JNK000503

天理大学人権問題研究室紀要
第5号
: 23 一 62, 2002
奈良県の地域日本語教室に 関する共同研究
角 知行,中井英民,岡田
青轍
SUMI
Tomoyuki , NAKAI Hidetami;
OKADA
Tatsuki
目次
1 . 地域日本語教室の 開設とその運営…
角 知行
@23
2,
日本語教育 (学習支援 ) の方法と課題…中井英民……
3.
国際交流と生活支援…岡田
4.
むすび : 多様性のなかの 日本語教室… 角 知行
@56
参考文献・資料
@60
龍樹
@48
をへらすために ,
l . 地域日本語教室の 開設とその運営
]一@
38
い漢字はできるだけつかわないという
方
針 で記述する。 最初は多少 ょ みにくいか
調査の目的と 方法
近年,わが国でくらす 新渡日者
訓よめ 漢字, わっかし
(ニュー カ
マ 円のための日本語教室の 増加が目につく
ようになってきた。 彼女ら・彼らには , 旧渡
日者 (オールドカマ 円のかかえる 問題のほ
かにあたらしい問題があ る。 そのひとつが
日
もしれないが ,
ご容赦いただきたい。
角 ・中井・岡田の 3 名は,現在,本学の
人
権 問題研究室の 研究員をかねている。 1999 年
10 月,国際文化学部ブラジル 学科の吉岡黎明
( ョシオカ ・レイメイ) 氏による「在日ブラ
本語の習得であ る。 生活,学習,仕事のため
には日本語能力が 必要となるからだ。 その支
ジル人の生活実態 一 教育問題を中心として」
と題する同研究室の 公開研究会がひらかれた。
援を目的として ,ボランティアによる 日本語
氏は日系ブラジル 八 教員で,現在はブラジル
教室がふえてきた。 各地のこうした 日本語教
に帰国されている。 当日の研究会では 最近の
室は「地域日本語教室」とよばれている。
外国人, とくに日系ブラジル 人の増加の様子
本
稿は,奈良県の地域日本語教室の 現況を報告
や児童を中心とした 日本での生活の 問題など
ほついて発表された。 また自身も,大和郡山
するものであ る。
Ⅹ本章と第 4 章 (角が担当 ) では漢字使用
の「 ZGK
にほん 語 教室」でボランティア
と
天理大学教養部社会科学系列
(兼 ・人権 問題研究室
) Pr0Wam
ofGeneral 何 duca 廿 on, ℡ nri Univers 廿 y
天理大学教養部覚国語系列(兼 ,人権
問題研究室@
Pro 艶am ofGener 引 Educa 伍 0n, ℡ nri Universl y
天理大学人間学部人間関係学 W. 仝 涯 教育専攻㎝・柑:@ 何 % 到
Faculty ofHuman
Studies, ℡ nr; Un v ㏄s比 y
も
ノⅠ
士
23
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
して活動をされていて ,それにまつわる 話も
あ り,私たちはおおいに
にほん 語教室」を訪問
し調査する機会があ った。 教室運営者の 話に
と
テーマは「孝文
ィヒ
共生」と「ひのきし
マ にそって,共同研究というあ
のちにこの「 ZGK
よ
-
んとボランティア」であ る。 今回,統- テー
刺激をうけたもので
あ る。
る
の統
,
9
歳のときに田本にきたのに 15 歳に
たらしい d 歩
をふみだすことになった。 今後の活動のひと
つのモデルとなることをねがうものであ る。
さて,奈良県における 地域日本語教育を
なっても日本の 学校にかよっていないブラジ
テーマとして 共同研究をスタートしたものの
,
ル人の男の子の 就学問 頗で 通訳のおねがいに
私たちにとっては 未知の分野でもあ り,はじ
いったところ「本当は 自分たちがやらなくち
めから対象や 方法をハッキリと 意識できてい
や ならない間趣だ」といって ,即座に相談に
たわけではない。 4 月, 5 月当初はこのテー
のり,積極的にうごかれたということであ
マにかんする 文献や資料をあ
っ
っ め ,それらを
た。 この教室がたちあ がってからも ,ボラン
よ も作業からはじめた
ティアとして 活動に協力されてきた
のおもなものは 巻末にまとめてあ る ) 。 資料
のひとつに関西国際交流剛体協議会の 発行す
(その後
も 同学科教員や 学生によるボランティアがつ
づいている。 私たちが 2001 年
6
月
i0 日に訪問
したときも,あ って , 話をきくことができた ) 。
この公開研究会での 出来事が, 地 域 日本語
・
教室を私たち
3
名の共通の問題意識として 根
づかせる事となった。 さらに
3
名は日本語教
育を専門としないものの ,それぞれこの問題
と
むすびっく接点があ
る。 角は文字メディア
テラシⅡぽかんする 社会学的研究, 申
(そうした文献や 資料
るァ 日本語教室ダイレクトリーコがあ
り, 奈
良 県の日本語教室の 概要や連絡先ものせられ
ていた。 これを手がかりとして ,サンプリン
グ調査として,いくつかの
教室の訪問も 同時
にはじめた。
最初にでかけたのは
5
月
30 日,橿原市公民
館で 「まちづくり国際交流センター」がひら
いている日本語教室であ った。 ここはユニー
井は語学教育にかんする 言語学的研究,岡田
クな授業 形 f をとっている 教室で,それぞれ
は援助やボランティアにかんする 教育学的研
10 名程度の初級,中級,上級クラスで
講師が
究 をひとっの研究テーマにしているからであ
クラス・レッスンをすると 同時に,外国人学
る
(巻末の文献リストにあ
る
無 知行 : 2002,
智 者のわきに日本人ボランティアがついて
,
中井奥民 :2001, 岡田 龍樹 :2000 を参照 o yi、
下では,このように 著者名と刊行年をしめし
個別指導にあ たっている。 私たちはそうした
て巻末の参考文献・
るされ,3 名が各クラスにわかれて
る
資料を指示するものとす
) 。 20014 ド度,私たちは本学の学術研究助
成に申請し,それがみとめられたのを
機に,
日本人ボランテイアとして 参加することをゆ
,授業を参
概 するとともに ,個人指導もおこなうという
貴重な経験をすることができた。
また運営者
このテーマでの 調査・研究にうごきだすこと
やスタッフからも 話をきいた。 これははじめ
にした。
ての経験であ ったが, 日本語教室のもつあ
なお,人権問題研究室は 19g 、W年度の改組
よ
研究会 づ 公開研究会 づ 統一テーマの 下で
の公開研究会と
,すこしづつ ,調査・研究事
業 のあ ゆみをすすめてきた。 2000 イ 001 年度
24
か
るさやあ たたかさというものを 体験すること
ができた。 のちにおなじような 体験を各所で
することにもなった。
こうして夏までに 県内の 7 か所の日本語
数
無知行・中井英民・ 岡田龍樹
室を訪問をおえた。 そのほか,天理市立北中
学校夜間学級や 大阪の阿倍野読み 書き教室の
訪問をおこなった。 6 月 20 日の人権 問題研究
室の公開研究会では ,角が調査の中間報告を
した。
なお,この過程で ,本学の国際文化学部日
本学科教員を 中心とするメンバーが
許
可をえてテープにとり ,できるだけ文書にお
こしメンバ一間での 共有化をはかった。
教室の訪問では 授業のはじまる 前に運営者
や運営スタッフにインタビューをし ,その後
に・授業を参観させてもらうというのが 一般的
,「日本
語教育と地域連携に 関する研究」という
ることになった。 そこでのインタビューは
共同
であ ったが,なかにはボランティアの 手がた
研究を,おなじく 学術研究助成をえておこな
りないから,ということで 臨時の日本語ボラ
ンティアになったり ,いっしょにお茶や食事
っていることをしった。 この共同研究は 関西
をごちそうになったりするということもあ
における大学での 日本語教育や 交流プロバラ
た。 また日本語教室から 研修や研究会で 本学
っ
ムをしらべる「事例調査班」と ,奈良県にお
にこられるという 機会もうまれた
ける日本語教育や 国際交流をしらべる「地域
月
調査班」とにわかれて 活動している。 とくに
タッフが本学の 授業 (「言語の対照研究」担
後者は私たちの 研究とかなり 重複することが
わかった。 そこでそれ以後は 日本語教室を 訪
当
: 前田・ 均氏)
年
1
問する際には 連絡をとりあ い, 協プ'Jしあ うよ
うにした。 また資料・の
交換もおこなった。 今
月
の見学にこられた。 また2002
16 日の人権 問題研究室の 公開研究会に
は「ナラ・ファミリー & フレンド」の 副代表
の仲川順子氏が 講師としてこられた
回,私たちが先に調査結果を 発表することに
とは双方向的な 交流をともなう ,
なったが,いずれこちらのグループでも
つの「出来事」であ った。
日本
(2007年比
14 口に「奈良日本語センター」の 14 名のス
) 。 調査
まさにひと
今回の調査では 教室の運営者や 運営スタッ
語教育の立場から 成果をまとめられるときい
フを中心的対象としたために ,肝心の外国人
ている。
こうして調査をすすめるなかで
9 月になり
学習者の声や 視点がかけている。 彼女ら・ 彼
秋以降,どうした形ですすめてかくのか ,検
らの個別的状況やその 問題点こそ,焦点があ
討をおこなった。 できるだけ個々の 学習者に
てられなければならないであ ろう。 日本語学
日本語学
習あ るいは交流・ 支援というのは ,個々の
即して,事例研究的手法をもち
いて
習や生活の実情と 問題点をあ きらかにして
い
ニーズにおうじておこなわれている
個別的な
くことを当初は 予定していた。 しかし, 1 年
ものだからであ る。 そうした意味で 今回は予
という期間でそれは 無理であ
備的な調査にとどまっているといわざるをえ
れた。 そこで
3
る よ
うにおもわ
回の研究会をひらりて 討議し
ない。 もし次年度以降,条件がととのえば
,
た結果,今年度は,各教室の運営者や 運営 ヌ
、
学習者をおもな 対象として調査をさらに 継続
タッフから話をきき ,それらをもとにして 地
したいとかんがえている。
域日本語教室の 全般的な状況をまとめるとい
現在,奈良県内にあ る日本語教室は 16であ
う方針に変更した。 あ らためて質問事項や 調
る。 結局,私たちが訪問し,運営者や運営ス
査項目を設定し ,手わけして訪問インタビ
タッフにインタビューすることができたのは
ューをおこなうことにした。 いくつかの日本
そのうちの 11 であ る。 のこりについては ,時
語教室へは 2 度目あるいは 3 度目の訪問をす
間が間にあ わず,あるいは約束がとれず , 電
,
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
話 インタビュ一で 間にあ れせるしかなかった。
本調査の原資料はしたがって
, 私たちが収集
した奈良県の 地域日本語教室にかんする
資
教室 (以下では略して ,
と よ
ぶこともあ
日本語教室とか 教室
) の開設の契機をみておく
る
ことにする。
成人にたりする 日本語教育は ,識字学級や
料‥文献,そして日本語教室運営者・ 運営ス
タッフのインタビュー 記録からなっている。
夜間中学を中心としてこれまでもおこなわれ
ともかくこうした 資料がととのえられ ,報告
てきた。 現在,県内では轄か 所で識字学級が ,
にまでいたったのも ,各教室の運営者や 運営
3
スタッフの協力のおかげであ
間中学が開設されている。
る。 感謝したい。
いただいた資料,や意見を十分に 消化し,表現
か 所で公立の夜間中学が
ら ,
,
2 か 所で自主夜
しかし 1980 年代か
日本語を母語とせず 日本語そのものをま
なぶ必要のあ る学習者が登場してきた。 識字
できなかった 点については ,おわびをしたい。
学級や夜間中学などでもこうした
日本語教室の 運営者・運営スタッフの 活動
は,運営者という 側面と同時に ,
日本語教師
(学習支援者 ), 国際交流や生活支援の
実践
学習者が日
本語をまなんでいろ。 同時にこれらとは 別に ,
主としてボランティアが
日本語教育をおこな
(あ るいは NPO=
者という側面をもっている。 それぞれ重複す
う市民活動団体
る部分はあ るものの以下では 操作的に別にわ
利 細. 織 )
けることにし ,第1 章で運営,第 2 章で日本
になってきた。 これは地域日本語教室とよば
語教育
(学習支援 ), 第 3 章で国際交流・ 生活
支援という側面について ,上の資料をもとに
分析して い くことにしたり。 調査の過程で 私
たちがかんじた 日本語教室の 多様性や動向を
すこしでも うき ぼりにできれば ,
とおも う 。
民間非営
がちまれ, 日本語教育にあ たる よう
れる。
あ たらしい学習者の
登場の背景には
,
日者 (ニューカマ一 ) の増加があ る。 インド
、ンナ難民や中国帰国者にくわえて
,
1983 年の
「留学生10 万人 ち けいれ計画」に 端をはっす
最後の第 4 章はきとめとして ,ファインディ
ングス (発見命題 ) の整理をおこな う ことに
る留学生のうけいれの 拡大, 1987 年から実施
された「語学指導等をおこなう 外国青年招致
する。
なお,各章では 天理大学のはたすべき 役割
事業 (J ET プロバラム ) 」による英語指導助
ほついてもふれる 予定であ
め招鵬 , 1990 年の出入国管理及び 難民認定法
る。 奈良県で唯一
手仏工』iT
AssistantLangluage
二
℡ ache 力
の国際文化学部と 日本語教員養成課程をもち ,
の改正による 日系労働者の 移住, 1993 年の
留学生もおおく 在籍する大学として ,地域の
「技能実習制度」の 創設 (研修と実習をあ わ
日本語教育にはたすべき 役割はおおき
い であ
せて
2
年以内の滞在がみとめられる ) などが
ろう。 同時に , 今はまだ 不 -l-分にしか貢献を
あ った。 ほかに,国際化の 進展にともなう 国
はたしていない 面もある。 日本語教室への
際結婚と外国人配偶者の 増加もあ
問と インタビューをかさねるなかで
はおもう所もおおかった。
訪
,私たち
これらについて ,
各章の末尾でふれることにしたい。
る。
奈良県においても 外国人の増加傾向がみと
められる。 図表 1
は1985 年以降の奈良県にお
ける外国人登録者数と 県人口比を, 県 調査の
資料,にもとづレ 、 て, 5 ィ @
日ごとにあ らわしたも
] 一 2.
