プロジェクトの初期段階から詳細な原価を 把握することで一定の利益率を

エダ工房株式会社
プロジェクトの初期段階から詳細な原価を
把握することで一定の利益率を確保しつつ
適切な価格で建築物を提供
導入の狙い
見積りの段階で原価を正確に把握し
たい
見積書や実行予算のデータをスムー
ズに共有したい
導入システム
建設業向け支援システム『POWER
見積』
プロジェクト原価管理システム『コス
トマネージャー』
導入効果
見積書と同時に実行予算を作成する
ことを実現
初期段階から詳細な原価と利益率を
把握
原価に関するメンバーの意識が向上
データのスムーズな共有と有効活用
を実現
—USER
魅力あふれるデザイン性と建築に関するノウハウを持ち合わせることで高品質な住宅や店舗を提供
エダ工房株式会社では、見積書作成や原価管理に関する作業効率を改善するため
に建設業向け支援システム『POWER見積』およびプロジェクト原価管理システム
P R O F I L E ———————————————————
エダ工房株式会社
『コストマネージャー』を導入した。見積書と同時に実行予算を作成することで初
期段階から正確に原価を把握し、利益率を確保しつつ適切な価格で建築物を提供
●業種:建設業
することを実現。スタッフの原価に関する意識変化を促したほか、スムーズなデー
●事業内容:
リノベーション
(住宅・店舗)、
タ共有による効率的な情報活用を促進している。
店舗デザイン
(新装・改装)
、
注文住宅
(新
築)、エクステリアデザイン、設計施工、
家具・什器の制作販売、グラフィックデザ
イン
●従業員数:10名
(2016年6月現在)
設計、施工、家具販売
など建築に関するサービ
スをワンストップで提供
2016年5月取材
店舗造りの実現を目指したことから、
デザインと建築のノウハウにより、
付加価値の高い建築物を提供
ダ工房とした。
代表取締役の藤江
「エダ工房は2012年1月に神奈川
大樹氏、
二人の名前を組み合わせ、会社名をエ
DESIGNERの野田 洋平氏、この二
県厚木市で創業し、建築デザイン事務
人の出会いからエダ工房株式会社(以
所『OHESO GARAGE』を運営して
下、エダ工房)の歴史は始まった。藤江
います。厚木は神奈川県の中心に位置
氏の建築に関するノウハウと野田氏の
し、いわば神奈川県の『おへそ』
といえ
グラフィックデザインのスキルを組み
る立地なので、ここからお客様に素晴
合わせることで、付加価値の高い住宅・
らしい住宅や店舗を提供していきたい
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エダ工房株式会社
という願いを込めました」と藤江氏は
リノベーションすることで、魅力的な店
同社のビジョンについて語る。
舗に仕上げていたのです。その後、店
エダ工房の強みは、設計事務所と工
舗のデザイン性が評価され、住宅の注
務店の役割を1社で担う点にある。通
文もいただけるようになり、今では店
常の設計事務所では施工は外部の工
舗と同じぐらいの数の住宅を手掛ける
務店に委託し、工務店では設計を外注
ようになっています」
と野田氏。
することになるが、エダ工房は設計か
さらにエダ工房は家具販売でも定評
ら施工までをワンストップで引き受け
がある。
ることが可能だ。従って、施工途中に変
「これまで無店舗で家具販売を行っ
更が発生した場合でも柔軟に対応する
ており、お客様からは好評をいただい
ことができる。
てきました。そこでこのたび家具販売
またエダ工房の最大の魅力はデザ
の店舗を構えることになりました。これ
イン力にある。同社では事務所の内装
まで事務所を構えていた部屋を改装し
を自ら手掛けており、それがデザイン
て店舗化するほか、海老名にも1店舗
サンプルとして機能している。
開設します」
(藤江氏)
デザイン・営業 代表取締役/二級建築士
藤江 大樹氏
「新しいシステムや技術が続々と登場して
いますが、今後も時代に見合った有効な製
品やサービスを大塚商会さんに紹介してい
ただきたいですね」
「相談に来られるお客様は高いデザ
イン性を求めているケースがほとんど
事務所にいらっしゃると当初抱いてい
新たにシステムを導入し、
見積書作成や原価管理を効率化
たイメージをやめ、
