重要な注意事項

インド債券ファンド/ファンドマネジャー・コメント
ラジャン総裁退任、これからどうなるのか?
(*) この資料は、コタック・マヒンドラ(UK)から提供を受けた英文レポートを基に三井住友アセットマネジメントが作成したものです。
内容に見通しや投資判断などが含まれている場合は、コタック・マヒンドラ(UK)の見解によります。
情報提供資料
2016 年 6 月 23 日
タンビール・セティ
コタック・マヒンドラ (UK)社のインド債券ファンドマネジャー
海外投資家向けのインド債券ファンドマネジャーで 2008 年からコタック・グループに勤務。
金融業界で 12 年の経験を持つ。
デリー大学商学部卒
インディア・スクール・オブ・ビジネス MBA
CFA 協会認定証券アナリスト (CFA)
ラグラム・ラジャン インド準備銀行総裁退任:
予想外の展開でラグラム・ラジャン博士は、今年9月の任期満了を持って退任することをインド準備銀行(中央銀行)の職員宛の手紙で表明
しました。大多数が総裁任期の延長を予想していましたので、このニュースは嫌な驚きとして受け止められました。私たちが嫌なと言う表現を使った
のは、世界の投資家と同様にラジャンの様な人物がインドの金融政策を推し進めていたことに満足していたからです。私たちは、インフレ・ターゲット
政策に満足していました。私たちは、インド・ルピーを狭い為替バンドに収め、乱高下を抑えたのは彼の功績だと考えました。インドは多額の双子の
赤字(経常収支と財政収支)により「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5通貨)」と言われていましたが、彼の金融政策により2013年に問題から
脱することが出来ました。
それでは、これからどうなるのでしょうか?これは、インドにとって問題となる暗示なのでしょうか?
仮に金融市場(通貨、株式、債券)がそのバロメーターであるとすると、答えは「ノー」です。何故なら全く材料視されなかったからです。これら資
産の価格は先週末比で全てが1%以内の動きに収まりました。それでは何故、皆がラジャンの退任について議論をするのでしょうか?それは、皆が
現状維持を好むからです。私たちは、私たちが理解していると考え、その政策も解っており、将来の行動も予想できる人物の顔を見たいのです。
一連の政策に賛同している場合は尚更そうです。経済界を含む一部の国内関係者は、ラジャン総裁は低い調達コストによる成長促進を実施す
る為に政策金利を十分かつ早く引き下げていないと非難しています。しかしながら、世界的な投資家を含むそれ以外の人々は以前まで乱高下し
ていた通貨を安定化させた彼の政策を支持していました。
ラジャンが退任すること(REXITとも呼ばれる)で、いったい後継者は誰になるのか、また交代は将来の金融政策にとって何を意味するのか私た
ちは不安になります。ここで読者の皆様にちょっと小休止して頂ければと思います。改めて申し上げたいのは、不安そのものは問題を生むことにはな
らないと言うことです。政府は早いタイミングで後継者を発表できると思われますが、ここでラジャンが既に重要な事柄への対応を終えていることを
認識する必要が有ります。これからはそれら重要な事柄を正しく実行することが必要です。
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マクロ経済のファンダメンタルズの再確認:
インドのインフレは、ここ数カ月じりじりと小幅に上昇しているものの極めて良好に抑制されています。モンスーンは良好と予想され、食品関連インフ
レは低く抑えられると予想されます。政府は対象となる農産品に対する最低支持価格(MSP)の引き上げについては引き続き慎重です。
対GDP財政赤字は、改善しており、現政権は財政立て直しを確約しているようです。輸出部門もある程度健闘しています。2016年3月期に
経常赤字は対GDP比で1.1%に縮小しました。今年に入り原油価格は多少上昇しましたが、2017年3月期の経常赤字は対GDP比で1.8%
に止まると予想します。インドは世界的な混乱と不安定化が起きた際の通貨防衛の備えとして多額の外貨準備を蓄積してきました。
直近の非居住者外貨定期預金(FCNR(B))の満期に伴う流出問題についてもうまく対応しています。インド準備銀行(RBI)は、米ドルの
過剰な需要を防ぐために銀行とスワップ契約を結んだのです。ルピーの流動性はここもと中央銀行が継続して活用している公開市場操作と言う
手法により管理が可能です。流出途中で通貨は多少乱高下するかもしれませんが、一定期間後には概ね落ち着き、問題は起こりません。
今日、経済は好調です。将来どのような金融政策が行われるのでしょうか?
将来の金融政策については不透明であり注意を要します。 新しいRBI総裁の方針を見極めることが重要です。しかしながら、このリスクについても
ラジャンは任期中に政府と連携し、すでに概ね対処したことを心に留めておく必要があります。インフレ・ターゲットについては、すでにその仕組みにつ
いて政府との間で合意されました(中期的目標として4%の+/- 2%)。目標を達成出来なかった場合に中央銀行は中央政府に説明責任が
有ります。
更に、金融政策委員会(MPC)の設立は、RBI総裁の円滑な交代を確かなものにします。いずれにしても、この新たな制度では総裁は多数決が
半分に割れた場合の裁決権は持つものの、投票権は1票だけです。将来のインドの金融政策は一人だけで決められるのではなく複数によって
決められることになります。従って、ラジャンが今日退任するにしても任期を延長したにせよ、金融政策については3年前の総裁就任時に比べれば
影響が有りません。
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<重要な注意事項>
【投資信託商品についてのご注意(リスク、費用)】
●投資信託に係るリスクについて
投資信託の基準価額は、投資信託に組み入れられる有価証券の値動き等(外貨建資産には為替変動もあります。)の影響により上下し
ます。基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用の結果として投資信託に生じた利益および損失は、すべ
て受益者に帰属します。したがって、投資信託は預貯金とは異なり、投資元本が保証されているものではなく、一定の投資成果を保証するも
のでもありません。
●投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
◆直接ご負担いただく費用・・・申込手数料 上限 3.78%(税込)
・・・換金(解約)手数料 上限 1.08%(税込)
・・・信託財産留保額 上限 3.50%
◆投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・信託報酬 上限 年 3.834%(税込)
◆その他費用・・・ 監査費用、有価証券の売買時の手数料、デリバティブ取引等に要する費用(それらにかかる消費税等相当額を
含みます。)、および外国における資産の保管等に要する費用等が信託財産から支払われます。また、投資信託に
よっては成功報酬が定められており当該成功報酬が信託財産から支払われます。投資信託証券を組み入れる場合
には、お客さまが間接的に支払う費用として、当該投資信託の資産から支払われる運用報酬、投資資産の取引
費用等が発生します。これらの費用等に関しましては、その時々の取引内容等により金額が決定し、運用の状況に
より変化するため、予めその上限額、計算方法等を具体的には記載できません。
※なお、お客さまにご負担いただく上記費用等の合計額、その上限額および計算方法等は、お客さまの保有期間に応じて異なる等の理由に
より予め具体的に記載することはできません。
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三井住友アセット
マネジメントが運用するすべての投資信託(基準日現在において有価証券届出書を提出済みの未設定の投資信託を含みます。)におけ
る、それぞれの費用の最高の料率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資を
される際には、事前に投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面等を必ずご覧ください。
●投資信託は、預貯金や保険契約と異なり、預金保険・貯金保険・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また登録金融機
関でご購入の場合、投資者保護基金の支払対象とはなりません。
●投資信託は、クローズド期間、国内外の休祭日の取扱い等により、換金等ができないことがありますのでご注意ください。
[2016 年 3 月 18 日現在]
三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 399 号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧
誘するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のも
のであり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想
であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・
完全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者
および許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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