地域日本語教室の 開設の契機
まずはじめに ,奈良県における
地域日本語
のであ る。 985 年には7557 人 (0.58%) にす
Ⅰ
ぎなかった外国人は ,次第にふえ, 2000 年に
角知行・中井英民・ 岡田龍樹
図表Ⅰ
年度制覚国人登録者数
は10790 人 (0.75%) になっている (ただし,
全国平均では 総人口にしめる 外国人の割合は
ナダ等の人たちと 出 あ った。 とくに「ネット
すでに 1,3%
学の留学生の 日本語習得を 支援している 関係
をこえているといわれ
,
これと
から多岐にわたっており , 20 をこえる地域・
くらべると奈良県での 人口比は低 い) 。
奈良県の外国人登録者数を 国籍 (出身地)
別にみると, 2000 年度には,図表2 にみるよ
うに韓国,朝鮮が 54/0,
中国が 17%,
ルが10%, フィリピンが 4%,
ブラジ
アメリカが
3%, その他12% と,多様化がすすんでいる
ことがわかる。
ワークいこま」は 奈良先端科学技術大学院大
国籍の総数は 80 か 国におよぶ。
国から学習者がきているときいた。
奈良県でも 199(W
年 ころから日本語学習を 必
要とする覚国人がめだつようになってきた。
当時をよくしる ,ある日本語教室の 運営者の
話に よ ると「 90 年ごろから,英語指導助手や
入管法の改正でふえてきた 外国人労働者の 姿
うになり, 日本語をまな
私たちの訪問先の 日本語教室では 韓国のほか
が奈良にも目だつ
に,中国,台湾,ブラジル
,フィリピン,ア
びたい, 日本人の友達をつくりたいという 要
メリカ,インドネシア ,ネパール,チリ
, カ
望が ょ せられるよ
図表 2
よ
う
になってきた。 なかには
2000 年度国籍別覚国人登録者数
韓国。朝鮮
54%
17%
27
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
ストレスをためて 精神的問題をかかえる 人も
でてきた」という 状況だった。 外国人の学習
うけいれ 先 としては YMCA
などの田本語学
はこの教室の 講師になって 活躍している。
「日本語相談室王手」は 運営者がしりあ いの
Ql系 ボリビア人から 切羽つまった 生活の相談
校や夜間中学等があ ったが,時間,費用,場
をうけたのがきっかけで 1996 年にできた。
「教師一生徒という 上下関係ではなく ,おな
所などの条件があ れない人もいた。 こうして,
緊急援助的に 民問べ ー スの日本語教室が 各地
じ 目線の対等交流」をモット 一として運営さ
でたちあ げられていくことになった。
れている。 「生駒日本語交流クラブコは設立者
現在,奈良県にある地域日本語教室をまと
めたのが図表
3
であ る。 これをみるとわかる
がいまはアメリカ ヘ 転勤になっていて 詳 mlnは
不明だが,この地区にすむ覚国人の 日本語 習
ように, 木県における日本語教室はいずれも
得を支援するという 目的で, 1ggf 年につくら
1990 年以降にできている。 もつともはやい 教
室として,「奈良 F&F
(奈良ファミリー &
れた。 その後,市の広報で講師を 募集し,規
模を拡大していった。
フレンドのこと。 以下ではこのように 教室名
中国帰国者の 支援を目的として 1999 年に設立
は図表 3 での略称をもちいることにする ) の
前身であ る「奈良日本語教室」が 小林幸子氏
され,現在も 同和教育推進教員が 中心になっ
」
や仲川順子氏によって 1990 年にできている。
同時期に「奈良 N I NJA 」や「橿原まちづ
く
「桜井タマリーバ」は
て 日本語の学習支援をしている。
なかには外国人児童の 支援を開設の 契機に
しているものもあ る。 さきに紹介した「大利
0 センター」も 開設されている。
郡山 ZGK
各地域で日本語教室が 開設されていく 契機
もの就学問題をきっかけに ,
」もそうであ った。 外国人の子 ど
さらに成人の 状
をまとめると ,①外国人の要望や必要に 直接
況も大変なことがわかり , 1999 年に日本語教
にこたえる形で ,市民や市民活動団体によっ
て開設されたもの ,②県や市町村の 国際交流
室の開設にいたっている。 「奈良F&F 」は
1996 年に市民運動のネットワーク 組織「地球
協会などを母体として ,あるいはその協力の
市民フォーラムなら」が「覚国人児童のため
もとに開設されたもの ,③市民講座などの 修
の夏休み勉強会」を 開催したところ ,外国人
了生によって 開設されたもの ,④その他,に 児童のなかには 夏休みの宿題にあ る日本語の
わけられる。
設問さえよめない 子がいるという「悲惨な 状
まず 1 番目のものであ るが,たとえば「大
態 」にショックをうけ ,「ともかく困っている
和 高田日本語講座」は 1992 年という比較的は
のは子どもだろう ,その勉強の手伝いをした
やい時期に開設されて
、 る 。 その契機は ,関
い」ということで ,その組織のメンバーを 中
(2000) に よ
差別部落の男性と 結婚した在日フィリピン 人
」はブ
心にしてはじまった。 「田原本F&F
ラジル人の子どもの 兄弟が地区の 小学校に編
が, 子どもの小学校入学を 機に,部落解放同
入してきたときに ,運営者が「学校だけでは
レ
西国際交流団体協議会
ると,「
被
盟 東雲支部が行っていた 識字学級で日本語の
どうしようもない ,学校がおわってから 勉強
読み書きを学 び始めた。 ・…‥在住覚国人の 参
する場所をつくってほしい」という
加 が多くなってきたため
学校の校長からうけ ,「奈良F&F
,識字学級では受け
入れ体制が困難になっため
開設した」という
ことであ る。 このフィリピン 八女性はいまで
28
相談を小
」の協力の
もとに開設された。 「生駒日本語学習会」は生
駒高校の留学生に 日本語を指導したことから
1991年にはじまった。 その後,中断をはさん
ル香芝」は香芝市国際交流市民の
会が活動の
で, 1998 年に場所をうつして
ひとつとして 日本語教室をひらこ
う
再スタートをき
り現在にいたっている。
というこ
とからちまれた。 市の企画政策課に 専務所を
これらは自発的に 市民によって 日本語教室
おいて活動をおこなっている。
これらの教室
がたちあ がってきた例にあ たるが,その背景
はいずれも行政との 連携があ るので,資金や
にはうえにみるように ,既存の識字学級や・市
場所の支援があ り,運営のための 条件は比較
民活・ 動 組織があ った場合がおおいようであ
的めぐまれているとかえる。
る。
新規にたちあ がる場合でも ,「田原本F&F
」
のように,既存の 日本語教室の 支援をえてい
る場合があ る。 また, これらの教室は 外国人
の支援を契機としているので
,
同本語学習や
3 番目は,国際交流についての
市民講座な
どの修了生によってうまれたものであ
る。
「奈良虹の会」は奈良県女性センタ 一の「国
際文化繊塵 一知ろう,語ろう ,アジアの魅力」
国際交流にとどまらず ,生活全般にまでその
の修了生を中心にしてできたグループであ
支援の範囲をひろげている 所がおおい。
講座終了後も「虹の 会」をつくり ,講演会や
る。
2 番目の,国際交流協会などと
連携してで
料,理 講習会などの 例会をひらいていたが ,外
きた何としては ,「奈良N INJA
」「橿原ま
国人の日本語習得の 手伝いをすることを 目的
ちづく 0 センター」「桜引 S I FA
」「バロー
として,「虹の会オアシス」として 1994 年に設
バル香芝」があ げられる。 「奈良N
は ALT
I NTA
」
や日系労働者や 中国帰国者がふえる
なか,奈良国際理解協会の 要請をうけて
,
立された。 「香芝日本語教室」もおなじよう
に,香芝市教育委員会が 主催する国際交流講
座の修了生が 中心となってできた 教室であ る。
年に修了したのち ,教育委員会生涯教育
1990 年に設立されている。 その後,県の補助
1998
をうけながら ,奈良国際研修館で 系統だった
日本語教育をおこなっている。 「樫原まちづ
課 のほうからボランティアバループ
く
0 センター」はいまの・遊僧 者 が活動してい
た 「奈良県青年国際交流協会」のもとで
,
びかけがあ り,これにお
じて日本語教室が
できた。
最後の 4 番目はこれ以外の 理由によるもの
五條 I PC 」が設立された 経緯は,
1990 ボ に 9 名の学習者, 30 私のボランティア
であ る。
で スタートした。 1998 年に「まちづくり 国際
関西国際交流団体協議会
交流センター」として 公益法人 (社団法人 )
う
結成のよ
「
(2000) によると,
「日本語を教えてほしい ,
という要望があ っ
化し外国人支援事業,国際交流事業など ,
たわけでも, ロ本語学習会が 五棟で 捌かれた
多彩な活動をおこなうようになった。
現在,
わけでもない。 しかし,五條市にも 在住外国
,県下
人,覚国人労働者はいる。そんな人たちのた
日本語教室の 学習登録者数は 206 名
と
でもっともおおい。 「桜井S I FA 」は桜井
めに都市部で 盛んに行われている 交流などを
下行国際交流協会 (S I FA)
在住 地で ㈱きたいと思い㈱ 殺 した」というこ
うまれた。
S I FA
が母体となって
は姉妹都市との 国際交流
などをおこなっていたが ,市内にすむ外国人
に日本語をおしえたいという 会員の要望があ
り, 1999 年に日本語教室がちまれた。
画課の一部を 事務所にしている。
市の企
「バローバ
とであ る。 いまは企業研修生の 中国人 5 名に
日本語をおしえている。 「ネットワークいこ
ま」は「奈良 NINTA
」の生駒分校が
数がへって廃校になったあ
と,
目ミ従
2 名の学習者
、 タートした。 そ
の面倒をみる 形で 1998 年に ヌ
蛉ノ
%
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
八ト
心 甲懸
笑八
)
(
画
Ⅱ
ニ
目
ご
日
"皿
目
%
穏
八
ふ
全
口
o。3
"
木
@
%
杏
八八
レン %尽レ八
留目
口
oo の駅,
饗鯉
N(
レ
㎡
聡
鯉
掻
巴
円
口
油
八
レ
害
のⅡ
の 圏
レ
鰍
叱
も
鰍
ぐ
娃
せぐ
吾
糊化
驚
軸函
化
み
H忠
田
モ
甘
条モ
利他
心心
モ
寸
化廿
他
取
楡下迦十円︶ 訓騒推く 口軽 偲 e 虫畔畑
瓢
㏄
0
日
の
・ >@
Ⅱ
沖
曹
山蜂
じ湘
Ⅱ
田
雙
月
轟
照
レ
ヘ
ン
ト
付
日
六
や径
ゅ
0
の
鍍
橿
鰍
肺
桝
ゼ
岳豊
罵臆
仔
托マ
苦憶
西田
cr>
の
lT'
の
円
Col
の
cJ@
Ⅰ
Ⅱ
恰日
二
轟ト
取
蜘
口
照か
鰍
托
穏
D
音
八
の
%
。目口
。 ,但
(
博
ト
二コ
rⅠ
く
イか
蔽
臆ゼ
ピ
のⅢ 図
30
照
梅
田
㏄
の
寸
本騒 の回
の
。
け
@
.
し
旧
寸
c@ Ⅰ
の
0寸
亡
Ⅰ「
「
Ⅱ
の
亡
つ
弍
卜
転
目
や
乙
Ⅱ
之
ぬ
喝
口
ぐ
e
目
笘
謎
畦
田
畔
照
幽
煕
幽
紫
%
ト
ぐ
セ
」
Ⅹ
心
キト
碍
卜
l
鬨
『
Ⅰ
トト
Ⅳ
照
も
の
卜
隠
叱
目
|コト卜
く
良
Ⅱ稔
呼撫
圏
@
ヰ
唾蛛
0
目
Ⅱ
は
旧
ひ
O
会
化
岳
回
の
弓
托く
口
l
Ⅱ
ト
奏甑
炬
寸
O
OⅡ
Ⅰ
・
叱
%
の
0@
Ⅰ
ゃ
睡糾
態
蜂
r" 「
ひ
語
がも
% 田
ヨ
み
(Ti@
托
語
臼
抽紺
・
味 八
の
り
目
/
蝉
『ぺ
寸
キ
0
つ
叱 l
『 「
蜘
0
,,
蛾
賠
CTS@
㍼
宝饗寓
蛙糎
『イ
騒
の
の
・
CTS@
握
恩
0
㏄
穏 ㌍寒のロ目
饗
‥ 饗 ‥響・ 聲
穏目
㊥‥
匝
呂月
⑧貧
%
j
Ⅹ
の
世柄
「
レ
oo o l@o oo
ぐ
"Ⅰ。
"
"CQic@
Cr'円0 to
0@@
0cJ'
"@
『
尽
丈瑠東
和
叱
ン
木
八
目
本
八
燵
木
八
良
叱
牛田
八
%
・
鯉
の目の
)
ホ
六
00
恕
N )
寸ゆ
主
触 や
人
む卜
l
00
も
睡
蜘恥
Ⅰ
㎡
%
0o
%.
月
E, ㏄
H
黒お
C7i@
l
@
の
し
しっ
八
卜
八
レ
00 10o
鰍
, 10o
Q
毬
目
l
お
離睡
つ
っ
ロ
穏
択
ト
卜
納饗乙リ
口・・ く口
雙月轟曲輻曲
鼓
@
。"
こ
Ⅰ
㎏㏄Ⅱの
) )
o㏄h
の
伽鞭
秦
@
Ⅰ"
『
八八㎡八八八
トン 味 レント
|
超ミ
0@'
目
o
普
遼
叫駅
N@。こ
のハ
韓
レ
患軸餌旺
む
窯
転
l 00
聴八
里ム
湘
持口
幽
離
卜人
ホム
e
目
0,
目
口
お
l
・
角知行,「卜兆英民・
岡田龍樹
寸
㌣
寸
oo
Ⅱ
QD
㏄㏄
の
)
つ
ゆ
の
N
)
の
C丈
亡Ⅱ
、
杏
快
レ味 ㎡
八
Ⅹ
l ト吹
%
六
ヘ l Ⅹ
八ミ @
レ尽へ
乙
00%
斡
目
レ択
m
宝
卍
@
卍
ト
--
、 円
ピ
篆
コ収
- (
智 の
%
六
寺
LO@
%
八
e
け鮭
『
い寸
特
捜
腱
卸
コ熱
ぺ
む
"" 。
。
l
目 留目
窩 囲
、 蹄
C<3
ゆな
穏
蛙
, -P
。 oo
%
穏
お
七
中
お穏舖理毬
@" ・の
cU@
l
%
Ⅰ
田
てつ
@"
@
Ⅰ
"'
o
ひぐ
辞
oo
山村
Ⅰ
in つ
@"'
@. 「
く
o的
oo
む
l
型
ロ目
吏
饗
収二兼三
‥ 聲
・
・
ゼ
毬
択
鰻
全
侍モ
沖詣
鯉
り鯉耶
囲み
㌔
ゃ も
凹
化
甘
臣
寸化輯
や甘 恕
轟轟 唾
co
の
の'
O
Ⅰ
ム
@
っ
抽糾
曲皿煕荻
も心
材
叱
鱗如
もモ
組
も
,,
蛆
眠
如
軽
寸
oo
亜'
ワ'
む'
の
ひ田
02
口@
白'
OT
CTS
『Ⅱ
や
"珪'
守
コ
へ
9
v
ひ
ぜ
用
i
托
匝
ム
軽も
細民
皿
諦
使 冊
奥入
桐
Ⅱ
や
,井コ
コ
一
田
l 郵
廿宙一
一
へ
, l,
滞
・
四民
辮托
匝
卸つ
@ %
卜e
ム荘
卜托
碍 回
寸円
回
照
桂園
白糖
9
)
で l
斡も
何人
しつ
ピ 理
卸
隔月
七%
∼
沖
%
4
目
口ロ
Ⅲ
6%
「歯節
雙
Q
耗瑚鄭巳
臆穏
ゆ
思
荻
回ま
田
)
Ⅸ
醒
ぺ
甑
n
苅
Ⅰ
。
縛
黙り
りつ
寸
3
@@
奈良県の地域日本語教室に 関する共同研,
究
の後,奈良先端科・学 技術大学院大学の 留学生
「日本語を母語としない 人たちの日本語習得
などの学習者の 数が急増し, 60 名をこえてい
や日常生活になれるための 手伝いをし,また
る。現在は週に 4 回,教室がひらかれている。 日本文化を紹介しながら 交流する」 (奈良虹の
このように開設の 契機をおおきくわけると
,
これは各
教室の開設目的のちがいとなっていっている。
しかし第
3
る。 「生駒日本語学習
会」は「言葉を 通して異文化理解・ 国際理解
1 は 生活支援, 2 と 3 は国際交流を 主要な動
機にしているということができる。
会 ) といった具合であ
をすすめています」とアピールしている。
第 3 は, 日本語習得・ 国際交流に加えて ,
章でみるように ,その後の時問の
ながれや組織の 拡大のなかで ,教室の運営理
外国人の生活支援にまでおよんで
レ
、 るもので
念の重心が生活支援から 国際交流に,あるい
あ る。 キ ー タームとして ,生活,支援,共生,
人権 などがあ らわれる。 たとえば「在日朝鮮
は逆に国際交流から 生活支援に変わっていっ
人問題を基本にして ,生活や人権の相談にも
たところもあ る。
一 3. 開設目的。 運営費・開催場所
応じるため」 (大和郡山 ZGK), 「覚国人児
童・生徒やその 家族とともに 多 文化共生の地
域社会を づ くる」 (奈良F&F), 「覚国人支援
各教室は通常にあ たって理念をもっている。
およびだれもが 住みやすい地域づくりをめざ
Ⅰ
私学における「建学の 精神」のように 明文化
されたものがあ るわけではないが ,関西国際
交流団体協議会
(2000) の各教室案内のなか
手」「大和高田日本語講座」の 開設目的の文言
に「開設目的」「ひとことアピール」の 欄があ
り,そうした 理念をうかがうことができる。
」「ネットワークいこま」の 4
教室をのぞく 12 教室が掲載されている。
その
運営理俳を」この文面から分類するとつぎの
もここに分類することができる。
この㈱ 段 目的の分類はさきにみた 開設の契
司書には「香芝日本語教室」「桜井タマリーバ」
「田原本F&F
(橿原まちづくりセンタ 円 等である。
「生駒日本語学習クラブ」「田本語相談室工
して」
3
種類にわけられる。
機の分類と
-
部くいちがっているものがあ
る。
め じかい文章の 分析であ るのでそうした 結果
になったものと 恩、 われる。 ともかく, 日本語
教室にとってただ 日本語をおしえるだけでな
く,その背後に 国際交流と生活支援がおおき
第 1 は,開設目的として 日本語習得だけが
うたわれているものであ
る。 「バローバル 香
な意味をもっていることが 重要であ る。 地ょ或
日本語教室は ,同時に国際交流団体,覚国人
芝」は「日本語会話に 困っている外国人の 役
支援団体でもあ る。 どこに重心をおくかは ,
にたつこと」としている。 「奈良NINJA
教室によってことなっている。
」
は 「奈良県北部および 近郊に在住する 外国出
易者を対象に 日本語 (基礎から上級 ) を指導」
ボランティアによっているとはいえ
とのべている。
営のための費用がかかる " 関西国際交流団体
第 2 は,日本語習得以外に ,国際交流や国
際 理 僻も同時にうわたれているものであ る。
「学ぶだけでなく 友好を深め,地域住民の 交
協議会 (2000) は,図表3 にあ げた 16 のうち
流を深めていきたり」
費は,ひく
(宜候 I FC),
の 学習と異文化交流のため」
32
「日本語
