■総合リハビリテーション学研究科 臨床支援系領域 西川 隆 教授 1.主な研究内容について 私たちの研究グループは、脳血管障害・認知症・頭部外傷などの器質的損傷による高次脳機能障害、および、統合失調症・P TSDなどの機能性精神疾患に伴う認知機能障害の病態と治療法を研究してきました。 目下のグループの主な研究課題として以下の研究を進めています。 1)重度認知症の認知機能、ADL、QOL の評価法の開発 2)認知症における味覚機能と食行動異常 3)統合失調症の社会的認知機能障害と治療法の開発 2.主な共同研究先 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室、熊本大学大学院生命科学研究部脳機能病態学分野、財団法人浅香山病院、医療法人 北斗会さわ病院、医療法人晴風園今井病院 3.今まで指導した学位論文名 <修士論文> 2008 年度: 『脳損傷者の注意障害を評価するための計算課題を用いたスクリーニング検査の開発』 2009 年度: 『慢性統合失調症患者の社会的認知に関する研究 -心の理論課題および社会的常識テストを用いて-』 2010 年度: 『慢性統合失調症患者における抗精神病薬服用とバランス機能の関連』 『アルツハイマー型認知症における味覚機能と食行動異常の関連 – 味覚閾値, 味覚識別, 味覚同定課題による検討 -』 2012 年度: 『脳血管障害例にみられる妄想性同定錯誤症候群(DMS)の神経心理学的検討』 『統合失調症における心の理論・語用論的能力と社会的行動障害の関連』 『治療環境が Constraint-induced Movement therapy の効果に与える影響』 2014 年度: 『重度認知症者の QOL 評価に寄与する因子の検討』 『脳卒中患者の麻痺側上肢における行為選択能力の障害に関する検討』 2015 年度: 『統合失調症における病識と社会認知の関連』 『大脳基底核領域における発声制御機能の左右半球差の研究』 <博士論文> 2015 年度: 『重度認知症者における認知機能検査に関する研究-CognitiveTest for Severe Dementia の開発-』 4.主な論文 ・Kashiwagi A.,Kashiwagi T.,Nishikawa T.,et al.:Hemispatial neglect in a patient with callosal infarction,Brain 113,1005-1023,1990 ・Nishikawa T.,Okuda J.,I Mizuta, et al.:Conflict of intentions due to callosal disconnection,J Neurol Neurosurg Psychiatry 71,462-471, 2001 ・西川隆,武田雅俊:エピソード記憶のメカニズム,神経研究の進歩 45,171-183,2001 ・Hatta N.,Nishikawa T.,Ikejiri Y.,et al.:Neural substrates of emotional habituation:A PET study using film stimuli,Psychiatry Clin Neurosci 60 Suppl 1,S46-51,2005 ・西川隆:意図の抗争(conflict of intentions)と前頭葉内側面,神経心理学 26,35-46,2010 5.現在指導している大学院生数 M2:2 名、D1:2 名、D2:2 名、D3:3 名 6.どのような大学院生の受け入れを希望するか? 何よりも誠実で前向きに努力する院生を求めます。神経心理学・高次脳機能障害学に関する素養と、英語の文献を読解する基礎 的学力を有していることが望ましいですが、これらは入学後の努力で補うことができます。大切なことは、共同研究の場で相互の 信頼に応えることのできる誠実な態度と、先輩達から知識と経験を貪欲に吸収しようとする積極的な姿勢です。 社会人の院生も大歓迎です。これまで当研究室に入学された方は全員社会人でした。ただし、本職と勉学の両立はかなりの困難 を伴いますから、最後まで弱音を吐かない、しぶとくタフな方を求めます。 9
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