四国大学紀要, : Bull. Shikoku Univ. − , : − , 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルと健康を守る共助力 武 田 道 子* ・佐々木久美子* Social Capital and Health−Protecting Mutual Assistance Capability of Community Disaster Prevention Leaders Michiko TAKEDA and Kumiko SASAKI ABSTRACT This study aimed to clarify the relationship between the social capital of voluntary disaster prevention leaders and their mutual assistance capability to protect the health of local residents, for the purpose of examining ways to develop the mutual assistance capability to protect health in normal times. We carried out a questionnaire survey on the heads of voluntary disaster prevention organizations in municipalities of Prefecture A. The questionnaire used consisted of six items on the social capital of voluntary disaster prevention leaders, and items on the health−protecting mutual assistance capability, covering the mutual help for the prevention of physical and mental diseases, the support of people in need of aid at the time of disaster, and the development of neighborly relations. The survey results found that voluntary disaster prevention leaders with high social capital gained a significantly higher score for their health−protecting mutual assistance capability at the time of disaster, in comparison with those with a low score. On this basis, since leaders with a high level of social capital are considered to have the health−protecting mutual assistance capability, it is necessary to enhance social capital in preparation for disasters. KEYWORDS : community disaster prevention leader, social capital,health−protecting mutual assistance Ⅰ はじめに る信頼性・互酬性の規範および社会的ネットワーク と定義した。 