共析変態など各種拡散変態

).,-/10/))*+!
連続析出と不連続析出
共析変態
1s
連続析出(continuous precipitation):
母相の溶質濃度が析出反応の進行とともに連続的に変
化する。
γ
1day
共析温度(727℃)
温度 /℃
粗大パーライト
セメンタイト(Fe3C)
フェライト(α-Fe)
600
微細パーライト
オーステナイト→パーライト変態
500
1
"
!’
1h
700
不連続析出(discontinuous precipitation):
過飽和固溶体α から析出相βと母相αの2相が同時
に形成され、これらが集団として成長していく。
→ノジュール(nodule)、セル(cell)
粒界反応型析出 or セル状析出
→ラメラ(lamellar)組織
"
1min
オーステナイト(安定)
!
10
102
時間 /s
103
104
105
共析鋼の等温変態に伴うパーライト変態
結晶粒界
連続析出
!’
セル(!+")
(!+")
(過飽和固溶体)
!’
10 µm
不連続析出
共析炭素鋼のパーライト組織
連続析出と不連続析出の析出過程
合金の時効析出
セル状析出と共析変態
共析変態
母相と結晶構造の異なる2つの
生成相が交互に層をなす。
α→α+β
γ→ α + β
α
このような不連続析出現象を、
粒界反応型析出、または再結晶
粒の成長と似ているので再結晶
型析出とも呼ばれる。
γ
αとβに方位関係
母相とは関係がない
温度
α
A
%B
α
過冷γの共析変態がおこる領域
α
α
α
1
——
$T
$T:過冷度
$%# $
ex) Al-4%Cu 合金 →ジュラルミンの基本組成
過飽和固溶体→GP(I) →GP(II) →θ →θ →θ
ジュラルミン(duralumin)の発明者:Alfred Wilm 1906年
GPゾーンの発見者:Guinier (ドイツ)、Preston(英国) 1938年
!
Al-4%Cu 合金の時効析出
過飽和固溶体→GP(I) →GP(II) →(θ →) θ →θ
&"
平衡状態図には現れないGPゾーン(ゾーンとは、
母相結晶格子上に溶質原子Cuが濃縮した集合体)
がまず現れる。その後、準安定相(θ ,θ )を経て、
最終安定相のθ相(Al3Cu)が生じる。これらの時
効析出に伴って、硬度が下記の様に変化する。
&"'
)
(II
GP
(I)
GP
$%# $
ノジュール
の成長方向
炭素の拡散
時効硬化(age hardening):
時効に伴い材料の強度が増すことを時効硬化という。
"
パーライトの形成と成長
ラメラ組織(lamellar structure):
2つの相が薄い板状で交互になす層状の微細組織
ラメラ層間隔:#
γ
α
γ
セメン
タイト
B
α
β
過飽和固溶体の時効過程においては、安定相の析出
に先だって、平衡状態図にはない準安定相が生じる
ことがある。
#
&"
γ-Fe→ α-Fe + Fe3C
パーライト変態(pearlite transformation)は、
フェライト相(α)とセメンタイト相(Fe3C)が層を
なす代表的な共析変態である。
母相オーステナイト
の結晶粒界
T1
"
ex) Fe-C合金の共析変態(パーライト変態)
セル状析出と共析変態
γ
③ 比較的低温に保持する(時効:agingする)こと
によって、時効析出物が母相中に生じる。
(
根っこの母相
と方位関係
② 室温まで急冷(quenching)し、過飽和固溶体
をする。
))'
ノジュール
(α+β)
α
&"
γ
セル
(α+β)
ビッカース硬度
粒界から何枚もの析出プレート
が協調的に成長し、セルを形成。
(
セル状析出(不連続析出)
① 材料をα単相領域に昇温して、均一な固溶体を
つくる。
→溶体化(熱)処理(solution (heat) treatment)
!