(桜井 S IFA),
さて,地域日本語教室は 基本的には日本語
,その運
の同じく ¥W の教室について 年間運営費を 記し
ている。 それによると ,各教室の年間の運営
り ほうからあ
げていくと,つぎの
ようになっている (同時に,そのうちの 行政
補助の割合を % でしめした ) 。
「バローバル香芝」い万
切金 (プラス国からの
2 千円,50%),
「
生,
補助 ) を 80 万円
いる。 ユニークなのは「樫原まちづく
ぅ
けて
0 セン
駒 日本語交流クラブ」 (5 万円, 0%), 「奈良
虹の会」は万円, 0%), 「生駒日本語学習
ター」であ って,ここは1998 年度に公益法人
(社団法人 ) 化をおこない ,樫原市 より委託
(22万円, 0%), 「奈良F&F
(30万円,
0%), 「日本語相談室正守」 (30万円, 0%),
「桜井S I FA
(40万円,主催者負担98%),
をうけて日本語教育をおこなっている。
会」
」
」
(80万円, 100%), 「樫原
まちづくりセンター」 (250万円, 70%), 「奈
良 N INJA
(1200万円, 60%), 「正修1 且
C (不明, 0%), 「大和高田日本語講座」 (不
「大和郡山ZGK
」
料によると,これによる行政補助は 175 万円
ということになる。 ほかに「バローバル 香芝」
「桜井S I 皿
明, 100%)
。
年間運営費は 1 万 2 千円から 1200 万円と lll
屈
A
」「生駒日本語交流クラブ」 な
どが市からの 補助をうけている。
行政からの補助については
」
」
同資
,
日本語教室の
運営者によって , 考え方がことなる。 補助を
うけていない 教室運営者の 意見として,「ブ
ライバシ一にもかかわる 部分があ るので,あ
い」,「を
l@j
ひろいことがわかる。 運営者からのインタビ
まり公的な補助にはたよりたくな
ュ一によると ,教材費,教材の
コピ 一代, 通
地金の見返りに 花の行事への 参加などの義務
信 ・連絡費などに 支出している
があ るから,あまりもとめていない
同上 c@ 資料によると ,
よ
うであ る。
このほかに日本・
語 ボラ
上
「四苦
八苦して資金をひねりだすのもたのしみのひ
ンティアに対して 謝礼をだしているのは「樫
とつ」といった 声がある "
原まちづくりセンターⅡ 4000 円まで), 「大和
うけている教室では「本来は 行政がやるべき
郡山 ZGKI
仕事であ
(3 か月 , 6000 円) であ る。 交通
費をだしているのは「奈良
N INJ
A
」,「梅
円) であ る。
原まちづくりセンター」 (11-5000
補助をまったくうけていない 教室は,ボラン
ティアによる 負担,学習者の 会費
U3500 円程
う
,補助を
って,補助や支援をもとめるのは 当
然だ」という 意見があ った。
行政補助をうけていない 教室のなかには ,
資金の運営に 苦慮しているところもあ る。 た
らない部分はボランティアのもちだしになる。
「運営資金が本当に大変です」と 切実に支援
度 ) などにたよっている "
行政からの補助は ,
いっぽ
まったくうけていない
をもとめている 教室もいくつかあ った。
Wl@
教室と,運営費のかなりの 割合をうけている
づ
・からの補助については ,橿原市,大
教室とにわかれる。 県が補助をおこなってい
和,郡山
l円 ,桜井市,香芝市,大和高田市,生
」と「大和高田日本
るのは,「奈良N INTA
語講座」であ る。 うえの資料・によると,「・大和
駒市のように ,多少の補助をおこなったり
ず
,
専務所を提供したりしている 所もある。 しか
,まったく何もおこなっていない
所もある。
高田日本語講座」は 金額は不明であ るが,「奈
し
良 県委託 費 ,大和高山市補助金により
たとえば奈良市の 場合,国際交流協会や 国際
高田市円本譜講座実行委員会が
れている。
「奈良N
I NI
A
,大和
運営」と記さ
」へは1200 万円の
交流諸図体など ,従来からある市民活動団体
へはそれなりの 支援実績があ り, 2000 年度,
つまり 720 万円の補助が 県からおこ な
われている。 「大和郡山ZGK
」は「人権教育
前者へは 674.万円,後考へは720 万円の補助が
推進布れlWJ ,事業費補助金」による 市からの 補
あ たらしい外国人支援活動については
60%,
ネづ
おこなわれている。 しかし日本語教室などの
補助は
33
奈良県の地域田本語教室に 関する共同研究
何もないのが 実情であ る。 補助をもとめる
日
本語教室にたいしては ,何らかの支援が検討・
ればも
う
私たちはお 手 あ げ だ
」
(奈良虹の会 ),
「自分たちのテキストや 荷物をおいておける
事務所と固定的な 活動場所がほしい」 (奈良 F
されるべきであ ろう。
つぎに日本語教室のひらかれている
開催場
&F),
「場所の問題がおおきい。 確保できな
所をみることにする。 運営者の意見によると
いときはクローズドにするしかない」 (ネット
地域日本語教室の 運営にあ たっては開催場所
ワーク い こま ) という声をきいた。
がおおきなウェートをしめている。
外国人の人口比がたかかったり
「学習者,
ボランティア ,会場」が運営の 三本柱であ る
,従来から
@ 的なとりくみをおこなっている
全国の白
タヒは ま
という表現をした 人もいた。 その意味で会場
治 体では,資金面での支援はもとより ,開催
の確保は円滑な 運営のひとつの 条件になって
場所の支援についてもいろんな
いる。
る 。 たとえば大阪市では 地域識字・日本語 交
図表 3 にみるように ,「桜井タマリーバ」
TI 夫をしてい
1 年に 2
流教室として 小学校を利用し ,現在,
独自の会館で 講座を開いている。 「ネット
校づつ ,たちあげをおこなっている。 また広
域施設としてターミナルにあ る市民学習セン
ワークいこま」も 奈良先端科学技術大学院大
ターを利用している
学の教室でひらいている 日があ る。 これらで
推進委員会 : 2000) 。 群馬県太田市ではデ
は会場が確保されているとかんがえられる。
パ - トの建物の寄贈をうけ ,それを改修して
その他は市町村の 公民館が開催場所になって
日本語講座の 活動拠点にしている
いる。
井 : 2001) 。 鎌倉市では公設市民営型の
「奈良N INJA
」「大和高田日本語講座」は
それらのうち ,中部,南部の
教室は, 概し
0
(大阪市地域日本語教育
支援センターをもうけて NPO
(心内・ 酒
NP
の活動拠点
て公民館の使用が 確保されて い て, とくに問
にしている (仙台 NPO
題はないようであ る。 たとえば「日曜日のせ
良 県においては ,外国人の日本語学習のため
いか,公民館の会場は確実にかりることがで
き,ありがたい」㎝ 本語相談室王手 ) といっ
の自治体の支援はようやく 緒にっい たばかり
であ るが,場所の確保についても 有効な方策
た具合であ る。 しかし,北部の 奈良市や生駒
がもとめられているといえる。
市の教室では ,公民館の確保がおおきな
研究会編 : 1999) 。 奈
問題
になっている。 ここでは会場として 奈良市中
央公民館,生駒市中央公民館,生駒市図書館
Ⅰ
一 4. ネットワーク 化へのう ごき
1990 年代から全国各地で 地域日本語教室が
などがつかわれている。 しかし他の団体とあ
開設されるとともに ,そのネットワークもつ
っ か い はおなじであ るために,その 確保のた
くられつつあ る。 月刊日本語編集部
めには
によると, 1997 年度までにつぎのようなネッ
2
週間前にきて 予約をしなければなら
ず ,予約がかさなった 場合には抽選となり ,
会場が確保できない 場合もあ
る。 そのような
ときには会場を 変更したり,授業を 中止にし
たりすることもあ るようであ る "
「ぜひボランティアルームがほしい。
を有料化するという 動きもあ
(1999)
トワークができている。
「東京日本語ボランティアネットワーク」
(1993), 「東海日本語ネットワーク」「北海道
日本語ネットワーク」「山形日本語ネットワー
会場
ったが,そうな
ク」「房総日本語ネットワーク」「 :Ⅲ簗 地区日
本語教育ネッ トワーク」
「姉多摩日本
語 ・識字ボランテイアネットワーク
本語ネットワーク」
、 ソ トワーク」
れ
コ
「・
埼玉日
ま
995), 「岡山県田本言辞
ネ
(1996), 「えひめ日本語ネット
ワーク」「兵庫県日本語ボランティアネット
ワークロ「福岡県日本語ボランテイアネット
ワーク」は 997)0
これらの活動や 組織については 日本語教育
学会は 99 引が一部をまとめているが
,
日本
ズ にあ った日本語学習の 場を提供するための
ネットワークを 形成することにより ,
地 ・域に
おけら在日外国人支援ボランティアのサポー
ト
体制の充実へのアプローチを
あ った。
7
図ること」で
月とⅡ月に,日本語ボランテイア
0 合同研修会を㈱ 催し,7 月には 72 名,Ⅱ月に
は53名の参加をえている " また2000 坪 7 月に
はⅡなら田本語マップ 一車の根ボランティア
語教室ばかりでなく ,ボランティアや研究者
による日本語教室案内コという 小冊子を作成
のネットワークもあ るようであ る。 1997 年度
以降については 手元に資料・がないが,さらに
し,各回本語教室の 概要や案内を 網羅した 資
いくつかのネットワークができているものと
おもわれる。
W, なづ くった。
今回の調査で「奈良 F&F
」の運営者‥運
営スタッフにインタビューする
奈良県においてもすでに
16 の日本語教室が
できており,いずれネットワークがつくられ
ていくであ ろう。 とくにネットワークを 視野
機会があ った。
ネットワークの 必要性について 次のような意
見がきかれた。
「どんなにいい活動でも,
3
年,
5 年, lf@年
にいれていない 教室もあ るが, つよ い志向,性
とたってくるとタコ ソボ 的になっていくんで
をもった教室もあ
すが a 。 自画自賛でやっているような。
l NJA
る。 これまでにも「奈良 N
」や「橿原まちづく 0 センター」に
緊急援
助的に行事や 生活支援をやる。 でもここへ 来
よるよびかけもあ ったようであ る。 しかし現
なくてもいいような 社会にやっぱりしたい。
在,ネットワーク 化にもっとも 熱心であ
そのためには 異 ジャンルの活動ともつががり
は「奈良 F&F
、ソ
るの
」であるという印象をもった。
たいし,他の教室ともつながって , 声をおお
ここは 1999 年に,「日本語相談室正守」「 ネ
きくしていかなければならない。
トワークいこま」によびかけて ,「草の根ボ
やっているだけでは ,やっぱりいき づ まって
ランティア大矢合
! 」と題した公開合同研修
自分たちで
くるし,活動に 元気がなくなってくる」。
会をひらいている。 それは同本語教師の 講演
しかしひとつの 教室が中心になってネット
と日本語ボランティア・ 学習者・大学教員に
ワーク化をはかることは 困難であ る。 経済的,
時間的な負担がおおきいうえに ,それぞれの
よるシンポジウムを 内容とするものであ った
(ナラ・ファミリー & フレンド : 1999) 。 つづ
教室の思惑もあ るからであ
る。 実際,「奈良
F&F
助成をうけ,「なら 革の根日本語ボランティ
」には, うまくすすまなかったネット
ワーク事業もあ ったようだ。 ネットワーク 化
アネットワーク 事業」を実施している。
にむけては今後,関連する 諸機関の協力が
く
2000 年度には日本財団のボランティア
醇 業の目的はナラ・ファミリー
活動
この
& フレンド
(2001) によると,「奈良県内のボランティア
必
要になっていくであ ろう。 今回の調査で 県や
いくつかの市の 担当者に話をきいたが ,率直
によ る日本語教室が ,外国人学習者への 対応
にいって地域同本語学習支援の
に関するさまさまな 悩みを抱えていることか
まださだまっていないという 印象をもつた。
ら,お互いの 情服 交換や外国人学習者の ニ一
とくに行政の 積極的な姿勢がのぞまれる。
基本方針さえ ,
35
奈良県の地域 B@本語教室に関する共同研究
学校での宿題の 遂行,大学や日本語能力試 @
Ⅰ
一
の受験等があ った。
5. 学習者について
本章の最後に ,今回の調査ではあ まり焦点
なかには, 目的は日本語を 学習するためで
化することのできなかった 学習者にも,すこ
はな い 「学習者」もいた。 あ る教室では, そ
しふれておくことにしたひ。
こが開催している 国際交流行事
(着物の着つ
から 206%. と幅があ る。 なかには「大和郡山 2
けなど) にだけやってくる 外国人がいた。 あ
るいは別の教室では ,友達とおしゃべりばか
GK
りしていたり ,大学の受験要項だけをよみ
まず,各日本語教室の 学習者の人数は , 5
名・
」や「ネットワーク い こま」のように ,
ここ 3,
4
年の間に,急速に人数が増加して
いる教室があ る " 学習者はもっぱら 口 コミで
ふ
けっている高校生の 姿をみかけた。 それらは
「学習者」とはいえないかもしれないが ,学
やってくるということであ った。 潜在的な学
習を媒介としたひとつの 立派な動機があ る。
習需要はかなりあ るものとおもわれる。
職業は多様であ る。 関西国際交流団体協議
本 県の日本 "
語 教室に「たまり
会 (2000) によると,奈良県での 同本語教室
部にふくむものがあ るのが,象徴的であ る。
にかよう外国人の 職業には,サラリーマン
,
場ダ
」「オアシス」
「ファミリー」「フレンド」といった名称を ---
「日本語能 "
力の向上」というだけではなく
,
企業研修生,日系労働者,主婦(配偶者), 研
多様なニーズにこたえる 機関として日本語数
究者,留学生,就学生,大学生・
高校生・ 申
室は機能している。 通学動機,学習動機には
学生・小学生,語学教師,宗教伝道者,中国
学習者の多様性がかいだされるのであ
帰国者などがあ る。 奈良県中部,南部では 工
-- 義的,受動的な学習者像はただしくないで
場がおおくて 研修生や労働者の 姿もみかけた
あ ろう。
が,北部の住宅地にあ たる奈良市や 生駒市で
はほとんどみかけることがなかった。
かわり
って ,
学習者のかかえる 学習上・生活上の 問題点
はついては,今回は断片的にしかきくことが
に大学や研究機関の 研究者,主婦,語学教師
わたって不就学だった 児童,学校でいじめに
などがおおいという 印象を 6 けた。
できなかった。 冒頭にのべたように 長期間に
学習者はたいていはもっともちかくにあ
日本語教室にかよっているようであ
ならずしもそうではない 場合もあ
る
るが,か
る。 たとえ
あ って母国にかえっていった 小学生,学習や
受験で不利な 立場におかれる 中学生,きつい
仕事の関係で 出店もままならない 労働者等,
ば丙吉野から 王 寺へ, 五條から大和高田へ ,
大阪から生駒 へ,かよってくる学習者がいる
それぞれに切実な 事例をいくつかきいた。
ということもきいた。 それぞれの生活スタイ
る。 リサ・ 鄭 (1999) ものべるように , 日本
社会のレイシズム・セクシズム・ 階層構造の
ルや条件にあ う教室をえらんで
い ることもあ
そ
れらは氷山の ---角でしかないものとおもわれ
るだろうが,教室の 学習方針や雰囲気でえら
なかで,外国人はさまざまな 抑圧を経験して
んでいる場合もあ るようだ。
いる。 そこにおいて 日本語はどのような (抑
圧的) 役割をはたしているのか ,同化ではな
学習者の動機は 多様であ る。 マンツーマン
で運営している 教室ではいろんな
学習動機を
い日本語の批判的学習・・批判的識字はどのよ
きいた。 仕事先や日常生活での 会話の向ヒ
うにして 刊能なのか,調査・
文字のょ みかき ( リテラシ一 ) 能力の習得,
なければならない 重要な課題であ
研究をあ らため
る
(批判的
無知行,中井英民・ 岡m 龍樹
学習,・批判的識字については ,田中 : 2000 ,
の 留学生,「奈良ミックスサラダ」 (現在,活
Barton: 1994, Cushman
動休止 中) では外国人教員,「奈良
山 : 1989,
: 200 Ⅰ,元木・内
小沢 : 1991 などを・参照
)。
最後にひとこと 付言すれば,私たちが日本
話教室を訪問して 意外だったのは ,大学生の
N I NJ
A 」では交換教授の 家族が日本語をまなんで
いた。 これ以外にも 何人かいろと 予想される "
留学生もあ ちこちにいたことであ る。 日本語
本学ではいま , 日本語教育についても 地域
社会への貢献,情報発信ということがとりざ
の 習得はもとより ,大学での課題やレポート
たされている。 そうした方針はのぞましいこ
の作成の支援をうけていた。 奈良先端科学技
とであ るが,その前にちけいれ 留学生や教員
術大学院大学,近畿大学,白鳳女子短期大学,
やその家・族にきちんとした 日本語学習の 支援
大阪教育大学,天理大学という 名前をきいた。
体制をととのえることが 必要であ る。 訪問先
外国人の日本語教育には
,企業,大学,
行
の 日本語教室で 私たちはボランティア 活動を
政争, 各 うけいれ機関が 責任をもっておこ な
する本学の教員や 学生にであ って, うれしい
うべきことはいうまでもない。 今回わたした
お ものをしたこともあ るが,学習者として 学
ちが日本語教室を 訪問して,天理大学の 留学
生 ・教職員たちがかよう 現実に,はずかしい
生,外国人教員,その
家族が,いくつかの・地
域日本語教室で 支援をうけているという 実態
生活支援の実績こそが ,発信すべき 情報の前
をはじめてしった。 「奈良F&F
提になることはいうまでもないであ
」では複数
おもいもしたこともあ る。 日本語学習支援 や
ろう。
37
奈良県の地域円本語教室に関する共同研究