災害時には,生活の急激な変化やストレスによっ て,感染症,栄養不良,慢性疾患の悪化,精神疾患 Ⅱ 研究方法 などの健康被害が起こり,健康状態急激に低下する ことが多い。健康レベルの急激な低下を防ぎ,また 調査時期 早期に回復させるためには,地域住民の健康を守る 年 月∼ 月 共助力の存在や強さが大きく影響する )ため,平時 から地域住民の健康を守る共助力の育成を図り,災 害時に備える必要がある。地域の自助共助はソーシ 対 象 A 県内 の市町にある ダー ) ャルキャピタルと関連が深く ,ソーシャルキャピ タルの高い地域は,自助・共助の防災意識が高い ) が,個人のソーシャルキャピタルと健康を守る共助 力についての報告は少ない。 自主防災組織のリー 人 方 法 無記名自記式調査票による質問紙調査を実施し た。 調査票作成において,自主防災組織リーダーの 本研究では,平時における健康を守る共助力育成 ソーシャルキャピタルは,信頼性・互酬性の規範に 方法を検討するため,自主防災組織リーダーのソー ついて,近所に愚痴を聞いてくれる人の有無,病気 シャルキャピタルと住民の健康を守る共助力の関連 の時世話をしてくれる人の有無および地域にとって を明らかにすることを目的とした。ソーシャルキャ 利益のある活動への参加意思の有無の 項目とし, ピタルとは地域活動への参加や連携により養成され 社会的ネットワークは,相談協力できる近所付き合 ― 1 ― 武田道子・佐々木久美子 いの有無,地域の半分以上の人との面識の有無およ であった。自主防災組織のリーダーの平均経験年数 び自治会以外の団体に つ以上参加しているかの有 は .± .年であった。居住環境は市街地・住宅地 無の 項目とした。自主防災組織リーダーの健康を ( .%) ,農山村漁村 守る共助力は,筆者らの先行研究 )から心身の病気 名( .%) ,その他 名( .%) ,無回答 名( .%)であった。 予防のための助け合い,災害時要援護者の支援およ び近隣関係づくりの内容が含まれる 項目から構成 地域防災リーダーのソーシャルキャピタル した。 表 のとおり,信頼性互酬性の規範では, 「地域 分析は,単純集計をすると共に, 居住地域別のソー にとって利益のある活動への参加意思がある」 シャルキャピタル項目の有無を χ 検定で分析し, 人 ( .%) , 「近所に愚痴を聞いてくれる人がいる」 さらにソーシャルキャピタル項目の有無別に健康を 人( .%) , 「 「近所に病気の時世話をしてくれ 守る共助力 項目の平均得点を算出し,平均値の差 る人がいる」 を Mann−Whitney の U 検定によって分析した。 人( .%)の順に多かった。 社会的ネットワークでは, 「地域の半分以上の人 との面識がある」 倫理的配慮 人( .%) , 「自治会以外の 団体に つ以上参加している」 倫理的配慮は,対象者に本研究目的,任意性,プ 人( .%) , 「相 談協力できる近所付き合いがある」 ライバシーの保護,データおよび結果は,研究の目 人( .%) の順に多かった。 的以外に使用しないこと,結果の公表等を文書で説 市街地・住宅地あるいは農山村漁村の居住環境別 明した。