GP(I)
GP(II)
θ 120
4.5%Cu
過時効
(overaging)
4.0%Cu
80
40
3.0%Cu
2.0%Cu
0.1
1
10
時効時間 /day
100
Al‒Cu合金の時効熱処理に伴う硬さの変化(時効温度130℃)
鋼における拡散変態と析出
CCT線図
1538℃
Fe-Fe3C系
Fe-C系
1600
1495℃
L
(δFe)→
1400
L+γ
A4 1394℃
1227℃
1200
γFe
1148℃
4.3%
2.1%
1000
γ+Fe3C(または黒鉛)
A2
Acm
Fe3C→
A3
(738℃)
800
(αFe)→
A1 727℃
0.77%
600
0.02%
α+Fe3C(または黒鉛)
400
1
2
3
4
C量 (wt%)
5
6
温度 /℃
7
α
フェライト(ferrite)
bcc
液相(liquid)
fcc
δ-鉄(デルタフェライト)
bcc
セメンタイト(cementite)
M
1
10
102
103
フェライト+
オーステナイト
共析点
フェライト
フェライト
+パーライト
初析セメンタイト
パーライト+
セメンタイト
亜共析鋼
過共析鋼
Cu:75%,
Au:25%
パーライト
フェライト
亜共析鋼
置換型固溶体合金において、高温状態では不規則な原子配置をしてい
るが、温度の低温化に伴って、異種原子間に引力の相互作用が働く
(相互作用パラメータΩが負)の場合、規則化(ordering)が起こる。
パーライト
セメンタイト
Au
Cu
過共析鋼
パーライト
TTT線図(Time‒Temperature‒Transformation diagram)
または、恒温変態線図(isothermal transformation diagram)
1min
A1
Ps
微細パーライト
1
Ms
入り江(bay)
Mf
マルテンサイト
10
102
時間 /s
下部ベイナイト
104
105
共析炭素鋼のTTT線図(オーステナイト化温度885℃)
(Cu, Au)
fcc
400
200
00
ベイナイト、マルテンサイト
については後述
103
600
Cu or Au
Au
Cu
Cu
10
20
30
40
50 60
at%Au
←CuAu3
200
:オーステナイト変態
:パーライト変態
:ベイナイト変態
:マルテンサイト変態
←CuAu
Bs
A1
P
B
M
!s :変態の開始時間
!f :変態の終了時間
上部ベイナイト
Bf
400
0
粗大パーライト
Pf
鼻
(nose)
800
1day
共析温度(727℃)
L
1000
←Cu3Au
温度 /℃
600
1h
オーステナイト
Cu3Au
Cu-25%Au
TTT線図
1s
105
規則ー不規則変態(order-disorder transformation)
セメンタイト+
オーステナイト
炭素量(wt%C)
800
104
時間 /s
鋼における拡散変態と析出
オーステナイト
温度 / ℃
B
数原子距離程度の短範囲の拡散(short range diffusion)で拡散が進行
◆ 同素変態
ex) δ-Fe(bcc)
γ-Fe(fcc)
α-Fe(bcc)
母相/新相の相界面
◆ 規則ー不規則変態(規則変態)
(Interface)における原
ex) α (disordered) →α(ordered)
子の拡散ジャンプのみ
◆ マッシブ変態
で相変態が進行するこ
とができる。
ex) 2成分以上の合金系で、β→α
斜方晶
鉄ー炭素系状態図と微細組織
パーライト
Bs
Ms
長距離の原子拡散(long range diffusion)が必要
◆ 析出
ex) α →α+β
◆ 共析変態
ex) γ→α+β
‒
オーステナイト(austenite)
初析フェライト
Pf
:オーステナイト領域
:フェライト生成領域
:パーライト生成領域
:ベイナイト生成領域
:マルテンサイト生成領域
ショートレンジ拡散による相変態
結晶構造
Fe3C (θ)
A
F
P
B
M
A3
A1
Ni-Cr-Mo鋼 (Fe‒0.3C‒2.1Ni‒1.4Cr‒0.4Mo)の
連続冷却変態線図(オーステナイト化温度885℃)
相の名称
δ
1day
F Ps P
A
400
0
記号
γ
1h
Fs
200
Fe‒C系状態図
L
1min
800
600
6.7%
0
1s
磁気変態点
(A2:Fe, A0:Fe3C)
A0 213℃
200
CCT線図 = 連続冷却変態線図
(Continuous Cooling Transformation diagram)
60
Cu‒Au 二元系状態図
80
90 100
Au