参考資料 サワラの資源回復に向けた取組みについて 1 目的 瀬戸内海のサワラの漁獲量は、漁具の改良等によって漁獲努力量が増加した ため昭和61年には6,378トンの漁獲でしたが、その後は減少に転じ、平 成10年には196トンにまで大幅に低下しました。 このため、平成14年度から瀬戸内海の11府県がサワラ資源回復に向けた 各種取組みを実施しており、この取組みの一環として、今治市大浜地先におい てサワラ種苗を放流しています。 〇瀬戸内海のサワラ漁獲量の推移 2 放流実績 平成14年度から、瀬戸内海の各府県が放流を実施しており、毎年約4万尾 ~27万尾のサワラ種苗が放流されています。 愛媛県においても、同じく平成14年度から放流が開始され、27年度まで に合計30万尾を超えるサワラ種苗が県内で放流されています。 採卵~育成~種苗放流 3 放流効果 調査 放流魚は、天然魚との区別のため、あらかじめ頭部にある耳石 * に特別な色 素(ALC:アリザリン・コンプレキソン)で染色し、放流魚が判別できるように して放流しており、漁業協同組合から頭部標本の提供を受け、その中の耳石を 検査することによって、放流効果を試算しています。 *耳石:内耳にある炭酸カルシウム結晶でできた 平衝石の総称。一般に耳 石という場合、 最も大きい扁平石を指す 。耳石には不透明帯(有 機基質層)と透明帯(カ ルシウム層)が 年周期的に輪紋となって 認められることから、年 齢査定に用いられる。 〇愛媛県におけるサワラ放流魚混入率 漁獲されているサワラに対する放流魚の割合いは、多い年で2%を超えてお り、確実に漁獲に結び付いていることがうかがえます。 (参考)サワラ (参考) サワラ について ○年齢、成長 1年で55~60cm、2年で70~80cmに成長、2年でほぼ100%成 熟する。資源水準が低くなった近年は早熟傾向となる。寿命はおよそ7年。 ○産卵 産卵期は5~6月、分離浮性卵で1粒ずつが水中を漂いながら孵化する。よう 卵数は2歳で約60万粒。 ○食性 魚食性が強く、稚魚期はカタクチシラス、成魚はイワシ類、アジ、イカナゴ等 を主に捕食。 ○肉質 肉質はや柔らかで、淡泊な白身で美味。刺身・焼き物・揚げ物・煮付けの他、 ムニエル等の洋風料理にもよく合う。
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