いる。 近年我が国で 起こった「英語第二会
2. 日本語教育 (学習支援 ) の方法と課題
2
一
/;
ほ
詰論」などはその 最先端を行く 動きであ ろう
が,これらの背景には明らかに 経済 室 -lこ 主義,
l . はじめに
本章では,我々が調査した地域の 日本語数
ひいてはアメリカ 主導のグローバリゼーショ
室において, どのような学習支援形態がとら
ンの広がりがあ る。 このような背景の 英語教
れ,どのように 日本語学習がなされているか
育では,言語の利便性のみに 焦点が当てられ ,
を分析する。 さらにはその 分析をもとにして ,
そこには生身の 学習者の姿は 見えてこない。
奈良県での地域日本語教育の 課題,および仝
後天理大学がそれに 対して貢献し 得る領域に
今回の調査を 始めるにあ たっても,できる
だけ多くの日本語教授法に 関する文献に 触れ
ついて明らかにする。 当初の関心および 調査
るように努めたが ,そこで感じたのは 英語教
0
対象は,広い意味での教授法,つまり「ど
育に対して持つのと 同様の違和感であ った。
のような教え 方が地域の日本語教室でなされ
日刊 "喬 教育に無知な 筆者の不遜を 許していた
だければ,英語教育と 同じく日本語教育も
丈
ているのか」ということであ った。 しかし調
査を開始した 直後より,この対象が揺らぐこ
とになった。 それは,実際の教室を見学しな
「大言語主義」からくる 危うさを抱えている
ということであ った。 驚いたことにどの 文献
,英語を主な研究対象として 発展してきた
がら,「はたして,外国語の教授法とは ,それ
も
のみで語れるものだろうか」という
言語習得理論や 教授法を引き 合いに出し,
疑問にと
らえられたからであ る。 このことについて
-
本語の技能習得を 語っている。 それらは
-
日
見
英語教育の文献かと 見まごうほどで ,英語教
言言及しておく。
英語教育を専門とする 筆者は,当然,教授 授法の文献同様,どこにも「
ィ
可のための外国
法に強 い 関心を持っている。 年間,数え切れ
語 ( 日本語 ) 教育か」という 仰いは 見 あ たら
ないくらいの 英語教育に関する 学会,研究会
ない 0
が全国で開催されているが
,そこでは,効率
よく英語運用の 諸技能を教授するための 理論
Ⅲ中堅 (2000) は次のように 述べている。
「確かに,学会誌に 掲敵される論文は ,論文
や,そのために有効な各メソッドの 開発が主
らしくなってきた。 (@刊略) しかし,いつたい
な テーマとなっている。 そして,そのように
外国語教育のなかで 学習者をデータとするこ
教授法に特化した 研究会には「何のための 英
とそのこと自体にどういう 問題があ るのかと
語教育か」という 議論がしばしば 欠けている
か,そもそも外国人に日本語をおしえるとい
ことが多い。 そのような場では ,「英語は,伴;
うことがどういうことなのか ,といつた問い
習 者に必要であ る」という双提のもと ,学習
は,ほとんど問われることがないⅡ
日本語教育の 硬直性に警鐘を 鳴らす田中の
者をモルモットとした
実験データの 分析によ
る「習得効率の 向上」が議論される。 そこで
筆者が感じる 違和感は,学習者の 姿が見えな
いことからきている。
在の英語教育全体をも
この言が正しいのなら ,つまり実際の学習者
の姿を見ない 教授法研究を 進めるだけでは ,
そしてその違和感は 現
英語教育が世界に 対して ぢ ・えている影響カが
覆っている。 もはや英
そうなり得るように ,日本語教育が新渡日者
語は「世界の 共通言吾 」といわれ,日本だけで
なく諸外国もこぞって 英語教育に力を 入れて
にち, える影響力も「 - 方的」または「暴力的」
にすらなり得るだろう。
角知行・中井英民・ 岡田龍樹
しかし実際の 教室には,それが英語教育で
あ ろうが日本語教育であ ろうが,生身の
者と学習支援者がいる。
そこには
1)
学習
学習者
は誰なのか, 2) それぞれの学習者が 時つ
ニーズは何なのか ,そしてなによりも ,
3)
の授業において 学習者が楽しく 参加する姿で
あ り,日本語習得の 利便性だけを 追求する教
室はなかった。 従って,以下の分類の目的は ,
それぞれの教室を 上記のような 批判をもとに
「評価」しようとするものではない。 16 もあ
教室の中から ,それぞれの学習者が,教室
教室運営の理俳と 目的は何なのかという 問題
る
がついてまわる。 また今回の調査からも
の理念と形態 (時には雰囲気 )
の3
,こ
点の違いにより ,それぞれの教室の教授
形態が異なることが 判明している。 教授法
(教え方) はそれのみでは 存在し得ない。
こ
により自分に
合った教室を 選んでいるのが 実状だと考える。
ただ言えることは ,各教室にはその 理念によ
って相対的な 姿勢と学習支援形態の 違いがあ
のことを抜きにして ,懇意的に各教室の 教授
り,そのことは 以下の全ての 調査項目に影響
形態を分析・ 提示することは ,無意味であり
を与えているということであ
る。 ここではま
かつ危険ですらあ るだろう。 これを肝に命じ ,
ず,我々が調査した 教室における「日本語教
各日本語教室における
育 (学習支援 ) の理念」について 分析を行
日本語学習支援の 形態
を分析していきたい。
う
まず最初に , 我々が調査した lf 教室のそれ
ぞれが,新渡日者の 日本語学習を 支援する理
2 一 2. 教育 @ 留支援) の理念と学習者の実態
森本 (2001) は,「地域日本語教育の 批判的
念において, 1) 組織的・系統的な 日本語教
再検討」という 論文の中で,現在のボランテ
目標としているのか , もしくは, 2) 学習者
イア日本語教室に 対して,「機能主義的日本
のニーズに柔軟に 対応する必要性を 感じ,手
語教育」に陥っていること
作りの運営により ,「個別的な学習」を支援し
( 日本語能力の 向
育の必要性を 感じ,「専門的な学習」の実施を
上によって全ての 問題が解決されるという 姿
ようとしているのかを 基準にして,相対的な
勢 ) への批判, またその文脈において ,教室
における「先生一生徒」という 権力関係 (支
位置づけをする。 第 1 に,より「専門的学習」
援する側の日本人とケアされる 側の外国人と
JA 」と「梅原まちづくりセンター」があ
り,
ここではかなり 高度な日本語教育が 実施され
を
重視している 教室としては ,「奈良N
T N
いう関係 ) がカテゴリー 化されていることへ
の批判があ るとしている。 しかし実際の 教室
ている。
を見学して感じたことは ,これらの批判自体
している教室としては ,上記2 教室を除いた
がカテゴリー 化しているのではないかという
残り全ての教室がこの 節 時に入るものと 思わ
ことであ った。 機能主義的であ るかないか,
れる。 これらの各教室においては ,
学習者と支援者の 関係が権 力的であ るかない
室での授業自体が ,新渡日者との「交流」や
かは,それぞれが連続休 として存在し ,現実
彼らへの「生活支援」の
の各教室は,それぞれの 連続休の上のどこか
識が,より強いように 思われた。 (ただし,こ
に位置しているだけであ り, A か B かと
いう分類は不可能であ る。幸い,我々が訪れ
れは授業を抜き 出して見た分類であ
た全ての教室で 見たものは, システマティッ
支援は授業覚の 活動で補われている。 つまり
クな授業からアットホーム
そこでは日本語教育とその 他の活動はより 明
な授業まで,全て
第 2 に,より「個別的学習」を 重視
-
日本語教
,
環であ るという意
り,「専
門的学習」を 重視する教室でも ,交流や生活
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
日本語教室の 理,念 ・姿勢については - 致して
確に分けられていると 言える力
さらに,「個別的学習」を重視している 教室
においても,「交流」と「生活支援」のそれぞ
れに置かれる 比重は一律ではなく ,教室ごと
で, どちらかへの 傾斜が見られた
いる場合が多いと 思、 われた。
2 一 3. 学習支援の形態と 教授法
学習支援の形態と 教授法に関わる 諸項目の
(これにつ
いては,第 1 章,第3 章で分析されている ) 。
このように,相対的に 各教室の理俳と 姿勢
調査が,本稿での最も重要な部分であ ろう。
を 2 つに分類したのは ,次に見る授業の運営
数,クラスサイズ,
形態と教授法がそれによって 異なっているか
の属性,学習支援者と学習者の関係など ),
らであ る。 やや荒っぽいが ,上記の 2 タイプ
をそれぞれ,「専門的学習重視型」,「個別的学
ここでは,「授業の 形態」 (授業方式,授業回
レベル分け,学習支援者
「学習内容と教材」,「教授法と学習者母語の
使用」,「学習支援者の研修」の順に 見ていく
習重視型」と 名付け,以下の分析にも使用す
なお本稿では ,便宜的に,「
"受業」,「クラ
る。 ただしこの分類はあ くまで便宜的なもの
ス」,「
"ぼ韓」,「教授法」といった
,「教える者」
で,明確な分類が不可能な教室もあ る。 決し
と「教えられる
てカテゴリー 化をするためのものではないこ
使うものの,必ずしもそれらの 概念が適切で
とを断っておく。
ない場合があ
す
ギ
者」の関係を 規定した用語は
ることを断っておく
( このこと
さて, これら 16 の教室で学ぶ 学習者の実態
を学んだことも ,今回の調査の収穫であ る。
)
はどうであ ろうか。 まず, ここでいう学習者
また以下においては ,学習支援者を「専任 講
とは「新渡日者」のことであ るが,彼らは大
師」と「ボランティア」とに 分けるが, これ
きく分けて, 1) 仕事や勉学・ 研究のために
は職業としているか 否かを基準にしているの
来日ずる外国人
LT,
(例えば,企業の研修生,
A
留学生,研究者,およびその家族,な
ではなく,支援者が日本語教育能力の 専門性
を問われ「教師」や「講師」としてその
教室
ど) と, 2) 日本を生活の 場とするために 長
で位置づけられているか 否かを基準としてい
期 的に滞在する , もしくは「移住」してきた
(特にアジア,南米諸国出身の ) 人たちに分
る 。 またこれは待遇や 報酬を基準にした 分類
けることができるだろう。 もちろん,どのタ
イプの教室にどちらの「新渡日者」が
多く通
でもない。 各教室では学習支援者を
,「教師」,
「講師」,「担任」,「先生」,「チューター」,「
ボ
うかについては ,教室ごとでの傾向はあ るも
ランティア」,「(規定しない ) 」などと呼んで
おり,使われる 用語やそれが 持つ概念も一律
のの,全体として 類型化することは
ではない。 これらのことも 地 域 日本語教室の
・
困難であ
り,またそれは 誤解につながるおそれもあ る。 持つ多様性の 現れであ ろうし,用語や概念の
従ってここでは 類型化を避ける " ただし,彼
整理も今後の 課題として残っている。
らが教室にか よう 目的については ,就労や勉
学のための専門的な 日本語運用能力の
ら,日本での 生活を始めるために
的なコミュニケーション
習得か
2 一 3 一 1,
能力の習得,さらに
は日本語学習を 通じての同胞や 支援者との交
流まで,様々なものがあ り,学習者の 目的と
「授業の形態」
まず 第 1 の調査項目は「授業の 形態」であ
必要な基本
るが,当然「専門的学習重視型」の
よ
り系統性が見られた。 「奈良NINJA
教室には
」で
は,専属の会館 (奈良国際研修館 ) において,
角知行・中井英民・ 岡田龍樹
全日制と夜間の 部が実施されている
部は週 1 日,
3
(夜間の
レベルのクラス 分けで行われ
ているが,以下では 王に全日制について 見て
全日制の学習者は
6
週 2 日,それぞれ
時間の授業を 受け,年間で1200 時間の受講
を目標にしている。
クラスは 6 つのレベル
い専門性が求められる「日本語教育能力検定
試験」に合格していることが
条件とされてい
る。 この教室のユニー クな 点は,講師以覚に
広くボランティアを 募り,授業では各学習者
の横にボランティアが 座り,学習援助の補助
をしていることであ る
(ただし,ボランティ
(初級 2, 中級 3, 上級 1) に分けられ,一
応クラスの定員は 5 名であるが,それを 超え
アの学習支援内容は 極めて限定されている ) 。
る場合も多い。 授業はクラスに 固定されたの
にはボランティアを 含めれば,
専任講師 (クラス担任 ) によって行われ ,講
明確なものであ ると考える。
師になる条件としては ,「日本語教育能力検
定 試験」に合格していること
日本語教員養
,
成 講座を 420 時間受講していること
,大学な
ここでも学習支援者
(講師 ) と学習者,さら
3
者の関係は
このようにきっちりとクラス 方式で授業を
している教室には ,
こま」があ
ほかに「ネットワーク い
る。 ここでは通常の
教室はマン
どでの日本語教員資格を 取得していることな
ツーマン方式で 運営しているが ,別に奈良先
どが求められる。 そのほかにも 同教室内での
端科学技術大学院大学で
研修を受けることが 条件としてあ り,専任講
約 30 名の留学生を 3 レベル (各 7
師となるには ハ 一ドルが高いと 言える。 また,
分けてのクラス
日本語教育だけでなく 人格形成を意識した 各
開講する教室では ,
一 8 名)
に
方式で授業を 行っている。
「個別的学習重視型」教室の
中では,クラス、
種の授業や活動が 実施されており ,水曜日に
方式の採用は 例外的であ る。 クラス方式と
は地元のボランティアによって 準備される 給
えるかどうかは 分からないが ,その他の教室
(我々もご馳走になった。 )
でも一部にグループ 方式 (例えば,「大和郡山
食の時間まであ
る
ここでは学習支援者
(講師 ) と学習者の関係 :
ZGK
」のように学習者の 状況や希望により
一部グループ 別 学習を実施している ) がとら
は 明確なものであ ると考える。
次に「橿原まちづくりセンター」を
る 。 この教室は,県内では 唯 Ⅰ
NPO
概観す
れているが,これらの
場合も特に明確な
方 脆ィ,
とし
があ るからではないようであ る。 残りの教室
て社団法人化した 団体が運営しており ,いわ
では,概ね学習者1 名に支援者 1 名 というマ
ば広範な活動全般を 通じて,新渡日者や 各国
ンツーマン方式での 授業が主流であ る。 中に
からの留学生への「サポートセンター」
は「奈良 F&F
をめざしているものと 思われる。 日本語学習
より講師を招いてのクラス 方式とボランティ
支 ・援についてのみ見ると,授業は週 3 回実施
アに よ るマンツーマン 方式の両方による 学習
されているが , どれに参加するかは 学習者に
支援が行われていたが ,現在は予算等の理由
よって選択されているようであ
で クラス方式の 学習を断俳している。
る。 ここでも
クラス方式で 授業が実施されており ,
は 3 つに分けられている。
レベル
(ただし祝賀者に
」のように,以双は YMCA
このよ
うにマンツーマン 方式に偏るのは ,教室の規
模や予算といった 理由からできない 場合と ,
はマンツーマン 形式も採用されている。 ) 授
逆に学習者との 交流を深めるボランテイア
業は専任の講師
動の趣旨からあ えてマンツーマン 方式を選ぶ
(現在 5 名 ) によって実施さ
れており, ここでも講師となる 資格には,高
場合とがあ
活
る。
41
奈良県の地域日本語教室に 関する共同研究
専任講師 制 をとる「奈良
N I N J A
交流会など ) を実施している。
」と
「橿原まちづく 0 センター」以覚の 教室では
ボランティアに
よ
授業・担当者に限定すれば,専任講師 制 をと
り学習支援が 行われている。
ボランティアになる 資格としては ,
-
部日本
語教育能力の 基準を明記している 教室 (「生
駒日本語交流クラブ」,「日本語相談室主 寺
るのは 2 教室のみであ るが, これには日本語
教育に対する 考え方とボランティアに 対する
評価が背景となっているようだ。 専任講師 制
をとる理由として ,「奈良NINJA
」ではボ
ランティアは 日本語教育の 専門,性に欠けるこ
」
など ) もあ るが,「熱意さえあ れば歓迎する」
㏄大和郡 11.lZGK 」,「奈良
F&F 」など ) と
いった教室が 多い。 また「バローバル 香芝」
や「桜井 S I ヴ A 」のように,教室の設置者
とを理由にしており ,また「梅原まちづくり
センター」ではボランティアの 不確実さ ("H"
の仕事を,学習者とボランティアの「コーデ
としてあ げていた。 確かにボランティア 制を
ィネーション」のみに 限定しているところま
とる他の教室でも ,「英語( もしくは自らが 学
であ る。 ただしボランティアによるマンツー
んでいる外国語 ) が話せるから」というよう
マン方式にも 若干の差があ り,「バローバル
な自己中心的な 動機で申し込むボランティア
香芝」のように 常時,学習者とボランティア
の問題点を聞くことがあ った。 しかしこれら
2 つを除いた,ボランティア 制をとるその 他
の ぺア を固定するところもあ
相談室王手」のように
い姿勢や定期的な 確保の難しさ ) をその理由
れば,印本語
の教室では,「地域日本語教室」自体がボラン
1 人の学習者に 4 人の
ボランティアがつき ,順に代わっていくとこ
ティア活動であ り,ボランティアにより 授業
ろもある。 これは,「より 深くコミュニケー
が運営されることは 当然であ るという前提に
、ンョン ができる」ことをメリットととるか
立っているように 思われる。
,
「バラェ ティをもたせマンネリを 防ぐ」こと
を重視するかという 考え方の違いによる。 ま
た,その日ごとで学習者につくボランティア
2 一 3 一 2.
