視野を広げる「夢企画」、 Lによる授業改善

小論文学習③
出張講義①②
(SSH 講演会1)
課題研究①
課題研究②③
3
1
2
は、英語は流暢でなかったもの
の単身渡米して相手方に認めら
れた話を披露。生徒の「語学が
できないのにどう売り込むんで
す か?」 と の 質 問 に、「 や は り
信頼です。信頼を売るんです!」。
また、「勉強が必要ですか?」
との質問に大手電機メーカー社
員は「学歴は必要ないけれど学
力はいります。学力のない人に
仕事は教えられません」ときっ
ぱ り。「 教 員 が 言 う よ り も 生 徒
にははるかに説得力があるよう
です」と竹下先生は言う。
講演後、生徒は「インタビュー
レポート」を作成し、「発表会」
に 臨 む。「 視 野 を 広 げ る 」 の が
大学訪問 (SSH 講演会2)
(SSH 講演会2)
学部学科研究①
(レポート作成)課題研究④
学部学科研究②(発表準備) 課題研究⑤(中間発表)
学部学科研究③(発表準備②) 課題研究⑥(中間発表②)選択学習④~⑦
11
学部学科研究④~⑥(発表①~③)課題研究⑦~⑨
12 ディベート①②③
課題研究⑩~⑫
選択学習⑧~⑨・まとめ
1 ディベート④⑤⑥
課題研究⑬⑭
受験直前集会
課題研究⑮(クラス発表会)
2 ディベート⑦⑧⑨(全て試合) 課題研究⑯⑰(クラス発表会②③)
課題研究⑱(論文作成)
まとめ・課題研究入門
まとめ
3
学年課題研究発表会
10
夢企画の内容は節目ごとに刷
新されてきた。例えばその一つ
が、 年次 月に実施する「社
会 人 講 師 と 語 る 会 」( 語 る 会 )。
以前は地元事業所に生徒が訪問
していたが、 年前から社会人
講師を招いてインタビューする
スタイルに切り替えた。
企画を立ち上げたのが、本田
一 恵 先 生( 物 理 )。 大 学 卒 業 後
にメーカーに就職し、働きなが
視野を広げるための
様々な仕掛け
社会人講師と語る会
6 職業研究①(レポート作成)
(SSH講演会1)
7 職業研究②(発表①②)
大学訪問準備①②
9
6
2年生
小論文講演会
小論文学習①②
狙いである。資料③は「行政医」
のインタビューレポート例であ
る。例えば働くことについては
「ただ利益を得るためだけに働
くのではなく、地域・人のため
に働くとはどういうことかを考
えた」と書いている。この他の
声を聞くと「単調だと思ってい
た仕事が実は奥が深くて興味が
湧 い た 」「 技 術 系 企 業 に 文 系 の
仕事もたくさんあって驚いた」
など、様々な気づきが見られる。
その後 年次後半は文理選択
に向け、「大学訪問」「学部学科
研究」へと進む。「学部学科研究」
では調べ学習の後、発表会で情
報を共有。当初は理系志望だっ
たが文系を選択する生徒も出て
くるなど、文理選択を熟考する
姿勢も生まれている。
3
夢企画では従来から小論文指
導に力を入れてきた。資料①に
あるように、 年次はディベー
ト、 年次と 年次は小論文指
導 を 行 う。 今 回 注 目 し た の は、
小論文の下地を作るために行う
視野を広げ、材料を増やす
小論文日誌とディベート
1
資料① 平成 27 年度:総合的な学習の時間「夢企画」年間計画
3
2016 / 6 学研・進学情報 -14-
-15- 2016 / 6 学研・進学情報
3年生
ガイダンス・小論文学習①②
小論文学習③
小論文講演会
小論文学習④⑤
進路講演会
(SSH講演会1)
小論文学習⑥⑦
面接対策講演会
科学的思考力テスト
選択学習①②③
6
3 1
資料③ 社会人と語る会「インタビューレポート」例
2
10
1
86
10
立城南高校などキャリ
社会で夢の実現にむけ
ア教育の先進校を訪問
行動できる人間を
し 研 究。「 社 会 で 夢 の
実現のために行動でき
高松第一高等学校(中條敏雄
校長)は、創立 年目を迎える、 る人間を」との願いを
香 川 県 唯 一 の 市 立 高 校 で あ る。 込め、総合学習「夢企
普通科と音楽科の 学科構成で、 画」をスタートさせた。
普通科は国際文科コース、文理
資 料 ① は「 夢 企 画 」
コース、特別理科コース、美術
の 年間である。総合
専門コースから成る。
学習係の竹下陽子先生
高松第一高校では、 年前か (国語)は、「 年生は
ら総合的な学習の時間「夢企画」 文理選択を前に『視野
で、キャリア教育を行ってきた。 を広げること』を目的
進路指導部長の片山浩司先生
に、職業研究や学部学
( 化 学 ) は、 そ の 背 景 を こ う 振
科研究を行います。
