情報化社会と 学習情報提供システム

地域と学習情報の提供シス
テム
三重大学教育学部
附属教育実践総合センター
須曽野 仁志
[email protected]
情報化社会の中での
私のこだわり
 いつでも、どこでも
 わかりやすく
 ペーパーレス
 IT(情報技術)は
相手 が大切
 地方・郷土からの情報発信
約4ヶ月の米国出張
(2005.3.14 – 7.21)
海外先進教育研究実践支援プ
ログラム
テーマ
「CSCLと連携したPBL教育法の
研究開発」
 CSCL(Computer
Supported
Collaborative Learning)
 PBL(Problem/Project Based
Learning)
–Problem 問題を基盤とした学習
–Project プロジェクトを基盤とした
学習
この約20年間の間に
米国の学校では







20人前後のクラスサイズ
脱 Chalk and Talk
教科教室型授業
4~5人ごとのグループ作業・協働学習
教室でのコンピュータ・メディア活用
教師は学びのデザイナー・ファシリテータ
Project Based Learning
日本へ戻ってきて
 「先生」と呼ばれること
–米国でも教員はファーストネームで
呼ばれること多い
 コンピュータの学習利用が進んで
いない
情報化の波
『第三の波』
(The Third Wave,1980)
アルビン・トフラー
第1の波
農業の発生から生じた波
 食物の確保・安定
 定住、集団で暮らす
第2の波
産業革命によって生じた波
 物質的な豊かさ
 規格化、分業化、同時化、集中化、
極大化、中央集権化
第3の波
情報革命による波
 情報的豊かさ
– コンピュータなど情報機器に支えられた
高度情報化社会
高度情報化社会とは
「いつでもどこでも誰でもが、必要とする情報を直ちに必
要な形態で選択入手し、活用できる社会」

誰もが学べる社会の実現
どんなところに情報化の波を感
じますか?
米国出張での情報化の実感







航空券、ホテルの予約はインターネットで
現地でネットが使え、メール送受信、Web
での情報入手
デジカメでの撮影 → コンピュータへ画
像保存
辞書は電子辞書を持っていく、あるいは
Webで
ビデオ(テレビ番組)はDVDで持っていく
書類のPDF化
携帯電話のグローバル化
米国出張での情報化の実感(2)
インターネットでのIP電話を用いて安
価に日本へ通話
 大学では、無線(ワイヤレス)でネット
接続
 ニュース、行事などがWebCast
 テレビ電話でのやりとり
 インターネットでの無料音声電話
Skypeの活用

30年前と比べ、情報機器等がど
のように進展してきたかを振り
返る
情報メディアの中で、具体的に「電話」
「テレビ」等、情報に関するものを一つ
取り上げる。
 グループでそれがこの約30年間に、
どう発展してきたか、教育や学習の場
でどのように利用されてきたか、利用
上の問題点等について話し合ってみ
よう。

学習方法の変化
習




例
外国語学
30年前、教師がテープレコーダを教室に
持ち込み、一斉指導型授業の中で、発音
練習
1979年以降、ヘッドホンステレオを使って
語学用テープを聴く人が増えた → 現
在、ハードディスクプレーヤで
現在、インターネットにアクセスして語学を
学ぶ
電子辞書が便利に使えるようになった
情報社会の特徴
(1) デジタル(電子)化
(2) ネットワーク化
(3) ユビキタス(いつでも、どこでも)
(4) グローバル化
(1) デジタル(電子)化
 デジタルでの画像、動画、音声処
理
–
例 デジタルカメラ、MP3
 書類の電子化
–
例 PDF(Portable Document Format)
(2) ネットワーク化
 コンピュータを高速ネットでつなぎ、
情報のやりとり
–
例 ワイヤレスLAN
 データの共有
(3) ユビキタス(いつでも、どこ
でも)
 小型・軽量化されたラップトップコ
ンピュータ
 情報端末 PDA
 携帯電話での情報
 情報コンセント、ワイヤレスLAN
(4) グローバル化
 情報は国境を越え、世界中に広
がる
 世界中の人とコミュニケーション
情報化時代の学び 大切なこ
と