が 変わるところも 多い。
る。 ここでも「専門的学習重視型」,「個別的
「学習内容と教材」
第 2 の調査項目は ,「学習内容と教材」であ
ボランティアが 学習支援する 大半の教室で
学習重視型」により ,教室において重視され
は,概ね,支援者と
学習者の関係は 明確なも
る学習内容は 異なっている。 「専門的学習重
のではない。 特にそのことをインタビュ 一等
視・四な」の「奈良
では強調される 教室も多く,例えば「先生,
マル な外国語教育の 形を取った年間の 学習内
生徒という呼び 方はしない」㏄バローバル
香
容を準備している。 ここでの授業は ,厳密な
) や 「教え,教えられる 関係にはしない」
プレースメントに 始まり,各レベルごとで 定
芝」
㏍日本語相談室玉手」 ), また「学校,学校し
な いことを目標にしている」
NINJA
」では,最もフォー
められたシラバスにそって 進められる。
クラ
スごとの到達レベル (例えば,初級 1 では
「簡単な会話ができ ,平易な文,短い
文の読
(「生駒日本語交
流クラブ」) などのコメントをいただいている。
多くの教室では ,授業は週 1 国行われている
み書きがでる」) が設定され,それに 基づいた
教材 (王 と副) が選定される。 指導内容も文
ことが普通で
字,語彙,聴牌,作文,読解,会話ごとで
明
最後に,これらボランティアをべ
,
ー スにした
またそれぞれの 教室は,授業
以外の活動 (例えば,ハイキンバやパーティ
42
,
記されている。 使用されるテキストも
,
「
み
んなの日本語」「しんにほんごの 基礎」といっ
学習内容と教材を 独自に決めている。 見学し
たポピュラ一なものから「日本語中級読解入
た日には,ある ぺア は漢字の習得のみを
門」「上級で学ぶ日本譜」のような
たあ る ぺア は新聞の記事を 読むことを,学習
他の教室で
は見かけなかったテキストまで ,さらにはそ
,ま
内容としていた。
の他様々な補助テキストやビデオ 教材を副教
「個別的学習重視型」の 教室のうち,「生活
材・として使用している。 また「日本語竹邑フ抽食
支援」に重点を 置く教室では
定 ;弗験」の受験対策も 行っている。
内容と使用 教利 には柔軟に対応しているとこ
次に「橿原まちづく 0 センター」で 見学し
,いっそう学習
ろが多い。 学習者の希望により 日本語学習の
たあ る授業では, レベル別のクラスに 一人の
専 講師がつき,テキスト (例えば,「しんに
内容を決定しているだけではなく ,日本語教
育を離れて日本の 小・中・高にかよう 新渡日
ほんごの基礎」 ) をもとにした 授業がなされ
の児童・生徒 (例えば,ブラジルや中国から
ていた。 また別の "
授業では,講師の手作りに
の新渡日者 ) の学習援助
よる教材を用いてコミュニケーション
る
ィま
活動が
(例えば,宿題をみ
) をしたり,悩みの 相談や生活相談に 授業
指導されていたし ,上級クラスではテープ 教
"
時間を使っている 場合もあ
相 (ニュースの聞き 取り ) を用いた聴牌 が指
GK
尊 されていた。 そのどれもが 日本語教授法を
0 宿題をしたり
意識したフォーマル な授業であ った。 ただし
ブラジル語で 交流する姿や ,「田原本F&
この教室には 年間シラバスのようなものはな
では台湾出身の 高校生に進学相談する 場面な
く,学習内容は 基本的に専任講師に 任されて
どに遭遇した。 また, 「大和高田日本語講座」
おり,また講師間で 定期的に持たれる 研修会
の場で相談され ,合意の上で決定されている
では日本語教室の 域を超え,何年間も 同教室
ようであ る。
一万「個別的学習重視型」の 教室では,
の新渡日者が ,
テ
キストの使用は 多く見られたものの ,学習内
容にしても教材にしても 固定的なものではな
る。 「大和郡山 Z
」ではブラジル 出身の小学生たちが 学校
,本学ブラジル学科の先生と
且
」
に通 う 中国,ブラジル,フィリピンなどから
日本語学習をしながらも ,あ
たかもサロン 的な雰囲気の 中で支援者や 同胞
(同国人) たちとの交流を 楽しむ姿があ った。
学習支援の理俳,つまり 生活支援を重視し ,
く,基本的には 学習者のニーズに 合わせてい
日本語教育はその 手段の d つとする立場から
るケースが多い。 テキストと教材は , 例えば
見れば,これはしごく 当然のこととも 言える。
「かんなの日本語」や 小学校のプリント
類
㏄奈良虹の会」), 「しんにほんごの 基礎」や
新聞記事など
(「ネットワークいこま」),
「文
2 一 3 一 3,
「教授法と学習者母語の 使用」
今回の調査を 通じて, 日本語教育の 場合,
化初級日本語」 印生駒日本語交流クラブ」 ) な
教授法については ,研究・理論の世界と現実
どが使用されていた。 また,設置者が内容や
の教室の間に横たわる
教材には一切刃針 は持たず,学習者一支援者
大きいことを 実感した。 日本語教育を 専門と
のぺ ア に任せているところもあ る。例えば
「バローバル香芝」では,世話人のコーディ
論や教授法が 主流になっているかは 知らない
ネーションによって 組まれたた学習者とボラ
が,実際の教室の場では授業担当者から 教授
ンティアの ぺア が,学習者のニーズに 基づき
・法についての
言及はほとんどされなかったし
乖離が英語教育以上に
しない筆者は ,現在研究の場でどのような・理
,
43
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
質問をしても 回答してもらえなかったことが
れも「専門的学習重視型」教室の 特徴と言え
多い。 これは何に ょ るのか,例えば,研究の
成果が共有されていないからなのか ,それと
るだろう。 それ以外で,授業において 学習者
も理論などは 実際の教育現場では 役に立たな
いからなのか ,
ほついては調査が 不足してい
母語は「基本的に 使わない」と 答えた教室に
は,「バローバル 香芝」,「ネットワークいこ
ま」などがあ り,それは学習者の 諸言語に対
る。
我々が時にした 唯一の指導法の 名はディレ
応できないことや ,ボランティアが「覚国
クト・メッ ソド (学習者の母語を 使わない 直
ためであ る場合が多い。
接法) のみであ り, これは地域日本語教室の
学習環境を考えてみれば
当然のことであ る。
学習者,つまり 新渡日者は日本に 住み, 絶え
ず日本語の exposure
て,
を受けている。 そし
日本語教室での 彼らにとっての 日本語は
JSL (Japanese
as
a
Secon 己 Lan 紐 age)
に近い。 つまり, 円本で英語を 学ぶ学習者に
とっての英語は EFL
(Engl sSh as a Forei 糾
土
語」ばかり話す (話したがる ) 問題が起きる
逆に,母語の使用を - 部肯定する教室には ,
「生駒田本語交流クラブ」,「奈良 F&F
」,
「大和高田日本語講座」,「郡山ZG Ⅹ」など
があ った。 このうち「生駒日本語交流クラ
(これまで英語とポルトガル 語での対応を
してきた ) のように授業での 母語使用には 柔
ブ」
軟な教室もあ るが,「奈良ゲ &F 」,「大和高田
日本語講座」,「大和郡@ は GK 」では,授業
Lan 紐 age) であ り,一歩教室を 出れば英語と
における母語使用を 積極的に受け 入れる姿勢
は無縁の世界になる。 ところが日本で 日本語
に出会った。 「奈良F&F
を学ぶ新渡日者たちが 教室を出ても ,そこに
は日本語が使用言語とされる 世界があ り,彼
者の母語を使用することは
らは教室内以上に 教室外で日本語に 触れてい
こと (例えば,「直説法の教え方で半年かかる
る。 それだけに学習者には ,
内容も,母語を 介せば 1 ケ 月で習得してもら
田本語で授業を
受けるレディネスは 高いと言える。
また, 学
」では,絶えず 学習
否定しながらも ,
特に初期の段階では 母語使用の有効性があ る
える」など) を認めている。 「大和高市日本語
習 者の母語を使用しない 理由としては ,学習
講座」では諸言語で 対応できるボランティア
者の国籍が多岐にわたることから
,数多くの
を意識的に集めており ,そのことを特色にす
学習者母語に 対応できないという
現実的な側
らしている。 一昨年, この教室から 筆者に
面もあ る。 学習支援者の 大半が日本語を 母語
「ロシア語ができる 学生を紹介してほしい」
にしているわけだから ,地域日本語教室では
例外なく,主に日本語を媒体として 日本語を
という依頼があ り,その後本学ロシア 学科の
学生が参加した 経緯もあ る。 「大和郡@-UZG
教えるという 形態がとられている。 ところが
K 」の場合も,授業での 母語使用は歓迎して
学習者母語の 使用については ,使う,使わな いる。 これまで (そして現在も 一部) 本学の
いに関して概ね 二つの立場に 分かれている。
ブラジル学科,中国学科,イスパニア
学科の
学習者母語は「一切使わない」と
答えた
「奈良N NJA 」と「樫原まちづく 0 セン
Ⅰ
ター」では,完全なディレクト・メソッドで
の授業を目標とするため ,
-
切の母語使用を
排除するという 専門的な姿勢が
44
見られた。 こ
学生がボランティアに 参加していたこともあ
り,またブラジル 学科の教員 ( ョシ オカ・レ
イメイ 氏 ,岡村順子氏 ) が積極的に関わると
いった交流もあ った。 さらにこの教室では
「生活支援」への 比重が大きく ,学習者の生
清 に関わる諸問題を 理僻し支援する
場合には,
らの指摘は ,
多くの外国語学科を 持つ本学が ,
かなり専門的に 学習者母語が 話せる話者を 必
今後,地域の日本語教室への
要としており ,最近本学からのボランティア
際に,大いに参考になるものと
支援 (参加) が少なくなってきたことを 懸念
貢献を模索する
考える。
最後に少しではあ るが,教授法研究のテー
マとなり得る 指導 -l:の課題をあ げておく
されていた。
授業で実際に 学習者の母語を 使用する,
し
ま
ないは別にしても ,支援者が学習者母語が 使
は ,上記の・指摘にもあったが,母語話
者ごとの弱点を 整理することが 有益だと感じ
えること, もしくは支援者に 外国語の運用 能
た。 「奈良N
力 があ ることには, 日本語学習を 支援する上
た学習者は,漢字という 視覚情報に頼ること
で 大きなメリットがあ ることを,「ゑ 良 F 乱
ができるため ,かえって学習が遅れる場合が
あ ること, タイやべ トナムなどから 来た学習
・
ず 第 --
目
F 」では強調されていた。 この立場は, 日本
語学習支援者の 資質に外国語の 運用能力は必
要ないとするもう
-
方の立場とは 対局に位置
する。 これは,本学の 貢献を探る際に 有益な
提起なので,以下に筒 単にまとめる。
「奈良F&F
U
」では,漢字圏からの 来
者の音韻の矯正には 特に指導上の 丁寧-さがい
ることなどを 教えてもらった。 「奈良ぢ &F
からは,「社会言語学的アプローチ」の 必要性
」
を伺った。 これは,新渡日者が 暮らす日本の
」が理想とする 支援者の資質は
学習者母語
IN J A
( もしくは外国語 ) ができる
こと, 2) 異文化理解に 精通していること (
ノし
環境では,「生活言語」は(テレビからでも ) 自
然 とおぼえるが ,
申
・
高
・
日本の公教育の
場Ⅱ ぃ
大 ) で学ぶのに必要な「学習言語」
確からの視点があ ること ), 3) 日本の学校文
と,社会生活 (生活,就労など) をする上で
化に精通し見識があ ること, 4) 日本語教育
必要となる「社会言語」の
習得は容易ではな
ができること ,
く, そのことが新渡日者の
日本での生活を 阻
の 4 点であ る。 日本語習得を
支援するだけでは ,学習者 (特に若年者 ) が
害している。 日本語教室の 課題もこの二つの
母語や母文化を 喪失することを 助長してしま
言語コードをいかに 習得させるかにあ
い ,そのことを原因とする家庭内や
窮する新渡日者を 支援する他の 教室でも,
問題が起きてしまう
祉会的な
(事実深刻であ る ) 。 そ
る。 困
「学習言語」と「社会言語」の 指導が課題だ
のためには,これら 4 つの資質をもって 学習
という話は聞いたが ,
者のアイデンティティを 守り育てる必要があ
かという学術的な 支援が今求められている。
これをどう克服するの
る。 学習支援者に 学習者母語 (外国語) の逆
用能力があ ることは,それだけ ,学習者が自
らの母語と母文化を 保持するのに 力が貸せる
ことになる。 また日本語指導においても ,
国語学習の難しさや 楽しさが共有できる
「学習支援者の研修」
日本語講師やボランティアの 研修について
外
は,多くの教室で 教室内の相互研修が 行われ
(自
ており,それらの 多くは教室外での 研修も正
規のプロバラムとして 組んだり,積極的な 参
己の学習体験を 照射して ), 母語ごとの学習
者の弱点
2 一3 一4、
(例えば,中国語話者は 助詞が弱 い ,
加を勧めたりしている。 分かる範囲で ,各教
朝鮮語話者は 濁音が弱 い など ) が明確になる ,
室の研修状況を 筒単にまとめておく。
当該外国語への 知見から文化ごとの 社会言語
「奈良NINJAJ
: 教室内での定期的な :
工研修㏄公開授業」 ), 教室外の様々な 専門的
学的な違いが 教えやすい,などがあ る。 これ
叫
同
45
奈良県の地域円本語教室に関する共同研,
究
講座への参加 (2001年 i2 月には, この調査が
縁 となって,講師集団が 本学に研修に 来られ
行政が運営する 極めて組織的・ 系統的な日本
た) 。
語教育が一部で
「橿原まちづく 0 センター」 : 月
ティンバでの
参加補助
1
回のミー
講師閥研修,教室外の識座への
」
: 同教室が他教室に 呼び掛け
ての共同セミナ 一の実施, YMC
lY の 講師を
招牌しての研修会 "
「郡山Z GK
」
実施されており ,各ボランテ
ィア団体は行政と 連携する形でそのもとに 統
合されている。 はたして奈良県でもこのよう
な行政主導による 統一が必要だろうか。
(半額 ) 。
「奈良F&r.F
があ る。 例えば,我々が調査した大阪市では ,
: 年 5 回連続のセミナ 一の実
施 (講師を覚部から 呼んで。 内容は ,
メソッ
ドだけでなく 人権 の観点からのものもあ る ) 。
これについては「奈良 NINJA
」のよう
に,「新渡日者への 日本語教育は 社会的な
ニーズであ り,本来は行政のしごとであ る」
として行政主導を 訴えかけて い くことが求め
られるという 立場があ る。 「大和郡山ZGK
」
でも, 日本語教育だけでなく 生活支援を含め
「奈良虹の会」: チューター相互の 研修会。
た支援活動は ,本来行政が行うべきで,当面
「ネットワークいこま」 : 隔月で教室内研修
その肩代わりをしているという
しかし逆に,行政に 条件整備は働きかけるも
(別の月は国際交流行事 ) 。
「生駒日本語交流クラブ」 : YMCA
の講座
「田原本F&F
ューターとして
F&F
」
: ボランティアの
月
-
京都覚国語大生
1
人 (日
いう考え ( 相: 原 まちづくりセンター」 ) もあ
る 。
国研修会を開催,「奈良
」が主催する 合同セミナ一に 参加し
. 記 以外にも,それぞれの
「
その他多くのボランティア・べ
ー スで運営
される教室では ,教室ごとの独自性こそがボ
ランティア活動の 長所であ り,それぞれ 違っ
た教室があ ってもいいという 声を囲くことが
ている教室はほかにも 多い ) 。
」
の役割は分けるべきだと
) をチ
」が主催する 合同セミナ一に 参加㏍奈
良 F&F
のの,行政の役割と直接新渡口者を 支援する
市民団体 (NPO)
に参加 ( 自費) 。
本語教育を専攻する
意識が強い。
教室が独白の 工
多 かつた。 実際,多様性 (教室ごとに特徴や
夫 で研修を実施している 姿が窺えたが ,教授
長所があ ること ) は強みでもあ る。 専門的な
法 (教え方) に関しては専門的な 援助を本学
日本語教育が 受けられるところ
に求められる 教室もいくつかあ った。
ニーズが尊重されるところ
,
,学習者の
日本語教育より
も「仲間」との 交流を育むところ ,そのどれ
2 一 4,
もに魅力があ ったし,実際の 学習者たちは ,
まとめに代えて
ここまで各教室の「学習支援の
方法」につ
それらを考慮して 教室を選んでいた。 にけには,
いて見てきたが ,調査を終えて感じることは ,
ニーズに合わせて 複数の教室に 参加する者や ,
上記のような 大まかな分類はできるものの
地理的条件を 無視して遠くの 教室にかよう
それぞれの教室はその 理念と姿勢にょり
,
,極
者
もいた。 行政の怠慢は 多くの教室で 指摘を受
めて独自的に 運営されているということであ
けたが,行政がどのように 新渡日者の日本語
る。 そこでまず今後の
教育 (全般的な支援も
課題としては ,地域
(奈良県) 全体として,個々ばらばらな 活動
を統一する必要性があ
るかどうかという 問題
含め ) に関わるべきか
は,まだ議論の 余地があ ると考える。
教室運営形態の 統一は別にしても
,しかし,
角知行・中井英民・ 岡田池松
日本語教育の 観点からは,個々ばらばらな・ 授
を
援助することができるだろう。
その活動の
業運営のマイナス 点も多く闘いた。 「しっか
中身としては ,以下のようなことが 考えられ
りした教授法に 関する知識や 教材がない」,
る。
「他の教室のノウハウやスキルを 学びたい」,
地域日本語教室を 支援する「情報センター」
「プロの研修会は 高くて参加する 費用がな
としての活動 例
い」,「ボランティアを始める双のべーシック
1,
な研修 (学習支援者の 基礎教育 ) を受けさせ
設置 (外部への開放 )
たい」など,それぞれの 教室の抱える 問題は
2.
