記 者 発 表 資 料 平成28年6月7日 (担当)健康福祉局障害企画課 (内線)700-3120 (直通)214-8162 (担当)子供未来局子育て支援課 (内線)720-3270 (直通)214-8504 仙台市医療費助成制度における支給誤りについて 仙台市の心身障害者医療費助成制度および母子・父子家庭医療費助成制度による助成金支給に おいて、医療費助成システムに係る2種類の支給ミスが判明しました。 助成申請書の重複提出による過払いと、高額療養費の4回以上適用者において、自己負担限度 額の計算誤りによる助成金の過払いが生じており、いずれも、対象者にご説明の上、返還請求を 行います。 市では医療費助成制度において支給ミスが多数発生し、受給者の方に重ねてご迷惑をおかけし ていることを深くおわび申し上げます。 今回の不具合については、システムおよび事務処理の改善について速やかに対応しているとこ ろでありますが、今後、システム更新の機会等をとらえて、より精度の高い事務処理を目指し、 改善を行ってまいります。 1 助成申請書の重複提出に係る過払い (1)概要 医療費助成受給者は毎月、診察を受けた医療機関ごとに助成申請書1枚を提出し、医療 機関が診療の内容を申請書に記載の上、市に提出している。市では申請書の内容を医療費 助成システムに入力し、支給処理を行っている。 同一人から申請書が複数枚提出された場合は、システムに重複支給を防ぐためのエラー チェックの仕組みがあるが、プログラムの不良により一部の助成データについて、エラー リストに反映されず、重複支給が発生した。 (2)対象者・金額(平成19年2月~平成28年5月分) 対象人数 障害者 母子・父子 助成明細件数 過払い合計額 最大額(1 人あたり) 110 名 128 件 1,201,318 円 (47 名) (54 件) 5名 5件 10,700 円 3,000 円 (5 名) (5 件) (10,700 円) (3,000 円) (500,283 円) 42,930 円 (42,930 円) *()内の数字は時効未到来(返還請求予定)分 (3)判明した経緯 平成28年5月、受給者から太白区に「医療機関窓口で二重申請をしてしまった」との 申し出があり調査したところ、エラーリストに出力されず、二重支給の処理がされていた。 その後、同様のケースがないかチェックしたところ、過払いが判明した。 (4)今後の対応 プログラムの不良については修正済み。過払い金額を精査し確定後、時効(助成金支払 から5年)にかからないものについては、対象者に説明の上、返還請求を行う。 裏面につづく 1 2 高額療養費4回以上適用者への医療費助成過払い (1)概要 医療保険制度において高額療養費 ※1の支給回数が過去1年以内に3回ある場合、4回目 以降の自己負担額が軽減される場合がある。このうち、70歳以上75歳未満の課税所得 145万円以上の世帯では、3回目までの自己負担限度額が80,100円 ※2、4回目以 降が44,400円となる(高額療養費の多数回該当 ※3)。 医療費助成制度では、本人の自己負担額を助成金として支給するが、4回目以降に該当 し自己負担額が引き下げられていたにも関わらず、限度額を3回目までと同様に80,1 00円として助成していたため、引き下げ後との差額(44,400円を超える額)が過 払いとなった。 (2)対象者・金額(対象者は心身障害者医療費助成受給者のみ) 国民健康保険 対象者人数 助成明細件数 過払い合計額 最大額(1 人あたり) 15 名 112 件 2,918,143 円 1,498,534 円 (11 名) (108 件) (2,761,023 円) (1,498,534 円) *()内の数字は時効未到来(返還請求予定)分 *社会保険分については調査中 (3)判明した経緯 平成28年2月、青葉区において助成申請書をチェックする中で2事例を発見した。そ の後、全市分の国民健康保険に係る助成について調査したところ、同様の過払いが発生し ていたことが判明した。 (4)原因 70歳以上75歳未満の一定以上所得者がいる世帯の高額療養費多数回該当の計算に は自己負担額の引き下げを反映することが必要だが、システム上対応していないため、世 帯の状況を確認する作業が必要だったが、事務処理手順に入っていなかった。 (5)今後の対応 ①平成28年3月の支給処理からは、当該年齢の受給者リストを作成し確認を行っている。 ②過払い金額を精査し確定後、時効(助成金支払から5年)にかからないものについては、 対象者に説明の上、返還請求を行う。 ③当初判明した2名については、既に対象者へ連絡し、返還の了解を得ている。 ④社会保険分についても対象者がいた場合は、国民健康保険分と同様に説明の上、返還請 求を行う。 2 ※1 ※2 高額療養費 被保険者が 1 カ月間に同じ病院で支払った一部負担金の額が、自己負担限度額を超えたとき、その 超えた額を高額療養費として後日支給する制度。 70~75歳未満の自己負担限度額(月あたり) 適用 区分 外来(個人ごと) 区分 一定以上所得者(課税所得が 145 万以上の方のいる世帯の方) 一般 市町村民税非課税世帯 市町村民税非課税世帯 (所得が一定以下) 外来+入院(医療保険の世帯単位) 80,100 円(医療費が 267,000 円を超えた場合 は超えた分の 1%を加算) (当月を含む過去 12 カ月以内に高額療養費 が支給された回数が 4 回目以降の場合には 44,400 円) 44,400 円 12,000 円 44,400 円 24,600 円 Ⅱ 8,000 円 Ⅰ 15,000 円 【高額療養費の支給例】*70~75 歳未満・一定所得者の場合 総医療費:300,000 円 自己負担額(3 割負担)90,000 円 保険給付:210,000 円 自己負担限度額を超えるた め、後日、高額療養費支給 ★ 保険給付:210,000 円 自己負担(限度額): 80,100+330(267,000 円を超えた分 1%加 高額療養費:90,000-80,430=9,570 円 算)=80,430 円 ※3 高額療養費の多数回該当 高額療養費の支給が過去1年以内に3回以上あった場合の4回目以降について、自己負担限度額が 引き下げられる制度。70 歳以上 75 歳未満の場合、 「一定以上所得者」の区分のみ多数回該当が適用さ れる。 (上記支給例の場合) <1~3 回目> ★① :自己負担額 80,430 円 <4 回目以降> 多数回該当適用=自己 負担限度額が下がる :高額療養費 ★② 44,400 円 として支給 過払い分:80,430 円-44,400 円=36,030 円 医療費助成は、上記図の★の額を助成する。今回の過払いは、多数回該当の適用により①⇒②に 自己負担限度額が引き下げられていたにもかかわらず、①の額のまま助成したため、①と②の差 額 36,030 円が過払いとなったもの。 3
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