まずは文献検索から始める。どん
要な学術雑誌を網羅していて、なおかつ論文のPDFファ
1. JSTOR
英文雑誌のバックナンバーが利用可能である。これは重
ある。
な問題であっても、あらかじめ問題の性質や現状を把握し
2.先行研究の整理・文献の検索
ておく作業が必要である。この段階は、日本語の一般的な
イ ル を ダ ウ ン ロ ー ド す る こ と が で き る。﹁ Search
﹂の項目
ではキーワード検索ができる。また﹁ Browse by Discipline
﹂
ページにある検索システム KOSMOS
によって蔵書や雑誌
を検索することから始めるべきである。
を選択し、
の分野を選択すると、産業組織の研究
Business
に必要な雑誌の一覧が得られる︵ Economics
の分野でもよ
書 籍 や 雑 誌 の 記 事 な ど で よ い。 慶 應 義 塾 図 書 館 の ト ッ プ
その次の段階として、専門的な学術論文を探すことにな
いが、 Business
のでも経済学の主要雑誌はすべてカバーさ
れている。産業組織と経営学の文献は一部オーバーラップ
織の分野で学術論文を探す場合、まずは英語論文からにす
しているので Business
から入ったほうがよい︶
。重要な雑
誌は七ページにリストアップしているとおりである。
る。検索の仕方は英語論文と日本語論文で異なる。産業組
べきである。理由は明快で、英語論文の方が質が高いから
2.
も多い。
パーなども含まれていて、全文をダウンロードできる場合
には含まれていない雑誌も含む形で経済学の英
JSTOR
語文献を網羅している。未発表のディスカッション・ペー
EconLit with Full Text
である。産業組織は研究者人口が非常に多いので英語では
いくつかの専門誌も存在するが、日本では産業組織の学会
が存在しないこともあって専門誌が存在しない。
英語論文の検索
図 書 館 の ホ ー ム ペ ー ジ︵
︶ クリックすると
というデータベース選択の画
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/
EBSCOhost
からデータベースナビ︵学内者︶をクリックすると
面になるので、 EconLit
を選択する。キーワードや著者名
http://
が 開 く。﹁ 分 野 か ら 探 す ﹂ で
からの文献検索が可能で、経済学の重要な英語文献はほぼ
www.mita.lib.keio.ac.jp/dbnavi/
(a)
三色旗 2011.12(No.765)
すべてカバーされている。なお、
﹁検索モード﹂で﹁すべ
を 選 択 す る と 全 文 を 閲 覧 で き る。 ハ ン ド ブ ッ ク の シ
tion
リーズは経済学の諸分野を網羅しているが、産業組織に関
Handbook of Game Theory with Economic Applications
Handbook of the Economics of Finance
Handbook of Econometrics
以外で
Handbook of Industrial Organization
ての用語に一致する項目を検索﹂に設定しておくべきであ
・
連する分野では
3. Web of Science
( Citation Index
)
信頼できる雑誌を網羅したデータベース。ある論文がそ
・
る。検索画面の下の方に詳しい日本語マニュアルがある。
の後のどの論文に引用されているかを調べる引用文献検索
・
も
など機能が豊富なので、まずは使い方のマニュアルを見る
Handbook of Health Economics
Handbook of Labor Economics
Handbook of Law and Economics
日本語論文の検索
・ Handbook of Public Economics
などが参考になるだろう。
・
こ と。 引 用 デ ー タ ベ ー ス は
・
Social
Sciences
Citation
Index
︶に限定したほうがよい。
・
SSCI
︵
( Elsevier
)のシリーズ
Handbooks in Economics
以下のレファレンスブックは産業組織の中でテーマごと
に最新の研究内容を網羅しているものである。テーマごと
の研究内容や基本文献が整理・説明されていて、研究動向
Holland.
電子ジャーナルリストから
Handbook of Industrial Organiza- る。
ので、卒論作成のためには日本語論文の検索も不可欠であ
とに注意すべきである。経営学関係でも経済学の手法を用
North-Holland.