また,個人情報保護のため,個人を特定で のソーシャルキャピタルは表 のとおりであった。 きないように質問紙は原則として無記名とした。質 「地域の半分以上の人との面識がある」の項目にお 問紙回収により同意が得られたと判断した。大学倫 いて,農山魚村に居住 理委員会の承認を受けた。 宅地に居住 人( .%)が市街地住 人( .%)に比べて有意に高かっ 「相談協力できる近所付き合いがある」 た。また, の項目においても農山魚村に居住 Ⅲ 結 果 人( .%) が市街地住宅地に居住 人( .%)に比べて有意 に高かった。 属 性 自主防災組織のリーダー 人に配布し, 人か 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルと健 ら回収(回収率 .%)した。 康を守る共助力の関係 対象特性は平均年齢 .± .歳,性別は男性 信頼性互酬性の規範の「地域にとって利益のある 名 ( .%) ,女性 名 ( .%) ,無回答 名 ( .%) 表 地域防災リーダーのソーシャルキャピタル ศ㢮 㡯┠ ᭷䜚䛾ேᩘ䠄䠂䠅 䛂㏆ᡤ䛻ហ⑵䜢⪺䛔䛶䛟䜜䜛ே䛜䛔䜛䛃 298ே(79.3%) 䛂㏆ᡤ䛻Ẽ䛾ୡヰ䜢䛧䛶䛟䜜䜛ே䛜䛔䜛䛃 218ே(58.0%) 䛂ᆅᇦ䛻䛸䛳䛶┈䛾䛒䜛άື䜈䛾ཧຍពᛮ䛜䛒䜛䛃 357ே(95.2%) 表 居住環境別ソーシャルキャピタル ㏆ᡤហ⑵ࢆ⪺࠸࡚ࡃࢀࡿே ಙ㢗ᛶ㓘 ᛶ䛾つ⠊ ㏆ᡤẼࡢୡヰࢆࡋ࡚ࡃࢀࡿே ᆅᇦ┈ࡢ࠶ࡿάືࡢཧຍពᛮ 䛂┦ㄯ༠ຊ䛷䛝䜛㏆ᡤ䛝ྜ䛔䛜䛒䜛䛃 161ே(42.1%) 䛂ᆅᇦ䛾༙ศ௨ୖ䛾ே䛸䛾㠃㆑䛜䛒䜛䛃 325ே(90.5%) ┦ㄯ༠ຊ࡛ࡁࡿ㏆ᡤࡁྜ࠸ ♫ⓗ䝛䝑䝖 䝽䞊䜽 ᆅᇦࡢ༙ศ௨ୖࡢே㠃㆑ࡀ࠶ࡿ 䛂⮬௨እ䛾ᅋయ䛻1䛴௨ୖཧຍ䛧䛶䛔䜛䛃 ᕷ⾤ᆅఫᏯᆅ 㻿㻯㡯┠ 322ே(90.0%) ⮬௨እࡢᅋయ㸯ࡘ௨ୖཧຍ 䠆㻼㼑㼍㼞㼟㼛㼚㻌䛾䜹䜲㻌㻞㻌᳨ᐃ ― 2 ― ྡ ྜ ㎰ᮧ⁺ᮧ ྡ ྜ ࠸ࡿ ࠸࡞࠸ ࠸ࡿ ࠸࡞࠸ ࠶ࡿ ࡞࠸ ࠶ࡿ ࡞࠸ ࠶ࡿ ࡞࠸ ࡋ࡚࠸ࡿ ࡋ࡚࠸࡞࠸ 䡌್ 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルと健康を守る共助力 表 「近所に愚痴を聞いてくれる人」と共助力 表 「近所に病気の時世話をしてくれる人」と共助力 表 「地域にとって利益のある活動への参加意思」と共助力 ᆅᇦ䛻䛸䛳䛶┈䛾䛒䜛άື 䜈䛾ཧຍពᛮ ඹຓຊ㡯┠ 䛒䜛 ᖹᆒ್ ேᩘ ᆅᇦ䛻䛸䛳䛶┈䛾䛒䜛άື 䜈䛾ཧຍពᛮ 䛺䛔 SD ᖹᆒ್ ேᩘ SD P್ ඹຓຊ㡯┠ 䛒䜛 ᖹᆒ್ ேᩘ 䛺䛔 SD ᖹᆒ್ ேᩘ SD P್ 㛗㛫ྠ䛨ጼໃ䛻䜘䜛⫵⾑ ᰦண㜵᪉ἲ 3.12 348 1.33 3.06 17 1.39 .871 ⅏ᐖせㆤ⪅䛾ྡ๓䜔 ᐙ 3.84 348 1.24 2.76 17 1.35 .001 άື㊊䛻䜘䜛యຊపୗண 㜵᪉ἲ 3.11 348 1.17 2.88 17 1.17 .340 ど⫈ぬ㞀ᐖ⪅䛾㑊㞴ㄏᑟ ᪉ἲ 2.88 347 1.19 2.18 17 1.07 .015 䜲䞁䝣䝹䜶䞁䝄䛺䛹㞟ᅋឤ ᰁ㜵Ṇ᪉ἲ 3.49 350 1.18 3.00 17 1.27 .106 㧗㱋⪅䛾ୡヰ䛾᪉ 3.17 348 1.16 2.53 17 1.12 .025 㢦Ⰽ䛺䛹䜢ぢ䛶ᗣ≧ែ䛾 ほᐹ 3.17 349 1.08 2.59 17 0.94 .024 ⅏ᐖ㧗㱋⪅䛻ᚲせ䛺ᨭ 3.22 348 1.13 2.47 17 1.12 .008 ཷデ䛜ᚲせ䛛ྰ䛛䛾ุ᩿ 2.99 349 1.11 2.47 