『この事務所のよう
通常、住宅や店舗を建てる場合、基
な雰囲気でお願いします』
とおっしゃる
本設計、詳細設計、そして施工に着手
こともたびたびあります」
(藤江氏)
してからの設計変更といった工程を経
事務所の壁や天井にはベニヤ板を
るが、その都度見積書や実行予算など
使用しているため、資材費はそれほど
を作成し、原価管理を行うことになる。
設計・デザイン DESIGNER 掛かっていない。しかし、適度に施され
そして、エダ工房ではこれまで見積書
野田 洋平氏
た白い塗装や天井に張り巡らされた竿
の作成や原価管理にExcelを活用して
縁(天井に平行に取り付けた細長い木
きた。
で、強いこだわりをお持ちです。
しかし、
材)などのアクセントがベニヤ板の木
「Excelでは見積書作成時に実行予
目と相まって独特の空間デザインを実
算を自動的に作成することができませ
現。さらに厳選された家具の数々が配
ん。複雑な計算式を組み込めば不可
置され、内装のデザイン性をさらに引
能ではないかもしれませんが、大きな
き立てている。
手間が掛かってしまいます。従って実
こうしたデザイン性が評判となり、厚
行予算は別途手作業で作成していまし
木近辺のみならず東京都や近隣県から
た」と野田氏はExcelによる見積書作
も引き合いがあり、広域にわたって優
成の課題点について説明する。
れた住宅や店舗を提供している。
またExcelはメンバー間での共有に
「もともとは建築とグラフィックデザ
関しても不都合があった。
インの組み合わせをセールスポイント
「各項目の単価はお客様との交渉
として、店舗物件を数多く手掛けてい
により多少の上下はあるものの、ある
ました。古い建物の雰囲気を生かして
程度の基準が必要です。そこで、ほか
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「ITと疎遠になりがちな建築業界の中で、
エ
ダ工房はそうした技術への感度を高めるよ
うに努めています。そこに大塚商会さんの
サポートが加わればとても頼りになると思っ
ています」
の見積書を参照したいのですが適切
ので、活用方法やメリットなどをよく理
なファイルを探し出すことに手間が掛
解することができました」
(野田氏)
かっていました。作成した見積書はファ
こうして2015年8月に『POWER
イルサーバーに入れて、全てのスタッ
見積』と
『コストマネージャー』の導入
フが参照できるように運用していまし
が決定。新たにサーバーを導入し、そ
たが、多数のファイルが保存され、どの
のシステムに社内のPCのみからアク
見積書をいつ誰が更新したのかという
セスする形での活用が始まった。
ことを把握することも難しい状況にあ
「導入当初の1カ月程度をトレーニン
りました」
(野田氏)
グ期間としました。その際大塚商会さ
こうした課 題を解 決するためにエ
んの担当の方に操作方法を丁寧に教
ダ 工 房 は 大 塚 商 会に相 談 を 持 ち 掛
えていただけたのですぐに慣れること
けた。そして建設業向け支援システム
ができ、10月からは本番環境での運
『 P O W E R見積 』とプロジェクト原価
用が開始されました」
(藤江氏)
管理システム『コストマネージャー 』
が提案された。
『POWER見積』
と
『コ
ストマネージャー』は大塚商会が提供
する基幹システム『SMILE BS 2nd
見積りの段階で各種原価を把握し、
適切な価格で建築物を提供
Edition』シリーズの建設業向け製品
『 P O W E R見積 』と『コストマネー
で、両製品を組み合わせることで見積
ジャー』の本格運用を開始したエダ工
書、実行予算の作成や原価管理に関す
房では、さまざまな成果を上げている。
る作業の効率化が実現する。
「『POWER見積』
と
『コストマネー
「複合機の導入を相談したことから
ジャー』
を組み合わせることで、見積書
大塚商会さんとの取引が始まったので
と同時に実行予算を作成することがで
すが、その際原価管理と見積書作成に
きるようになりました。おかげで作業
ついて相談したところ
『POWER見積』
効率が向上した上、初期段階から原価
と
『コストマネージャー』を提案してい
をしっかりと把握できるようになりまし