・ Armstrong, M. and R. Porter, (2007), Handbook of いているものを選別する必要がある。しかしながらどんな
Industrial Organization, Vol. 3, Amsterdam: North- テーマであっても日本の現状に基づいた実証分析は必要な
を知る上で非常に有用である。
日本語論文は CiNii
で検索できる。ただし上述のように
・ Schmalensee, R. and R. D. Willig, (1989), Handbook of 産業組織の専門誌は存在せず、日本語で関連するキーワー
Industrial Organization, Vols. 1 and 2, Amsterdam: ドを検索すると経営学・商学関係の論文が多く出てくるこ
(c)
(b)
三色旗 2011.12(No.765)
産業組織の分野で重要なジャーナル
■JSTORに含まれている雑誌
[経済学全般]産業組織に限らずさまざまな分野を含んだ一般的な雑誌
・American Economic Review (最も評価が高い)
・Econometrica (理論計量で最も権威があり、難解)
・Journal of Political Economy (評価が高いが読みやすいものも多い)
・Quarterly Journal of Economics (評価が高いが読みやすいものも多い)
・Review of Economic Studies (理論が多い)
・Review of Economics and Statistics (実証が多い)
・Journal of Economic Literature (文献サーベイを収録)
・Journal of Economic Perspectives (新しい話題やシンポジウムなどを収録)
[産業組織]産業組織に特化した専門誌
・RAND Journal of Economics (産業組織の分野では最も評価が高い)
・Journal of Industrial Economics (その次に評価が高い)
[経営学関係]経営学と産業組織の隣接部分での専門誌
・Journal of Business
・Management Science
・Marketing Science
・Strategic Management Journal
[法と経済学関係]
・Journal of Law and Economics
・Journal of Law, Economics, & Organization
[企業財務関係]
・Journal of Finance
■JSTORに含まれていないが産業組織の専門誌として重要なもの
・Journal of Economics & Management Strategy
・International Journal of Industrial Organization
・Review of Industrial Organization
■JSTORに含まれていないが企業財務の専門誌として重要なもの
Journal of Financial Economics
※JSTORに含まれていない雑誌はEconLitならカバーしているが、図書館のトップ
ページにある電子ジャーナルリストからこれらのジャーナルを選択してジャーナ
ルの中だけで検索することも可能である。
三色旗 2011.12(No.765)
3.資料・データの整理
現状分析にとっては、学術論文だけでなく、一般的な書
組織に関しては、図書館のデータベースの中では以下が有
籍のほかに雑誌記事なども有効に用いるべきである。産業
用である。
委員会のホームページ http://www.jftc.go.jp/
にて閲覧可能で
ある。また、各種資料や集中度に関する統計データも入手
できる。公正取引委員会に付属する競争政策研究センター
のホームページ http://www.jftc.go.jp/cprc/index.html
には有用
なディスカッション・ペーパーがある。
論・現状分析・理論分析・実証分析・結論・参考文献が基
産 業 組 織 を 含 む 応 用 経 済 学 で の 卒 業 論 文 の 構 成 は、 序
4.論文の執筆にあたって
日 経 四 誌﹃ 日 本 経 済 新 聞 ﹄﹃ 日 経 産 業 新 聞 ﹄﹃ 日 経 MJ
本的なスタイルであろう。ただし理論分析と実証分析はそ
・日経テレコン
き、会社情報、人事情報、経済統計なども利用できる。
れぞれ独立にまとめてこの順番どおりである必要はない。
論じる問題に応じて、たとえば複数のトピックごとにそれ
ぞれ理論と実証を織り交ぜるというような形でもよい。
市場占有率などの市場構造に関するデータなら、矢野経
において問題意識を明確に述べ、先行研究と自分の議論の
本文中では自分の感想などは述べてはならない。まず序論
ければならない。﹁はしがき﹂と﹁あとがき﹂を除いて、
書き方は当然ながら、学術論文のスタイルをとっていな
済研究所﹃日本マーケットシェア事典﹄が詳しい。個別企
実態であるのかという点について、資料やデータに基づい
に現状分析では、自分が考えたい問題が現実にどのような
て整理しなければならない。これは問題の現状を正確に把
比較対象をし、自分が分析した結果を簡潔に記述する。次
団法人のホームページも参考になるだろう。
独占禁止法の運用等に関する基本的な情報は、公正取引
業の財務データについては、日経 NEEDS
や有価証券報告