17 1.01 .051 ⅏ᐖஙᗂඣ䛻ᚲせ䛺ᨭ 2.99 348 1.14 2.47 17 1.12 .057 㣗⏕ά䜢⥔ᣢ䛩䜛ᕤኵ 3.22 348 1.04 2.56 16 0.89 .010 㐃⤡䛩䜉䛝⾜ᨻᶵ㛵䜢 ▱䛳䛶䛔䜛 4.22 348 0.96 3.18 17 1.24 .000 ⿕⅏䛻䜘䜚ᚰ䛜യ䛴䛔䛯ே 䛻Ẽ䛵䛟 3.24 349 1.02 2.76 17 0.90 .047 ⾜ᨻᶵ㛵䛻㐺ษ䛺ሗ㐃 ⤡ 4.13 348 0.80 3.06 17 1.03 .000 ⿕⅏⪅䛾ヰ䛻⪥䜢ഴ䛡䛶⪺ 䛟 3.84 348 0.87 3.12 17 0.93 .001 㑊㞴ᡤ䛾㐠Ⴀ᪉ἲ 3.43 348 1.23 2.47 17 1.18 .002 ⿕⅏⪅ྠኈ䛷ኌ䛛䛡 4.00 347 0.79 3.12 17 0.86 .000 㑊㞴ᡤ䛷༠ຊ䛧ྜ䛖 4.15 350 0.73 3.41 17 0.87 .000 ⏕ά䝃䞊䝡䝇䜢ཷ䛡䜛䛯䜑 䛾ሗ㞟 3.61 347 0.91 2.63 16 1.02 .000 㑊㞴ᡤ䛷䝹䞊䝹䜢ヰ䛧 䛒䛳䛶Ỵ䜑䜛 4.08 347 0.73 3.29 17 0.77 .000 ᐮ䛥ᬬ䛥ᑐ⟇ 3.46 347 1.00 2.76 17 0.83 .000 㑊㞴ᡤ䛾᪂䛯䛺ㄢ㢟䜢ヰ 䛧ྜ䛳䛶Ỵ䜑䜛 4.02 348 0.79 3.24 17 0.83 .000 䝖䜲䝺䛺䛹䛾タഛ䛾ᕤኵ 3.41 347 1.06 2.47 17 0.87 .002 ᆅᇦ䛾ே䛻ᙺศᢸ䜢౫ 㢗 4.05 348 0.81 3.24 17 0.97 .000 ఫẸྠኈ䛷ᩆฟᩆㆤ 3.83 349 0.86 3.12 17 0.99 .000 䝸䞊䝎䞊䛾ᣦ௧⣔⤫ 䛾᫂☜ 3.90 347 0.92 3.18 17 1.01 .003 ― 3 ― 武田道子・佐々木久美子 表 「相談協力できる近所付き合い」と共助力 ┦ㄯ༠ຊ䛷䛝䜛㏆ᡤ䛝ྜ䛔 ඹຓຊ㡯┠ 表 䛒䜛 ᖹᆒ್ ᖹᆒ್ ேᩘ ┦ㄯ༠ຊ䛷䛝䜛㏆ᡤ䛝ྜ䛔 SD P್ 䛒䜛 ඹຓຊ㡯┠ ᖹᆒ್ 䛺䛔 SD ேᩘ ᖹᆒ್ ேᩘ SD P್ 3.26 154 1.30 2.96 209 1.37 .040 ⅏ᐖせㆤ⪅䛾ྡ๓䜔ᐙ 4.17 155 1.15 3.45 209 1.29 άື㊊䛻䜘䜛యຊపୗண 㜵᪉ἲ 3.24 154 1.19 2.96 209 1.18 .020 ど⫈ぬ㞀ᐖ⪅䛾㑊㞴ㄏᑟ᪉ἲ 3.12 155 1.19 2.62 209 1.17 <.001 䜲䞁䝣䝹䜶䞁䝄䛺䛹㞟ᅋឤ ᰁ㜵Ṇ᪉ἲ 3.69 156 1.17 3.27 210 1.19 >.001 㧗㱋⪅䛾ୡヰ䛾᪉ 3.47 156 1.12 2.85 208 1.13 <.001 㢦Ⰽ䛺䛹䜢ぢ䛶ᗣ≧ែ䛾 ほᐹ 3.33 157 1.04 2.96 208 1.08 .001 ⅏ᐖ㧗㱋⪅䛻ᚲせ䛺ᨭ 3.44 156 1.14 2.96 208 1.12 <.001 ཷデ䛜ᚲせ䛛ྰ䛛䛾ุ᩿ 3.24 157 1.08 2.73 208 1.07 <.001 ⅏ᐖஙᗂඣ䛻ᚲせ䛺ᨭ 3.11 156 1.12 2.82 208 1.14 .014 㣗⏕ά䜢⥔ᣢ䛩䜛ᕤኵ 3.39 156 0.97 2.99 206 1.06 <.001 㐃⤡䛩䜉䛝⾜ᨻᶵ㛵䜢▱䛳䛶 䛔䜛 4.36 155 0.91 3.98 208 1.06 <.001 <.001 <.001 ⿕⅏䛻䜘䜚ᚰ䛜യ䛴䛔䛯ே 䛻Ẽ䛵䛟 3.49 157 0.98 2.96 208 0.99 <.001 ⾜ᨻᶵ㛵䛻㐺ษ䛺ሗ㐃⤡ 