り返る。「本校は以前から、学部・ 年生は小論文や課題研究を通し
て、 各 自 の 志 望 を よ り『 厚 み 』
学科を調べて志望理由書を書か
をもって考え、興味を深めるこ
せ る な ど、『 や り た い こ と 』 を
とを目指します。そして 年生
イメージさせる進路指導を行っ
て き ま し た。 に も か か わ ら ず、 は実際の進路選択に向けての取
り組みになります」と全体像を
私が特別理科コース担任だった
語る。
約 年前、難関大学進学者の中
に中退や休学した卒業生が相次
企画の中心は各学年団の団長
いでいるとの話が聞かれるよう ( 主 任 ) と 1 ~ 3 年 の 副 担 任
人 の「 総 合 学 習 係 」。 夢 企 画 は
になってきたのです。そこで面
各クラスの副担任が担当するが、
白いと思える学問とともに、進
総合学習係と副担任が毎LHR
路を仕事に結びつけて考える指
時に打ち合わせするなど、負担
導が必要だと考えました」。
の少ない実施体制となっている。
進路指導部では当時、福岡県
資料② 社会人と語る会事業所(27 年度)
30
アクティブラーニング
高松第一高等学校の実践
らCDA(キャリアカウンセラ
業のバランスを見て事業所を選
ー)を取得。 年間の講師経験
んだ。資料②は昨年の事業所一
後、 昨 年 正 規 採 用 さ れ た 若 手
覧である。当初は断られること
ホ ー プ の 一 人 だ。
「高1では限
もあったが、「語る会」の様子が
られた視野でしか企業を見られ
新 聞 に 報 じ ら れ る や、「 来 年 度
ません。まずは世の中に自分が
はぜひ参加させてほしい」など
イメージしたことの無い仕事が
の声も寄せられるようになった。
あるのを知るなど、視野を広げ
当日は体育館に事業所ごとに
てもらおうと考えました」と意
ブースを設け、 分間の説明会
図を語る。
を 3 回 行 い、 生 徒 は 3 か 所 の
本 田 先 生 は「 大 卒 の 就 職 先 」 ブースを回る。当初、生徒の希
を前提に、岡山大学キャリアカ
望を取ったところ知名度の高い
ウンセラーのアドバイスも受け
企業に集中したため、今は聴講
つつ、業種・職種一覧から事務
先を指定している。社会人講師
系・技術系、県内企業・県外企
が仕事の概要を約 分間説明し
た後、生徒のインタビューに入
る。生徒は事業所について事前
に調べ、質問を用意しておく。
社会人講師の話には「教師自
身の目も開かれます」と本田先
生。例えば世界でトップシェア
の地元の大手水槽メーカー専務
片山浩司 先生
月
1 年生
4 未来のために今できること
職業インタビュー準備①
5
2
10
事業所名
百十四銀行
ジブラルタル生命保険
中商事
流通・食品 商社
三井物産
朝日新聞社
マスコミ
フリーアナウンサー
情報・サービス
コンサルティング リクルートマーケティングパートナーズ
IT
ST ネット
航空
ANA セールス
運輸・
エネルギー 鉄道
高松琴平電気鉄道
建設・不動産・住宅 建設
四電エンジニアリング
建設機械
タダノ
製造業
電子部品
アオイ電子
化学
四国化成工業
国家公務員
経済産業省四国経済産業局
教育関係
高松市健康福祉局こども未来部こども園運営課
警察
高松南警察署
公務員
農業
香川県農業試験場
医療行政
高松市保健所
弁護士
のぞみ総合法律事務所
阪大微生物病研究会
企業公務員以外 研究所
研究所
産業技術総合研究所
分類
業種
銀行
証券・保険
金融
竹下陽子 先生
視野を広げる「夢企画」、
全教科でALによる授業改善
3
「総合的な学習の時間」の柱として、
「夢企画」の実践を積み重ねてきた、香川県の高松第一
高校。さらに現在は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)2 期目の指定を受け、全教科
でアクティブラーニングの開発に取り組んでいる。その先進的な取り組みをレポートした。
総合学習係
進路指導部長
高校でのキャリア教育⑥
●高校でのキャリア教育⑥ 高松第一高等学校の実践
●高校でのキャリア教育⑥ 高松第一高等学校の実践
・物体の運動(斜面の上り下り)
・物体の運動(鉛
直投げ上げ)
・ばねにはたらく力と伸びの関係
・空気抵抗を受ける落体の運動・摩擦力・力
物理 学的エネルギー保存の法則+斜方投射・力の
モーメント・2 物体の斜め衝突・単振動・単
振り子・波の反射・屈折・回析・波の干渉
・弦の固有振動・コンデンサーの充放電
習係の先生方が「国際関係/環
境/生活・社会/教育/医療・