書を参照すること。またテーマ次第で、各種社団法人や財
や財務情報のダウンロードも可能である。
証券報告書を収録したデータベースで、他社との比較分析
・ eol
(企業財務情報・有価証券報告書など)
国内企業の基本情報、マーケット情報、財務情報、有価
︵流通新聞︶
﹄﹃日経金融新聞﹄の記事を検索、全文表示で
21
三色旗 2011.12(No.765)
握することで序論での問題意識を補完するものであり、ま
果を提示してそれを説明しなければならない。
に関して気をつけてほしいポイントを記しておきたい。
・卒論の構成:表紙・はしがき・目次・序章もしくは第一
最後に、細かい話で恐縮だが、スタイルやフォーマット
析・ 実 証 分 析 の 後 で は、 結 論 の 中 で 得 ら れ た 結 果 を 要 約
章・第二章・⋮・参考文献・あとがきの順。これらは通
た理論や実証で仮説を提示して検証する前に客観的事実と
し、どのような課題が残っているかという点に関する議論
常、項目ごとに改ページを行う。
し て 読 者 に 提 示 し て お く も の で あ る。 本 論 と な る 理 論 分
を行わなければならない。
用いるため、学部生のレベルで理論を一から作り上げて自
目 次 に つ い て は ロ ー マ 数 字︵
・ページ番号:通常は中央下部に記す。表紙・はしがき・
ら検証することは一般に不可能である︵できたとしてもお
降はアラビア数字︵ 1, 2, ⋮
3,︶とする。表紙を ページ
とするがこのページ番号は表記しない。はしがきの最初
経済学は高度に専門化しており、数学的・統計的手法を
そらく著しく幼稚なものになってしまう︶
。しかし卒論は
のページを第
⋮︶ と し、 序 章 以
i, ii, iii,
文 献 の サ ー ベ イ で は な く、 あ く ま で 自 分 の 論 文 で あ る 以
ページとし、これ以降目次の最後のペー
i
い。理論分析については、一般に先行研究を紹介すること
のページを第1ページとし、これ以降最後のページまで
ジまでページ番号をローマ数字で表記する。序章の最初
・字数とマージン:一ページあたりの行数と一行あたりの
上、何らかのオリジナルな分析を備えていなければならな
理解している必要があり、自分が理解していないことを書
字数・上下および左右のマージンを確認しておくこと。
ページ番号をアラビア数字で表記する。
くことは許されない。また自分で理論を作ることはできな
ションのタイトル表記は太字とするかどうか、また中央
・タイトル表記:各章のタイトルとセクション・サブセク
・数式:数式のみの行にはその行の前後に若干のマージン
めて表記する場合もある。
・脚注:ページ下部に表記する場合が多いが、末尾にまと
寄せか左寄せかどうかを確認すること。
いと最初から決め付けるのではなく、たとえばモデルの仮
のようなデータを使っているのかを明示したうえで実証結
示する必要がある。理論から得られた仮説を明確にし、ど
単に先行研究を紹介するだけでなく、自分独自のものを提
を模索することが望まれる。一方で実証分析に関しては、
定を一部変更して推論を行うといった形でオリジナリティ
でかまわないだろう。しかし当然ながら先行研究の内容を
ii
三色旗 2011.12(No.765)
をとる。数式に番号をつける場合、数式の右端に表記す
ることもあれば左端に表記する場合もある。例えば第二
章での一四番目の数式は︵ 2.14
︶とする。
・図と表:図や表は適当なソフトを用いて必ず自分で作成
すること。図や表の番号とタイトルを上に書き、右下に
出所を明記すること。
・参考文献の表記:どの参考文献も本文中で必ず引用しな
ければならない。日本語文献・英語文献・ホームページ
アドレスをそれぞれまとめて表記する。日本語文献は第
一著者の名前のアイウエオ順、英語文献は第一著者の名
前のアルファベット順、ホームページアドレスは組織名
のアイウエオ順に並べる。文献の種類によってカンマの
打ち方・全角半角の区別・イタリックやボールドの使用
箇所などが異なるので、細心の注意を払うこと。
*通 信 教 育 課 程 生 は、 キ ャ ン パ ス 内 の パ ソ コ ン で 電 子 ジ
ャーナル、データベースを利用することができる。パソ
コンにログインするにはITCアカウント︵有料︶が必
要なため、三田ITCのホームページで詳細を確認する
こと。
主要業績
Ph. D.
︹いしばし
こうじ
慶 應 義 塾 大 学 経 済 学 部 教 授、 ミ ク ロ 経 済
学・産業組織専攻。一九九八年ボストン大学
―
“Effects of Asymmetric Information within a Firm on Oligopolistic
Market Outcomes,” Japanese Economic Review, Vol.61, No.4,
pp.488―506, 2010. “Partial Privatization in Mixed Duopoly with Price
and Quality Competition,” (with T. Kaneko) Journal of Economics,
Vol.95, No.3, pp.213―231, 2008. “Strategic Delegation under Quality
︺
Competition,” Journal of Economics, Vol.73, No.1, pp.25―56, 2001.
三色旗 2011.12(No.765)