プロダクトインフォメーション - ベクター・ジャパン株式会社

CANape
プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
目次
1
概要 .................................................................................................. 3
1.1
はじめに ............................................................................................ 3
1.2
特長 ................................................................................................ 3
1.3
応用分野 ............................................................................................ 3
1.4
2
3
4
5
6
7
8
詳細情報 ............................................................................................
機能 ..................................................................................................
オブジェクト検証用コンフィギュレーションの作成 ........................................................
表示と評価 ............................................................................................
センサーアルゴリズムの最適化 ..........................................................................
イメージ処理アルゴリズムの開発 ........................................................................
カメラのキャリブレーション ............................................................................
トレーニング ..........................................................................................
この資料について
CANapeのバージョン13.0以降を対象としています。
発行元: ベクター・ジャパン株式会社
www.vector-japan.co.jp
※記述されている内容は予告無く変更されることがあります。(発行日:2016 年 6 月 7 日)
©2013 Vector Japan Co., Ltd
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プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
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概要
1.1
はじめに
CANapeにはすでに、ECUパラメーター、CAN/LIN/FlexRay/Ethernet/MOSTバスメッセージ、アナログ/デジタル信号、GPS信号
とともにビデオ/オーディオ信号を時間同期的に記録し、表示する機能が用意されています。オプションドライバーアシスタ
ンスは、ドライバーアシスタンスシステム用検証ソリューションとイメージ処理アルゴリズム用テスト環境を追加すること
で、CANape測定、キャリブレーション、診断ツールを拡張します。
1.2
特長
CANapeオプションドライバーアシスタンスは、ドライバーアシスタンスシステムのセンサーで取得されたオブジェクトを、
測定に同期させて記録されたビデオイメージに表示します。ECUが計算したオブジェクトデータに基づき、幾何学記号または
ビットマップが、ビデオイメージの指定された位置にスーパーインポーズされます。認識されたオブジェクトと現実の環境
とを比較することで、ECUのオブジェクト認識アルゴリズムを速やかかつ確実に検証します。イメージ処理アルゴリズムの機
能を検証するために、CANapeのDLLによってアルゴリズムをリンクできます。オプションドライバーアシスタンスの特長とし
て、設定が容易であること、高度な柔軟性、ユーザーフレンドリーな制御があります。
図1:車内テスト中の客観的センサーデータと主観的印象の評価。俯瞰図からのオブジェクトの表示と、マルチメディアWindowのビデオイメージへのスーパーイ
ンポーズ。
GPS Windowで関連位置データを表示し、そのデータを評価に使用できます。利用できるマップ資料としては、OpenStreetMap、
昭文社スーパーマップルGなどがあります。さらに、ビデオWindowに表示されるのと同じグラフィックオブジェクトをGPS Wi
ndowに表示できます。
1.3
応用分野
オプションドライバーアシスタンスの柔軟なコンフィギュレーション機能は、ドライバーアシスタンスシステムの開発にお
ける幅広い応用分野をカバーします。
使用可能な分野:
>
オブジェクトオーバーレイ機能による、ACC (アダプティブクルーズコントロール)、「ストップ&ゴー」システム、
パーキング支援システムのオブジェクト認識アルゴリズムのチェック
>
車線維持システム、カーブ用AFSの開発、カーブでの走行車線表示
>
ビットマップをリンクさせることによる、交通標識認識システムの有効なテストサポート
>
イメージ処理アルゴリズムの開発と最適化
>
Car2x機能をサポート(GPS Windowでの表示およびオーバレイ)
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プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
図2:パーキング支援機能の表示とチェック
1.4
詳細情報
CANapeに関する資料は、ベクターのWebサイトに掲載しています。デモバージョンでは、各種応用分野のサンプルコンフィ
ギュレーションおよび CANape のすべての機能についてのオンラインヘルプをご利用いただけます。
ベクター ダウンロードセンター
2
https://www.vector.com/vj_downloadcenter_jp.html
機能
GFX Editorには、検出されたセンサーデータ (車両、ロードマーキング、交通標識など) をグラフィックエレメント (走行
車線検出のためのポリゴン、車両特定のための矩形など) と関連付けて、ビデオWindowおよびGPS Windowでオーバーレイと
して表示する便利な機能があります。また、マルチメディア Windowでは、ユーザースケーラブルなビューを使用できます。
“ビュー” Windowとして知られるこのWindowには、ユーザー設定可能な鳥瞰透視投影からのオブジェクトが表示されます。
さらに、イメージ処理アルゴリズムをCANapeのDLLとしてリンクすることができます。ビデオ入出力はCANape経由でゲートさ
