乳幼児期の食事と栄養(PDF:521KB)

離乳食のポイント
離乳食は5∼6か月に始めましょう
早すぎると食物アレルギーを引き起こす可能性があります。
遅すぎると離乳食が順調に進まなかったり、鉄欠乏性貧血が起こることもあります。
飲み物は白湯や麦茶をあげましょう
離乳食開始前に果汁をあげる必要はありません。
甘い味に慣れてしまうと、離乳食が上手に進まなかったり、虫歯や肥満の原因になります。
ジュースやイオン飲料は必要ありません。
※発熱や下痢の時にはイオン飲料をあげるようにしますが治ったらすぐにやめましょう。
食材には始める順番があります
食物アレルギーの心配の少ないおかゆから始めましょう。
食材はひとつずつ、小さじ1杯程度から進めていきます。
でんぷん質性食品(じゃがいも等)
、野菜・果物類→たんぱく質性食品(豆腐・白身魚等)
と進めていきます。
離乳食には味付けの必要はありません
素材そのものの味を覚えることから始めます。
中期になったら少しずつ味付けしてもかまいません。
ちょっとした工夫で手間を省きましょう
手づくりの家庭の味が基本ですが、補助的にベビーフードを使ってもよいでしょう。
味付けに変化がつきますし、やわらかさや味付けのヒントにもなります。
電子レンジを上手に活用してみましょう。
大人の料理を取り分けて離乳食を作ってみましょう。
あせらず、ゆっくりすすめましょう
個人差はあって当たり前。お子さんに合わせたペースで。
1
離乳中期ごろから■◆▲をそろえて与えましょう。
*離乳食の進め方*(1回あたりの目安量)
区 分
月 齢
●:離乳食
離乳初期(ゴックン)
5∼6
午前
○:母乳・ミルク
6時
○
離乳中期(モグモグ)
7∼8
離乳後期(カミカミ)
9∼11
○
○
○
2時
6時
10時
○
○
○
離乳食の形態
○
○
ポタージュスープ状
口の動きの目安
マヨネーズ状
食べ物をのどの奥まで送る
10倍がゆ
穀類
(茶碗=子ども用の茶碗)
つぶす
軽くつぶす
1さじ
30g(3さじ)
40g(5さじ)
~
こ
※の
1
2中
/
食
2 の
品
以
1 ど
上
/
れ
を
3
組か
程
み
度 を
合
に 使
わ
し
せ
ま 用
る
し し
場
合ま
う
はす
トロトロ状
肉
(脂身・皮を除く)
まだ与えません
ょ
。
卵
牛乳・
乳製品
▲
体の調子を
整える
まだ与えません
肉だんごくらいのやわらかさ
口の前の方を使って食べ物を
取り込み、舌と上あごでつぶす
舌と上あごでつぶせないものを
歯ぐきの上でつぶす
口に詰め込みすぎたり、食べこぼしを
しながらひと口量を覚える。
手づかみ食べが上手になる。
6∼5倍がゆ
50g(茶碗3分目) 80g(茶碗7分目)
5倍がゆ
軟飯
軟飯
ごはん
90g(茶碗8分目)
80g(茶碗8分目)
90g(茶碗1杯)
80g(茶碗1杯)
赤身魚
青魚
ゆでてほぐし、とろみをつける
10g(3さじ)
15g(4さじ)
鶏ささ身
鶏レバー
15g(3さじ)
焼いてほぐす
15g(4さじ)
煮る・焼く・揚げる
15g(4さじ)
20g(5さじ)
15g(3さじ)
20g(4さじ)
牛肉・豚肉
脂肪の少ないものを選びましょう!
15g(3さじ)
納豆・大豆
すりつぶす
つぶす
くずす・きざむ
30g(豆腐なら1/5丁)
40g(豆腐なら1/5丁)
45g(豆腐なら1/4丁弱)
卵黄
全卵
全卵
1個
1/3個
1/2個
50g(豆腐なら1/4丁)
55g(豆腐なら1/4丁強)
全卵
1/2個
2/3個
牛乳は料理に使用するならOK
育児用ミルクも料理に使いましょう!
