TOP MESSAGES 特集 新 役 員 新 役 員 理事(社会連携担当)・副学長 理事(財務・施設担当) 横山 俊夫 松浦 功 着任以来、 「近江らしい学問」を想うことしきりです。本学を学外から支援して 滋賀大学は、魅力と活力に満ち溢れた大学、学生諸君に「滋賀大学に入学して いただいている方々の珠玉の言葉にふれる機会が多いからです。 良かった」 と思える大学づくりを行っております。私の主たる担当分野で申し上 たまたま昨夏、経済学部附属史料館で、幕末期の湖東で出版された長者番付 げれば、大学施設の耐震化を強力に推し進め、既に全ての施設で、文部科学省 を見ました。何ごとも数値化し順位づける風潮は、いまや世界の大学を巻きこ 計画における基準以上の耐震性を確保したところです。また、 トイレの改修、講 み、自他をながめる精神を貧しくしがちですが、展示のものは相撲見立てで、東 義室の改修、机・椅子の更新、テニスコートの照明改修など課外活動施設の環境 西にわかれ、後見や頭取の席もあり、読者も楽しめたでしょう。さらに、当時の大 整備、学生寮の改修・防犯対策など学生諸君が安心・快適に教育を受けられる 都会の粗製濫造ぎみの同類番付に比べ、より細やかな目配りがあり、これぞ「近 環境整備に力を注いでいるところです。 江風」 と膝をうちました。たとえば、居ならぶ長者の上につけられた宝珠や枡形 滋賀大学は、学生諸君が経済的理由で学業を断念することが極力ないよう、 の印。それらは、信用、金の使いよう、道具や庭の好みも見極めての類別で、序列 授業料免除や奨学金貸与を行っています。実施に当たっては、国から交付される とは別。 また、次世代のことを考えぬ「一代栄花」組は「裏土俵」に、急成長組は行 予算以上に学内の予算を工夫して行っています。 司役に囲いこんでいます。史料館長の宇佐美 英機先生によれば、小資産ながら 我が国の高等教育への公財政支出は、GDP比0.5%に過ぎず、OECD加盟諸 三役力士中に座を占める人がおり、その点に、コノ人ナクシテ皆ノ繁栄ナシとの 国平均の1%を大きく下回り最下位です。国立大学法人を取り巻く環境も厳しく、 番付作者の見識が示されているとのこと。 この番付の柔軟で周到な複眼ぶりは、 財政的基盤をなす国立大学法人運営費交付金(国からの補助金)は、毎年度1% 大学経営のみならず、教育現場のヒントにもなりそうです。 減額されています。 さて本学では、昨年の震災人災を機に、地域とのどのような連携に支えられた そのような厳しい状況の中でも、魅力と活力に満ち溢れた大学づくりに全力で 教育研究が大切かを問いなおす機運が、大津、彦根の両キャンパスに生まれて 取り組んで参りますので、皆様のご支援、 ご協力をよろしくお願い申し上げます。 います。 この問いをめぐる熱い対話と大胆な試行が、学内外にまたがり、老若新 旧の差を超えて広まるなら、さまざまな「近江らしい学問」が輝くでしょう。あらた な出会いが「近江風」に深まりますよう、一層のご支援をお願いいたします。 6 7
© Copyright 2024 ExpyDoc