れます。アルゴリズムの結果は、CANapeで可視化されます。これを利用して、オンラインオペレーションでのECUのように、
アルゴリズムパラメーターを最適化できます。
オプションGPS内蔵: オプションドライバーアシスタンスでは、同じ価格で車両位置を可視化するオプションGPSも
提供されるようになりました。詳細については、ベクターまでお問い合わせください。
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プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
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オブジェクト検証用コンフィギュレーションの作成
現実のオブジェクトとスクリーン上の表示との関係である、表示オブジェクトのプロパティーは、オブジェクト信号マッピ
ングファイルに保存されます。
このファイルには、測定変数、プリセット定数変数など、オブジェクト (X、Y、Z座標、サイズ、色、テキスト、数値欄な
ど) を表示するための、あらゆるパラメーターの柔軟なマッピングが含まれています。十字形、四角形、三角形、線などの
標準化され事前定義された多数のシンボルをオブジェクト表現に使用することが可能です。また、保存されているビット
マップもオブジェクトの表現に使用することができます。さらに直観的に表示を評価するため、個々のオブジェクトをグ
ループにまとめることができます。GFX Editorは、オブジェクト信号マッピングファイルの作成および管理でユーザーをサ
ポートします。
図3:GFX Editorを使った、オブジェクト表示のためのオブジェクト信号マッピングおよびグループ化の効果的実行
4
表示と評価
ビデオイメージの座標系はCANapeが取得するオブジェクトデータをリアルタイムで表し、また測定信号として保存します。
>
ビデオイメージでの評価済みオブジェクト情報の遠近図および時間同期表示
>
可変グリッドサイズ (X、Y、Z軸延長) による (側面図から俯瞰図へ) 連続調整可能オブジェクト表示
>
オンラインやオフラインの評価プロセスで最適な表示を実現するため、オブジェクトは (オブジェクト番号の1-5、
6、8-10など) 数字入力か、事前設定したグループによって簡単に選択することが可能
>
オブジェクト、テキスト、パラメーター値は補足情報として、固定または可変のピクセル位置に表示することが可
能
>
相対速度および側方偏差は水平および垂直の偏位線として表示することが可能
>
オブジェクトに関するテキストおよび数値情報は画面に表示可能
>
ビューWindowの任意のズームレベルで、ユーザーの用途に必要な部分を正確に表示可能
>
間隔と角度を簡単に確認するために、測定中に連続的に計算して、ビューWindowに表示可能
>
オフライン評価のための全オブジェクトパラメーターの測定後調整 (サイズ、色、テキストフィールド、数値
フィールドなど)
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プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
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センサーアルゴリズムの最適化
CANapeは、ドライバーアシスタンスシステムのビデオセンサーへ入力ができます。これには測定を同期的に実行しながら、
事前記録されたビデオイメージをVGAポート経由で再生することが含まれます。これにより、アルゴリズムの最適化プロセス
で、再現が難しい運転状況を繰り返すことができます。アルゴリズムのパラメーター化を、XCP経由でECUで最適化すること
ができます。
例:コーナリングライトのパラメーター化
ECUで測定されたデータは、ライトパターンとして線の形でビデオイメージに
描画されます。これにより、パラメーターキャリブレーションの効果をワーク
ステーションですぐに可視化することができ、検証のために時間のかかる夜間
テスト走行を実施する必要はなくなります。
図4:机上でアルゴリズムを効果的に最適化するために、事前記録されたビデオデータをECUにシミュレーション入力することができます
6
イメージ処理アルゴリズムの開発
CANapeは、イメージ処理アルゴリズムの開発用プラットフォームです。アルゴリズムは、ECUですぐに実行されるのではなく、
まずはPCプラットフォーム用に生成されます。アルゴリズムは、DLLとしてCANapeに統合し、ビデオソースにリンクすること
ができます。アルゴリズムコードは、製品付属のCプロジェクトに簡単に統合できます。このプロジェクトは、DLLとCANape
およびXCPドライバー間の入出力ポートを提供します。
アルゴリズムの開発にモデルベースのアプローチをとっている場合、MATLAB/SimulinkとSimulink Coderを使用して、入出力
ポートとXCPドライバーの両方を含む「CANapeターゲット」経由でコードを生成できます。コンパイルとリンクが完了してか
ら、DLLの入出力ポートをCANapeのオブジェクトに割り当てることができます。DLLへの入力としては、カメラまたは既存の
ビデオファイルのビデオ信号を使用可能です。アルゴリズムの結果は、CANapeのビデオWindowで直接見るなど、さまざまな
方法で表示できます。アルゴリズムは、DLLのXCPドライバー経由で最適化できます。測定およびキャリブレーションプロセ
スは、ECUと同様にこのアクセスパスウェイを介して実行されます。
図5:モデルベースの開発は、Simulinkのビデオ入出力ブロックとCANapeでのモデルの可視化でサポートされています
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6
プロダクトインフォメーション:CANapeオプションドライバーアシスタンス
アルゴリズムはDLLでXCPドライバー経由にて最適化されます。測定とキャリブレーションプロセスは、つまりECUにおいて見
られるように、このアクセス経路を介して行われます
図6:カメラからのライブイメージと記録されたビデオデータの両方をDLL入力に接続することができます。アルゴリズムにより、ビデオデータの分析と操作が
行われます。
7
カメラのキャリブレーション
ECUからのオブジェクトデータをビデオWindowに幾何学オブジェクトとして表示するには座標変換が必要です。キャリブレー
ションモードでは、ビデオカメラは座標が分かっている多数の基準点に向けられています。それらの基準点をクリックする
と、CANapeが自動的に座標変換係数を設定します。基準点の座標はキャリブレーションファイルに保存されます。そのため、
他のコンピューターへの転送が簡単になり、また将来の再キャリブレーションに使用することもできます。システムコン
フィギュレーション (カメラのタイプおよび位置) が変更されない限り、キャリブレーションプロセスは1回実行するだけで
す。
8
トレーニング
トレーニングプログラムの一環として、ベクターでは、ベクターやお客様の施設において、CANapeおよびXCPを対象とした、
さまざまなトレーニングクラスおよびワークショップを実施しております。
個々のトレーニングイベントやスケジュールの詳細については、下記のインターネットサイトをご覧ください。
www.vector-japan.co.jp/training
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