論 文 審 査 の 要 旨 - 昭和大学学術業績リポジトリ

別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号
甲 第
論文審査担当者
2709 号
氏 名
主査
瀧本
雅文
副査
高木
康
教授
副査
笠間
毅
教授
宇藤
唯
教授
(論文審査の要旨)
ト ロ ン ボ ポ エ チ ン (TPO) は 巨 核 球 ・ 血 小 板 系 細 胞 の 増 殖 分 化 を 促 進 す る サ イ ト カ イ ン だ
が、免疫性血小板減少性紫斑病 (ITP) 患者では血小板減少にもかかわらず十分な血清 TPO 濃
度上昇を認めない。TPO 受容体作動薬である Eltrombopag は、内因性 TPO と競合せずに TPO
シグナル伝達経路の一部を活性化させ血小板産生を促進する。
本研究では昭和大学病院・藤が丘病院において 2010 年 12 月~2014 年 8 月に Eltrombopag
を投与された ITP 患者 42 例を解析した。29 例 (69 %) で効果が得られ、30 例 (71 %)で何ら
かの有害事象を認めたが認容可能で、これらの成績は海外の報告と同様であった。一方、本研
究は①投与開始時年齢が高いこと (70 歳以上)、②ITP 診断時の骨髄生検細胞密度が正形成あ
るいは低形成であること、が効果発現と有意に関連することを明らかにした。
①については白人を中心とした解析では年齢と Eltrombopag の有効性は関連しない とされ
ており、その機序は不明である。東アジア人では Eltrombopag の生体利用性が高いという報
告もある。高齢の日本人では薬物動態の違いなどが効果に影響する可能性が 推察された。②に
ついては骨髄生検所見と Eltrombopag の効果の関連を検討した 報告はなく新知見である。治
療選択において骨髄生検所見が重要な役割を持つ可能性が示された。
本研究は海外で有用性が確立されている Eltrombopag の効果・安全性を改めて日本人のみ
を対象に解析した。臨床因子・臨床検査所見とその効果の関連性に着眼し、臨床に有用で新知
見を得ていることから学術的価値があり、学位論文に値すると判断した。
論文題名:
Age and bone marrow cellularity are associated with response to eltrombopag in Japanese
adult immune thrombocytopenia patients: a retrospective single -center study
(日本人 の成人免 疫性血 小板減少性紫 斑病患者 にお いて、年 齢および 骨髄細胞密度 がエルト ロ
ンボパグに対する反応性と関連する: 後方視的単施設研究)
掲載雑誌名:
臨床病理
第 63 巻 第 5-7 号 (平成 27 年) 掲 載予定
(主査が記載、500 字以内)