第5章(4)(高齢期:具体取組)

(3)
高齢期(65歳以上)
基本方針・・・社会生活を営むのに必要な身体機能の維持
①
栄養・食生活の対策
〈現状と課題〉
○高齢期になると低栄養状態になる割合が増えてきます。
○特に 85 歳を超えると 3 割が低栄養状態です。
○要介護状態や独居の高齢者は食の支援が必要になっています。
○独居の高齢者の健康管理が心配という声があります。
【体重管理のため食事に気を付けている 60 代、70 代の割合】(%)(健康増進計画アンケート)
34.8
70代
40.7
21.5
いつも
3
時々
あまり
33.5
60代
【低栄養の高齢者の割合】
(男女計:%)
41.5
19.3
5.8
40
29.6
30
20
まったく
14.8
15.2
16.8
17.2
10
0
(
(
(平成 25 年度「国民健康・栄養調査」)
〈今後の方向性〉
○高齢になっても、健康で生きがいを持って過ごせるよう生活の質の向上のために、食事・
栄養に気を付ける必要があります。身体だけでなく認知機能やこころの持ち方にも栄養は
影響します。疾病予防や介護予防のために、3 食規則正しい栄養バランスのよい食生活が
おくれるよう、高齢者教室などで啓発活動を行います。
○栄養士による栄養相談、栄養指導またバランスの良い献立の紹介などを積極的に実施して
いきます。
〈関係団体等の取り組みと連携〉
○食生活改善推進員は生活習慣病予防食の普及啓発や広報、ホームページなどを使った啓発
活動を行っていきます。
〈具体的方策と実施事業〉
・栄養士による栄養教室での相談・指導
・配食サービス
・食生活改善推進員による健康食の普及
・食育 SAT システムによる栄養バランス指導
・ホームページなどによるバランスのいい献立の普及
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②
運動機能の向上
〈現状と課題〉
○加齢にともなって骨、関節、筋肉などが衰えることで、運動機能が低下してきます。一人
で立ったり歩いたりすることが困難になること、あるいはそうなる可能性が高い状態を「ロ
コモティブシンドローム」(運動器症候群)と呼びます。高齢になるとじっとしている時
間が多くなってきます。
○生活機能評価結果によると前回調査より運動器、閉じこもり予防、口腔、認知機能、うつ
予防の該当者が増加しています。
○生活習慣病予防としても高齢期の運動習慣は重要です。
○介護予防事業などを通じて、意識的に運動機能の向上をはかる必要があります。
【いきいきサークルの活動状況】
(長寿支援課:各年度実績)
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
41
1,854
24,689
47
2,214
27,723
46
2,406
26,533
47
2,394
28,606
実施箇所数(箇所)
開催延回数(回)
参加延人数(人)
【高齢者の歩数の状況】(歩/日)
6,887 6,437
5,393
(参考)
4,470
「健康日本21(第 2 次)」の目標
男性
・日常生活における歩数の増加
女性
60-69歳
目標値: 65 歳以上
70歳以上
男性
7,000 歩/日
女性
6,000 歩/日
(平成 25 年度「国民健康・栄養調査」)
【運動している人の割合:男性】
【運動している人の割合:女性】
70代
47.6
52.4
70代
60代
48.3
51.7
60代
0%
50%
はい
100%
58.4
41.6
50.3
49.7
0%
いいえ
50%
はい
100%
いいえ
(健康増進計画アンケート)
〈今後の方向性〉
○「ロコモティブシンドローム」に少しでも歯止めをかけ、要支援・要介護状態にならない
よう啓発活動や予防事業を行っていきます。
○保健と介護の連携による介護予防事業の一体的な推進を図っていきます。
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〈関係団体等の取り組みと連携〉
○総合型地域スポーツクラブ、スポーツ推進員や各地区公民館は体力・運動機能維持のため
の事業を行っていきます。
○介護保険施設、介護事業所や社会福祉協議会は運動機能が心配な方や衰え始めた方に様々
な介護予防事業を実施していきます。
○各いきいきサークルは「わかガエる体操※」などを通じて介護予防を行っていきます。
〈具体的方策と実施事業〉
・運動する機会と場所の提供や確保
・ゲートボール大会やウォーキング大会の開催
・各種介護予防事業の実施
介護予防教室や閉じこもり予防等教室、いきいきサークル(わかガエる体操の普及)
高齢者筋力向上トレーニング教室、介護予防型サロン
ジョーバサークル、ひいといサロン
・各公民館活動の活性化
※わかガエる体操・・ビデオを見ながら音楽に合わせゆっくり行う体操。
無理なく筋力、体力をつけることができます。
③
高齢者の歯と口腔対策
〈現状と課題〉
○高齢期になるとむし歯や歯周病などで歯を喪失し、口腔内の問題が多くなってきます
○また、噛む力、唾液の減少や飲み込む力が弱くなることで、食生活に支障が出て、十分栄