福 祉 / 政 治・ 経 済 / 情 報 通 信 」
の 7 テ ー マ に 分 か れ、「 で き る
だけわかりやすい」新聞記事を
選び、金曜日に生徒全員に配布
する。生徒は記事への感想を土
日に書き、月曜日に副担任に提
出。副担任はサインやコメント
を書いて返却する。このパター
ンで1ヵ月に1、2回、年間約
回のやりとりを行う。
一方、2年生は生徒が4~5
人の班になり、①1人が小論文
ワークシートに新聞記事を選ん
で貼り付け、記事の要約と感想
を書き、月曜日に副担任に提出
する。②副担任は次の生徒に渡
す。③次の人は前の人の日誌へ
の感想を書く。そして新たに新
聞記事を選んで要約と感想を書
き、 翌 週 に 副 担 任 に 提 出 す る
。このサイクルを、1年間
継 続 す る。「 志 望 学 部 を 見 据 え
て、興味を掘り下げることを目
的 に し て い ま す 」 と 竹 下 先 生。
内容が偏らないよう、メンバー
を入れ替えるクラスもある。
昨年、竹下先生が印象に残る
対戦として挙げたのが、「日本は、
安楽死を法的に認めるべきであ
る」についての対戦。肯定派が
安楽死のメリットに「医療費の
削減」を挙げたのに対し、否定
派は「安楽死が合法のオランダ
で研究論文が激減した」との論
文を根拠に、「医学の停滞」を主
張した。「レベルが高く、感心し
ました」と竹下先生は述べた。
授業改善の柱に、
アクティブラーニング
キャリア教育に力を入れる高
校 の 中 に は、 学 力 向 上 に 向 け、
ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ( A L )
そして今、本格化しているの
が「全教科でのAL」導入であ
る。昨年は一年がかりで職員研
修と勉強会を行った(資料⑥)。
まず各教科で「身につけるべき
力」を話し合う場として、4月
と5月に「アクティブラーニン
グ勉強会」を実施。6月には、「A
Lは学力にどうかかわるのか」
について、早稲田大学の枝川義
邦教授の「記憶と脳科学」と題
する講義を受けた。
7月の第2回教員研修会では
ワールドカフェ方式で「アクテ ィブラーニングの導入と課題」
を議論。「『本当に成果が上がる
の か 』『 従 来 の 授 業 形 態 を 否 定
そして、全教科での
AL授業の開発へ
4月30日第1回AL勉強会「アクティブラーニン
グ推進に向けて
5月14日第2回AL勉強会「アクティブラーニン
グとは?」
6月16日自然科学講演会に関する打ち合わせ
6月24日第1回教員研修会「記憶と脳科学」(早
稲田大学 枝川義邦教授)
7月 1日第2回教員研修会ワールドカフェ「アク
ティブラーニングの導入と課題」
7月 7日第3回AL勉強会「教員研修会のデータ
分析」
8月28日第 4回AL勉強会「振り返りシートにつ
いて」
10月 7日第5回AL勉強会「振り返りシートの活
用事例報告①
11月 6日第6回AL勉強会「振り返りシートの活
用事例報告②」
12月 8日第7回AL勉強会「授業実践に関する情
報交換会①」
論 文 日 誌 例 で あ る。 A さ ん は
「 歳で子宮頸がんを発症した
人 」 の 記 事 を 取 り 上 げ、「 人 生
が輝きを増す ~ 代に発症す
る の は と て も つ ら い 」「 自 分 自
身も未来や命を考えて検診を受
けたり子宮頸がんワクチンを接
種したりしたい」と感想を述べ
ている。これに対しBさんの「病
気であるのに前向きな姿に励ま
さ れ ま す 」、 先 生 の「 自 身 も つ
らいはずなのに、他の人のため
に活動する彼女の生き方は尊敬
しますね。未来の自分のために
しっかり健康管理しましょう」
とのコメントが続く。新聞記事
を軸にした対話で、興味深い。
もう一つ、1年次最後の「ディ
ベート」を見よう。竹下先生は
「世の中のことをきちんと調べ
ること、論理的に物事を考える
ことや、根拠を持って主張する
ことを学んでほしいと考えまし
た」と意図を語る。
2月のディベート大会に向け、
生徒は班ごとに 時間かけて準
備。 題あまりの論題例の中か
ら一つを選び、インターネット
等で調べ、論を構築する。
資料④ 小論文リレー日誌例
資料⑥ 職員研修・アクティブラーニング勉強会
SSH 研究開発主任
進路指導部
・酸化還元滴定・化学変化と量的関係・塩の
化学 性質・有機化学の様々な反応・中和滴定・化
学平衡・バイオディーゼル燃料
20
11
総合学習係
佐藤哲也 先生
湊 博之 先生
16
・生物多様性について考える・植生の遷移
生物 ・動物の行動・土壌動物と環境・体内環境
