グローバルマーケットトピックス(GMT)6月14日号

2016/
グローバル・マーケット・
トピックス
6/14
投資情報部
半杭 亮一郎
個人型確定拠出年金の加入対象者が大幅に拡大
 加入対象者が現在の約4,000万人から来年1月には約6,700万人に
 現状では利用が低迷するが、法改正を受けた金融機関の取り組み強化の動き等に期待
 NISAの口座開設者は約1,000万人、確定拠出年金もNISA並みに加入が増えるかに注目
主婦や公務員等も含
め、ほぼすべての現
役世代が 利用可能
に
5/24に改正確定拠出年金法が成立し、2017年1月から個人型の確定拠出年金の
加入対象者が大幅に拡大されることが決まった。確定拠出年金は、国が運営する
国民年金や厚生年金の上乗せ部分となる企業年金の一種。掛け金の運用先を自
分で選び、その運用成績次第で将来受け取れる年金額が変わる。会社単位で加
入する企業型と、個人が自ら加入する個人型があり、個人型確定拠出年金の対象
者は、現在、自営業者や勤務先に企業年金のない会社員ら約4,000万人。これに
専業主婦や公務員、すでに企業年金に入っている会社員が加わり、ほぼすべての
現役世代である約6,700万人が利用可能となる。
節税効果が大きく、
老後の資金づくりに
適した制度
個人型確定拠出年金は、2014年にスタートした少額投資非課税制度(NISA)以上
の税制優遇メリットを受けながら資産形成が行える制度として注目される。NISAは年
120万円までの投資について運用益が非課税となるが、個人型確定拠出年金は運
用益に課税されないだけでなく、拠出金額の全額が所得控除の対象となり、負担す
日本の年金制度体系
国民
年金
基金
付加年金
81万人
45万人
確定拠出
年金
(個人型)
21万人
( 民間サラリーマン)
3,599万人
厚生年金
基金
確定給付
企業年金
363万人
782万人
(代行部分)
確定拠出
年金
( 企業型)
505万人
厚生年金保険
年金払い
退職給付
( 公務員等)
441万人
国民年金(基礎年金)
6,713万人
第2号被保険者の
被扶養配偶者
自営業者等
第3 号被保険者
932万人
第1 号被保険者
1,742万人
会社員
第2 号被保険者等
4,039万人
(注)数値は2015年3月末時点。速報値は斜字体で表記
出所:企業年金連合会資料よりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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公務員等
2016/6/14
グローバル・マーケット・トピックス
る所得税や住民税が少なくなる。また、原則60歳からの受け取り開始後も優遇税制
が適用されるが、NISAと違い途中引き出しは行えない。それぞれの特徴をふまえれ
ば、個人型確定拠出年金は老後に備えた資産形成、NISAはいつでも引き出しがで
きる長期投資資金の運用、といった利用が考えられる。
個人型確定拠出年金とNISAの比較
税制上
の特徴
個人型確定拠出年金
N ISA
運用益
非課税
非課税
(非課税期間は最長5年間)
所得控除
掛け金は全額を所得控除できる
所得控除なし
給付時の課税優遇
年金受け取りの場合は公的年金
等控除、一時金受け取りの場合
は退職所得控除の対象に
―
原則60歳まで引き出し不可
いつでも可
引き出し制限
出所:各種資料よりみずほ証券作成
このように、節税効果の大きい個人型確定拠出年金だが、今のところ利用の動きは
低迷している。企業型の確定拠出年金の加入者が2015年3月末時点で約505万人
なのに対し、個人型は約21万人(加入対象者の0.5%程度)。理由としては、制度に
対する認知度が低いことに加え、加入手続きの煩雑さ等が考えられよう。ただ、今回
の法改正で主婦や公務員等も対象者となるのを機に、顧客獲得への取り組みを強
める金融機関が増えてくることが想定され、今後の普及の追い風になると見込まれ
る。また、少子高齢化の進展で公的年金の受給額が減るとみられるなか、それを補
完する柱の1つとして国が個人型確定拠出年金を明確に位置付けている点も、将来
のさらなる利用促進策への期待という観点から注目されよう。
株式市場でも投資資
金流入への期待から
高い関心
一方、株式市場でも、個人型確定拠出年金の加入対象拡大は投資資金流入への
期待から関心が高い。同じ税制優遇制度であるNISAは、口座開設者が現在1,000
万人に達しているとみられ、2014~15年の2年間における株式や株式投資信託等
への投資額は約6.4兆円にものぼる。一部報道によると、厚生労働省は企業型も含
む確定拠出年金についてNISA並みの加入を目指したいとしている。この場合、利
用者は約500万人増加し、仮に1人当たり年12万円(月1万円)を拠出すると、年
6,000億円程度の資金規模となる計算である。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
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グローバル・マーケット・トピックス
金融商品取引法に係る重要事項
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リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化
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込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
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○保護預かり口座管理料は無料です。
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む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
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国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
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細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に
対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、
約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
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商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
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