Vol.311 ブレグジットで株安!でも米国公益株は上昇!

2016年
7月1日号
Vol.311
ブレグジットで株安!でも米国公益株は上昇!
 金融市場の当初の反応
 今後のイベントと公益株式は?
6月24日、世界の株式市場は英国のブレグジッ
トを受けて大幅安となりました。欧州株式市場
は前日比8.6%の下げに見舞われ、為替市場
でもポンド・円は10.5%急落。ドル・円でも3年
ぶりに一時1ドル100円を割り込みました。これ
に対し、リスクオフ局面で強い資産の代表であ
る金は4%上昇し、加えてドイツや米国の10年
国債利回りはマイナス0.06%ならびに1.58%に
まで低下(価格は上昇)しました。
今後のイベントとしては、10月の憲法改正を問
うイタリア国民投票、11月の米国の大統領選
挙、2017年にはフランス、ドイツの選挙などが
控えており、市場は神経質な動きをする可能
性が考えられます。こうした局面では、相対的
に値動きが安定している公益株式が注目され
ると考えられます。公益株式はかつて「資産
株」と呼ばれていました。資産株とは「資産とし
て長く保有するのに適した株式」です。業績が
相対的に安定して配当利回りが魅力的でなお
かつ成長性があり、株価の値動きが他の株式
に比べて小さい株式です。不透明感の強い市
場環境では公益株式に注目が集まりそうで
す。
 米国株式市場では公益株が好調!
株式市場が大幅下落になる環境のなか、株式
市場で5連騰(6月24日∼30日)している業種が
あります。それが、米国の公益株式です。6月
30日現在、NYダウの年初来騰落率は2.9%と
小幅の上昇になっている一方、米国公益株式
は21.1%の上昇と年初から好調を維持してい
ます。また、ブレグジット前後の6月23日∼24日
のNYダウは3.4%下落する一方、米国の公益
株式は0.07%のプラスでした。公益株式が相
対的に堅調だった要因は、米国の利上げ観測
が後ずれになり、長期金利が大幅に低下した
ことが挙げられます。こうしたなか、事業の安
定性や配当が相対的に高い公益株式には注
目が集まりました。
※欧州株式市場:ユーロ・ストックス 50 種、米国公益株式:MSCI 公益株式指数、
米国株式:NY ダウ工業株 30 種、日本株式:TOPIX、出所:トムソン・ロイター・デ
ータストリーム、ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
■米国公益株式、米国株式、日本株式の推移
(日次、2015年12月31日=100として指数化、期間:2015年12月31日
∼2016年6月30日)
130
米国公益株式
米国株式
日本株式
120
110
100
90
80
70
15年12月
16年1月
16年2月
16年3月
16年4月
16年5月
16年6月
※MSCI 指数は、MSCI が開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有
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