・ホルモン
資料④は2年生Aさんらの小
▲物理で「剛体のつりあい」の予想を図示
本田一恵 先生
30
4
1・2年生の「小論文日誌」
。竹
下先生は「高校生は世の中につ
いてよく知りません。3年で入
試小論文が必要になっても、材
料がなくては書けません。そこ
で少しずつ素材を増やそうと考
えてきました」と意図を語る。
1年次の小論文日誌は総合学
開発した教材
科目
2016 / 6 学研・進学情報 -16-
-17- 2016 / 6 学研・進学情報
06
23
25
など「授業改善」に取り組むと 「 何 と か 高 校 の 授 業 に 落 と し 込
ど、科目ごとに特色がある。
ころが多い。高松第一高校もま
めないか」と模索してきた。
例えば物理の「剛体のつりあ
た、2010年に「自ら考え判
い 」。 昨 年 月 に 行 わ れ た 研 究
理科ではALを「生徒の問題
断し行動できる人材を養成する
発 見・ 解 決 能 力 を 高 め る べ く、 授 業 で、 本 田 先 生 が 実 践 し た。
ためのカリキュラム開発」を掲
既存概念から新しい概念に移行
先生が「剛体のつりあい」を説
げてSSH校指定を受けて以降、 させる過程で、思考過程を重視
明後、班で「物体を支える糸を
理科を中心にALなど5つの柱
し、生徒同士の学び合いの機会
通した穴と同じ高さに開けた
を立て、授業改善を実施。昨年
を増やす」ため実施。生徒が自
穴」と「物体を支える糸を通し
からはSSH第2期で「全教科
分自身の言葉で説明し、他者の
た穴よりも低い位置に開けた
での授業改善」に取り組む。
意見に対して能動的に思考する
穴 」 の 二 つ の ケ ー ス で、「 お も
こ と を 通 し、「 学 習 内 容 へ の 理
りをつるして物体を傾け、静か
SSH研究開発主任の佐藤哲
也先生
(物理)
は「後に残るのは
解が進み、概念形成がスムーズ
に放した時に物体はどうなるの
やはり授業だろうと、手を挙げ
に進むような授業形態」を開発
か」を予想。その後、実験で検
ました」と振り返る。佐藤先生
してきた。資料⑤は理科のAL
証 す る と い う 流 れ だ。「 予 想 と
らは 年、香川大学でのASP
の授業一覧である。幅広い単元
違 う こ と が 起 き た 方 が 面 白 い。
EN( Asian Physics Education でALを導入してきた物理に対
こちらは『なぜそうなるのか?』
)に参加。米国の大学
し、化学は実験が可能なテーマ、 を考えさせたいんです」と佐藤
Network
の初等物理教育のALを体験し、 生物はフィールドワーク中心な
先生は言う。
A L で 大 切 な の は「 待 つ こ
と」。「教員はしゃべりたい。で
もそれを我慢して、生徒から出
て き た 答 え で ま と ま る よ う に、
発表の順番をこちらからコント
ロールします」(佐藤先生)。
進度も絡むため、AL型授業
は全体の約2割程度。準備には
手間もかかる。例えば物理では
ノウハウを先生方で紹介し合い、
共有できるようにしている。
資料⑤ 思考過程を重視した授業の試み(理科)
大学生と高校生を結ぶサイト 学生+生徒=ガクセイト
〒141−8415 東京都品川区西五反田2−11−8 TEL:03(6431)1187
お問い合わせフォーム:https://gakuseito.jp/f/contact/
らえることもできるということ
が 印 象 的 で し た 」「 将 来 送 り 出
す側になった時の心持ちについ
て考えるよいきっかけになりま
した」など考察が深まった様子
が読み取れる。聴講したある大
学教授は、「自分も高校時代にこ
ういう授業を受けたかった」と
深く感銘していたということだ。
*
佐藤先生はALについて、「今
後は各教科とも、分野の拡大と
精選、そして時間配分が課題で
す ね。 ま た 発 問 の 仕 方 の 工 夫、
ファシリテーション力も必要だ
と思います」と指摘する。また
湊先生は「国語科などは各先生
の授業スタイルがあり、一律に
取り入れるのは難しい。まずA
Lの手法を研究していくことが
大 事 で す 」 と 語 る。 一 方、「 A
Lを取り入れやすいのが『夢企
画』です」と竹下先生。
ALが今後、どう教科指導で
具体化されるのか。授業改善が
どう、生徒の学力と進路意識に
作用していくのか。「夢企画」も
含め、注目し続けたい。
(取材・文/福永文子)
株式会社学研プラス 出版プラス事業部
http://gakuseito.jp ガクセイト で検索!
