平成28年度事業計画 - 一般財団法人 公園財団

平成28年度事業計画
一般財団法人公園財団
平成27年度事業計画について
再デザインに取組む
《前
文》
当財団は、「自立と自律」を運営方針の柱とし、公園を主な舞台に公共サービスの質
の向上のため、一般財団法人に移行後、毎年度スローガンを掲げることで全職員の想い
を一つに取り組んでいます。平成24年度の「可能性への挑戦」に続き、「可能性に加
え、信頼性の確保」
(平成25年度)、「問題を直視する」(平成26年度)、「競争力をつ
ける」
(平成27年度)とし、数々の挑戦と着実な実施に努めてきました。
平成28年度は、更にワンランク上を目指す仕組み、組織になるよう、財団全体はも
とよりスタッフ一人ひとり、あるいはグループで「再デザインに取組む」ことが重要と
考え、これを法人経営の基本とします。
これに基づき、ゼロベースでの事務事業の見直し、業務の改善と事務の効率化による
コスト縮減を行い、収益性の向上と経営基盤の安定化を図ります。あわせて職員の意識
改革と社会変化に対応し、自ら変革できる人材の育成と活用、組織力の強化に努めます。
公園の管理運営については、環境保全、レクリエーション、景観形成、防災等の基本
的な機能への対応、更に少子高齢化、人口減少といった状況の変化に適切に対応するこ
とが重要です。また、市民とのパートナーシップの推進、そして一層の効率化、さらに
地方創生を含む豊かな地域づくりへの貢献など、公園管理の新たな方策を具体に移す手
法開発が待たれています。
そこで当財団は、公園マネジメント全般について考究し、効率的な管理運営技術の開
発や公園文化を創造する市民協働の検討、エリアマネジメントや観光施設等との連携、
大学等との協定やインターンシップを活用した地域連携の具体化など、多面的に取組み
ます。
都市公園等の管理運営業務の実施に当たっては、これまで培ってきた管理運営技術と
公益性の高い事業経験を活かし、豊かなパークライフを実現するプログラムを提供しま
す。これにより『地域生まれの世界水準』をスローガンに質の高い公園等の管理運営を
行い、利用者の視点に立って市民・公園管理者等の要請に応え、全国にある10万箇所
以上に及ぶ都市公園の模範となるよう努力します。
調査研究・人材育成等事業の実施に当たっては、新財団移行後4ヵ年の実績を踏まえ、
公益目的支出計画に定める実施(公益)事業(以下の5、6、7に掲載の事業)を的確
に行います。研究に基づく技術開発、エリアマネジメントの実施に際しては必要に応じ
た社会実験にも取組み、豊かなパークライフ実現に結びつく事業を積極的に展開します。
≪事業概要≫
1.公園緑地等の管理運営
業務全体のマネジメント統制の下、企画立案業務、施設・設備維持管理業務、植
物管理業務、自主事業等の運営維持管理業務を総合的に実施し、適正な管理運営と
利用者サービスの向上を図り、都市公園の価値の向上を目指します。
実施に当たっては、清潔・快適性の確保、安全管理の徹底に努め、参加型行催事・
各種プログラム等を実施するとともに、市民ボランティアや周辺観光施設、インタ
ーンシップを含む大学等との連携による地域貢献など、ハード・ソフト両面で取り
組みます。
また、各公園の目標数値達成及び企画提案内容の確実な履行を徹底するため、自
己点検評価委員会等にて、管理運営業務全般を総括し、継続的な運営管理と利用者
サービスの向上を図ります。
イ号国営公園の運営維持管理業務では、当財団は引き続き、9国営公園のマネジ
メントを行います。また、新たに文京区立新江戸川公園の指定管理業務を行うこと
となり、これにより13の国営公園の運営維持管理業務と17の都市公園において
指定管理業務等を実施します。
2.物品販売等
当財団が運営維持管理業務を受託している国営公園等において、オートキャンプ
場、プール、売店、レストラン、駐車場、貸自転車等の事業を効率的かつ効果的に
実施し、お客様のニーズに応えサービスを充実するとともに安定的で健全な財団運
営に必要な収益を確保します。
実施に当たっては、安全・快適かつ清潔な環境を確保し、お客様の満足度を高め
るためのサービス提供に努めます。また、財団ブランドとしての公園オリジナル商
品の開発を進め事業収入の拡大を図るとともに、常にサービス内容とコストのバラ
ンスに留意し、事業の進め方や人員配置を見直すなど効率化に努め、サービスの向
上と収益性の向上を図ります。
さらに、物品販売事業の他、都市公園管理事業者の要請と要望に応えるため、人
材派遣(特定労働者派遣事業)に引き続き取り組みます。
3.行催事・各種プログラムの実施
国営公園等のフィールドを活用して、地域に根ざした伝統文化の保存・普及や
花・緑など豊かな公園資源を活かした各種の行催事並びに市民のニーズ等に対応し
た環境教育、健康スポーツ、文化や知識の普及啓発に関する各種のプログラムを実
施するなど、参加体験型の多様な活動や利用サービス等に取り組み、豊かなパーク
ライフの充実を図ります。
4.受託調査等の実施
国、地方公共団体等が実施する公園緑地等の管理運営に関する調査研究等につい
て、そのニーズに応えるべく受託に向けて積極的に公募にも対応します。
また、新たに都市公園等の管理運営のマネジメント支援事業に取組むとともに先
進的な技術開発に取り組みます。
