公益財団法人仙台市建設公社 平成28年度事業計画 Ⅰ 運営方針 本公社は,東日本大震災以降,応急仮設住宅の管理や復興公営住宅の募集関連業務等を受託し, 被災者に寄り添いながら,市の震災復興事業の推進に大きな寄与をしてきた。復興公営住宅の入居 など住まいの再建が進展し,震災復興計画期間の終了という節目を迎えたことに伴い,公社の復興 関連事業も縮小することとなった。このような事業環境の変化を見据え,公益法人としての諸課題 に対応するため中期経営計画を策定したところである。 経営計画の初年度である平成27年度は,主要業務である市営住宅の指定管理業務を着実に実施 するとともに,約2千戸の復興公営住宅入居手続きを行った。また,市やNPO法人と連携し市営 住宅入居者のうち高齢者を中心に見守り活動を実施し,入居者の潜在的ニーズの把握に努めた。 さらに,経営計画の重点取組事項である「公益法人にふさわしい事業構造への転換」のため,市 営住宅指定管理の申請に際し,収益事業である施設管理業務へは参画せず,事業の重点化により公 益目的事業比率の大幅な改善を図った。 新たに指定された平成28年度からの指定管理業務は,市営住宅に復興公営住宅だけでなく再開 発住宅も加わり,種類が異なる住宅の過去最大となる約1万2千戸の管理を行うこととなった。こ れに対して,住宅ごとの特性に応じた適切な事務取扱いを徹底するとともに,一体的かつ効率的な 業務執行と一層の収納率向上を図るため,組織を再編し総力を挙げて取り組む。また,総合案内セ ンターを設置し,入居者や町内会等からの相談や要望の一括受付を行い,市や他事業者との連携を 密にしたサービスの充実に鋭意取り組む。 入居者等への対応にあたっては,被災者を始め社会的弱者の方々へは様々な支援が必要であるこ とから,入居者ごとの生活背景に留意しながら,きめ細かな配慮に努める。そのため,職員の接遇 や困難を抱えた入居者等への対応能力を高める研修を実施する。 さらに,見守り活動や介護予防運動教室など地域コミュニティ形成に資する自主事業を実施する とともに,その企画立案に多くの職員を参画させ,職員の企画力の醸成と実務能力の向上を図る。 収益事業については,駐輪場運営箇所の縮小を図ることとしているが,引き続き事業の選別と一 層の効率化を図るため,継続して市との協議を行う。 以上,平成28年度も経営計画の重点取組事項の達成に向け,組織職員一丸となり積極的に取り 組んでいく。 Ⅱ 平成28年度事業計画 1 事業の実施方針 ●市営住宅等入居者の快適な生活環境の支援 指定管理事業を着実に実施することに加えて,花壇づくり支援や見守り活動などを実施し, 市営住宅等入居者が快適に安心して暮らせる生活環境づくりを支援する。また総合案内センタ ーを設け入居者の相談等の利便性を向上させる。 ●東日本大震災復興の支援 上半期で完了が見込まれる復興公営住宅の入居手続きに加え,集約・解体が予定される応急 仮設住宅の管理を着実に進め,被災者の生活再建の支援を行う。 ●人と自転車が共存する快適な交通環境の創出支援 仙台市営駐輪場の総括管理及びJR駅周辺等駐輪場の運営管理を行うほか,自転車利用者の ルール周知やマナー向上の啓発事業を実施し,快適な交通環境の創出に向けた支援を行う。 ●市有地の有効活用による市民の身近な暮らしの利便性の向上 遊休市有地を活用した駐車場事業を実施し,市民の暮らしの利便性の向上に寄与する。 ●人材育成と組織の活性化 より質の高いサービスの提供と公社の付加価値の創出ができるよう,職員の意識改革及び能 力の向上に努め,組織の活性化を図る。 (1) 公益目的事業 <予算額 1,039,493千円> ア 公1事業「地域居住環境及び快適な生活環境の増進に資する事業」<予算額 1,034,114千円> 市営住宅の指定管理業務を核に,応急仮設住宅も含めた住宅の適切な管理を行うことによ り,被災者や住宅に困窮している方々が安心して暮らせる住まいづくりを推進する。また,見 守り活動など自主事業を実施し,地域福祉の増進やコミュニティ形成に寄与する。 ① 市営住宅等管理(非公募)<予算額 723,779 千円> 市営住宅等 11,783 戸及び各共同施設の募集,収納,緊急修繕,相談等の管理業務を行う。 住宅内訳:市営住宅(8,544 戸) ,復興公営住宅(3,206 戸) ,仙台駅東再開発住宅(33 戸) ② 応急仮設住宅管理 <予算額 299,247千円> 被災者用プレハブ仮設住宅(1,505戸)の管理を行う。また,借上げ公営住宅等(402戸)に ついては,退去に伴う復旧業務を行う。 ③ コミュニティ(自主)事業 <予算額 11,088千円> 市営住宅入居者の安全・安心で暮らし易い環境を形成するため,高齢者を対象に救急医療 情報キットの配付や見守り活動,介護予防運動教室を行うほか,防災セミナーの実施や花壇 作りの支援を行う。 イ 公2事業「交通環境の向上による快適な生活環境の増進に資する事業」<予算額 4,688 千円> 自転車利用者のルール周知やマナーの向上を図るため,交通安全教育副読本の配付や啓 発活動等を実施する。 ウ 公3事業「先行的視点から行うまちづくりの促進に資する事業」<予算額 691千円> 学校先行建設事業<処分額 55,779千円> 七郷中学校の処分を予定している。 (2)収益事業 ア 収1事業「都市関連施設の運営管理事業」<予算額 231,453千円> 仙台市より受託している住宅の管理や駐輪場等公共施設の運営管理を行う。また,公共用地 等を活用した駐車場の運営を行う。 ① 応急仮設退去修繕等事務支援業務<予算額 2,214千円> 応急仮設住宅のうち市営住宅の退去に伴う調査や修繕検査業務等の事務支援を行う。 ② 復興公営住宅空き住戸管理業務<予算額 18,527千円> 復興公営住宅の完成から入居までの空き住戸の管理を行う。 ③ 駐輪場運営(市営駐輪場の総括管理・管理運営等)<予算額 138,193千円> 仙台市営駐輪場(66箇所)の総括管理及びJR駅周辺等駐輪場(11箇所)の管理運営を行う。 ④ 駐車場運営(市営駐車場・市営以外駐車場)<予算額 68,001千円> 市営駐車場(2 箇所)の管理及び市有地借用の月極駐車場(28 箇所)の運営を行う。 ⑤ 新田住宅の管理<予算額 4,518千円> 青葉山公園整備事業の移転先である住宅等の施設管理業務を行う。
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