いつでも、どこでも学べる
まず自分が学習者
教育(学習)活動の改善・評価
成人教育での背景となる学習理論を大切
に
生活や生き方に役立つ学び
自分が住むコミュニティを場・土台として
いつでも、どこでも学べる
 誰もが情報を入手できる時代
 小型化された情報機器を上手く活
用しよう
 学ぶための時間は自分で見つけ
る
まず自分が学習者
 誰もが学習者であり、教授者にな
る
 教授・指導者が学習者になること
私の放送大学 体験


2004年4月から教養学部3年次編入
専攻「発達と教育」
きっかけ
– 「乳幼児心理学」を学びたい
– 放送大学講師陣は超一流

単位取得授業
– 「学習科学」「学習科学とテクノロジ」「教育評
価」「心理学研究法」「教育の方法」「国際化と
教育」「韓国語1」「フランス語1」
教育(学習)活動の改善・評
価
 学習者の声・成果を重視する
 学習者からの評価
–自己評価
–教授者への評価
–学習活動・社会教育への評価
成人教育での背景となる学習理
論を大切に
 アンドラゴジー
–マルカム・ノールズ著
「成人教育の現代的課題」
 プライドや恥ずかしさを乗り越えて
生活や生き方に役立つ学び
 学習者の様々な経験重視
 一斉指導での知識詰め込みより、
Problem Project ベースの学習
を
自分が住むコミュニティを場・
土台として
 どこに住んでいても情報は入る、
情報を発する
 高速インターネットがつながれば、
緑多い場所の方が生活しやすい
私のこだわり
自分が住むor勤める地域を大切にす
ること
 情報発信型の学習・生き方
 Lifelong Learning & Professional
Development 教育に携わる者とし
て
 コミュニケーションの幅を広げ、背景と
なる文化や生活を知る外国語学習

成人を対象とした生涯学習で
は



学習会等に集まる人は、学習意欲が高く、
学習への動機も内発的なものが多い。
在宅で自学することが多く、そのための情
報メディアの効果的な活用が必要である。
学習を進める上での仲間を得るために、学
習会等での情報交換が有益であったり、
ネットを使った交流も役立つ。
成人を対象とした生涯学習では
(続き)
 自分で情報機器などを購入でき、
自分の学習に役立つ情報メディア
を選択できる。
 高齢者や身体的に不自由な面を
持つ人々が学習しやすいように工
夫する。
情報社会で生涯学習を進める上
での問題点


情報メディアを使える人と使えない人では
情報格差(デジタルデバイド)が拡大する。
→ 米国では、デジタルイクィティ(Digital
Equity)というとり組みが進みつつある
コンピュータがネットワーク化されているた
め、コンピュータウィルスの感染、個人情
報の流出等の問題が発生している。
情報社会で生涯学習を進める上
での問題点(続き)


学習情報を手軽にコピーしたり、ネットワー
クで入手できることから、あるいは、自分自
身でWebページを手軽に作成・発信できる
ことから、著作権について十分理解しない
といけない。
電子掲示板や電子メール等で、誹謗中傷
される内容が書き込まれることがある。情
報モラルについてよく知る必要がある。
レポート 「私のこだわり
旅」
 OHPシート
8/8の授業で提示する

A4縦置き
後でPDF化しWeb公開する
– 題名
– 旅の企画
– 旅の(学習)情報
– 名前・番号 名前公開ダメなら裏面に書く
☆図や絵などを入れることOK ただし、他人のものを勝
手に使わない
☆手書き(濃い字で)歓迎、プリンタで打ち出したものも
OK
-- vVv -- wWw -- vVv -- wWw -- vVv -- wWw -- vVv-須曽野 仁志 [email protected]
http://ravel.edu.mie-u.ac.jp/~susono/
三重大学教育学部附属教育実践総合センター
研究室Weblog http://blog.livedoor.jp/susono333/
〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577
Skype susono1 or susono7
-- vVv -- wWw -- vVv -- wWw -- vVv -- wWw -- vVv--
学習情報の提供
 プレゼンテーション
 配布物
–チラシ、新聞、パンフレット
 情報提供システム
–データベース
–Webページ
何かの説明を行う場合
口頭だけで行う
 黒板等に字や絵を書きながら行う
 実物を見せながら行う
 掛け図や大きな紙に書いたものを見
せながら行う
 配付資料(プリント)を読みながら