ただきました。ほかにも何社か検討し
た。以前はプロジェクトごとの見積書と
たのですが、大塚商会さんの提案は機
実際の発注伝票や仕入れ先からの請
能的に申し分ない上、以前別の職場に
求書を個別に管理していたので、両者
在籍していたときの経験でサポートが
を照らし合わせて正確な原価率を算
しっかりしているということが分かって
出するためには多くの手間が必要でし
いましたから、これらの2製品を導入す
た。そのため大まかに原価率を把握し
ることに決定しました」
(藤江氏)
ている状況で感覚的に値下げを行い、
「こうしたシステムの一般的なサポー
利益率が下がりすぎてしまったという
トは、Webや電話を通じて提供される
ケースもありました。今では、
『コスト
ケースが多いのですが、それでは細か
マネージャー』で発注伝票や請求書を
い点が分かりません。大塚商会さんは
手軽に参照でき、詳細な原価率を把握
必要なときに営業の方に足を運んでい
することが可能になりました。見積りの
ただけるのでとても分かりやすく、提
段階で利益率や資金繰りなどを見通す
案の際も実際にデモを行ってもらえた
ことができるので、経営面でも大きな
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エダ工房株式会社
メリットがあります」
(藤江氏)
また原価管理に関するスタッフの
意識も大きく変化してきたと野田氏
は言う。
「現在ではしっかりと利益率を把握し
ながらお客様と相談できるようになっ
たので、例えば予算が合わない場合、
単純に値引きするのではなく、仕様変
更などでお客様のニーズを満たしつ
つ利益も確保するという対応ができま
す。これまでのように資材費を正確に
把握しないままお客様と打ち合わせす
るというようなことはなくなり、一人一
人の意識も大きく変わりました」
またデータ共有の面での成果も大
と思っています。そうすることで、お客
きい。
様に波及するメリットも増えてくるの
「これまでは参照したい見積書を探
ではないかと期待しています」
すために、Excelファイルを一つずつ
また見積りや原価管理以外のシス
開く必要がありましたが、
『POWER見
テムについても導入を検討している。
積』では一覧表示されるので、目的の
「家具販売の店舗を開設しますの
データをすばやく見つけ出すことがで
で、そこで活用するPOSシステムにつ
きます。見積書や実行予算を作成する
いて具体的に導入を検討している状
ために役立つことはもちろん、経理ス
況で、既に大塚商会さんに提案いただ
タッフが先々の支払い予定などを把握
いています。また今後は会計システム
できるようになりました」
(藤江氏)
や販売管理システムなど、有効に活用
『POWER見積』
と
『コストマネージャー』により適切な原
価管理を実現
できそうなシステムは前向きに導入を
検討し、時代に見合った社内環境を整
新たなビジネスにチャレンジするため、
社内環境のさらなる整備を促進
えていきたいと思っています。そうす
今後は『POWER見積』
と
『コストマ
することで、新たなビジネス領域に計
ネージャー』をさらに有効に活用する
画的に投資できるようになるでしょう。
ことを目指すと藤江氏は言う。
そして同業他社がまだ手掛けていな
「システムを活用し始めてから半年
いような取り組みを推進し、お客様に
強が経過し、最初のころに適用した案
より高品質な住宅関連サービスをワ
件がようやく完成する時期になりまし
ンストップで提供していきたいと思っ
たので、システムの一通りの使い方を
ています」
(藤江氏)
把握することができました。まだ利用
エダ工房は、今後も高品質の建築
れば、経営上の数値をしっかりと管理
できていない機能もありますので、そ
物を適切な価格で提供し、人々の豊か
の使い方を覚えるなど、今後はさらに
な暮らしの実現に貢献していく。
有効な活用方法を模索していきたい
エダ工房株式会社のホームページ
http://oheso-garage.com/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2016年5月に作成されました。
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