たまには、ネガティブ・ランキングはいかが?

2016年6⽉13⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『たまには、ネガティブ・ランキングはいかが?』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
消費増税の延期や企業の3⽉決算も出揃い、やっと⽅向感が出てくることを期待していた株式市場ですが、実
際は売買代⾦の低迷と⽅向感の無さにスッキリしない市場環境が継続しています。
その様な中で今回は視点をかえて『ネガティブ・ランキング』を注⽬して⾒たいと思います。
⾼配当利回りランキングや⾼ROEランキング、⾼外国⼈持株⽐率ランキングなどポジティブサイドのランキ
ングはよく⾒かけると思います。ただ、そこに出ている銘柄の多くは既に物⾊されており、外国⼈が⽇本株に
興味を持たなくなっている今、更なるパフォーマンスを期待するのは難しくなっています。従って、いっその
こと逆に外国⼈に全く⼈気のない銘柄のランキングで過去最⾼益を更新している企業のリストを作成してみま
した。結果は以下の表となりました。
この表を⾒ると内需企業が多いことが読み取れます。また、配当利回りが低く株主還元に消極的な企業や、R
OEに対する意識が低い企業も多く⾒受けられます。やはり、外国⼈持株⽐率が低いのにはそれなりの理由が
ありそうです。
ただ逆にそれらの問題点が取り除かれれば株価は⼤きく変化することも⾒逃してはなりません。つまり、これ
らの銘柄は、今後スチュワードシップコードやコーポレートガバナンスコードを受け、⼤きく変化する余地が
あるということになります。そうなれば株価も⼤きく上昇することが期待できます。まさにジメジメとした梅
⾬時のような⽇本株をスッキリとさせてくれることになるでしょう。たまには、このようなネガティブ・ラン
キングを⾒てみることも興味深いことだと思います。
【過去最⾼益更新で外国⼈持株⽐率の低いランキング】
銘柄コード
銘柄名
外国⼈持株⽐率
銘柄コード
4974
タカラバイオ
東証33業種
化学
2%
8133
エネクス
卸売業
12%
8174
⽇ガス
⼩売業
5%
1835
東鉄⼯
建設業
12%
5122
オカモト
ゴム製品
5%
9045
京阪HD
陸運業
12%
2220
⻲⽥製菓
⾷料品
6%
8850
スターツ
不動産業
12%
4091
⼤陽⽇酸
化学
6%
9202
ANAHD
空運業
12%
8088
岩⾕産
卸売業
6%
8279
ヤオコー
⼩売業
12%
1720
東急建
建設業
7%
1959
九電⼯
建設業
12%
9031
⻄鉄
陸運業
8%
7994
岡村製
その他製品
13%
9003
相鉄HD
陸運業
8%
9706
⽇本空港ビル
不動産業
13%
1333
マルハニチロ
⽔産・農林業
8%
1969
⾼砂熱
建設業
13%
9044
南海電
陸運業
8%
9007
⼩⽥急
陸運業
13%
4246
DNC
化学
9%
8086
ニプロ
精密機器
14%
4733
OBC
情報・通信業
9%
6641
⽇新電
電気機器
14%
2201
森永
⾷料品
10%
1950
⽇本電設
建設業
14%
3738
ティーガイア
情報・通信業
11%
3635
コーテクHD
情報・通信業
14%
1762
⾼松グループ
建設業
11%
9605
東映
情報・通信業
11%
銘柄名
※2016年6⽉1⽇時点の時価総額1,000億円以上のTOPIX採⽤銘柄を対象に、直近3⽉決算期で営業
利益または経常利益が過去最⾼益の銘柄を抽出。外国⼈持株⽐率は直近有価証券報告書ベース。
(出所)QUICKのデータをもとに⼤和住銀投信投資顧問作成
■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ
り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの
ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成
しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当
資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在におけるレ
ポート作成者の判断に基づくものであり、事前の予告なしに将来変更される
場合があります。■当資料内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去の
ものであり、将来の運⽤成果等を約束するものではありません。■当資料内
のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
東証33業種
外国⼈持株⽐率
株式運⽤部
⼩出 修
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会