多 い。 第 1 章にもあ ったが,一部,ネット
に出向いての 指導
る統一にも指導法を 交流するネットワークに
このような「情報センター」の
も興味がなく ,現在の地道なボランティア 活
( 同本語検定試験などについて )
(検定試験
3. 教授法に関するセミナ 一の開催や教室
なされている。 しかい中には ,行政主導によ
関係の情報
日本語教育関係の 情報発信
情報や各地での 研修会情報など )
ワーク化の動きもあ り,問題解決への 努フH も
動に満 T しており,「文献・
教材と田本語教育
文献・図書・ 教材の収集と 閲覧場所の
利用や参 "
加
については,各教室にその 判断を委ねるべき
だろう。 しかしその前に ,学内にそのような
ぬま戊への貢献を
意識した条件整備が 始められ
士
・
だけがほしい」という 教室もあ った。 今回の
る必要があ る " 日本語教育には 門外漢の我々
調査で強く感じたことは ,たった10 年でここ
まで増えた地域日本語教室の 背景には,我々
れについては ,次年度より 発足する「天理大
には窺いしれない 集合・反発・ 離散を繰り返
学言語教育研 "究 センター」が ,今後本学に水
してきた教室問の 力学が存在し , 全ての教室
められる外部への 発信活動の一環として 位置
が満足ずるネットワーク 作りは困難に 思えた。
このことを念頭に 置き,最後に天理大学が
づけ,体制作りに主体的に関わることを 強く
提起したい。 また同時に, 日本語教育を 専門
今後の地域日本語教育にどのような
貢献がで
きるかを考えたい。 まずは, 日本語教育を 専
門とする教員を 擁する天理大学は ,奈良県に
3
人がその任を 務められるわけではない。
こ
とする研究者には ,教授法の研究も 含め, 支
擬 する 中身の検討をお 願いしたい。
その他に「学習者母語
(各覚国語 ) が使え
おける地域日本語教育の「情報センター」と
る支援者」が 求められており ,
しての役割を 担える可能性があ ると考える。
語を含め 11の語学コースをもつ 本学が貢献で
本学は,奈良県に存在する営利的な 日本語教
きる可能性は 高いと考える。 これについては
室は別にして ,その他調査の対象となった㏄
次章の日本語ボランティアを 述べる箇所で 詳
の教室を結ぶ「緩やかなネットワーク
しく触れられる 予定であ る。
作り」
この点も日本
47
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
とともに,ニューカマ 一の抱えるさまざまな
3. 国際交流と生活支援
3
一
問題になんとか 応えようとしているボランテ
ィアたちの活動,あ るい ぽ 悩みをみつめて ,
] . はじめに
今後の課題を 見出してみようと 思う。
私たちの共同研究が 研究対象としている
「地域日本語教室」は ,地域村会に在住する
外国人に対して 田本語を教えることを 目的と
して, 主,として地域住民のボランティアによ
3 一 2.
国際交流活動
3 一 2 一 l . 国際交流活動の 全体像
って組織的・ 計画的・継続的に 運営されてい
奈良県下の地域田本語教室はなんらかのか
る。 設立の経緯は 第 1 章でのべられたように
たちで国際交流を 活動の - 環として取り 入れ
さまざまであ るが, 日本語が -J-分に理解でき
ている。
ない人びとと ,それらの人 びとになんらかの
手をさしのべた いと 考える人びとが ,地域社
の「その他活動」Ⅱ
会という同じ 生活圏の中に 存在して,地域l;l
本語教室は成立しているのであ
る。 そこには,
『なら日本語マップロ (200(W
年7
マ)
と
m各 記する )
と
l1缶 言已 する )
の支援についての 関心がべ ー スとして存在し
て整理すると,各同本語教室における
活動は, 日本語の指導を 基本としながら ,
一
方では日本人を 含めた多様な 国々の 人 びとの
間の「国際交流」を 志向し,他方ではことば
や文化の違いから 生じる社会生活」 " の 困難に
直面する人びとへの「生活支援」を
志向する
ことの可能性が ,必然的に内包されていると
いうことであ
および
述 をもとに, イ ン
の言色
ビ ス 一の聞き取りく (イ )
つまり,そもそも 地域同本語教室の
)
『日本語教室ダイレクトリー J (20(W0
年3月)
の「日本語教室以覚に 行っている活動」等
ことばを契機として ,異文化の接触と 他者へ
ている。
月
とⅢ 各
タ
記する ) を加え
国際交
流活動は次のとおりであ る。
①五條 T FC
(ダ)花見,料理教室,お
茶会,中国語で歌
お う ,橋本市国際交流DAY
参加,手
話教室
②生駒日本語学習会
(ダ) 日本文化 (茶道,伝統音楽,着物
) を
体験,公開の催しを中に 1 一 2 回開催
る。
しかし,それぞれの 教室において ,活動が
発展・定着していく 過程で,事業としてどこ
に特色をもたして 教室を運営し 需要にこたえ
ていくのかという 点で,差異がみられるよう
( 日本文化 1 同体験など ), 学習者に
よるお 国料理教室
(全員対象 )
③生駒日本語交流クラブ
(マ ) 生駒市中火公民館主催国際交流講座へ
になっている。 それは統一的な 監 ,瞥 ・指導が
の参加,奈良大あ んどん祭りへの 参加,
なされないボランティア 活動という自由な
歓送会・忘年会
組
搬運営がもたらす 多様性の結果であ るともい
える。 それぞれの地域の 実情のもと,運営者
やボランティアの 求めるものによって ,力点
のおきどころを 変えながら多様に 展開されて
いるのであ る。
本革では,国際交流と 生活支援に焦点をし
ぼって,地域日本語教室の 多様性を描きだす
(ポトラックパーティ
形式 ) 開催
( ダ) 奈良で開催されるイベント
(お 祭り,
交流会,講演会) に参加したりして 交
流
④香芝日本語教室
(マ )m, 理 教室など開催
⑤グローバル
香芝
(ダ) 国際理解セミナⅠスポーツ
交流会,
日本文化を楽しむ 会 ,国際交流市民の
(マ ) 日本文化紹介 (月 1 回 ), 外国人に
日本語スピーチ (年 1 回)
集い,外国料理を 楽しむ 会
(ダ) フィリピンの 古典民族楽器の
(イ ) 月例会で夏祭りに 参加,年 2
七夕やクリスマス
回くらい
全やフェアウェル
演奏バ
ループの演奏活動を 通しての国際交流
(イ ) お茶会,折り 紙 ,お花,盆踊り
⑬日本語相談室王手
パーティ
⑥桜井 S
よ る
(マ) 学習者の希望を
I FA
(マ ) 日本の行事にあ わせた小規模の 催し物
を 随時企画
取り入れハイキンバな
どを行っている
(ダ)外部情報の積極的提供
(ダ) 2 か 月に 1 回 ( また @ 同 1
) 日本文
(県 や lll
丁 十 ].の国
際課等主催の 交流行事,文化行事など
化の体験講座を 予定 ( 日本料理,年賀
で,本人負担のない ,または僅少のも
状の書き方など )
のの情報を提供して
(ィ ) 講座,イベント ,
セ
外国 ノ L0
フ
参加の機会を 作
る ), チューターと 一緒にハイキンバ
ための同本文化体 @T- 。 一な どを行って
や バーベキュ一大会などを 実施,その
じる
他 (学習者の希望を 取り入れて随時 実
⑦大和郡 l上 lZGK
)
(イ ) 月にⅠ 回 グループディスカッション
な伍
(ィ ) 花見,サマーキャンプ,スキコブラ
ジルのパーティ ,民族衣装の試着金,
1 年に 1 回まとめて入学・ 卒業・就職
のお祝い,バザ一で模擬店
(いろんな国の 人が興味あ ることを出
し合い , 語り合う )
⑭ネットワーク 生駒
(マ ) 毎月 1 回国際交・流会
⑧桜井タマリーバ
(イ ) 隔月で国際交流
(マ ) 年数回親睦会を 開催
(イ ) 年 2 回 i 見などのパーティ
け、 ピーチ ), クリスマ
スパーティ
ィ
⑮梅原まちづくりセンター
⑨田原本 F&F
(マ ) 年 2 回の親睦会,バザⅠ地域のフ
(ダ) 毎月何らかの 活動あ
り
(イ ) スポーツ大会,伝統文化
リーマーケットに 参 加
・
(イ ) 毎年クリスマス 会
G折り紙), 料
理詰座
⑩奈良NINJA
⑯大和高田日本語講座
( ダ) 遠足,施設訪問,文化祭
(イ ) 遠足やクリスマス 会を開催
お茶な
行事の内容をみてみると ,花見・キャンプ・
⑪奈良 甘 &F
(マ ) 月 2 回サンデーサロン (文化交流など )
な行事があ る一方,文化交流的な 行事・も行わ
(イ ) 感性の教育を 重祝し ,
生け花 ,
クリスマス 会 ,歓送会,遠足といった
季節的
どを教える
開催
(ダ) サンデーサロン
介など)
⑫奈良虹の会
れている。
これには日本の 伝統文化 (茶道・
着物・日本料理・ 円本舞踊・折り 紙 等 ) を中
( 日本文化,孝文化紹
心にする場合と
,外国文化 (民族楽器の演
奏・覚国料理の 講習,民族衣装の紹介等)
も
行っている場合があ る。 後者としては 本表 か
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
ら 判断すると「 五條 I FC
」「生駒日本語学習
から日本語教室は 日本語指導に 特化し,国際
会」「生駒日本語交流クラブ」「香芝日本語教
交流活動は「社団法人まちづくり
室」「バローバル香芝」「大和郡山 ZGK
ンター」本体が 受け持つようになっている。
」「奈
国際交流セ
」「奈良虹の会」「橿原まちづくりセ
そうした形での 役割分担は , 「バローバル 香
ンター」があ げられる。 第 2 章で学習者母語
芝」,「桜井S I FA 」,「虹の会」においても
への対応の違いが 説明されていたが ,
対比していえば ,ここには学習者勘文化への
見られる。
再
「バローバル香芝」は,正確には 多方面の ?-
対応の違いがあ らわれていて 興味深い "
動 なしている香芝市国際交流市民の
良 F&F
それと
また,国際交流をはかりながら ,バザーや
会 (グ
ローバル香芝 ) が運営する日本語教育支援組
フリーマーケットへの 出品・出店によって ,
織 ( 日本語クラブ ) であ る。前者は留学生の
きびしい台所事情を 少しでも緩和しようとす
ホストファミリ
る努力などもみられる。 「大和郡山 ZGK
「田原本F&F 」がこれにあ たる。
」
一の紹介や広報などを 手がけ
るとともに,国際交流事業を 担当している。
「桜井S I FA
( 二 桜井市国際交流協会
H
は,「地域交流部」「地球市民部」「友好都市部」
3 一 2 一 2,
国際交流活動の 位置づけ
ここまで地域日本語教室が 全体として国際
の3
部編成で組織されており ,「地域交流部」
が
S I FA
「
日本語サロン」として 日本語教
交流活動に取り 組んで い る実態を明らかにし
育支援活動を 行い,「地珂さ 市民部」は講座 や イ
てきたが,それぞれの 教室において 国際交流
ベント,セミナーを ,「友好都市部」はホーム
活動の位置づけは 必ずしも同じではない。 学
ステイの受け 入れ家族の募集を 担当している。
智 者が日本とは 異なる文化を 背景とした覚国
「虹の会」はアジアについての知識と理解を
人であ り, 同本語を指導しているのが 学習者
深め行動する 自主学習バループの 総称であ り,
と国籍や文化を 異にしたボランティアであ
る
例会という形でアジアについての
学習会を月
のだから,上に見たように教室の 中では何ら
1 回開きながら ,外国の人たちの 日本語学習
かの国際交流が 行われている。 しかし,現在
を 手伝う「オアシス」と ,
のボランティア 数の間題から ,交流の範囲を
民族楽器演奏バループ「コンダリア
地域住民にも 広げたような 活動が必ずしもで
うふたつの活動組織をもっている。
きないでいる 教室もあ
フィリピンの 古典
虹 」とい
このように国際交流を 地域社会のなか
る。
国際交流を地域の 人びとが参加できるよう
刊 l扁
広く展開しようとする 場合,重層的な組織構
な形で実施していけるかどうかは ,教室の組
成にすることによって ,担当するメンバーが
織 編成のあ り方に依存している。 つまり,
時には掛け持ちで 活動することもあ るが,負
日々の日本語指導と ,イベントとしての 開か
れた国際交流活動を 並行して実施している 団
担を軽減することによって 団体の特徴をより
体には,教室内もしくは 教室とは構成上別の
鮮明にしようする 場合もあ
る。
地域に開かれ 不特定多数の 人びとに参加を
組織が担当しているケースが 見られる。
例えば,「橿原まちづくりセンター」は ,設
呼びかけるような 国際交流事業は
立当初は国際交流にウェイトをおいた
に知らしめる効果があ り,共同体の 中で相互
理解を促進する 役割として期待することがで
活動を
していたが,財団の 組織が充実してきたこと
,外国人が
身近にいることとその 人びとの文化を 日本人
角知行・中井英民・ 岡田龍樹
きる。
関連して学習者から 生活上で 困 ったことのあ
しかし,そうした 交流事業を展開する 前提
る経験が話された 場合,その意図を 汲み取っ
として,個々の 外国人のアイデンティティの
保持をはかるような 交流活動がおこなわれる
て通羽 として利用し ,その時の対応や 処置を
必要があ る。 それは教室のなかでの 指導,
も
域日本語教室におけるボランティアの
しくは授業後の 語り合い (ティータイム )
と
範囲といってもよいことだろう。
いったコミュニケーションにおいて
回答しながら ,指導を進めていくことは
果たされ
常識の
そうした意
味で,生活支援は学習者側からの 需要でもあ
り,それに応えていくことが 地域日本語教室
るものであ ろう。
外国人に対する 識字学級の実践事例報告に
「とくに国際結婚の 場合
子どもが母親に
,地
の使命であ るともいえる。
しかし, それぞれの学習者が 直面する困難
だれよりも
日本人らしくなることを
望
のバックボーンは 根深く幅広いことから
る
活支援に真摯に 取りくもうとすればするほど
む」といった 問題が指摘されることがあ
,
生
(西町 1998)。 まずは自らの 文化やアイデン
支援する側の 負担は大きくなり ,教室内での
ティティが尊重される 場として日本語教室は
指導を超えたものとなっていく。 次のような
ことばは,そうした 指導者側の苦悩を 如実に
機能することが 大切ではないだろうか。 いく
つかの教室を 訪問,参観させていただいたが
,
授業には参加しないで 同じ国の人たちで 情幸l
丈
交換をしたり ,ただおしゃべりをしていると
いう風景に出会ったことがあ
る。 こうした機
表していると 見るべきであ ろう。
「日常の生活支援に 関しては,われわれはい