2016 / 6 学研・進学情報 -18-
-19- 2016 / 6 学研・進学情報
ノートの
取り方を学ぶ
と佐藤先生は語る。
こうした場の一つが、今年
月に行われたSSH第2期の研
究発表会の公開授業。理科に加
え、 国 語 で も 湊 先 生 が 授 業 を
行った。テーマは「死生観」。生
徒らは「城の崎にて」で志賀直
哉 の 死 生 観 を 学 ん だ の ち、 グ
ループワークで自分自身の死生
観を語る。その後 冊余りの絵
本から1冊選び、死生観を読み
取る。そして3つの死生観を比
較、生と死への考えを深めると
いう流れだ。
資料⑧はCさんのワークシー
ト 例 で あ る。「 死 に は い ろ い ろ
なとらえ方もあり、前向きにと
河合塾の
「偏差値」で探す
2
受験に役立つ
「カラダ」のケア
学研が薦める
「特集」で探す
20
「資格」や
「進路」で探す
学ぶ
16
探す
選ぶ
65
進路・進学に迷ったら「ガクセイト」で検索。全国の大学情報から偏差値、資格、なりたい職業を選
んで、君にピッタリの学校を探すことができます。受験生の悩み、勉強のヒント、大学生活の実態な
ど、進学に役立つ情報も紹介されています。進路・進学のヒントを「ガクセイト」で見つけよう!
資料⑧「城の崎にて」ワークシート例
受験に
役立つ
情報を読む
するものでは』
『実態がわから
生 方 に 総 括 ア ン ケ ー ト を 実 施。
ない』など、一部を除いて懐疑
その結果、「今年度ALによる授
的な声が多かったです」と佐藤
業 を 実 施 試 行 し ま し た か?」
先生はその場の声を振り返る。
との問いに「はい」との答えが
%にも及んだ(資料⑦)。「数
その後、佐藤先生と進路指導
部の湊博之先生(国語)らが中
字 の 高 さ に、 正 直 驚 き ま し た 」
心になり、各教科で有志を募り、 と 佐 藤 先 生。 変 化 の 背 景 に は、
「 A L 勉 強 会 」 を 毎 月、 実 施。 前校長の竹本惠一先生自ら、毎
アンケートの分析とともに、各
月の「校長資料」にAL関連の
教科に応じたALを模索するべ
情報を多数盛り込むなど、情報
く、
共通テーマで
「振り返りシー
提供したことも影響している。
ト」を作成し、さらに「活用事
ALを実施した先生方に共通
例報告会」や「授業実践に関す
していた声は「生徒の変化」だ。
る情報交換会」を積み重ねた。 「 主 体 的 に な っ た 」「 楽 し そ う 」
これらを経て2月に再び、先 「理解が深まった」「他者の意見
を幅広く知ることができた」な
ど、ほとんどがポジティブなも
のだった。一方、先生方自身は
「生徒の理解度が把握できるよ
う に な っ た 」「 授 業 の ポ イ ン ト
が明確になり、メリハリができ
た」などプラス評価の一方、「教
材研究や発問の工夫が必要」「準
備が大変」などの声も見られた。
このように課題はあるものの、
ALへの関心は確実に高まった。
そこで 年度からは「お互いの
授業を見て、よい点と悪い点の
共有をしよう、と言っています」
学研進学サイト
or
試験対策や
イベント検索
進学する
大学を
見つける
資料⑦ アクティブラーニングの実施状況(16 年 2 月の職員アンケート)