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新産業創成研究拠点
2階セミナー室
61
2016年
7 22 金
14:40~16:10
東京工業大学理学院物理学系
高橋和孝 博士
量子状態の最適な制御法
-Shortcuts to Adiabaticity量子状態を異なる状態に効率よく変化させるにはどのような外場をかければよいだ
ろうか。与えられたハミルトニアンの下でSchroedinger方程式を解くのではなく都合
のよいハミルトニアンを設計する問題が応用上有用であることは言うまでもないが、
量子効果の性質を理解するという基礎理論の観点からも興味深く、新しい研究の流
れをもたらしている。本講演では、断熱状態を制御する理論であるShortcuts to
Adiabaticityの方法をさまざまな角度から議論する。ゆっくりとハミルトニアンを変化
させれば状態は各時間での固有状態を辿るというのが断熱遷移の理論である。近年
では量子アニーリングという量子計算の原理に用いられているが、理想的な状態変
化を実現させるには無限の時間がかかるという問題がある。本研究における方法で
は、制御項を導入することにより任意の速度で状態を変化させることが可能になる。
断熱制御の方法が最適な手法なのか、そもそも最適とは何か、ノイズ等に対する安
定性の問題はないのか、制御項をどうやって実現させるのか、多体系への応用可能
性、古典非線形可積分系との関係などの問題を議論する。それによって、量子系を
設計・制御する視点の新奇性、面白さを伝えたい。
三重大学大学院工学研究科・極限ナノエレクトロニクスセンター
担当:内海裕洋
E-mail: utsumi@phen. mie-u.ac.jp
内海裕洋
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