っさい関与しないという 方針をとっている。
キリがないからであ り,かって交通事故の 深
会を作り出す 日本語教室はそれだけで 大きな
入りをして困った 経験があ るからであ る。 支
役割を果たしているということができる。
援は教室のなかにとどめている」 ( 日本語相談
室主 寺 ) 。
交通事故の処理などは ,
3 一 3. 生活支援活動
日本語教育の 場面
で会話側 にあ げたり,授業の短い時間のなか
3 一 3 一 l . 日本語指導と 生活支援
次に地域日本語教室における 生活支援活動
での助言によって 解決するような 問題ではな
をとりあ げる。 学習者は, 日本語を十分に 話
い。 教室のなかでできた
せない,あるいは読めないことからくる 生 ?舌
から,ボランティア 側 としてもできるだけの
上の困難の克服を 求めて, 日本語教室に 通っ
世話をしてあ げたいといのが 人情であ ろうが,
日本語指導と 生活支
てくるわけであ るから,
援は切り離せない 関係にあ る。 生活支援のた
めに日本語指導があ るのであ り, 日本語指導
は生活支援そのものだとも
い える。 実際,小
学習者との人間関係
おのずと限界はあ り,「素人」が
深入りするこ
とでかえって 問題をこじらせることもあ る。
結果的に,学習者にとってもよりよい 解決に
いたらないということさえ 起こりうるのであ
学生の子どもが 学校から配られたプリントを
る。 生活支援は「教室のなかにとどめる」と
"持参して,それを
いうのも, ひとつの見識と 考えることができ
教羽 として日本語学習をす
すめるようなことは ,
常的におこなわれている
どの教室においても
日
" 日本語指導のテキ
ストをもとに 授業をすすめていても ,それに
る。
生活支援を「教室のなかにとどめる」のか
教室をでてまでも 支援をしていくのかは ,
,
日
奈良県の地域国本語教室に 関する共同研究
本語教室を運営する 組織の意図
( 目的) とと
K
」「大和" 四 日本語講座」「橿原まちづくり
もに,それに 応じた体制の 整備ができるのか
センター」などと 同じく,多言語による 対応
どうかが問題なのであ ろう。
策がとられている。 「大和高田日本語講座」は
「家族的なふれあ いを大切にし ,生活相談に
ものっている」。「ネットワーク生駒」は「日
3 一 3 一 2. 生活支援の実際
生活支援は,関西国際交流団体協議会
本語が充分話せない 外国人のための 病院・市
(2000) や ナラ・ファミリー & フレンドの資
料,は
000) からみると,約半数の 日本語教室
役所・保育所などへの 付き添い」,「大牙「
l君 l@
が行っている。 どのよう取り 組んでいるかを
みると,その対応にふたつのあ
り方が見受け
られる。 ひとつは生活支援を 教室の外に広げ
るのか教室のなかにとどめるのかという
対応
」
ZGK
「田原本F&F
」は「日系ブラジル 人の子供
達 が地域や学校で 安心して生活して、 Ⅱ ナるよ
う
「継続は力であ る」を信じて 活動している」
というように 積極的に生活支援をおこなうこ
のあ り方であ り, もうひとつは 教室の外の生
とが提示されている。
活支援を誰が 担当するのかという 点,すなわ
就職の相談や 支援をおこなっている。
,それともそれ以外に専管部
「
桜ぢ トタマリーバ」は
教室外への生活支援に 取り組んで い る図体
ち 日本語・指導を
掴-里する教師やボランティア
が 引き受けるか
のなかには,窓口を 別にしたり,担当者を
署をおくのかという 対応であ る。
原則として生活支援は 教室のなかにとどめ
本語指導者と 分けているところもあ
ておこうとしているのが ,
談は日本語教室のボランティアが
うえにあ げた「日
本語相談室王手」であ る。 「こちらからは積極
的にはしないが ,乞われれば協力する」 (ク。
ローバル香芝 ) といった消極的立場もあ る。
口
」は「生活・ 税務・住宅,ビザの 相談」,
日
る。 「楢
原まちづく 0 センター」では ,「身近な生活 ;[l
ィ
実施してい
る部分が多いが ,生活支援全般は教室とは分
けて本部で対応」している。 ごみの分別の 広
報の翻訳から ,労災など弁護士に 相談するこ
明示されてはいないが ,同様の立場をとる 教
とまで対応している。 また,「奈良 N I NJ
室 もおおいものと 思われる。
A 」では「幼稚園からの 子どものお迎えや ,
結果的に教室の 外に出て行くことになるか
場所を借りての 保育,病院や防災関係の指導
もしれないが ,生活支援を教室運営の目的と
などは事務職員が 担当」している。 団体が大
して積極的に 取り組んでいこうとしているの
きくなり生活支援に 対応する組織が 整備され
ml丁役
が,「香芝日本語教室」であ る。 ここでは・
るようになると ,第2 節の国際交流と 同様に,
教室は田本語指導に 特化して,全般的な 生活
所や税務署に 付き添っていったりしている。
「生活支援が教室活動のウェイトの 7 割を占
めている」ということであ
F&F
る。 ほかに,「奈良
支援は日本語ボランティアから 切り離すこと
が 可能となる
よ
うであ る。
」は「覚国人家族の 日常生活上の 相談
や 専門情報
(医療,教育など) の提供, 子ど
もを中心とした 心のサポートなど
3
一 3 一 3.
子どもの学習支援
生活支援としてそのほかに
子どもの学習支
でいるグループ」と 自己規定し,外国人相談
援 (サポート ) が「大和郡山 ZGK
窓口を設置して 英語,スペイン語,タガログ
&F 」「樫原まちづくりセンター」であ げられ
語,中国語で対応している。
ている。 来日してまもない
「大和君
l@山 ZG
」「奈良F
子どもたちの 教育
角知行,中井英民・ 岡田鹿樹
問題については ,これらにかぎらず,多くの
名 いる ) 。 しかし外国人児童がくるというだ
教室運弾音・ 運営スタッフから 問題点の 指 flぬ
けでパニックになったり ,対応のまずさから
る きいた。 とくに母語がまだ -l-分に確立して
がじめがおこっている 学校もあ るようであ
いない子どもにとって 新しい言語の 習得はわ
・母語・ 母 文化,学力,進路などをどのように
つかしい上に ,生活言語のほかに 学習言語も
保障していくのか ,問題の深刻さを 指摘する
習得しなければならない。 その困難さは 想像
声をいくつも 耳にした。
る。
するにあ まりあ る。
「
プて千
V@ 山 ZGK 」では大和郡山市内の 中学
3 一 4,
ボランティアについて
校で ブラジル人の 生徒たちとボランティアが
地域日本語教室で 活動している 人たちは,
宿題をいっしょに 勉強するなどの 活動をして
いる。 また日曜日の 教室にも子どもたちがや
「ボランティア 日本語教師」「日本語ボラン
ティア」「日本語学習支援者」「日本語指導
ってきている。
者」など,いろんなよびかたがあ
「奈良耳 &F 」では日曜日の 午前の教室で
宿題などの学習補助や 日本語指導,「なんで
2000) 。 そのもっともおおきな
も相談」などをおこなっている。 スタッフの
自
教育能力が必要であ り,教室によっては 日本
語 教師養成講座 420 時間修了者などの 資格を
言語をもっ
ボランティアに 課しているところもあ る " た
話 では,「母語も 日本語も確立しておらず
分の意志を伝えるしっかりとした
ていない子どもには ,
まず ホッ とする場所と
る
(@m本編 :
役割は日本語
をおしえることであ る。 そのためには 日本語
しかに日本語をおしえる 能力は必要であ
友達が大切でそれを 提供するように 心がけて
研修会等をひらいてどの 教室もその向上に 努
いる。 自分の気持ちや 意思を言語化できて 相
力している。
手もわかってくれるというところから
変わって
人間が
い く。そうするとうつむいてばかり
教室を訪問してみて ,
うえのようなよびかた
では説明できない 側面があ ることに気がつい
いた子が表情が 豊かになり,顔もだんだんと
あがつてくるようになる」ということであ
しかし本章でみたように ,私たちは日本語
っ
た。 まず,「教師」「指導者」といういいかた
た。 いまでは運動部のリーダ 一になったり ,
は適切ではない。 今回は教室運営にあ たって
生徒会長になったりする 子どももでてきたと
いる責任者やスタッフからしか 話をきくこと
いうことであ
ができなかったが ,そのなかでもいろんな
る。
自
「橿原まちづくりセンタⅡでは 外国人子ど
己変容をきいた。 「変わらないといけないの
も学習支援と 題して,「宿題教室」を開いてい
は外国人じゃなくて 日本人のほうではないか
る。 ここは樫原市にロバハウスづくりの
事務
と悪 うようになった」,「知らなかった 文化や
所をもつているが ,学校がおわってから 外国
言葉を知り,視野が広がった」,「ゲヌ、 トの性
格や考え方の 違いがあ ってそれに対応してい
人の子どもたちがここにやってきて
,ボラン
ティアの教師といっしょに 宿題をしたり ,
日
本語を教えてもらったりしている。
かなければならないので
「あ
奈良県でもようやく 外国人児童を 支援する
心が広くなった」,
らためて日本語の 勉強になった」などと
いう発言があ った。 本学の広報誌
圧
天理大学
教師が配置されるなどの 対応がとられるよう
広報 "n (2001 年 3 月 22 日号) に日本語ボランテ
になってきた
ィアをしている 国際文化学部学生たちの 声が
(現在, 常勤の日本譜教師が
4
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
ロ
紹介されている。 彼女ら・彼らは「語学学習
教育者,カウンセラ
に役だつというよりも ,いままで知らなかっ
た世界を知り ,視野がひろがった」,「自分自
身近にいてほしいという 声をきいた。 また他
の日本語教室での 支援事例を知りたいという
身の勉学に意欲がでてきた」などとのべてい
声もあった。 そうした意味ではネットワーク
。 むしろこの場合には 日本語ボランティア
が 生徒になっているのであ る。 そういった 意
による組織化はここでも 求められているとい
る
@ で「ボランテイア 日本語『教 RiD」というい
る
いかたはけっして
適 ・切ではないであろう。
通訳などの専門家が
うことができる。
ボランティアと 行政との関係については 教
室運営者によって 違いがあ る。 例えば「大和
また,ボランティアの 内容はここでみてき
郡山 ZRK
」や「奈良 NINJA
」からは,
たように日本語学習の 支援だけではない。 交
行政の積極的取り 組みを要請し ,
流や支援の場としても
る。
す外国人の学習・ 生活支援について 行政の責
「ホッとできる場所の提供」という 言葉が象
任あ る対応を求める 発言が見られた。 それに
徴するように ,ふたりの人間が出会い,信頼
対して,「橿原まちづく 0 センター」は「民間
関係をむすぶ 場所でもあ る。 交流専業はいろ
がしていることを 行政がしなくてもいい。 た
だ責任をもって 継続的に安定して 実施するの
日本語教室はあ
んな形でおこなわれているし ,生活支援もお
こ
なわれている。 そうした意味で「日本語ボ
は NPO
日本で暮ら
でないと成り 立たない」という 考え
ランティア」は「国際交流ボランティア」で
力 であ った。 また,行政の 支援をまったく 求
もあ り,「覚国人支援ボランティア」でもあ る。
めない日本語教室もあ った。
叩 日本語
コ
今回のインタビュ 一で聞くことはなかった
ボランティア」といういいかた
にこではやむをえずこの
言葉をつかうが )
育では,ボランティアが 教え方に興味をもっ
もその意味では 適切ではないといえる。
日本語ボランティアの 数は,図表 3 (前掲 )
にあ るように教室によってバラツキがあ
る。
「日本語相談室王手」のようにボランティア
郡山 ZGK
たり教えることにこだわりを 持つよりも,精
一杯お互いのことを 語りあ うことによって
本語コミュニケーション
が学習者の約 4 倍いて,ローテーションをく
んでいるところもあ
が,中には,週に
1 回 2 時間程度の日本語教
る。 いっぼうで,「大和
」や「ネットワークいこま」のよ
日
能力の発達が 促され
ると考え,そのための 最低限の日本語保障に
関しては,行政がその 役割を担うべきだとす
うに,学習者の 数が急増しているところでは
る主張もあ る (西口 : 1999)0
行政サービスがすべきこととボランティア
ボランティアの 数が不足している。
だからこそ可能となる 活動を整理するととも
ボランテ
ィアは市町村の 広報や日コミで 募集している
に,行政からボランティアへの
ということであ
共同のあ り方といったことは ,地域日本語数
ったが,相互に 調整のできる
ようなネットワーク
機織ができればと 思う。
また日本語教育のみならず
交流・支援のあ
,ボランティアや
り方についての 意見交換や共
同の研修をおこなう 機会もできればよいと
われる。
支援活動にかかわっては
54
思
支援,委託,
室 の問題ほとどまらず ,仝後 議論を深めるべ
き課題であ る。
最後に本学の 果たすべき役割についても
触
れておくことにしたり。 本学の教員や 学生に
も日本語ボランティア 活動にかかわっている
,医師,弁護士,者がい ろ " しかし,国際文化学部をもち ,
留
角知行,中井英民・岡田龍樹
学生をおおくかかえる 大学にしてはまだまだ
コーディネートするような 学内体制をつくっ
少数にかぎられている。 学習者母語
ていく必要があ る。 同時にボランティア 活動
(各覚国
語) が使えるボランティア ,あるいは心の問
を積極的に評価し ,かフキュラムや課外実習
題に関われる ヵゥ ンセラ一派遣の 要望もあ る。
のなかにそれをとりいれるなど ,教学体制の
こうした需要に 応えられるように ,ボランテ
見直しも今後必要になっていくものと
ィア 人材を募集・プール
る 。
し
学覚からボラン
ティアをもとめる 声に対して適切な 人間を
思われ
奈良県の地域日本語教室に関する共同研究
4. むすび : 多様性のなかの 日本語教室
私たちはこれまで 奈良県における 地域日本
際交流・生活支援という
3
章にわけ, さらに
はそれぞれを 小項目にわけて ,資料・
や インタ
ⅠⅠ
語教室を,運営,日本語教育(学習支援 ), 国
ビュー記録を 分析しながら 記述をすすめてき
様なあ りかたを呈していることがあ きらかに
いえ
ばここでとどまるべきかもしれないが
もう
,
すこし全体を 統一的にみとおす 視座をえるた
(発見命題 ) を 章 ごとに箇
-
a.
