上粕屋・和田内遺跡第4次調査1-6区(伊勢原市No.206)

かみかすや わだうちいせき
上粕屋・和田内遺跡第4次調査 [1-6 区 ]
伊勢原市№206
調査期間 2014 年 11 月1日~継続中
所 在 地 伊勢原市上粕屋
時 代 近世、中世、奈良・平安、古墳、
縄文
調査原因 国土交通省による厚木秦野道路建
設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査
遺跡位置 小田急小田原線伊勢原駅の北西
約3㎞の小谷戸崖裾に位置する。
主な調査成果
平成 27 年度は、調査区を大きく6分割して調査し、縄文時代から近代までの調査成果があ
りました。近世後期以降は、これまで発見された耕作地の続きが見つかりました。中世後期
~近世前期は、平成 26 年度に発見された大きな段切り状遺構の続きが発見されました。小谷
戸の入口から中程まで、崖裾を広く造成している状況が確認できました。中世前期は、小谷戸
の奥まで利用されていなかったことが確認できました。近隣の調査では、小谷戸の入口付近に
遺構・遺物が集中していますので、今後の調査が期待されます。奈良・平安時代は、掘立柱建
物や竪穴住居などが発見され、遺物の量も他の時代に比べて非常に多いといえます。近隣の調
査成果を合わせると、小谷戸の崖裾に集落が断続的に営まれていたと考えられます。古墳時代
後期も、竪穴住居が発見されています。弥生時代~古墳時代前期は、遺構・遺物の発見が非常
に少ない状況でした。縄文時代早期では、斜面に落とし穴を作り、狩猟の場として利用されて
いたようです。その後、縄文時代後期になると、敷石住居や竪穴住居が見つかっていますので、
集落として利用されるようになります。また縄文時代の包含層から旧石器時代に属すると思わ
れる石器が出土しましたが、本来の層位(ローム層)からの出土ではなかったので、斜面上か
らの流れ込みといえるでしょう。 H4 号住居完掘 (奈良 ・ 平安)
敷石住居完掘 (縄文)