4.25 157 0.80 3.89 207 0.88 ⿕⅏⪅䛾ヰ䛻⪥䜢ഴ䛡䛶⪺ 䛟 4.03 157 0.80 3.59 207 0.93 <.001 㑊㞴ᡤ䛾㐠Ⴀ᪉ἲ 3.67 156 1.18 3.11 208 1.25 <.001 ⿕⅏⪅ྠኈ䛷ኌ䛛䛡 4.13 156 0.78 3.79 207 0.83 <.001 㑊㞴ᡤ䛷༠ຊ䛧ྜ䛖 4.25 157 0.72 3.96 209 0.78 <.001 ⏕ά䝃䞊䝡䝇䜢ཷ䛡䜛䛯䜑 䛾ሗ㞟 3.82 157 0.86 3.34 204 0.95 <.001 㑊㞴ᡤ䛷䝹䞊䝹䜢ヰ䛧䛒䛳䛶 Ỵ䜑䜛 4.22 155 0.68 3.86 208 0.80 <.001 ᐮ䛥ᬬ䛥ᑐ⟇ 3.63 156 1.01 3.25 207 0.97 <.001 㑊㞴ᡤ䛾᪂䛯䛺ㄢ㢟䜢ヰ䛧 ྜ䛳䛶Ỵ䜑䜛 4.15 156 0.72 3.81 208 0.86 <.001 䝖䜲䝺䛺䛹䛾タഛ䛾ᕤኵ 3.59 156 1.05 3.16 207 1.06 <.001 ᆅᇦ䛾ே䛻ᙺศᢸ䜢౫㢗 4.21 156 0.71 3.82 208 0.91 <.001 ఫẸྠኈ䛷ᩆฟᩆㆤ 4.04 157 0.78 3.58 208 0.92 <.001 䝸䞊䝎䞊䛾ᣦ௧⣔⤫䛾᫂ ☜ 4.08 155 0.84 3.65 208 1.00 <.001 「地域の半分以上の人との面識」と共助力 ᆅᇦ䛾༙ศ௨ୖ䛾ே䛸 䛾㠃㆑ ඹຓຊ㡯┠ 㛗㛫ྠ䛨ጼໃ 䛻䜘䜛⫵⾑ᰦ ண㜵᪉ἲ άື㊊䛻䜘䜛 యຊపୗண㜵᪉ ἲ 䜲䞁䝣䝹䜶䞁䝄䛺 䛹㞟ᅋឤᰁ㜵Ṇ ᪉ἲ 㢦Ⰽ䛺䛹䜢ぢ䛶 ᗣ≧ែ䛾ほᐹ ཷデ䛜ᚲせ䛛ྰ 䛛䛾ุ᩿ 㣗⏕ά䜢⥔ᣢ䛩 䜛ᕤኵ ⿕⅏䛻䜘䜚ᚰ䛜യ 䛴䛔䛯ே䛻Ẽ䛵䛟 ⿕⅏⪅䛾ヰ䛻⪥ 䜢ഴ䛡䛶⪺䛟 ⿕⅏⪅ྠኈ䛷ኌ 䛛䛡 ⏕ά䝃䞊䝡䝇䜢ཷ 䛡䜛䛯䜑䛾ሗ 㞟 表 䛺䛔 SD ேᩘ 㛗㛫ྠ䛨ጼໃ䛻䜘䜛⫵⾑ ᰦண㜵᪉ἲ 䛒䜛 ᆅᇦ䛾༙ศ௨ୖ䛾ே䛸䛾 㠃㆑ 䛺䛔 䛒䜛 䛺䛔 ᖹᆒ್ ேᩘ SD ᖹᆒ್ ேᩘ SD P್ ඹຓຊ㡯┠ SD P್ 3.18 211 1.32 2.96 159 1.36 .149 ⅏ᐖせㆤ⪅䛾 ྡ๓䜔ᐙ 4.11 212 1.14 3.33 159 1.32 <.001 3.12 211 1.20 3.03 159 1.17 .403 ど⫈ぬ㞀ᐖ⪅䛾㑊 㞴ㄏᑟ᪉ἲ 3.00 211 1.18 2.65 159 1.20 .008 3.54 214 1.19 3.34 159 1.17 .091 㧗㱋⪅䛾ୡヰ䛾 ᪉ 3.28 213 1.16 2.91 158 1.13 .002 3.23 213 1.12 3.00 159 1.02 .028 3.28 213 1.15 3.04 158 1.13 .052 3.07 213 1.14 2.82 159 1.04 .025 3.03 213 1.15 2.86 158 1.12 .170 3.26 212 1.06 3.08 157 1.02 .081 4.36 212 0.85 3.90 158 1.14 <.001 3.32 213 1.05 3.04 159 0.95 .006 ⅏ᐖ㧗㱋⪅䛻ᚲ せ䛺ᨭ ⅏ᐖஙᗂඣ䛻ᚲ せ䛺ᨭ 㐃⤡䛩䜉䛝⾜ᨻᶵ 㛵䜢▱䛳䛶䛔䜛 ⾜ᨻᶵ㛵䛻㐺ษ䛺 ሗ㐃⤡ 4.18 213 0.83 3.91 158 0.87 .001 3.91 212 0.87 3.63 159 0.92 .002 㑊㞴ᡤ䛾㐠Ⴀ᪉ἲ 3.48 213 1.20 3.22 158 1.30 .067 4.05 211 0.79 