実施に当たっては、当財団のノウハウとネットワークを結集し、効果的に取り組
みます。
5.公園緑地等の利用増進と適正な管理運営に関する調査研究及び技術開発
環境保全、レクリエーション、景観形成、防災、更には少子高齢化等の社会的要
請に適切に応えるとともに、公園緑地等の利用増進と適正な管理運営に関する諸課
題に的確に対応します。そのための調査研究・技術開発を公園管理運営研究所が主
導して実施します。
国内外の事例や情報の収集、多様な視点を踏まえた総合的研究、新たな技術開発
の実施に当たっては、必要に応じて、研究顧問、客員研究員をはじめ、大学・研究機
関の研究者や専門家等の協力を得ることとします。
研究等の成果は、ホームページ上での掲載、印刷物の作成・配布、関連学会での
発表等により、広く社会全般に還元します。
6.公園緑地等の利用増進と適正な管理運営に貢献する人材の養成
公園緑地等の利用増進と適正な管理運営に貢献する人材を養成するための事業
を公園管理運営研究所を中心に実施します。
①環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」の指導者養成
環境教育推進法に基づく人材認定等事業である環境教育プログラム「プロジェ
クト・ワイルド」の指導者を養成するため、教材の翻訳・作成、指導者養成講習会
の開催等を行います。
これらの事業を強化し、環境教育をさらに推進させるため、公園管理運営研究
所に新たに環境教育推進室を設け、組織の充実を図ります。
また、ファシリテーター資格更新制度を継続し、平成25年度に導入した
Growing Up Wild(幼児向けワイルド)の普及も引き続き実施します。更に、新た
な取組みとして、ペンシルヴェニア州政府主導で開発された鳥のさえずりプログ
ラムを、平成28年度、日本に導入する予定です。
指導者の知識や能力の維持向上、活動の促進等を図るため、フォローアップ講
習や全国大会等の開催、ホームページ上での情報提供等も継続的に実施して、関
連団体との連携も含め、新たな展開の可能性について検討します。
②公園管理運営士認定試験等
公園緑地等の管理運営を円滑かつ効果的に実施するための総合的なマネジメ
ント能力を備えた人材を養成するため、植物管理、施設管理、安全管理、広報・
行事、利用サービス、市民参加、地域との連携、環境への配慮、公園経営等に関
する試験を主宰します。
なお、事業の運営にあたっては、試験の客観性、公正性を確実にするため、試
験実施と登録認定等の事務を一般社団法人日本公園緑地協会に委託します。
公園管理運営士の有資格者が、国際資格(※CIPP:Certified International
Parks Professional)を取得する際の支援を、一般社団法人日本公園緑地協会、
一般社団法人公園管理運営士会、World Urban Parks ジャパン等の関係機関と連
携して行います。
※World Parks Academy が認定
7.公園緑地等における環境教育・動植物等の知識・利用増進に関する普及啓発
広く一般市民の方々を対象として、環境教育の推進、動植物等の知識の普及、公
園緑地等の利用増進を図ることを目的とした普及啓発活動を行います。
①花みどり文化の普及
環境教育や動植物等に関する知識や文化の普及及び公園緑地等の利用増進
を目的とした公園文化情報サイト「公園文化 Web」に関し、新たなコンテンツの
充実を図るとともに、全国の「緑花文化士」によるコラム投稿やミニ検定の問題
作成を行います。また、昨年新たに運用を開始したフェイスブックの充実を図り
ます。
②「公園・夢プラン大賞」の実施
公園緑地等の利用増進を目的に、全国の都市公園において、市民の自由な発想
で実施された夢のある活動実績や自由なアイデアを募集・審査し表彰するととも
に、その結果を関係団体と協力して全国の自治体や公園に向けて情報発信し、都
市公園等の利用促進に役立てます。
③公園緑地等の利用増進や管理運営に関する講演会等の開催
公園緑地等の利用増進及び都市緑化の推進を図り、公園管理運営担当者等の知
識や技術の向上を促進することを目的として、講演会・交流会(公園管理運営フ
ォーラム、海外情報交流会、賛助会員向け講演会等)を開催します。実施に当た
っては、公園管理運営研究所開設10周年記念事業と位置付け、最新情報の提供、
実践事例の発表、意見交換等を行います。
④普及啓発に係る諸事業
国、地方公共団体、関係団体等とともに、公園緑地等の利用増進及び都市緑化
を推進するため、国が主唱する「春季における都市緑化推進運動(4月1日~6
月30日)」や「都市緑化月間(10月)」等における諸行事を実施又は支援しま
す。また、トルコ共和国アンタルヤ市にて開催される国際園芸博覧会や都市公園
法施行60周年等記念事業の実施を支援します。
8.その他
①公園等で働くすべての従業員に法令順守等を徹底します。
②管理運営等を受託している公園での事故を確実に防止するため、基本の徹底と組
織的な安全確保を図ります。
③女性を含め全ての職員が活躍できる職場の確保とともに職員の処遇と職場環境
の継続的な改善を図ります。
④公園管理に必要な人材育成と組織力の強化を図るための職員等の技術研修や国
内外の先進事例調査や各種資格の取得等を計画的に支援します。