1さじ 50g(1/4カップ) 70g(1/3カップ)
野菜・果物
野菜・果物
○
バナナくらいのやわらかさ
プレーンヨーグルト・チーズ
まだ与えません
寝る前
豆腐くらいのやわらかさ
豆腐・凍り豆腐
1さじ
●
コロコロ(歯ぐきでかめる)
ゆでてほぐし、とろみをつける
トロトロ状
夕食
ツブツブ(歯ぐきでつぶせる)
10g(2さじ)
大豆・
大豆製品
●
ベタベタ(舌でつぶせる)
すりつぶしてとろみをつける
1さじ
3時
幼児食・
牛乳または
ミルクを
1日300∼
400ml
○
白身魚
魚
●
●
○
7倍がゆ
すりつぶす
昼食
朝食
○
ドロドロ状
やわらかさの例
◆からだを
つくる
離乳完了期(パクパク)
12∼18
10時
午後
■
エネルギー
になる
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」をもとにわかりやすく目安として表記しました
80g(2/5カップ)
100g(1/2カップ)
緑黄色野菜を中心に
トロトロ状
ゆでてだし汁で
すりのばす
ゆでて荒くつぶす
3∼5mmに切って煮る
5mmに切って煮る
7mmに切って煮る
スティック状もOK
1さじ
3さじ
20g(4さじ)
30g(6さじ)
30g(6さじ)
40g(8さじ)
40g
50g
※1さじとは計量スプーンの小さじ1杯のことです。
1さじ=5∼8gくらい(食品の種類によって異なります)
2
1∼2歳児の心がけたい食生活
1日3食規則正しく
食事時間を決めることで、空腹・満腹のリズムができます。
幼児期から習慣づけることが大切です。
主食・主菜・副菜が基本。量よりも品数を増やすように
「発育のための栄養」と「活動のための栄養」が必要となります。
バランスのとれた食事で、たくさんの栄養素をとりましょう。
体の大きさにもよりますが、1日 1,000∼1,200kcal が目安です。
味付けは薄味に。消化のよいものを
食材本来の味を知ってもらいましょう。
濃い味付けや脂っぽいものなどは消化に負担がかかり、生活習慣病の原因ともなります。
消化を助けるためには、食べやすい大きさに切ってあげることも必要です。
おやつは「4番目の食事」として
体は小さくても、たくさんの栄養素(特にたんぱく質・カルシウム・鉄分)が必要です。
お菓子ばかりでなく、乳製品、果物、芋などを組み合わせて補給しましょう。
一口サイズの調理パンやおにぎりなどでもよいでしょう。
詳しくは資料5ページを参考にしてください。
家族そろって食事を
食事の礼儀作法が身に付きます。
家族との楽しい会話や笑顔は、もう一品のおかずです。
食事中にコミュニケーションをとることは、少食や偏食の予防にもなります。
お子さんが楽しいと思える食事の時間を演出しましょう。
3
飲み物について
こまめに水分補給をしましょう
離乳食が始まったら、あわせて水分補給の練習も始めましょう。
大人に比べて子どもは汗をかく量が多いので、水分が不足しやすい傾向にあります。
また、体内の水分の割合が大人よりも子どもの方が多いので、たくさんの水分が必要です。
水分が不足すると体温の調節ができなくなり、急速に体調が悪くなってしまいます。
そうなる前に、甘くない飲み物で、こまめに水分補給をしましょう。
起床後やお出かけの前後、遊びの前後、お風呂の前後、寝る前などは忘れずに。
一度にたくさん飲むと胃に負担がかかるので、1回量はコップ1杯程度が目安です。
清涼飲料水には糖分がたっぷり
ジュースやイオン飲料などの清涼飲料水は、糖分をたくさん含んでいます。
虫歯や肥満の原因になるので、あげすぎないように注意しましょう。
甘い飲み物はお腹が満たされやすく、食事の前に飲むと少食や偏食の原因にもなります。
どうしても清涼飲料水を飲むときは、ペットボトルではなくコップに注いであげましょう。
★清涼飲料水の糖分はどのくらい?