3.81 159 0.84 .003 㑊㞴ᡤ䛷༠ຊ䛧ྜ䛖 4.24 214 0.69 3.91 159 0.82 <.001 3.71 211 0.90 3.34 157 0.95 <.001 㑊㞴ᡤ䛷䝹䞊䝹䜢 ヰ䛧䛒䛳䛶Ỵ䜑䜛 4.18 212 0.66 3.82 158 0.85 <.001 4.11 212 0.72 3.79 159 0.91 <.001 4.13 212 0.75 3.83 159 0.92 .002 4.00 211 0.86 3.64 159 1.03 .001 ᐮ䛥ᬬ䛥ᑐ⟇ 3.52 212 1.02 3.30 158 0.97 .024 䝖䜲䝺䛺䛹䛾タഛ 䛾ᕤኵ ఫẸྠኈ䛷ᩆฟ ᩆㆤ 3.48 211 1.08 3.19 159 1.04 .006 3.92 213 0.82 3.60 159 0.95 .001 ᖹᆒ್ ேᩘ 㑊㞴ᡤ䛾᪂䛯䛺ㄢ 㢟䜢ヰ䛧ྜ䛳䛶Ỵ䜑 䜛 ᆅᇦ䛾ே䛻ᙺศ ᢸ䜢౫㢗 䝸䞊䝎䞊䛾ᣦ௧ ⣔⤫䛾᫂☜ SD ᖹᆒ್ ேᩘ 「自治会以外の団体に つ以上参加」と共助力 ⮬௨እ䛾ᅋయ䛻䠍䛴௨ୖཧຍ ཧຍ䛧䛶䛔䜛 ᖹᆒ್ ேᩘ SD ඹຓຊ㡯┠ ཧຍ䛧䛶䛔䛺䛔 ᖹᆒ ್ ேᩘ SD ⮬௨እ䛾ᅋయ䛻䠍䛴௨ୖཧຍ P್ ཧຍ䛧䛶䛔䜛 ᖹᆒ್ ேᩘ SD ཧຍ䛧䛶䛔䛺䛔 ᖹᆒ್ ேᩘ SD P್ ඹຓຊ㡯┠ 㛗㛫ྠ䛨ጼໃ䛻䜘䜛⫵⾑ᰦண㜵 ᪉ἲ 3.14 319 1.32 2.84 37 1.40 .201 ⅏ᐖせㆤ⪅䛾ྡ๓䜔ᐙ 3.89 321 1.21 2.69 36 1.37 <.001 άື㊊䛻䜘䜛యຊపୗண㜵᪉ἲ 3.11 319 1.17 2.84 37 1.30 .209 ど⫈ぬ㞀ᐖ⪅䛾㑊㞴ㄏᑟ᪉ἲ 2.93 319 1.17 2.00 37 1.11 <.001 䜲䞁䝣䝹䜶䞁䝄䛺䛹㞟ᅋឤᰁ㜵Ṇ᪉ ἲ 3.51 322 1.15 3.05 37 1.45 .062 㧗㱋⪅䛾ୡヰ䛾᪉ 3.20 320 1.14 2.46 37 1.12 <.001 㢦Ⰽ䛺䛹䜢ぢ䛶ᗣ≧ែ䛾ほᐹ 3.22 321 1.06 2.35 37 0.98 <.001 ⅏ᐖ㧗㱋⪅䛻ᚲせ䛺ᨭ 3.25 320 1.11 2.51 37 1.19 <.001 ཷデ䛜ᚲせ䛛ྰ䛛䛾ุ᩿ 3.02 321 1.10 2.38 37 1.04 .001 ⅏ᐖஙᗂඣ䛻ᚲせ䛺ᨭ 3.03 320 1.10 2.38 37 1.26 <.001 㣗⏕ά䜢⥔ᣢ䛩䜛ᕤኵ 3.24 318 1.03 2.59 37 1.01 .001 㐃⤡䛩䜉䛝⾜ᨻᶵ㛵䜢▱䛳䛶䛔䜛 4.25 320 0.93 3.30 37 1.35 <.001 ⿕⅏䛻䜘䜚ᚰ䛜യ䛴䛔䛯ே䛻Ẽ䛵䛟 3.27 321 1.01 2.57 37 0.93 <.001 ⾜ᨻᶵ㛵䛻㐺ษ䛺ሗ㐃⤡ 4.15 321 0.80 3.31 36 0.98 <.001 ⿕⅏⪅䛾ヰ䛻⪥䜢ഴ䛡䛶⪺䛟 3.85 320 0.88 3.30 37 0.97 <.001 㑊㞴ᡤ䛾㐠Ⴀ᪉ἲ 3.49 320 1.19 2.27 37 1.19 <.001 ⿕⅏⪅ྠኈ䛷ኌ䛛䛡 4.01 319 0.78 3.49 37 1.02 .001 㑊㞴ᡤ䛷༠ຊ䛧ྜ䛖 4.16 322 0.72 3.62 37 0.98 <.001 ⏕ά䝃䞊䝡䝇䜢ཷ䛡䜛䛯䜑䛾ሗ 㞟 3.63 319 0.91 2.89 37 1.02 <.001 㑊㞴ᡤ䛷䝹䞊䝹䜢ヰ䛧䛒䛳䛶Ỵ䜑䜛 4.09 319 0.71 3.49 37 0.99 <.001 㑊㞴ᡤ䛾᪂䛯䛺ㄢ㢟䜢ヰ䛧ྜ䛳䛶Ỵ䜑 䜛 4.05 