英国国 投票を受けた優先証券市場の動向について

2016年6⽉27⽇
英国国⺠投票を受けた優先証券市場の動向について
優先証券市場の動向について、優先証券投資に特化しているスペクトラム・アセット・マネジメント社(所在
地:⽶国コネチカット州)の⾒通し等をご紹介します。
現地23⽇に実施された英国の国⺠投票は、EU離脱の賛成票が過半数を獲得し、英国のEU離脱が決定されました。
この結果、前⽇まではEU残留派が優位との報道がなされていたため、世界的な株安など、⾦融市場ではリスク
オフの動きが強まりました。特に欧州の⾦融セクターには懸念が広がり、⾦融機関の株価は⼤きく下落しました。
債券市場では⽶国債など信⽤⼒が⾼い債券が買われる⼀⽅で、信⽤⼒が低い債券は下落するなど、クレジット
(信⽤リスクを取って利益を追求する債券)市場は軟調な展開となりました。そのような中で、優先証券も欧州
の⾦融機関を中⼼に下落しています。
⾜元で懸念が⾼まっている英国の銀⾏ですが、⾦融危機以降資本の積み増し、レバレッジの低下、収益性の向上
などにより、バランスシートを著しく改善してきました。イングランド銀⾏(BOE)総裁のマーク・カーニー⽒
は、ブレグジット(英国のEU離脱)を受け、「我が国の主要な銀⾏に対する現在の資本要件は、⾦融危機以前
の10倍にもなっている」と述べました。主要銀⾏は、⻑引く世界経済の問題にうまく対処しており、資産の質
も⾼めています。当⾯は投資家が様⼦⾒の姿勢を強めるとみられるため、借⼊需要や取引量の低下により、英国
の銀⾏収益は⼀時的に下落すると予想していますが、ブレグジットによって、銀⾏の信⽤⼒が⼤きく毀損される
ことはないと考えています。
⾦融市場には不透明感が強く、当⾯リスクオフの動きが続く可能性が⾼いと考えられますが、⾦融機関のファン
ダメンタルズに与える影響は限定的とみています。BOEやECB(欧州中央銀⾏)は、各々で英国や欧州に必要な
流動性を供給する態勢になっています。ブレグジット後も、当社が投資しているような英国や欧州の銀⾏・保険
会社の信⽤⼒に対する堅調な⾒通しに変更はありません。
※当コメントは、資料作成時点における市場環境について、スペクトラム・アセット・マネジメントの⾒⽅あるいは考え⽅等を記載したもので、将
来の市場環境の変動等を保証するものではありません。また、将来の運⽤成果等を約束するものでもありません。
主要債券指数の推移
優先証券
投資適格社債
ハイイールド債券
108
106
(2016年3⽉31⽇〜2016年6⽉24⽇)
※2016年3⽉31⽇を100として指数化
※優先証券:バンクオブアメリカ・メリル
リンチ証券 US Capital Securities Index、
投資適格社債:バンクオブアメリカ・メ
リルリンチ証券 US Corporate Index、
ハイイールド債券:バンクオブアメリ
カ・メリルリンチ証券 US High Yield
Index、
104
102
100
98
3/31
4/12
4/24
5/6
5/18
5/30
6/11
6/23
(出所)各種データより⼤和住銀投信投資顧問作成
(⽉/⽇)
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