開設契機
: ①外国人の要望や
直接にこたえる 形で市民
必要に
(組織 ) が開設
したもの,②県や 市町村の国際交流協会
もとに開設されたもの ,③国際交流にか
んする市民講座などの 修了生が開設した
Ⅰ
缶
れる。
Ⅰ
一
b. 開設目的
: ①日本語習得だけをのべ
たもの,②さらに 国際交流や国際理解に
ついてもふれたもの ,③さらに外国人の
生活支援についてふれているもの
かれる。
l 一 c.
,にわ
運営費 : ①行政補助をまったく
3
り333 貸し 3
もの,④その 他,にわかれる。①は生
支援,②と③は国際交流としてまとめら
用定流化の。関るな②
あ るいはその協力の
2
などを母体として ,
の統な
l
2
条 がきで列挙していくとつぎのようになる。
劃も
ァインディンバス
ころ ・有 ・れ ・なる・事解
これまで各章であ きらかになったおもなフ
2
めに,最後に整理をこころみることにしたい。
2
なってきた。 調査報告というスタイルで
2
た。 地域日本語教室は ,それぞれにおいて 多
,あ
い
と化
営費のかなり 割合を行政補助によって
3
るいはほとんどうけていないもの ,②運
るもの,にわかれる。
できているもの ,③公民館の教室の確保
でで
できているもの ,②公民館の教室が確保
トる
一す
ケ当
開催場所 : ①独自の開催場所を 確保
こ,つ
l - d.
角知行・中井英民,岡田瀧樹
あ る。 単純 集刮 をくみあ わせてクロス 集 司や
、ノーマン方式,ボランティア
数量化をおこなえばいろんなタイプがあ
ズにあ わせた授業内容,母語使用を
らわ
制 ,多様なニー
一部みと
れてくるのと 同様に, これらの結果をくみあ
めた教授法をとるものであ
わせれば同本語教室の 諸タイプがあ らわれて
には混在的な 形態もあ ってはっきりとわけら
くる可能性があ る。
れないが,一応区分し ,専門的学習 ( ニ 指導)
重視 v s. 個別的学習 (= 共有 ) 重視という
いろんなくみるわせがあ るが, ここでは日
本語教室の基本理念にかんする
重要なふ たっ
る。 両者のあ いだ
ひとつの軸を 設定することにする。 専門的学
の柱として,学習理俳と 人間関係理俳をとり
習は,教師一生徒という 関係において 行われ
あ げることにする。 前者は日本語学習の
る 「指導」行為に近いといえる。 -- 方 ,個別
方・法
をどのように 方向づけているのかということ
的学習はともに 学ぶという水平的関係を 理想
であ り,後者は学習者と 学習支援者のスタン
として学習者と 学習支援者との 間で行われる
スのとりかたをどう 設定しているのかという
ものであ る。 適切な用語がないが ,最近一部
ことであ る。 これらをくみるわせれば ,
でつかわれるようになった「共有」という
語で要約することにする。
日本
語教室のもっとも 基本的な理念がうかびあ が
2 番目に,学習支援者と 学習者との関係に
るものとおもわれる。
まず, 2 一 a,
2
一
用
b,
2 - c,
いずれも日本語教育にたいする
2
ついては, l 一 a,
一 e は
姿勢をあ らわ
l
- b,
3
- c
がこれを
のべている。 それぞれの分類はかさなってい
る所もあ るし ことなっている 所もある。 分
している。 2 章でのべられていたように , こ
れらはほぼかさなっており ,共通の方向性を
析の不十分さ ,あるいは時間のながれのなか
での変化があ るのであ ろう。 ともかく一方の
極には,学習者の生活支援を理俳としてかか
もっているものとしてひとくくりにできるで
あ ろう。 2 章ではこうした 日本語教育の 姿勢
のちがいは「専門的学習」と「個別的学習」
げ,いろんな形でそれをおこなっている 教室
と分類されていた。 前者はクラス 別 授業, 専
があ る。他方の極には ,生活支援には一線を
任 講師 制 ,系統的・固定的授業内容,直接法
ひいたり,あるいは開設契機ともかかわって
国際交流や国際理解をょり 重視している 教室
的な教授法をとるものであ る。 後者は,マン
図表 4
地域日本語教室の 諸タイプ
専門的学習 ピ指潮
指導・支援型
指導・交流型
国際交流 (耳 交流)
Ⅱ
重視
Ⅲ
共有・交流型
重視
生活支援 (= 支援)
I
W
重視
共育 ・支援型
個人的学習 ( 二夫育) 重視
奈良県の地域日本語教室に 関する共同研究
があ る。 支援の場合には 個人のかかえる 問題
まさに「言葉」をふくめてメンバ 一の面倒を
にまでたちのらざるをえなかわけで
みる家族
,交流と
はちがったあ たらしい人間関係がう み だされ
る。 実際には教室で 個々に学習者の 日常的相
(ファミリ一 ) を想起することがで
きる。
この 4 つのタイプは 私たちが実際にいくつ
談にのることもあ るので,はっきり 区別する
かの日本語教室を 訪問してみて ,
ことは困難であ るが,ここでは ,国際交流 ( 二
のなかに形成されていった 分類とほぼ
交流 ) 重視 v s.
る。 ただし,これらは 4
生活支援
( ご 支援 ) 重視と
しだいに頭
- 致す
つの理想型 (idea
Ⅰ
types) であ って,実際にこのような 典型的な
いうもうひとつの 軸を設定することにする。
このふたつの 軸をくみあ わせると図表 4 を
日本語教室があ るわけではない。 あ くまでも
つくることができる。 第 1 象限は専門的学習
これは教室運営の 基本的な「理俳」であ
と生活支援を 重視する教室で ,指導,支援型
現実はもっと
となづけることにずる。 日本語教育がかなり
語教室はそれぞれのタイプをさまざまな
専門的におこなわれると 同時に,生活支援の
で分有しているといえるであ ろう。 どの教室
場合
ための事業がいろいろとなされている。
複雑であ
がどこのタイプに
って,
る。 実際には,各日本
ぞ くするのかといった
によると生活支援は 専間 化 ,刑部門化してぃ
ゲームはつつしまなければならない。
るかもしれない。 ここをイメージすれば ,中
この図式をあ えて提示するのは ,
割合
分類
ひとっに
国帰国者や留学生のためのサポートセンター
は多様な日本語教室の 現実をみとおすひとつ
をおもいうかべることができる。
専門的学習と 国際交流を重視する 教室で,指
の視座を手にいれるためであ るが, もうひと
つには日本語教育がそれ 自体として自律的に
導・交流型ということにする。
存在しているのではないことをしめしたいか
第 Ⅱ象限は,
日本語教育が
専門的におこなわれ ,国際交流の企画も活発
らであ る。 第 2 章の冒頭でものべられていた
におこなわれている 教室であ る。 国際交流に
よ うに,教室運営の 基本・理念や
様態をみない
日本語教育論は 不毛であ る。 日本語学習がど
,
関係する行事はよりおおいかもしれないが
各地に商業べ ー スでひらかれている
日本語学
のような方針のもとにおこなわれているのか
,
校とにている 部分もあ る。 第四象限は個別的
学習と国際交流を 重視する教室で ,共有 ・交
設定されているのか ,すくなくともそれらを
流型とする。 個別的に学習者のニーズや
視野にいれなければならない
能力
にお う じて日本語を 学習し,交流事業もさか
んにおこなわれる。 ボランティア
と
コーディネートだけをするという
例が第 2 章
学習者の
で紹介されていたが ,それに象徴される よ
にここは共同学習型としてイメージできるで
あ ろう。 最後に第
W
象限は個別学習と
援を重視する 教室で,共有・
う
生活支
支援型とよぶこ
とにする。 あ る日本語学校で 学習者がそこの
運営者の男性を「お 父さん」と
よ
んでいるの
をパンフレットのなかでみたことがあ
るが,
また学習者と 学習支援者の 関係がどのように
0
いろんなタイプの 日本語教室が 現に存在し
ているということは
,それぞれに 学習 者 の
ニーズがあ るということを 意味している。
の タイプがよいかといった
ど
価値評価をくだす
ことは無意味であ る。 学習者はただ 日本語の
学習をこころざす 受動的な存在としてとらえ
るべきではなく ,それぞれのニーズをもち
主義やこのみにしたがって
,
日本語教室を 選りぐ-
している主体的存在としてみるべきであ
る。
さらにいえば ,学習者には工人ひとりちがつ
角知行・中井英民・ 岡田龍樹
た日本語学習のニーズがあ
る。 そうした個別
にこたえるひとつの 道がひらかれるであ ろう。
的なニーズをあ きらかにしてこそ ,「何のた
これについては ,今後の研究を 期すことにし
めの日本語教育・ 日本語識字か」という 設問
たい。
奈良県の地域田本語教室に 関する共同研究
参考文献。 資料 (著者アルファベット @l
ぼ)
青木直子・尾崎明人・ 土岐 哲
Barton,
David
l994
2%
(編 ) 2001 f 日本語教育学を 学ぶ人のために
拍鋤
l%ro
: Aれ
は
uc
ね
on
ョ
世界思想 社
to f碗 gcofo 型 0/ Ⅳr;fte れ
Ⅱ㎎ u0ge
Black.well
Cushman,E.,
E. R., 1㏍ 01l, B. M., and
で ntgen,
CriticoZ So
rceboo
は
ん
む fer0%
: A
200l
同本語習得支援活動からみた 生活支援
U在住外国人の
り方一 福岡市地域日本語教育推進専業報告書山
2001
『覚国人労働者新時代
コ
ちくま新書
日本語教授法 (改訂新版 J 大修館書店
鎌田修・川口義一・ 鈴木 睦 (編 ) 1996 『日本語教授法ワークショップ
石田敏子
1988
ぽ
鐘ケ江 晴彦 (編 ) 2001
美曲中 (編 ) 2001
ぽ
凡人社
2000 r 日本語教室ダイレクトリーコ
ポストコロニアリズムコ 作品社
川崎市地域日本語教育推進委員会
1997 『共生のまちづくりをめざす 日本語学習のあ り方一 川
崎市地域日本語教育推進事業報告書
国際日本語普及協会
(編 ) 1997
ヨ
T外国人労働者の 人権 と地域社会一日本の 現状と市民の 意識
万善店
関西国際交流団体協議会
駒井澤
200l
Bed fc
ガ。ord
/ St. Martin,s
福岡市地域日本語教育推進委員会
井口茶
Ⅱ ed.)
1999 「日本語ボランティアのいままで」Ⅱ月刊日本吉目 11何号
月刊日本語編集部
のあ
M
Rose,
Ⅰ
ロ
997 1地域における 在日外国人の 日本語学習支援のための 調査研究
ョ
『新来・定住覚国人がわかる 事典 3 明石書店
駒井洋 (編 ) 1998 『新来,定住覚国人資料集成 上・ ロ、 1 明石書店
リサ・ ゴウ , 鄭瑛恵 1999 『私という旅一 ジェンダーとレイシズムを 越えてコ 青土社
・
森本郁代
2001
「地域日本語教育の 批判的再検討 一 ボランティアの 語りにみられるカテゴリー
化を通して」 野呂香代子・ 山下 仁 (編 ) 肝正しさ」への 問い一批判的社会言語学の 試み
三元 社
元木健・内山一雄
1989 『識字運動とは一国際識字年を 機に
武蔵 野市国際交流協会
1997
コ
コ
解放出版社
『日本語で国際交流一日本語プロバラム「武蔵
野方式」 7 年間の
歩み
コ
武蔵野市地域日本語教育推進委員会
動 としての日本語「共有」の
長澤茂次 (編 )
H武蔵 野市地域日本語教育推進事業報告書一市民活
試み山
2000 『孝文化・多民族共生のまちづくり 一広がるネットワークと 日本語学習支
援団エイデル
中井英民
2000
研究所
2001 「本学における「英語科教員養成プロバラム」の
の英語教育における
社会的動向と
S
二
A
改革に関する 一考察 一 我が国
(第ニ言語習得 ) 研究の視点」に天理大学学報コ 笛
196 戦
中島智子 (編 ) 1998 『孝文化教育一 多様性のための 教育学 明石書店
ユ
60
ナラ・ファミリー & フレンド
1999 『草の根ボランティア 大集合 ! 一合同 7肝 修交流会 (公開 )
報告吉ロ
ナラ,ファミリー & フレンド
2000 r なら日本語マップ 一 草の根ボランティアによる
日本語数
室紹介
コ
ナラ・ファミリー & フレンド
200l P革の根ボランティア 合同研修会報告書
なら・シルクロード 博記念国際交流財団
ヨ
2001 『奈良県の国際活動図体コ
J. V. 1982 m外国人とのコミュニケーションコ 岩波新竜
ネウストプニコ
1995
『新しい日本語教育のために
コ
大修館書店
日本語ボランティア 講座編集委員会 (編 ) 1996 『いま @ 日本語ボランティア 一東京』凡人社
1996 『いま @ 日本語ボランテイア 一山形 凡人社
コ
日本語教育学会
T995
日本社会教育学会
『ひろがる日本語教育ネットワークー 最新事例集
ロ
大蔵 省印刷局
(編 ) 995 f多 文化・民族共生社会と 生涯学習』東洋館出版社
Ⅰ
1999 「日本語教育と識字の接 " を 探る」『解放教育 J No.381
1998 「覚国人とともに 生きる・
ぬ域をめざして 一神奈川県川崎市多摩市民会館」 T 月刊
西口光一
西山和美
公民館J No.490
1998
『
岡田 龍樹
2000
「成人の意図的変化と 援助資源」『天理大学生涯教育研究』第
・
丹羽雅雄
知 ってますか ?
外国人労働者とその 家族の人権
一問一答 2 解放出版社
4号
岡本牧子 (編 ) 2000 T ボランティアで 日本語を教える 一基礎知識‥情報から 教え方までコア
ル
ク
岡崎 曄
・岡崎敏雄 2001 『日本語教育における 学習の分析
ら見た日本語教育 凡人社
と
デザイン一言語習得過程の 視点か
ロ
大阪市地域日本語教育推進委員会
2000
『
多 文化・多民族共生社会における
学習活動一大阪市地域日本語教育事業報告書
大田晴雄
2000
地域識字・日本語
団
rニューカマ一の 子どもと日本の 学校山国際書院
小円通・酒井恵真
事例として
(編 ) 2001 『日系ブラジル人の定住化と 地域社会一群馬県大田・ 大泉地区を
御茶 / 水書房
ロ
小沢有作 (編 ) 1991 m識字をとおして 人びとはつながる 一かながわ識字国際フォーラムの
記録Ⅰ
明石書店
関正昭
1997
「日本語教育史研究序説コスリーエーネットワーク
関 正昭・ 平 高堂也
仙台NPO
角タ ;Bィテ
田が寸
-太郎
田中翌
渡 同一郎
(編 ) 1997 D 日本語教育史
ロ
アルク
研究会 (編 ) 1999 『公務員のための NPO 読本 ぎょうせい
2002 「リテラシー研究法 としてのエスノバラフィー」 天理大学学報 団第 199 職
ロ
ァ
2000
2000
r多民族共生社会ニッポンとボランティア
活動
団
明石書店
『田本語教育のかなたに 一興領域との 対話コアルク
(編 ) 1996
『自治体政策の展開と NGO
一 講座覚国人定住問題第
4 巻
コ
明石割・茸
山形市地域日本語教育推進委員会
1998 n 日本語支援を 通した外国人にも 住みやすいまちづく
りを目指して 一山形市地域日本語教育推進事業報告書几
6
Ⅰ
山本雅代 (編 ) 2000 丁日本のバイリンガル 教育ョ明石書店
吉岡黎明
i998 「在日ブラジル人 就労者の苦難」『季刊海覚日系人山化 号
(本調査研究にあ たっては 2001年度天理大学学術研究助成を
6 けた )