320 0.76 3.35 37 1.03 <.001 ᆅᇦ䛾ே䛻ᙺศᢸ䜢౫㢗 4.07 320 0.80 3.41 37 1.04 <.001 䝸䞊䝎䞊䛾ᣦ௧⣔⤫䛾᫂☜ 3.93 320 0.92 3.19 37 1.08 <.001 ᐮ䛥ᬬ䛥ᑐ⟇ 3.48 319 0.99 2.95 37 1.13 .004 䝖䜲䝺䛺䛹䛾タഛ䛾ᕤኵ 3.43 319 1.04 2.70 37 1.24 <.001 ఫẸྠኈ䛷ᩆฟᩆㆤ 3.84 321 0.86 3.32 37 1.00 .001 ― 4 ― 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルと健康を守る共助力 活動への参加意思がある」 (表 ) , 「近所に愚痴を 域の半分以上の人との面識がある」 , 「相談協力でき 聞いてくれる人がいる」 (表 ) , 「近所に病気の時 る近所付き合いがある」と考えられる。 世話をしてくれる人がいる」 (表 )のそれぞれの 地域防災組織のリーダーは,ソーシャルキャピタ 項目の有り群と無し群について,健康を守る共助力 ルの高い者は低い者に比べて,災害時における健康 項目の平均値をみた。 「地域にとって利益のある を守る共助力点数が有意に高いことから,健康を守 活動への参加意思がある」群はない群に比べて,健 る共助力を備えていると考えられる。ソーシャルキ 康を守る共助力の平均点が低く,そのうち 項目で ャピタルの高い者は健康を守る共助力を備えている 優位に低かった(p> . ) 。 「近所に愚痴を聞いて と考えられ,災害時に備えるためソーシャルキャピ くれる人がいる」群ではいない群に比べて,健康を タルを高めることが必要である。ソーシャルキャピ 守る共助力の平均点が低く,そのうち 項目で優位 タルの高い地域は防災意識も高い )ことから,防災 に低かった(p> . ) 。 「近所に病気の時世話をし 意識の高さが共助力に影響すると考える。 てくれる人がいる」群ではいない群に比べて,健康 特に,社会的ネットワークである「相談協力でき を守る共助力の平均点が低く,そのうち 項目で優 る近所付き合い」がある者は,すべての項目で健康 位に低かった(p> . ) 。 を守る共助力が高かった。近所付き合いがあること 社会的ネットワークの「地域の半分以上の人との は,隣近所の助け合い(共助)が存在するため,健 面識がある」 (表 ) , 「自治会以外の団体に つ以 康を守る共助力にも影響している。また, 「近所に 上参加している」 (表 ) , 「相談協力できる近所付 愚痴を聞いてくれる人」や「病気の時世話をしてく き合いがある」 (表 )のそれぞれの項目の有り群 れる人」がいる等個人的な付き合いと比べて,近所 と無し群について,健康を守る共助力 項目の平均 づきあいは多人数集団のダイナミックな動きである 値をみた。 「地域の半分以上の人との面識がある」 ことから,共助力に大きく影響していると考える。 群はない群に比べて,健康を守る共助力の平均点が しかし,個人的付き合いのある者は 割から 割 低く,そのうち 項目で優位に低かった (p> . ) 。 であるが,近所づきあいのある者は約 割と低いた 「自治会以外の団体に つ以上参加している」群で め,相談協力できる近所づきあいを強化していく必 はいない群に比べて,健康を守る共助力の平均点が 要がある。 。 