養が取れなくなり身体機能の低下に影響が出てくる場合があります。また、食べ物などが
誤って気管に入ってしまい誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
【南国市歯科健診における高齢者の受診者数(実績)】(人)
60
50
40
30
20
10
0
27
17
19
17
11
6月
11月
26年度
22
15
23
6月
15
70代
60代
13
15
13
11月
6月
11月
25年度
24年度
【噛んで食べる時の状況別、低栄養傾向の者の割合:70 歳以上男女計】(%)
100
37.5
80
60
67.1
それ以外
40
20
62.5
低栄養傾向
32.9
0
噛めない食べものが多い
噛んで食べることはできない
(平成 25 年度「国民健康・栄養調査」)
54
〈今後の方向性〉
○高齢者の咀嚼機能の良否は栄養摂取状況や運動機能とも密接な関連性があり、口腔機能の
維持、向上は自立した生活をおくるために重要です。口の機能低下を防止するために、健
口体操の普及を図っていきます。
○歯や口腔内を健康に保つために定期的な健診を近くの歯科医療機関で受診するとともに、
かかりつけの歯科医を持つことの意義を啓発していきます。
○歯や口腔機能の維持が健康に関わる重要なことであることを、高齢者教室など高齢者が集
まる場所や健康まつりなどで啓発を行っていきます。
〈関係団体等の取り組みと連携〉
○歯科医師会は寝たきりや身体的問題で歯科医院に通えない人について、訪問による歯科健
診を実施し、相談に応じていきます。
○いきいきサークルでは健口体操の普及を図っていきます。
〈具体的方策と実施事業〉
・無料歯科健診(6 月、11 月)実施
・総合健診における歯科健診の実施(40 歳以上)
・定期的な健診の受診の勧奨
・歯と口腔内のセルフケアの啓発
・歯科訪問健診事業
・高齢者教室での歯科保健指導
④
社会参加・生きがいづくり
〈現状と課題〉
○高齢期になると外での活動が減少し、知り合いも少なくなると、閉じこもりがちになり、
うつ傾向になる人がいます。
○趣味や好奇心を持つなど、前向きな気持ちになれる生きがいづくりの仕組みが必要です。
○ボランティアなど、地域のために活動する市民が減少しています。
○地域の中で高齢者が、社会の担い手としての機会を失っているとの意見があります。
○守られるだけでなく、高齢者自身が積極的に社会参加できる仕組みが必要です。
○老人クラブの会員数が減少しており、休止や解散するクラブもあります。
○地域で歩いていける範囲で集える場所の整備など、高齢者の居場所づくりが課題です。
【なんらかの地域活動を行っている人の割合】(%)
50
36.4
40
26.3
30
20
10
45.2
42.9
21.9
31.7
36.1
35.6 38.2
25.3
男性
8.3
女性
2.5
0
20代
30代
40代
50代
60代
70代
(健康増進計画アンケート)
55
高齢者教室の参加者数
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
735人
687人
662人
629人
※市内 8 か所にある高齢者教室の教室生の実数です。
617人
622人
(南国市教育要覧)
【現在、または将来利用したいと考える介護サービスや取り組みは?】
0.0%
10.0%
外出支援
20.0%
17.3%
ごみ出しや電球交換などの支援
9.5%
配食サービス
16.8%
多人数で食事をする機会の提供
6.7%
見守りや声掛け
15.2%
話し相手
11.0%
体操や運動のレッスン
14.6%
緊急時の通報システム
その他
40.0%
13.7%
調理や掃除の支援
金銭管理の支援
(成年後見制度)
30.0%
28.6%
1.9%
9.2%
MA(n=10,854)
(平成 26 年度
高齢者生活実態調査)
〈今後の方向性〉
○高齢者自らがこれまで培ってきた能力や技術を生かし、生きがいを感じられるように、ま
た、団塊の世代が高齢期を迎える中、まだまだ元気で活動的な人がそれぞれできる範囲の
中で、地域のために働いてもらえるような組織や環境づくりのために、全庁的な視点で検
討を行っていきます。
○高齢者が「自助」「共助」「互助」の精神で、地域での支援を必要とする人の支えとなれ
るような社会参加を促していける事業を推進していきます。
〈関係団体等の取り組みと連携〉
○社会福祉協議会は市行政とともに協力して高齢者の社会参加を推進していきます。
〈具体的方策と実施事業〉
・高齢者の生きがいづくりの支援や社会参加の促進
・高齢者教室や老人クラブなど地域でのサークル活動の支援
・なんこくありがとうポイント及びなんこくいきいきポイント制度の普及
・ボランティアの育成活動支援
・認知症サポーター養成講座
・地域での居場所づくりの推進
・ひいといサロン開催
・あったかふれあいセンター事業
・シルバー人材センターの充実
・地域福祉フォーラム開催
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