炭 酸 飲 料 水
500ml
⇒
(
57
)g
ス ポ ー ツ 飲 料 500ml
⇒
(
30
)g
果汁 20%ジュース
⇒
(
55
)g
500ml
野菜ジュースは野菜の代わりにはなりません
野菜は、ジュースになる過程の加熱処理などでビタミンや食物繊維が減ってしまいます。
飲みやすくするために果汁が入っているものも多く、糖分のとりすぎにもつながります。
野菜ジュースに頼りすぎて、野菜不足・糖分とりすぎにならないように気をつけましょう。
日常的に飲むのではなく、野菜がとれない時の補助的なものとして上手に利用しましょう。
野菜には、それぞれの形や色、歯触り、香りがあり、それを楽しみながら食べるものです。
まずは食べやすい野菜を食べやすい調理法ですすめてみましょう。
盛り付けを工夫したり、食事の時間を楽しい会話で盛り上げると、苦手な野菜も食べて
くれるかもしれません。
4
おやつについて
おやつのポイント
おやつは1歳を過ぎてから「4番目の食事」として
おやつをあげるのは、1日3食のリズムがきちんと整い、1歳を過ぎてからになります。
おやつ=お菓子というイメージですが、子どもにとってのおやつは4番目の食事です。
3回の食事では足りない栄養を補うための補食と考えましょう。
甘いお菓子やスナック菓子は控え、食事に近いものをあげましょう。
時間・回数を決めましょう
午前10時と午後3時の2回くらいにしましょう。
朝食から昼食まであまり時間がなければ、午後の1回でもよいでしょう。
あくまでも3度の食事が基本です。
量を決めましょう
1日のエネルギー所要量の10∼20%が目安です。
1∼2歳児なら 100∼200kcal です。
食べ過ぎてしまうと、食事に影響が出てしまいます。
おやつの一例
自然の甘さがおすすめ
果物は片手 1/2 サイズ。
水分補給も忘れずに
(バナナ 1/2 本、りんご 1/4 個、みかん 1 個等)
牛乳や麦茶 100∼200ml を
ふかし芋 1/4 本、とうもろこし 1/4 くらい。
組み合わせて水分補給を。
これらの素材で手づくりお菓子もよいでしょう。
軽食メニューは栄養豊富
おにぎり、サンドイッチ、フレンチトースト、
お好み焼き、ホットケーキを一口サイズで。
市販のものは取り分けて
ビスケット、ウエハースなどは2枚くらい。
ヨーグルト、プリンは 1/2∼1 個。
大人用のお菓子は3歳を過ぎてから。
5
授乳ママの食事
おいしい母乳を出す食事
バランスのよい食事が大切です
毎日の食事とママの健康がおいしい母乳を作ります。
食事は、栄養のバランスがとりやすい和食がおすすめです。
ごはんなどの主食を中心にいろいろな食品をバランスよく食べましょう。
動物性、植物性のたんぱく質を上手に組み合わせてとりましょう
肉・魚・卵・豆腐などを上手に組み合わせましょう。
肉などは脂の少ない部位を選ぶようにしましょう。
カルシウムは欠かさずに食べましょう
牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、小松菜などの野菜から摂取しましょう。
鉄分の多い食品をとりましょう
レバー、貝類、ひじき、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミン C、B1、B12、葉酸、銅などを多く含む食品(レバー、貝類、海藻、緑黄色
野菜など)を摂取して、造血や鉄の吸収を促進する効果を高めましょう。
水分補給をこまめにしましょう
1日に何度も授乳するため、水分が不足しがちになります。
とりすぎに注意したい食品
高エネルギーの食品、砂糖の多い食品
外食、インスタント食品
ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ス
ナック菓子、清涼飲料水などはなるべく控え
ましょう。
外食やインスタント食品はエネルギーや脂
肪が多く、塩分も多いので、なるべく控えま
しょう
添加物の多い食品
油を多く使う料理
ハムなどの加工品やできあいの惣菜などは
控えて、手作りの料理を食べましょう。
天ぷら、フライ、マヨネーズやドレッシング、
シチュー、グラタンなどは続けて食べないよ
うにしましょう。
アルコール、カフェイン
授乳中にお酒は飲めません。
コーヒーや紅茶も、飲みすぎ注意。
ノンカフェインのものを選びましょう。
6
離乳食・幼児のおやつレシピ
さつま芋とりんごの重ね煮(離乳食中期7∼8か月ごろ)
【材料・10回分】
・さつま芋…小サイズ 1/2 本
・りんご…小サイズ 1/2 個
・水…鍋にひたひたまで
【作り方】
①さつま芋は皮を厚めにむき、薄いいちょう切りにして水にさらしてアクを抜く。
りんごは皮をむき、薄いいちょう切りにする。
②鍋に①の材料とひたひたの量の水を入れて火にかけ、さつま芋とりんごが柔らかくな
るまで煮る。
※粗熱をとってから1回分ずつ小分けにして、冷凍しておくと便利です。
※解凍して使うときは、再加熱します。1週間以内に使い切るとよいでしょう。
※耐熱容器を使って電子レンジで作ることもできます。
1回あたり エネルギー:49kcal
脂質:0.9g
カルシウム:15mg
幼児や大人のおやつにも
煮崩れしない程度で火を止めれば、幼児や大人のおやつにもなります。
食物繊維がとれるので、便秘予防におすすめです。
レーズンやプルーンなどを加えてもよいですし、バターを入れるとコクが出ます。
大人用にはシナモンを加えてもよいでしょう。
また、離乳食として作ったものを寒天で固めて
芋ようかん風にしてもおいしくいただけます。
厚めにむいたさつま芋の皮は、細く切って
きんぴらにすると無駄がありません。
7
切干大根のお好み焼き風
【材料・直径5cmの大きさが10枚分】
・切干大根…30g
・ピザ用チーズ…30g
・小麦粉…40g
・水…20ml
・青のり…小さじ 1/4
・サラダ油…小さじ1
・小エビ…大さじ1
・しょうゆ…小さじ1
【作り方】
①切干大根は水で戻し、やわらかくなるまで茹で、食べやすい長さに刻む。
②ボールに①、ピザ用チーズ、小エビ、小麦粉、青のり、しょうゆ、水を加えて混ぜる。
③フライパンにサラダ油を熱し、②を薄く広げ、両面をこんがり焼く。
※材料は冷蔵庫のあまりものでOK。
※サラダ油の代わりにごま油で焼くと、また違った風味でおいしく食べられます。
1枚あたり エネルギー:35kcal
脂質:0.9g
カルシウム:46mg
カルシウムについて
子どもの成長には欠かすことのできないカルシウム。積極的にとりたい栄養素のひとつ
ですが、なかなか上手にとることができない欠点も。
効率よく手軽にとるには、牛乳やヨーグルトなどがよく用いられます。
他にもカルシウムを多く含む食品があるので、組み合わせて無理なくとりましょう。
☆木綿豆腐:1/3 丁(100g)→120mg
☆ひじき(乾):小さじ1(4g→戻して 16g)→56mg
☆スライスチーズ:1枚(20g)→126mg
簡単!おいしいきな粉ふ
【材料・10個分】
・小町麩…10 個
・サラダ油…小さじ1
・きな粉…大さじ1
・砂糖…大さじ1
【作り方】
①きな粉と砂糖をあわせておく。
②フライパンに油を熱し、小町麩を焦がさないように弱火で炒める。
③うっすら焼き色がついたら、熱いうちに①のきな粉をまぶす。
1個あたり エネルギー:20kcal
脂質:0.5g
カルシウム:2mg
8