→情報機器を用いて、大勢の人に、
わかりやすく
プレゼンテーションのポイン
ト
 情報をわかりやすく提示
 限られた時間の中で
 話し方・声の調子
 視聴する人の顔・様子を見ながら
提示者(プレゼンター)は誰
か
 教授者(インストラクタ)が提示
 学習者が提示
プレゼンテーションで活用でき
る機器
(1) OHP(Overhead Projector)
(2) スライドプロジェクタ
(3) ビデオ(TV放送、テープ、DVDな
ど)+ビデオプロジェクタ
(4) ビデオカメラ+ビデオプロジェクタ
(5) コンピュータ+ビデオプロジェクタ
OHP(Overhead Pr
ojector)
(1) OHP(Overhead Projector)
透明なシートに、サインペンで書いた
ものを手軽に提示できる。
 専用コピーシートを用いて、コピー機
で拡大して提示できる
 専用インクジェットシートを用いて、プ
リンタで作成できる
 比較的明るい場所でも使用できる。

(2) スライドプロジェクタ
 専用のスライドフィルム(ボジ)を
用いて、従来のカメラで作成でき
る。
 部屋の中を暗くしないと、見ること
ができない。
(3) ビデオ(TV放送、テープ、
DVDなど)+ビデオプロジェ
クタ
 テレビ放送や録画したものを大勢
の人に見せることができる。
 録画したものであれば、巻き戻し
て見たい場面を何度も見ることが
できる。
(4) ビデオカメラ+ビデオプロ
ジェクタ
 ビデオカメラに接写レンズを付け
ると、小さなものも大きく拡大
 ビデオカメラはスタンドで固定する
とよい。
ビデオカメラ
接写用スタンド
クローズアップレンズ
クローズアップレンズは、カメラのレンズの口径に合ったも
のをカメラ店で購入
(5) コンピュータ+ビデオプロ
ジェクタ
 プレゼンテーション用ソフト(「パ
ワーポイント」など)を使い、文字
や画像などを序よく提示できる。
 プレゼンテーション資料も手軽に
作成できる
 Web上での情報を提示できる
プレゼンテーションの留意点


プレゼンテーション用機器の接続や使用法によく
慣れておく
部屋の明るさを十分に配慮する。
– 最近の機器は明るい部屋でも十分使えるので、暗くし
すぎないようにする。

文字の大きさに注意する。
– スクリーンやディスプレィから遠方の者でも文字が読
めるようにすることが望ましい。

情報の量や質に配慮する。
– 情報機器を用いると、学習者にとって情報の量が多す
ぎることがある。
生涯学習社会における学習情
報
学習情報とは
「人々がなんらかの学習を始めようと
したり、あるいは、学習を進めるに
あたって必要となる情報の全体」
( 学習内容 + 案内情報 )
学習内容だけでなく
 学ぶための時間
 学ぶための場所
 学ぶための人
 学び方
 学ぶための道具
社会教育主事として
生涯学習支援者としての事業
 学習情報の提供、学習相談
 学習機会の提供、拡充
 学習のための資源の提供
 学習成果の発表・活用の機会の
提供
学習情報の種類(1)
 学習材(教材)
–学びたい内容に関するもの
 学習の仕方
–どのように学習を進めるか、ノウ
ハウ
 学習活動の事例
学習情報の種類(2)
 施設情報
– 学習の場となる施設、設備、利用方法、交通案内など
 学習機会
– 各種講座、講演会などの学習機会に関する情報
 講師・指導者情報
– 専門分野、連絡方法など
 サークル情報
– 活動内容、場所、参加方法など
 資格、技能検定などに関する
学習情報の種類(3)
 体験談、先輩から
 図書、視聴覚ソフトの情報
 メディア、道具の使い方
 地域特有の情報
学習情報の提供のあり方
情報がわかりやすいこと
 情報が豊富にあること
 地域、対象者の実態にあった情報で
あること
 学習者が提供システムに参加できる
ことが望ましい
 情報提供の範囲や対象を明確にする

連絡先
須曽野 仁志
susono@edu.mie-u.ac.jp
〒514-8507
三重県津市上浜町1515
三重大学教育学部
附属教育実践総合センター
TEL 059-231-9341
FAX 059-231-9343