低く,そのうち 項目で優位に低かった (p> . ) 災害時に起こる健康課題は,地域住民の共助力が 「相談協力できる近所付き合いがある」群ではいな 発揮されることによって,多くが解決できることか い群に比べて,健康を守る共助力の平均点が低く, ら,平時に地域住民の健康を守る共助力を育成する 全 項目で優位に低かった(p> . ) 。 ことが必要である。このためには,地域活動におい て,住民の交流が促進される町内会活動 )や地域通 貨による住民相互のネットワークの形成 ),さらに Ⅳ 考 察 は防災活動で共助型訓練を取り入れる )などソーシ 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルにおい ャルキャピタルを醸成する工夫が重要である。 て, 割の者が地域にとって利益のある活動への参 今回は,地域防災リーダーを調査対象としたた 加意思があり,地域の半分以上の人との面識があ め,地域防災リーダー以外の地域住民と比べて防災 り,また自治会以外の団体に つ以上参加している に関心が高い集団であることから,今後地域住民の ことから,地域との密接な関係がある。また半数程 すべてを対象とした調査が必要である。 度が,近所に病気の時世話をしてくれる人がおり, 相談協力できる近所付き合いがあるとしている。 居住環境とソーシャルキャピタルの関係では,農 * 四国大学看護学部 * 宮城大学看護学部 山漁村居住者は,市街地住宅地居住者に比べて「地 ― 5 ― 武田道子・佐々木久美子 )平田京子, 文 献 . 共助力育成をめざした防災コミュ ニティ構築のための研究 )武田道子,忠津佐和代,尾崎八代. . 中越地震被 文京区町会に見る交流状況 と防災訓練の現状.日本女子大学紀要 : − , 災住民が行った避難所等における健康を守る共助の活 )藤井正,光多長温,小野達也,他, 動.日本災害看護学会誌 ( 入門 未来に向けた地域づくり,ミネルヴァ書房.京 )内閣府,防災白書平成 年度版, 都: − ) : )藤見俊夫,柿本竜治,山田文彦他. − . − . ソーシャル・ キャピタルが防災意識に及ぼす影響の実証分析.自然 災害科学; ( ) : − )武田道子,多田敏子, ): 本研究は科学研究費(基盤研究 C; ;代表武 田道子)の助成を得て実施した。なお,本論文の一部は .地域防災リーダーが持 つ健康を守る共助力の実態態査.四国公衆衛生雑誌 ( . 地域政策 仙台市で行われた日本災害看 護 学 会 第 回 年 次 大 会 ( − ― 6 ― 年 月)において発表した。 地域防災リーダーのソーシャルキャピタルと健康を守る共助力 抄 録 平時における健康を守る共助力育成方法を検討するため,自主防災リーダーのソーシャルキャピ タルと住民の健康を守る共助力の関連を明らかにすることを目的とした。A 県内 市町村にある 自主防災組織の長を対象に質問紙調査を実施した。調査票は,自主防災リーダーのソーシャルキャ ピタル 項目および心身の病気予防のための助け合い,災害時要援護者の支援および近隣関係づく りの内容が含まれる健康を守る共助力 項目とした。調査結果から,ソーシャルキャピタルの高い 自主防災リーダー者は低い者に比べて,災害時における健康を守る共助力点数が有意に高かった。 このことから,ソーシャルキャピタルの高い者は健康を守る共助力を備えていると考えられ,災害 時に備えるためソーシャルキャピタルを高めることが必要である。 キーワード:地域防災リーダー,ソーシャルキャピタル,健康を守る共助力 ― 7 ―
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